はじめに
今年夏に劇場公開された「ほんとにあった!呪いのビデオ100」がついにリリースされました(2023年12月6日リリース)。夏に劇場で2回ほど見ているのですが、今回改めて視聴して新たな発見もありました。
以降多くのネタバレ含みますので、未見の方はご注意のほどよろしくお願いいたします。
概要
投稿者の大学生、鷲巣さんのiPhoneに「AirDrop」により、ある映像が送り付けられてた。思わずこの動画を受け取ってしまった彼ではあったが、その動画は不可解なものであった。
あるママさんバスケットボールの試合風景が突然真っ赤に変わってしまい、神棚のようなものや、達磨、魚の目のようなものなどが、次々に切り替わってゆく。気味の悪さを感じた鷲巣さんはすぐに見るのをやめたのだが、その直後から、彼は行く先々で人の視線を感じるようになったという。
「不可解な赤い映像を見た直後から、投稿者が感じるようになった、誰かに見られているという感覚…それはこの映像を送り付けてきた何者かの視線だとでも…」ここでナレーションは途切れる。
「これ見たことあるんだよね」
という中村義洋の発言。「ほんとにあった!呪いのビデオ」の初代監督であり、今もこのシリーズのナレーションを務める中村は、シリーズ第3巻の制作の際に投稿されてきた映像であり、これが今回の映像とほぼ同じであるというのだ。そして映像の尺は今回のものよりも長く、さらにこれほどまで赤くなかったのだという。
今回の1年余りの取材中に起こった事象から、危険な映像であるとのスタッフの判断により、ここでこの映像の静止画の断片の一部が紹介され、エピソードは始まる。
あらすじ(ネタバレ)
むろん劇場版なのでいつもの複数エピソードではなく、一つのエピソードによる一本道ですが、1時間30分越えと言う長尺の上、いろんな事情が絡むので概要を簡潔にまとめることは難しいですね。ちょっとした伏線もあるし。
と言うわけで非常にざっくりとまとめると
今回の投稿映像は中村氏時代の24年前のものと同じであるが、ちょっと短くなっており、しかも真っ赤っか。専門家に聞くと、これは疱瘡(天然痘)をつかさどる疱瘡神を退ける、疱瘡除けの意味があるだろうという事になる。この神様は赤を嫌うそうである。
投稿者の鷲巣さんだけでなく、スタッフも何者かの視線を感じるようになり、不可解な現象が多発、また藤本、男鹿、プロデューサーの岩村までもが新型コロナに感染してしまい、重症化してしまう。だが中村氏だけは何も起こらない。これは24年前のオリジナルテープを見たからではないかという事になり、前の投稿者を探ってついに元の持ち主の女性、和子さんの家を特定。だが関係者は既に亡くなり、家は空き家になっており、調査は暗礁に乗り上げる。
そんな中、紆余曲折のうえ、ついに和子さんの親族からこの家の探索の許可を得ることができた。そして探索の結果、オリジナルのVHSテープを手に入れることに成功。また、探索中の映像には不可解な映り込みが何度も確認できる。
そして調査の過程で、和子さんにストーカー行為を行っていた、ママさんバスケチームの監督である神主、重森の存在が明らかになり、このテープは疱瘡除けどころか、逆に疱瘡伸を呼び寄せる儀式であり、全てはこの重森が元凶である可能性が高くなった。因みにこの場合、逆に赤は疱瘡神を呼び寄せてしまうそうである。
スタッフはこの元のテープに疱瘡流しの儀式を執り行い、さらにお祓いをしたうえで映像を紹介する。
感想(ネタバレ注意)
ほん呪王道の展開でなかなか面白かったです。また、終始笑いを誘う展開も見られ、別の意味でも楽しませてもらいました。
一方、恐怖度はあまりなく、件の映像もそれほど怖いものでもありません。これは「ほん呪」を見続けてちょっと麻痺してしまっているせいもあります。藤本氏の背後にせまる人影や、和子さん宅で元のテープを探しているときに写り込んだ謎の人物(おそらく重森)の姿は、慣れていない方にとってはなかなか怖いのではないでしょうか。
ただ、笑いを誘う展開などが多く「怖い映像」と言うよりは、長年のほん呪視聴者に送るファンサービス、アニメやコンピュータゲームで言うところの所謂「ファンディスク」みたいな印象を受けました。事実劇場では、どっかんどっかんでしたから(笑)。中村氏に何かと対抗する藤本氏の態度や、駆け引きも面白かった(笑)。
最後にちょっと怖かったのは、投稿者である鷲巣さんの隣に越してきた、彼の先輩にあたる女子大生の存在。彼女の服装は終始真っ赤か。しかも鷲巣さんを何かと気にかけている様子。そして彼に送られた映像はAirDropによるもの。
そう言えばストーカー神主、重森には、当時まだ赤ちゃんの娘がいたって、ママさんバスケのメンバーの一人が言ってたなぁ。あの映像が撮られたのが24年前。
なるほど~。
仲睦まじい鷲巣さんと彼女を見ていた、木瀬さんの表情が曇りましたからねぇ。
