はじめに
「闇動画6」のレビューです。今回もストーリーや雰囲気が怖かったです。
死は誰も経験したことがない(怖い)
概要
フリーライターの女性が持ち込んだ映像。彼女の地元には首つり自殺が多発する1本の木があった。そしてその木には「入」と言う文字が自殺者の数だけ刻まれているという。自ら死を迎える者たちが、あの世に「入る」という意味で刻み込むのだろうか。この木は燃やされてしまい、今や存在しないという。
映像は引きこもり生活を続けていた若い男性が、首を吊った遺体を撮影するためだけに、夜な夜なその木を訪れているというもの。映像内の木には無数に「入」が刻まれており、問題の木に間違いなさそうだ。毎晩山の中にあるその木を訪れ、そのまま帰るだけの映像であるが、その行程は数カ月に及んだ。
撮影者はある夜、山から下りてくる男性に唐突に出会い驚きの声をあげる。その男性は深夜の山道にもかかわらずスーツ姿で、灯り一つ持ってはおらず、撮影者とすれ違い去っていく。息をのんだ彼ではあったが、気を取り直してあの木に到着すると、そこには枝からぶら下がった自殺者の遺体があった。まじまじとその自殺者の遺体を撮影する彼であったが、その顔は先程すれ違った男性に非常によく似ている。帰り道に再びあの男性と出会う。まるで待ち構えたように佇むこの男性は撮影者に手招きしつつ向かってくる。たじろいだ彼はその場から逃げ出してしまう。
後日再びあの木を目指す撮影者。あの木には誰もいない。何やら人の声がして振り向いた先には何もないが、再び木に視線を戻すと、そこには無数の人の顔が蠢いていた。彼の悲鳴とノイズでこの日の映像は終わる。
もう一度あの木を目指す撮影者。そして木の幹に「入」を彫り込むと首に縄をかけ、「入ります」と叫んで自らぶら下がり、絶命してしまう。その後、この男性の母と弟もこの木で自殺してしまったそうだ。この木を燃やしてしまったのは彼の父親で、精神を病んで病院のトイレで自殺、撮影者の家族は一人残らず首を吊って自殺してしまったのだ。あの木は人の命を養分としていたのであろうか。
女性ライターはこの映像の入手方法を明かさなかった。
感想
シチュエーションが良く、雰囲気が怖いエピソードでした。何かにとり憑かれたように毎晩その木を訪れる撮影者。夜の山道で謎の男性とすれ違い、同一人物と思われる遺体を見つけてしまう。まさかあの人物はこの世のものじゃなかったのか…。と思った帰り道に待ち構えたように立っている。うん。怖いですね。
残念ながら映像的な怖さがあまりありません。首つり遺体も最初の男性の場合は首にかけたものがひも状のロープではなくて毛布みたいなもの。撮影者の男性の場合は遠めに据え付けたカメラのものではっきりわからないし、なんか背中が盛り上がっていて不自然でした。首を痛めないようにハーネスか何かを仕込んでいるような感じがしてリアル感がありません。木の幹に蠢く人の顔も合成っぽかったです。
またこの顔のシーンの前にどこからともなく人の声がするのですが、何と言っているのか聞き取れないのも残念ですね。「入るのなら…ごにょごにょ」と聞こえた気がするのですが。
それでも印象深いエピソードでした。彼の父親が元凶の木を燃やしてしまったとかの後日談も物語として面白い。また、映像を持ち込んだ女性ライターがその入手方法を明かせないとか、実は彼女は彼らの身内なのでは、とか想像してしまいます。
あとサブタイトルの意味がちょっと解りませんでした。
通行者(怖くない)
概要
元結核病棟の会社保養施設で、ある家族がビリヤードをしていたら、半透明の黒い影が横切った。髪の長い女性のようである。
お父さんの服装が変。
感想
ありがちな映像ですが、女性の造形はちょっと不気味です。
それより、お父さんの珍妙な恰好が気になって仕方がありません(ピンクのシャツとハーフパンツの上下、でかでかと猫ちゃんのプリント、パンツにも裾から顔を出す猫ちゃん)。
場を乱す者(グロ注意)
概要
