はじめに
「ほんとにあった!呪いのビデオ72」のレビューです。夏の三部作「おくりもの編」が始まります。
ベランダ(怖くない)
概要
小学生の弟が自宅ベランダに巣を作り、野鳥が卵を産んで雛が巣立ちをするまでを観察するために記録した映像。その映像にベランダの外からからこちらを見つめる男の姿が写り込んでしまった。弟はこの映像が撮れてしまった日を境に観察をやめてしまった。なぜなら、この部屋は3階でベランダの外に人が立つことは不可能だからである。
今も弟はこの男の姿を夢に見るという。
感想
確かに周りの家の屋根から、3階以上の高さですね。ただ非常に地味です。
それにしてもこの卷はリプレイ時の効果音がやたら大きくてうざいです。
伝説の自主映画(怖くない)
概要
投稿者が学生時代に関わった自主映画の話。投稿者の西尾さんはこの映画で効果音をつける作業をしていた。出来上がったフィルムを投影したスクリーンをビデオ撮影し、そのビデオ映像を見ながら音をつけていく。そして西尾さんは、あるシーンで人の顔のようなものが写りこんでいるのを発見する。監督に話すと、葉の影が重なって偶然人の顔にように見えたのだろうと取り合わない。だが仲間に見せたところ、やはり人の顔ではないかとサークル内で話題になってしまった。部長は「宣伝になる」と喜んでいたが、実際に上映するには問題がある、と結局監督はこのシーンを別テイクのものに差し替えてしまう。だが、噂はかなり広がってしまい、伝説として語り継がれてしまったという。問題のフィルムはなぜか早々に処分されてしまったそうだ。最近になって消去してしまったと思われていた、西尾さんの効果音作業用のビデオテープが見つかったので、投稿したという。
ここで問題の映像が紹介される。木にしがみつく女性の背後に、顔のようなものが見える。4カット目にそれは消えてしまう。
西尾さんは当時の監督に製作委員会への投稿の可否を訪ねてみた。その際に監督に衝撃の告白をされてしまう。実は当時早めにロケ地に到着した監督は、この撮影地に首吊り遺体を発見してしまっていたというではないか。彼は撮影ができなくなることを恐れ、遺体を撮影に支障のない場所に移動してしまったそうである。撮影後、警察に届けるつもりであったが、遺体を勝手に移動した行為を咎められることを気にして、そのままにしてしまったのである。
感想
よくわかんないっす。「木の枝と思っていたものがロープに見えないだろうか」とナレーションで言われても木の枝にしか見えない。「それが首に巻かれているように…」、いや見えない、見えない(笑)。
それにしても遺体をそのままにしちゃって、その後その遺体は発見されたんですかね。気になります。
曲がり角(怖い)
概要
2000年代に入って普及し始めたウェアラブルカメラ。投稿者はネットオークションでこれを格安で手に入れた。カメラの動作確認を兼ね、近所を自転車で疾走する投稿者。だがとある曲がり角で後ろを向いた女性と危うく衝突しそうになる。投稿者は慌てて自転車を止め、女性がいたであろう方向に振り向くが誰もおらず、居合わせた別の自転車の主婦も、何事もなかったように側を通り過ぎる。狐につままれたように絶句する投稿者だが、気を取り直して帰宅する。取り外したカメラが投稿者に向いた時、先ほどの女性と思われる姿が彼のすぐ後ろに立ちすくんでいる。
この交差点では過去にひき逃げ事件があり、被害者の身元も犯人も判明していない。この被害者の女性は今も(2017年当時)警察の身元不明人Webページに記載されており、その当時の服装も、映像に写り込んだ女性のものと酷似していた。
感想
