はじめに
「Not Found ~ネットから削除された禁断動画~ 3」のレビューです。ううむ、ちょっと何と言ったらよいのか……。
ペットボトル爆弾(爆発した)
概要
若い2人の男性は、水を入れたペットボトルにドライアイスを入れて蓋を閉じる、所謂「ペットボトル爆弾」を作成。1個目はうまく爆発したが、2個目がなかなか爆発しないので、ドライアイスを足そうと手を伸ばした瞬間……。
感想
よくもまあ、あのタイミングでパンパンに膨らんだペットボトルに手を伸ばす気になりますね。案の定、手を伸ばした瞬間にペットボトルは破裂し、手が血だらけになります。血の流れ方や、痛みでうずくまる様子が少しリアルで、ひょっとしたらガチかもしれないと感じさせます。
度胸試し(落ちた)
概要
子供たちが集合住宅の外廊下で遊んでいる。どうやら最上階のようでかなりの高さ。度胸試しごっこなのか、じゃんけんで負けた男の子が柵を乗り越え危険な場所に足を踏み入れる。その瞬間……。
感想
前エピソードと異なり、ちょっとフェイク臭が漂う感じがします。落ちた本人が、何の言葉も叫び声も発しないのは十分あり得ますが、落ちた際に何の衝撃音もしないというのが、ちょっと不自然な気がします。
ただ、落ちる瞬間、友達2人が無表情でカメラを見つめる画や、女の子の悲鳴がちょっと不気味な感じを醸し出しています。フェイクっぽいけど、前エピソードよりはちょっと怖く感じました。
廃屋の怪人(少し怖い)
概要
若いカップルがドライブの途中で発見した廃屋を探検。女性は及び腰だが、男性はノリノリでどんどん奥に進んていく。するととある部屋で男性らしき人物がうつぶせで倒れているのを発見。つついても反応がなく、遺体だと判断した彼らは逃げ出してしまう。だがこのままにしておけないと、彼らは再びこの場所に戻ってくるが、遺体があったはずの場所には何もなかった。
彼らは動画サイトにこの時の映像をアップロードしたが、管理者にすぐに削除されてしまう。ある企業からの削除依頼によって削除したとのことであったが、それ以上の情報は何も出てこない。スタッフは映像内で倒れている人物の、手の甲に書かれた文字と同じ文言の製薬会社があり、その会社の研究施設が映像の廃墟の近くにあることを突き止めた。スタッフはこの施設に取材に赴くが、警備員にしつこく咎められて逃げ出す羽目になる。
実は最初の映像の中で、2回目に訪れ、遺体がないことに気が付いたシーンで、障子の影に異様に変形した顔の人物が写り込んでいたことが紹介される。この会社は人間のクローンを製造して新薬の開発をしているという噂があるそうだ。
感想
不自然に厳重な施設は、まるで「バイオハザード」に出てくる「アンブレラ社」のようですね。法的にも、倫理的にもイリーガルな実験の末、化け物を生み出してしまうという設定に、通じるものがあります。
それを裏付けるような化け物の姿ですが、コラージュが控えめで、もうちょっと派手にしても良かったのではないかと思います。まあ、クローン人間を作り出すのが目的で、化け物を作り出すつもりはなかったと、いう設定なので、あのくらいが適当なんでしょうかね。
写り方がさりげなくて、一瞬見逃す感じですが、エピソード前半ではそのことには触れず、後になって紹介する演出は良かったと思います。「あれ?今なんか写ってたよね」から「やっぱりあれがそうだったか」って感じ。後から判るとちょっと怖いです。
クレーマー男 前編(怖くない)
概要
最近杉本が悩まされていた、「Not Foundシリーズが全然怖くない」とクレームを繰り返す、非通知電話男「のりひろ」が「今回自分のネタが怖いから取り上げろ、映像を持参する」とか言ってきた。
事務所に来訪した自称「亘弘氏」は、終始ヘラヘラした態度で、なかなか本題に入らない。業を煮やした古賀に促されて、ようやく彼は映像を見せてくれる。
それは森の中で若い女性を穴に埋める様子を収めたもので、彼は人気ホステスの行方不明事件の記事も持参しており、他にも情報を持っていることを仄めかす。確かに記事に掲載された人物と映像の人物はよく似ている。
他の取材をやめて自分のネタの取材をするようにと、要求する彼ではあったが、事の真偽を含め、検討する必要ありと感じたスタッフは、この場は彼に一旦引き取ってもらうことにした。