映像提供者はテレビ関係の映像ディレクター。彼はスピリチュアル系のヒーリングセミナーの映像を請け負い、多額の謝礼金で潜入取材を許可される。
セミナーの様子は、悩みを持つ女性参加者達を講師の女性が激しく詰問し、追い詰めてプライドを破壊してから優しくすると言う典型的なやり口だった。
とある参加者の番になると、部屋の明かりが幾度も明滅する。その際、3人の黒装束の人物が講師の周りを取り囲んでいる姿が映像に入り込む。照明が復活すると、先程の参加者の女性がいきなり講師に襲い掛かる。助手はカメラと他の参加者を避難させるが、部屋からは講師の激しい悲鳴が響き渡った。
ここで映像の続きが、以下のテロップ(改行等修正)と、カウントダウン(10秒)の後紹介される。
警告
これからご覧いただく映像は、あなたの心身に深刻な影響を与える可能性があります。
気のすすまない方は再生を止めるか、次のチャプターからご覧ください。こちらでは一切の責任を負いかねます。
よろよろと血まみれの助手が部屋から出てきて廊下にへたり込む。カメラが室内に入ると、先ほどの参加者が顔じゅう血まみれで呆けている。講師はあおむけで倒れ込んでおり、その顔は激しく損傷していた。
講師の生死やその後は一切不明。警察が捜査に入っものの、特にニュースにならないばかりか、公にすらならなかった。何らかの圧力があったようだが、いったいどのような筋の圧力なのかも、全くの不明である。
感想
女性講師の詰問や、参加者の泣きじゃくる声がかなりうるさいのでボリュームに注意です。さらに人によってはかなりのグロ、ショッキングシーンありますので苦手な方は注意です。
因みにいろいろとグロ画像を踏んでしまった経験のある私にとっては大した事はありませんでした。傷つけられて痛がったり、苦しんだりする場面はちょっと苦手なんですけどね。今回の場合、事が終わった後であり、講師の女性はピクリとも動かないんで、さほどショッキングではありません。まあ、愉快な映像でもありませんけど。
このシリーズ初の警告画面ですが、心霊的な意味ではありませんのでご安心を。
今回の場合、いつものセオリーで参加者を洗脳していたが、今回ばかりは本当に霊か何かにとり憑かれた女性を追い込んだことで、その矛先が講師に向いてしまったということなのでしょうね。ショッキングシーンの割には怖くないエピソードです。
老少女(怖くない)
概要
結婚式披露宴の様子。互いに挨拶している参列者の後ろ、部屋の隅に小柄な人影が写り込む。カメラが右にパンすると、出入り口近くに先程写り込んだ人物と同じ服装の少女が手を振っているが、目元が弛んだ老婆のような顔であった。
感想
最初は普通の女の子にしか見えなかった。親族に所縁のある若くして亡くなった少女の霊で、昔の霊なのでさすがに寄る年波には勝てなかった?と言うことなのでしょうか。邪悪な感じが無いので、怖くないです。
呪縛地帯(怖い)
概要
この映像は、投稿者のサークルに残っている曰く付きのビデオであった。持ち込んだのは既に卒業した先輩と言う話だが、その先輩は行方不明で連絡が付かない。
男女2組のカップル、計4人がスマホで調べた心霊スポットに肝試しに向かう。そこは元病院の廃墟で地下駐車場だけが取り壊されていない。その駐車場地下2階で、ある儀式を行うと幽霊に出会えるらしい。その儀式は車を停めてヘッドライトを消し、童謡「ひらいたひらいた」の歌詞1番を全員で歌い、ヘッドライトを8回点滅させ、歌詞2番を歌うというもの。尚、点滅を5回まで行ったらもう中止はできない。中止してしまったら最悪な事が起こるらしい。