まず角で遭遇する女性は後ろ姿ということもあり、全く怖くはないです。ただ、カーブミラーの支柱から突然現れるのにはちょっとギョッとしますけれども。怖いのは投稿者が帰宅した時に背後に現れる姿で、こちらは異形の者という感じでなかなか怖いです。普通の女性が立っていると言う感じがせず、なんか顔が微妙に崩れていると言うか、ちょっとだけ歪んでいると言うか、なんとも言えない気持ち悪さがあります。投稿者に付いてきちゃったんでしょうね。
この場所は映像に近所の獣医科の看板が写っているので、容易に場所が特定できました。自動販売機があった駐車場は今は保育園になっていますね。警察庁の身元不明人Webページをみてみましたが、この場所に該当する案件は見つかりませんでした。それより、いまだ身元のわからない方が沢山いることに、なんとも言えない気持ちになります。少しでも早く身元が判明することと、ご冥福をお祈りします。
おくりもの 前編(少し怖い)
概要
投稿者は久光香澄さん。夫の正伸さんと磯崎茂さんは会社の同僚で友人同士であり、茂さんの友人家族も含め、お互いに家族ぐるみの付き合いであった。2016年12月、磯崎さん宅で、家族同士のちょっとしたパーティーを開いていたが、突然茂さんの態度が豹変してしまう。普段は温厚な茂さんがなぜこのような行為に及んだのか、そして記録された映像の不可解な現象から、香澄さんは製作委員会に投稿したのであった。
ここで映像が紹介される。
気の合う友人同士の家族パーティー。子供達がはしゃぎまわり、当初は和やかな雰囲気であった。だが、スマホを操作する磯崎薫さんに、いきなり「いいかげんにしろ!」と怒鳴りつける夫の茂さん。突然の怒号に、和やかな宴は一瞬にして静まり返る。茂さんはわめき散らしながらキッチンに姿を消し、再び現れた彼の右手には包丁が握り締められていた。茂さんが薫さんに襲いかかるが、すんでのところで取り押さえられる。薫さんに襲いかかる直前、茂さんの顔が一瞬、何か別人の不気味な顔に豹変してしまう現象が、映像に捕らえられていた。
茂さんはその後、精神的に参ってしまっているようで、会社も1ヶ月以上休んで部屋に閉じこもっているそうだ。彼にインタビューするべく香澄さんを通して薫さんコンタクトするも、歯切れの悪い回答しか得られなかったので、取材班はとにかく茂さんに合うべく、磯崎さん宅を訪れる。
なんとかインタビューに応じてくれた茂さんであるが、様子が明らかにおかしく、曖昧な返事をするだけであった。だが、薫さんの携帯の着信音をきっかけに豹変し、投げつけられたグラスで、演出補・寒川が頭に怪我をし、薫さんにも殴りかかるというハプニングが発生する。
一旦磯崎家を出た取材班は、薫さんに夫の豹変について心当たりがないか詳しく聞いてみる。と言うのも、茂さんが激昂する際は薫さんが常にスマホを持っていたこと、さらに「あいつのせいだ」、「あいつがつきまとう」などど茂さんが口にしていたからだ。すると、茂さんは、部下の女性が同僚の女性にいじめを受けていることを悩んでいた、という件と、薫さんが以前のパート先の上司、近藤さんに言い寄られ、断ったものの付きまとわれていると語る。取材班はこの近藤さんを待ち伏せ、話を聞くが、そのようなことはないとしらを切られてしまう。薫さんの携帯の着信履歴には近藤さんのものと思われる番号が記録されているにも関わらずである。
取材班は、久光正伸さんの紹介で、茂さんの直属の部下、溝内さんに話を聞く。そして彼の証言から重要な人物の存在が明らかになるのだ。
感想
和やかな宴会の席でいきなりブチ切れるのでわけわからん。「いいかげんにしろ!」とか言われても「何を?」ですよね。まあ、その辺りが何か邪悪なものに取り憑かれた感がでているのですが。変化する顔は今の感覚だと、ただのゾンビにしか見えません。
寒川ちゃんは災難でしたが、このエピソードのガンマイクを準備する姿で、彼女の音響スキルを垣間見ることができ、後の卷でそれが発揮されます。でも入っちゃってるよ、マイクが画面の端に(笑)。
