はじめに
「闇動画9」のレビューです。今回のグロ度は「ちょいグロ」程度が1本あるだけですね。
告白(怖い、ちょいグロ、音量注意)
概要
サークルの後輩から預かっていたテープが今回の映像である。
サークル仲間の女の子に協力してもらい、同じサークルの黒岩君に噓の告白をして、その映像をネタに後で笑いものしようという、趣味の悪い悪戯を仕掛ける若者2人組の男性。
打合せ通りに、公園に黒岩君を呼び出した女の子が嘘の告白をし、彼がドギマギする光景が展開されるが、彼女は彼を連れ立って公衆トイレに入ってしまう。そんな段取りじゃなかったはずだと戸惑う彼らだが、10数分後女の子だけが出てくる。その子を追いかけるも何も答えてくれず、どこかに行ってしまった。
仕方がないので黒岩君のいるはずのトイレに入ってみると、個室の便器の上に隠しカメラを仕掛けた紙袋、そしてなにやら頭髪の付着した、肉片みたいなものが床に転がっている。よく見ると耳のようなものまで見受けられ、まるで頭皮を無理やり剝がしたような様相であった。彼らは慌てて黒岩君を探し回るが、どこにもおらず、警察を引き連れてトイレに戻ったものの、隠しカメラの紙袋以外は何の痕跡もなくなっていた。
その隠しカメラの映像には、告白した直後にベンチに座る彼らの目の前に立つ、女性と思しき姿が写り込んでいる。しばらくするとその女性は急にカメラを覗き込み、消えてしまった。この瞬間から、女の子の様子がおかしくなる。隠しカメラに写り込んだこの女は、仕掛け人達のカメラには記録されておらず、隠しカメラにのみ写り込んでいた。トイレに入ったときの映像には争うような物音も何も記録されていなかったが、個室に入ると激しいノイズ音が記録され、駆けつけた男性2人が驚いて黒岩君を探しに行くところで終わっていた。
その後、嘘の告白に協力した女の子、悪戯を仕掛けた男性2人とも不可解な事故で他界してしまっていた。そして黒岩君はいまだに行方不明である。
感想
トイレに残された頭皮みたいなものは、気持ちは悪いですけれどもぐちゃっとしてよくわからないので、それほどのグロではありません。ご安心のほどを(人によるかも)。
それより隠しカメラの映像です。嘘の告白をした直後に女の姿が現れ、カメラの目の前に立ちすくみます。腰から下しか写っていないので「全然怖くないや」と思って油断していると、いきなりこの女性がかがんでこちらを覗き込みます。そのスピードがすんごく早いので、ビックリして思わず飛び上がってしまいました(本当に油断していました)。また、トイレのシーンのノイズ音は音量注意です。とても不快で怖さが引き立ちます。
今のところこのシリーズでは一番怖いエピソードだと思いますね。
それにしても嘘の告白をさせるとか、趣味が悪い悪戯ですよほんとに。
叫び(?)
概要
とある温泉旅館に宿泊する夫婦。客室内を撮影した映像で、備え付けの鏡に男性の顔が写り込んでいた。スタッフが精査したところ、デジカメのフラッシュで真っ白になったシーンに「かえせ」という文字も写り込んでいる。いったい何を返せと言うのだろうか。
感想
鏡に映った男の顔は雰囲気ありますが、何しろ慣れがあるので私にとってはなんてことない映像。でも文字が写り込むっていうのは珍しいかもしれません。
消失点(少し怖い)
概要
Youtubeチャンネルを運営する男性はチャンネルに寄せられた、ある特定の時間に訪れると物や人が消失してしまうという場所を検証する。最初は何も起こらなかったが、翌日友人を消失するという情報を伝えずにその場所に呼び出す。
隠れて友人の様子を撮影するが何も起こらない。携帯で呼び出すと彼は撮影者を見つけ、その方向に歩きだし、例の場所を再び通りかかると何と目の前で消えてしまった。どうやら消えてしまう方向があるらしい。
信じられない撮影者だが、実際目の前で友人が消えてしまったし、いっさい連絡も取れなくなってしまったことで、事態の深刻さに気が付く。情報をくれた人物にメールをしても返事がない。後日再びこの場所を訪れ、友人が消えた方向からペットボトルを投げ入れると見事に消えてしまった。恐れおののく撮影者の後ろに消えた筈の友人が現れ、彼を押し出してしまう。
ノイズが走り出し、撮影者の悲鳴で映像は終わる。バックには飛行機と爆発のような音が流れていた。この地域は戦時中爆撃により多数の人が亡くなっているそうだ。
感想
バラエティ番組で瞬間移動するかの如く「パッ」と消えてしまうので、全然怖くないはずなのに、演出がうまいのか、なんか雰囲気で怖くなるエピソードです。特にペットボトルが消えて撮影者が怖がっているところに、後ろから消えた友人が無表情で押してくるのがいいですね。
古戦場(少し怖い)
概要
かつて古戦場であったという場所でキャンプしていたら、テントの脇に貞子みたいな女が写り込んだ。
感想
箸休めエピソードです。
振り込め詐欺(怖い)
概要
振り込め詐欺グループに潜入するフリーライター。ある民家に集金に行ったら、家に入ったメンバーからいつまで経っても連絡がこない。アジトに戻ってみると、親分もそのメンバーに連絡が取れなくなってしまったらしく、ライターは怒られる。彼の失踪に関与しているのかと、疑われそうになったので、彼はアジトを逃げ出す。
気になったので翌日、その家を単独で訪れるが、その中では家に入ったあのメンバーの男が倒れており、既に息絶えていた。さらに家のそこかしこには、着たまま中身の人が消えて抜け殻みたいになったような衣服が点在している。それらは何だが粘着質のゲル状の液体にまみれており、まるで中身の人間が溶けて、消失してしまったようだった。先程のメンバーもドロドロの液体にまみれており、彼も次第に溶けてなくなってしまうのだろうか。
ライターが逃げようと玄関まで来ると、曇りガラス越しに人影が見える。恐怖から押入れに避難した彼だが、何分経っても何も起こらないので外に出ることに。するとガマガエルのように風貌の、異様な質感の老婆の化け物が背後に迫っていた。彼の叫び声と共に映像は終わる。
感想
振り込め詐欺グループの演技がめちゃめちゃ上手くて、本物っぽいのがいいですね。でもライターが翌日訪れる前に、詐欺グループの他のメンバーがその家に様子を見行くでしょとか、あんなしょぼい逃走で親分は体力なさそうなフリーライターを取り逃がしちゃうんだとか、いろいろ突っ込みどころはあります。
いくつもの服が抜け殻になっているのが怖いですね。僕はガマガエルみたいな化け物の風貌から、あの家は化け物の胃袋で、みんな溶けてなくなってしまっているのではと想像しました。
感想まとめ
全体的には若干パワーが落ちた気がしますが、それでも安定の面白さですね。「告白」が抜群に怖くて印象に残りました。「振り込め詐欺」もシチュエーションが怖かったです。
それでは。
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