彼らは儀式を執り行うが、点滅4回目あたりで女性の一人が俯いて顔を上げなくなってしまい、車に何か当たる音がしたかと思うと奥で蝙蝠が数匹死んでいたりする。5回目でこちらを照らす明かりが現れて、「こんな時間に何やってんだ危ないぞ!」と声がする。男性2人が様子を見行くが懐中電灯が落ちているだけで誰もいない。6回目で歩いて去っていく女性の後ろ姿が見えた。そう言えば先程俯いていた女性がいつの間にか姿を消している。彼氏の男性が車から出て後を追うが、2人とも帰ってこない。残った2人が様子を見に行くが、彼らが消えた先は行き止まりだった。仕方なく車に戻るが残った女性はしきりに帰ろうと訴える。だが5回以上点滅させてしまったので、ここで止めるわけにはいかない。7回目の点滅の後、すりすりと何かの音がする。8回目のライト点灯で無数の半透明の人影がわらわらと現れこちらに近づいてくる。彼らが車から逃げ出す音で映像は終わる。
この4人は今も行方不明。放置された車を不審に思った近所の人が通報したらしい。サークルの先輩がこの映像をどうやって入手したのか不明である。スタッフは映像に写る道路の案内標識やネットの噂などから場所を特定して訪れてみるが、映像とは別の場所だった。彼らは全く別の、ほんとにやばい廃墟に足を踏み入れてしまったのだろうか。
感想
これエピソードの映像だけだと7回の点滅しか確認できません。1回目の点滅と、次の点滅の間にテロップが入るので、この映像では2回目をカットしたのだろうか?…と思ってしまい、混乱しました。
映像を見ているだけでは、2回目の点滅と思しきところで男性の「3回目でしょ」と言う声が入るのです。これが「今3回目が終わった」なのか「次が3回目」なのかよくわかりません。これが男性のミスリードだとすると、8回目の点滅をやっていないから、とんでもないことが起こったとも解釈できます。そこを曖昧にするために、わざと2回目を省略したかのような演出なのかと深読みをしてしまいました。
さらに2回目を省略したとしてもまだ4回目なのに、「最後まで続けなきゃヤバイ」をカメラの男性が発言しているのも気になりました。因みにこの男性、5回目でも改めて「最後まで続けなきゃヤバイ発言」を行っています。わけわからん。
今気が付きましたが、8回目に明かりを消して「ひらいたひらいた」の2番を歌わず逃げ出していましたね。だから最悪なことが起こったのか。でもあの状況でヘッドライト消して「ひらいたひらいた」の2番を歌うとか、かなりの冷静さと勇気がいるわ。
廃墟の地下駐車場、しかも地下2階というロケーションは怖いですね。また、一見何でもないようなおっさんの声が怖い。彼が生きていたら発したであろう何気ない言葉なんですけどね(「こんな時間に何やってんだ危ないぞ!」)。友人が去っていた方向が行き止まりなのも怖いですよね。でも、「最後までやらなきゃ最悪なことが起こる」という縛りがあるから逃げるわけにいかない。よくできた話です。
反面、わらわら寄ってくる幽霊群はそんなに怖くありません。幽霊群を怖がっていると一番手前にめっちゃ近くの顔が横たわってくるというギミックがあるのですが、なんかスピード感にかけているので、「こんばんは」と顔を出したように見えて恐怖が半減してしまいました。ちと惜しいです。
感想まとめ
相変わらず合間の小エピソードがしょぼいので、これは何とかしてもらいたいと思いますが、今回もストーリー的な面白さがあって、飽きませんでした。ですが「XXX」とかを見てしまうと、いささか物足りなくて地味な印象も受けます。
とは言っても気になるシリーズではあるので、今後も視聴は続けたいと思います。
印象に残ったのは「死は誰も経験したことがない」と「呪縛地帯」ですね。
コメント
「場を乱すもの」のスピリチュアルで思い出したことがあるのですが、スピリチュアルといえば芸能界にも浸透しておりxjapanのtoshiや海老蔵、そして小林姉妹もハマっていたと聞きました。ただ、toshiは脱却したから良かったものの、海老蔵は子供たちに断食を強制させたり、小林さんの姉の方はブログにて誹謗中傷や挑発、さらには口撃まで繰り広げて、しまいには亡くなられた妹や著名人の降霊術までブログに書いてやばい状況まできているらしいですね。
海老蔵氏の噂はよく聞きますね。
小林麻央さんの場合は発見自体が遅れたというのもあるらしいですけど…