存在しない友達(少し怖い)
概要
友人と廃墟を探索する投稿者。投稿者、大塚裕司さんに話を聞く。この廃墟を探索している際、2人同時にカメラ回していたが、かなり広い廃墟であり、時間もないことから効率よく別々に回ろうと言うことになった。だが、この映像が撮れてからと言うもの、以前はノリノリだった友人、Aさんはすっかり怖気付いてしまい、異常というほどに心霊的な事や場所を忌諱するようになってしまったという。
当初2人は携帯電話で話しながら探索を行っていたが、そのうち大塚さんの携帯は圏外になってしまい、連絡が取れなくなってしまった。焦った大塚さんはAさんを探し回り、とある部屋で倒れているのを発見したという。
ここで問題の映像が紹介される。
探索しているAさんの携帯に、大塚さんらしき声で、「真ん中の部屋にいるので来てほしい」との連絡が入る。音声は若干途切れ途切れで、ノイズが走り、品質が悪い。Aさんがその部屋に向かうも、そこには大塚さんはいない。すると背後から「おまえだれ?」と声をかけられる。Aさんが振り向くと、そこには大塚さんではない何者かが立っている。そしてのその顔は目、鼻、口のないのっぺらぼうであった。ここで映像は突然途切れてしまう。
Aさんは大塚さんから「この部屋に来い」との連絡があったと主張するが、映像にはしっかり記録されている。だが大塚さんの携帯は圏外だった。彼はそんな発言をした記憶はないし、そもそもAさんが倒れていた部屋は、この日初めて入ったのだというのだが。
感想
のっぺらぼうといっても、強くライトが当たって露出過多ですっ飛んでいるようにしか見えませんね。ただ、検証映像のスローモーションでの、ライトが徐々当たってくる様子で、まだそんなに明るくないうちにもう目鼻がないから、すっ飛んでいるわけじゃないよ、との説明があるんですけどね。また、大塚さんの声と、謎の声の比較もあり、別人の声だ、としているのですが、ちょっと低い声だとは思いますが、そんなに変わりはないんじゃないかとも思いました。でも、現象としては怖いもので、興味深いですよね。「おまえだれ?」の声は少し怖かったです。
この大塚君ですが、後に「演出応援」とかいう、なんとも微妙な役職で、後のほん呪で活躍することになるとは、この時は思いもよりませんでした。
シリーズ・監視カメラ 野菜泥棒(少し怖い)
概要
野菜泥棒が頻発するので監視カメラをつけた。案の定泥棒が現れたが、その他にやたらと足の長い不気味な女の姿も撮影されてしまった。
感想
監視カメラだけではなく、ブザーなどの警報装置もつけないと意味がないのでは思いました。つか、まじ野菜泥棒とか重罪にすべき。
写った女の感想は「でかっ!」。なんで幽霊になると手足が伸びるのでしょう(笑)。不気味ではありますけどね。
続・おくりもの 前編(少し怖い)
概要
茂さんの部下、溝内さんに話を聞く。彼の話は2016年の秋に、同じ職場の女性が電車の事故で亡くなっていたことから始まる。亡くなったT子さんは、溝内さんの先輩にあたり、有能だが上昇志向で同僚に対するあたりが厳しい人物であった。特に女性社員に対しては厳しく、悦子さんという、溝うちさんの同期の女性には、いじめとも取られる程の態度だったようである。
そのT子さんの葬儀の日、社員で集まり、ショックだがこれを乗り越えよう、という趣旨の飲み会の席を設けることになった。その席で、悦子さんが茂さんに突然キスをしてしまう。溝内さんはいつもの2人らしからぬ行為で、とても驚いたと語る。もともと気の合う間柄であったようだが、この日以来、特に仲が良くなったように見えたそうである。彼は茂さんに冗談交じりに2人の仲を聞いて見たことがあるが、別に不倫関係にあった訳でもなさそうだった。ただ、茂さんは悦子さんに「おくりものをもらった」と意味不明なことを語っていたそうである。悦子さんは葬儀の日以来、元気を取り戻したように感じるとも語っていた。そして、彼女は12月いっぱいで会社を退職してしまったので、その後の様子はわからないとのことであった。