感想
「のりひろ」の漢字名「亘弘」が今一つピンと来ないので、以降「のりひろ」で統一します。
この「のりひろ」氏、空気を読まないヘラヘラしたしゃべり方や、落ち着きのないキモイ感じが良く出ていると思いました。事務所にきて10分もとりとめのない世間話をして一向に本題に入らないのですが、「見つけたら絶対殺す」とか言っているので、いったい何の話をしているのだと注意深く耳を傾けていたら、くっそどうでもいいゴキブリの話でした(笑)。「うちは14階だから出ないんだけど」とか自慢しているのも微妙にイラっとします(笑)。
映像自体は、女の人が土を被せられているだけで、しかもボカシが入っているので怖くもなんともありません。もちろん本物っぽかったらそれなりに嫌な映像ですが、とてもそうは思えません。新聞記事の画像もなんか嘘くさいんですよね。
子犬のエサやり(ちょい視聴注意)
概要
幼稚園児くらいの男の子が母親に「子犬に餌をあげる」と残飯やお菓子を持って出かけるようになった。不穏な空気を感じた母親がカバンに隠しカメラを仕掛け、その様子の一部始終を記録した映像。ちょっとした林の中でその子が餌やりをしていたものとは……。
感想
その子が餌やりをしていたものとは……大体想像通りでした。
それにしても昨今、幼稚園児を一人で山の中でうろうろさせるというのがリアリティに欠けますね。また、疑問に思った母親が、隠しカメラを仕掛けるというのも違和感を感じます。後を付ければいいじゃんと思いました。
それでも気持ちの悪い映像であることには変わりませんので、苦手な方は注意です。
怪奇!夢を撮影する男(なにこれ)
概要
睡眠中の夢の中の映像を撮影したという動画の情報がもたらされた。そのような動画は発見できなかったが、「夢の中を撮影することができる」装置を開発した自己啓発セミナーの主催者に取材を行う。
彼が開発したという「着脱式脳波受信装置」を用い、杉本に寝てもらって実験を行うが、何も映らなかった。
感想
ヘッドギアに電線がいくつも繋がった例のあれです(笑)。杉本の夢がテレビに写らないので、「もう一回寝ろ」「ちゃんと寝れるように準備しとけよ」とかの古賀氏の無茶ぶりが笑いどころです。
この自己啓発セミナーの主催者のおじさん、前巻の心理カウンセラーの人(ボカシ入り)になんとなく似ていて、芝居がかったしゃべり方とか同じような気がするんですけど、気のせいですかね。
黙殺された証拠ビデオ(ちょっと大丈夫?)
概要
ある女性が映像を持ち込んだ。
コイン駐車場の出口付近で、彼女自身が暴漢に襲われる様子の映像であるが、襲った相手は彼氏だというではないか。彼女によれば、彼氏はこの時のことを何も覚えておらず、映像に写った何者かにとり憑かれてこのような経緯に至ったと考えているが、当局は信じてくれなかった。何とか彼氏の無実を証明したいので、このタイトルを通して公開することにしたという。
確かに映像内で彼女を襲ったその男は、崩れるように倒れ込み、その位置に別の半透明の人物が重なるように存在していたが……。
感想
彼女さんが仰向けに組み伏されると、スカートの中のパンツ丸出しで足をバタバタさせるのですけれども、次第に力なく足をだらんとさせて、動きがなくなっていく様子から、首とか絞められている感じで、「ちょっと大丈夫?」と心配になりました。よくぞご無事で(笑)。
彼氏が倒れても、幽霊が馬乗りになったままって感じですが、何故か全然怖くありません。
彼氏の無実を晴らすために、こんなあられもない姿を記録した映像を、DVDで公開するとか、麗しき愛情ですが、殺されたわけでも、強盗されたわけでもないなら、そんな重い罪にはならないんじゃないかなと思うんですけど、どうですかね。
てか、「Not Found(削除された動画)」じゃないじゃん。
封印された映画(ちょい怖)
概要
スタッフは「封印された映画」と言う、既に削除された動画に注目した。この映画に関わった人物が多数不幸になっているというと言うコメントがあり、調査の結果、この映画は「黒の森」と言うVシネマであることを突き止める。
