ほんとにあった! 呪いのビデオ 109(ネタバレ有り)

ほん呪

はじめに

「ほんとにあった!呪いのビデオ109」が2024年11月8日に劇場公開。そして12月6日にDVDがリリースされました。前巻の「108」で一応の節目を迎えた「ほんとにあった!呪いのビデオ」ですが、ここに来ていきなり劇場公開とは意外でした。

舞台挨拶もあったし、本当は劇場に観に行きたかったのですが、体調不良や諸事情でかないませんでした。このレビューもコメントの返しも遅れてしまい、大変申し訳ありません。

先日DVDがリリースされたので、ようやく視聴が叶いましたので、レビューしたいと思います。

このレビューはネタバレ含みますので、本タイトル未見の方はご注意のほどよろしくお願いいたします。

概要

幸せそうな家族が夜のドライブ。どうやら温泉宿をを目指しているらしいが、センターラインを越えてきた対向車と正面衝突してしまうという、ショッキングな映像が冒頭で流れる。

この事故で最愛の娘を失った永戸さん一家の夫、永戸佳史さんは、一人娘のナナさんに再び会いたい一心で、怪しげなセラピストにはまってしまった。彼は妻が意識を取り戻す前に勝手に離婚、失踪後入水自殺してしまったそうである。彼が持っていたといういくつかの映像を携えて、フリーの映像ディレクターの女性「一ノ瀬マキ」が、旧知の菊池を介して心霊ドキュメンタリーの企画を「ほんとにあった!呪いのビデオ」に持ち込むところからタイトルは始まる。

佳史さんがハマったのは、スピリチュアルセラピストを自称する蓮江蝶子という人物が主宰する一種の降霊術セミナー。これは東北地方に存在するイタコ口寄せのようなもので、亡くなった家族などに会えるという触れ込みであった。亡くなった方の写真を拡大してお面を作り、そのお面を被ってその人になりきり、予め提供されたホームビデオなどからその場面を再現する茶番劇を演じる点が、通常の口寄せと一線を画する点である。

疑似家族とも噂される一家は、この儀式と称する茶番劇を演じているのだが、その際の映像には様々な心霊現象も写り込んでいたりする。このセラピーはそこそこ評判があるが、「不幸商法」と言っても過言無い程の高額な報酬を要求してくる胡散臭いものであった。

イタコの家系である蓮江家の過去を探る菊池班、蓮江蝶子の幼い娘、環奈に接触し、蓮江一家に何が起こっているかを探る一ノ瀬班に分かれ、「現代のイタコ」蓮江蝶子の暗躍を詳らかにする過程で、衝撃の事実が判明してゆく…。

感想(ネタバレあり)

心霊ドキュメンタリーとしては1時間40分の長丁場でちょっと疲れました。詳細なストーリーの流れを紹介すると、とんでもなく長くなってしまうので、ぜひ本編をご覧ください。

以下既に視聴しているという前提ですので、よろしくお願いいたします。

このエピソードは端的に言うと、口寄せによって別人格に入れ替えることができるって感じですかね。おそらくは蓮江環奈のお母さん、石上美和子は蓮江蝶子の人格を移されたもの。いやひょっとしたら大元は蓮江蝶子の母、蓮江日美代かもしれません。ラバーマスクの男性は一ノ瀬さんの夫、永戸佳史さんの人格を降ろしたものだと思われます。ただ、一ノ瀬さん(実はあの事故の当事者である妻)との邂逅のシーンでのこの男の態度から、人格が完全に上書きされて入れ替わるわけではなさそうです。元の人格も少し残ってごっちゃになるのかもしれませんね。

全体的に不気味な雰囲気と謎解き要素があって面白かったです。ただ、怖さに関しては思わずビックリするようなものはなく、かなり控えめです。故人のお面被った口寄せ儀式は不気味でしたけど。その他にはサスペンス的ハラハラ感があり、蓮見蝶子と一ノ瀬さんが対峙するまでがこのタイトルの盛り上がりのピークでした。

残念ながら、終盤にかけてはちょっとグダグダ感があり、風呂敷を畳み切れていない感があります。本エピソードのヒロイン(?)、蓮見環奈ちゃんも最初から最後までボカシがかかって顔が不明だし、固有名詞にいちいちピー音が被って、誰のことを言っているのかわかりにくい面も感じました。これは「フェイク」と謳うことができず、リアリティを重視する「ほん呪」スタイルの弊害かもしれないと感じました。

最後は結局何だったんですかね。一ノ瀬さんのGoProには子供の顔(おそらく娘のナナさん)と一ノ瀬さん本人の顔が近づいて乗り移ったように見えましたけど。一ノ瀬さんに一ノ瀬さんが…って、どゆこと?

一ノ瀬さんが妙に姉御肌で攻撃的だったことに違和感を感じていましたが、まさか誰か別の人格だったのかな?…でもそうだとしたら誰なのよ。

それとも蓮江蝶子は実はいい人で、過去を払拭できない彼女を哀れに感じ、娘の人格を降ろしてくれた?とか。なんかこの後、一ノ瀬さんすっきりとしているし。

とはいっても蓮江蝶子(石上美和子)は阿漕な商売をしているし、娘の環奈ちゃんを虐待気味にこき使ってるし、わからないですね。

やっぱり一ノ瀬さんは蓮江蝶子の新たな依り代に選ばれてしまったという解釈が妥当でしょうかね。

考察する余地が多分に残されているかもしれませんが、僕の頭ではいささか消化不良ですっきりしませんでした。

それでも先程も述べた最後の映像。一ノ瀬さんに乗り移るシーン。特に儀式に使うミイラみたいな趣味の悪い人形の顔が迫ってきて、それが一ノ瀬さんみたいな顔に変わるところとか、はちょっと怖かったかもしれません。

一ノ瀬さんの姉御っぷりに終始押され気味な藤本氏がおかしかった。尚、今回の菊池さん他スタッフはまるで空気です(笑)。

最後に

で、前巻「ほんとにあった!呪いのビデオ108」でこれで最後みたいなことを言っておきながら、「ほんとにあった!呪いのビデオ110」が来年の3月7日にリリースされるようですよ(笑)。

「ほん呪が終わるわけないじゃん」ってコメントしてくださった方がいらっしゃいましたが、全くもってその通りでした。

あのしんみり感を返せ(笑)。

でもまあ、次巻を楽しみにしております。
では。

コメント

  1. 古参の心霊ファン より:

    既にほん呪110がリリースされることが決定していますね。
    次は来年の3月みたいなので、暫く待たないといけないです。

    • じろ より:

      レビュー、ありがとうございます。話があっちこっちだったので、スッキリしました。

      >あのしんみり感を返せ(笑)
      ホントそれ!
      あぁ、ひとつの時代が終わったなぁ、と思いつつ、しれっと復活するのかな?
      と、思っていたら。
      「どもー」って感じで再開。んとにもぅ(笑)

      なんか「人間の業」みたいなのがテーマでしたが、何より怖かったのは眉毛の無いお姉さんだったという。
      とりあえず、次回作が楽しみです!

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