取材班は改めて茂さんに話を聞こうと磯崎家を訪れるが、なんと茂さんは失踪していた。そして、今度は娘の由美さんが茂さん同様に激昂するようになり、閉じこもってしまっていた。
そんな折、他の投稿映像を取材していたスタッフ、寺内康太郎より驚くべき知らせが入る。茂さんに起こった怪現象とそっくりな現象を記録した映像が、全く別の投稿者から送られてきたというのだ。その鉄道事故の映像の撮影日は2016年11月29日、それはT子さんが鉄道事故で亡くなった日である。溝内さんにその映像を見せると、ここに映る人物は悦子さんに間違い無いというではないか。悦子さんはその場にいたことになる。訳がわからないと当惑を隠せない様子の溝内さんであった。
ここで映像が紹介される。
駅の待合室でブツブツと何かを呟く不審な様子の女性。投稿者は、興味本位から撮影を開始したようだ。ブツブツ声は次第に大きくなり、女性は何か呪文のような言葉を何回か叫ぶと、憮然とした感じで待合室を立ち去る。その後すぐに警笛音が鳴り響き、電車がホームの途中で減速しているような状況に、駅員が小走りで先頭車方面に駆け寄る姿が見える。どうやら人身事故の瞬間のようであった。映像でこの女性が待合室のを立ち寄る際のシーンでは、茂さんとまったく同様に、顔が別人の不気味で、邪悪ななものに一瞬変化する。溝内さんが指摘したようにここに映るのは悦子さんその人であった。そして驚くべきことにこの人身事故はT子さんが死を迎えたあの事故なのであろう。
また、スタッフはこの映像と、茂さんの映像に、顔が変化してしまうこと他に、ある共通点を見つける。それはそれは顔が変化する直前に「もっかい なれ!」と叫んでいる点であった。この言葉は何を意味するのだろうか。
感想
場所は小田急線の複々線区間(当時)、各停のみ停車する駅、喜多見だけ待合室がホーム端っこのようなので、これを除くと、梅ヶ丘、豪徳寺、千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵、狛江、和泉多摩川のどれかですかね。沿線の方ならわかるかもしれません。
駅員が走っていくシーンが、なんかとてもリアルでしたね。まさかガチじゃ無いかと思いました。とは言っても停車寸前の電車の横を、駅員に扮装した役者が走れば、こんな映像を撮るのは不可能ではありませんけれど(難しいか)。
茂さんの変化した顔はちょっと小汚かったので、ゾンビに見えましたが、悦子さんの場合は白さが際立ったので、メデューサに魅入られて石になってしまった人みたく見えました。ギョッとしますがそんなに怖くありません。
ストーリー的にはちょっと面白くなってきました。きっとこの言葉(もっかいなれ)は悦子さんの郷里に伝わる、恨みを果たす呪いの言葉なのでしょう(笑)。そしてキスによって茂さんはその能力(?)を受け継いだ。今後の展開がそのとおりだったら、ほん呪でよくあるパターンなのですが。でも本人の精神が崩壊してしまったら元も子もないじゃん。ありがた迷惑ですよね。
それにしても製作委員会はもっと静かなお店でインタビューできないんですかね。溝内さんのインタビュー時のBGMがうるさいのなんの。本名を隠すピー音とあいまって非常に聞き苦しかった。今回特にうるさい。なんのためのガンマイクだよ寒川ちゃん。
感想まとめ
メインエピソードが思ったよりも面白そうでよかった。まだまだわかりませんが。けれども、一般投稿がちょっと失速気味でした。それでも、「曲がり角」は結構好きなエピソードです。
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