当時の関係者に取材を行い、撮っている間から主演女優の怪我、スタッフが倒れたりとトラブル続きで、完成した素材映像に不気味な人影が写り込んだりしていた。その後監督や出演者が続々と事故や病気で亡くなってしまい、お蔵入りになってしまった。そして当時のプロデューサーを紹介してもらい、映像データーの入手に成功する。そこには男優の後ろの鏡に、女性の姿がはっきりと映し出されていた。
感想
鏡に女の姿が写り込みます。
男性が女性を、図らずも絞め殺してしまうシーンなのですが、前エピソードの彼女さんのパンツ丸出しの迫真の演技を見てしまった直後のせいか、なんとも絵空事感が大きくなってしまいます。いやこちらはドラマなので、女優さんのパンツを丸出しを披露するようなリアリティは求められていないだから、当然なのですが。
そのせいではないのでしょうけれども、幽霊の合成感が半端なく、怖くないですね。
呪われた映画と言えば、ハリウッド映画「Atuk(アトゥック)」を思い出さざるを得ません。勿論観たことはありません……と言うかこの映画完成していません。それどころかクランクインすらしていません。何故なら主演予定の俳優さんが、撮影を開始する前に、今までに5人も亡くなっているからです。因みに最初の犠牲者はあの「ブルースブラザーズ」のジョン・ベルーシ氏です。以下のサイトが詳しいです。
原作はカナダのモルデカイ・リッチラー氏の小説、「the Incomparable Atuk」で、カナダ先住民、イヌイットのおじいちゃんが大都市トロントに越してきて、どったんばったんの大騒ぎ……かどうかはわかりませんが、そんなコメディタッチの物語だそうです。「クロコダイル・ダンディ」みたいな感じなんでしょうかね(ちょっと違うかな)。原作の日本語訳が出版されていないので、私には詳しく知るすべがありません。
呪いなどではなくおそらく偶然なのでしょうが、主演予定俳優が5人も亡くなるとか、尋常ではありません。しかも原作がホラーでもなんでもなく、コメディだというのも、訳の分からない怖さがこみ上げますよね。
全然関係ない与太話でした。
クレーマー男 後編(なにこれ)
概要
あのクレーマー男、「のりひろ氏」が自宅の周りをうろついていて、出勤できないという連絡が、杉本より入る。古賀が駆け付けると案の定、彼がうろついており、見つかると逃げ出してしまう。その後連絡があり、自分のネタを取り上げてあの死体が埋まった場所に一緒に行かないと、クレーム電話やストーカー行為を止めない、と一方的に主張してきた。
しぶしぶ彼と常磐線亀有駅南口で落ち合い、車で目的地に向かう一行が、富士の樹海に到着した頃にはすっかり日が落ちていた。意気揚々とスタッフを先導する「のりひろ氏」だが、辿り着いた場所は明らかに掘り返された跡があり、掘っても掘っても当然ながら何も出てこない。バツが悪くなったのか、彼は奇声をあげながら逃げ出し、樹海の闇に消えてしまった。
終わり。
感想
亀有駅からスコップ持ってやってくる「のりひろ」に笑いました。あんなのをむき出しで電車に乗れるのでしょうか?
亀有駅はつい先週利用したのですぐに判りました。駅前(エキナカ?)の和菓子屋、「するが」のフルーツ大福がおいしいんですよ(本店は綾瀬らしい)。イチゴはもちろんのこと、メロン、キウイ、温州ミカンなんか、ミカンが丸ごと1個入ってます。季節によってはシャインマスカットなど他にいろいろあるそうです。値段もそれなりにしますけど、人気で午前中で完売になることも多いそうです。
閑話休題
談合坂SAで、あんな奴の隣とか嫌だ、と言う杉本の進言により、別のスタッフに交代させられていたのも笑いどころです。ストーカー紛いの被害に遭っているんだから、古賀氏もちょっとは気を使ってやれよ(笑)。
で、エピソードは掘ってみたけど何にもありませんでした、で終わってしまいます。何だこりゃ。
感想まとめ
気のせいでしょうか。変な人が登場し出して、なんだか「監視カメラシリーズ」みたいになってきましたね。この巻まで、震えるほどの恐怖映像はありませんでしたが、まさかこのままコメディー路線に突っ走るわけじゃないですよねぇ……。ちょっと心配になってきました。
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