尚、劇場視聴時の記事には「中村さんが赤い方の映像は見ていません」と書いてしまいましたが、これは誤りでちゃんと見ていたようですね。
それでは。
2023年12月13日追記
鷲巣さんが不在時にリモコンが移動していたとか、風呂の床が濡れていた、と話しているシーンで、カメラが風呂場からリビング内にパンするときに、電子レンジの後ろにこちらに背を向けた人が写っています。頭だけなので後頭部ですね。何を意味するのか不明ですが割とバッチリ写っています。コメント欄でママさんバスケ監督さんに教えていただきました。
2024年4月28日追記
コメント欄にてのまどさんより、他にもいろいろ写り込んでいる情報の提供がありました。
鷲巣さんが「風呂の床が濡れていた」と訴えるシーンの直前にも、同じ位置に黒い人影が確認できます。ほんの一瞬ですが、真っ黒なシルエットでこっちの方が不気味感じます。
次は木瀬さん宅で「とりあえず見て欲しいんですけど」のセリフの直後、カメラがインターホンにパンするシーンで本棚の後ろに男性の頭部と思しきものが写り込みます。カメラを自撮りに戻すとき、「私の出て行ったときに…」の個所で同じ位置にまだいます。ちょっと動いているようにも感じます。
また、ママさんバスケチームへのインタビューで、奥のキッチンのステンレスに何かの影が揺らめいているのが確認できます。のまどさんはスタッフの誰か(川島氏)が動いたのかもしれないと言ってましたが、鷲巣さん宅の現象を彷彿とさせます。
さらに和子さん宅では、玄関から入ったとたんに木瀬さんが「何かいた」と驚きますが、その直前、廊下の奥に何者かが覗いているのが確認できます。和子さん宅ではもう1シーン、木瀬さんと中村氏がビデオを探している箇所、「違う?」「違いますね」のセリフ付近で廊下の奥に重森と思しき存在が写り込んでいるとの報告でしたが、こちらは残念ながら僕にはよく判りませんでした。
そして最後の警告映像の冒頭に一瞬、何やら格子状の柵とその奥に住宅らしきものが写り込んでいます。明らかに和子さん宅とは異なった風景で、こちらの意味は不明です。
結構写り込んでいましたね。のまどさん、情報ありがとうございます。
コメント
田舎で劇場でやってなくてやっとこさ見れました
内容は満足いく出来でした
劇場で見たかったー
所で投稿者が風呂場が濡れてたりするって映した後に
カメラが部屋にパン?するんですが
その時に電子レンジに頭部が映っています
これ本編で触れられてましたかね?
DVD返却したので確認出来ませんが
ママさんバスケ監督さん、幸いにしてDVDをまだ返却していなかったので確認しました。
バッチリ写っていますね。
後ろを向いた後頭部です。
てかそれ以外には見えません。
そう言えば舞台挨拶で「作中で指摘した部分以外にもいくつか写った」とか中村監督が言ってました。
てっきり和子さん宅での話かと思ってたのですが、ひょっとしたらこれのことかもしれません。
情報ありがとうございます。
記事内にも追記しておきます。
こんにちは、お久しぶりです。いつもサイト拝見しています。
遅ればせながら、今作をようやく視聴しました。
仰る通り、地道な調査と風習に纏わる怪異が程よくマッチし、高いクオリティの映像になっていたと思います。
作中で指摘されなかった事象についてですが、他にも幾つかありましたね。
まず鷲巣さんの電子レンジの後ろに現れた人物ですが、リビング→風呂場に移動する際にも映っています。
真っ黒なシルエット(後ろ姿)が電子レンジのすぐ横にいるので、気付くとなかなかインパクトあります。
次に木勢さんが自宅から外に飛び出した際ですが、部屋に帰ってきた後に本棚の後ろに頭部のようなものが映り込みます。
「とりあえず見て欲しいんですけど」とカメラをインターホンの画面に向けようとした時、ちらりと見えます(30:35頃)
その後、視点を自分に戻した後に「私の出て行ったときに…」と言ったあたりで、画面右端にまだ居るのが確認できます。
最初の異変の映像では、本棚の後ろには何もなく、誤認するようなオブジェなども無かったので、恐らくこれは…。
更にもうひとつ、バスケのチームメイトの方々にインタビューする際、奥の台所のシンクに動く何かが映ります(54:18頃)
鷲巣さんの部屋で起きた一件を彷彿とさせます…が、これは同行していた川島氏の姿が映り込んだだけかもしれません。
事実、この方々には何の異変も起きず、まして映像の送り付けも無かったので、単に偶然そう見えただけなのでしょう。
しかし、部屋の隅に「赤いダルマ」が置いてあったのが、なんだか意味深なものを感じさせます。
最後に、探索の際に映り込んだ重森とおぼしき存在ですが、作中で指摘されている箇所の少し前にも確認できます。
・最初に指摘された箇所の前。ビデオを探し始めた辺りから既に奥の廊下にいる
「違う?」「違いますね」の会話のあたり(1:15:45頃)
・2つ目に指摘された箇所の前。玄関から入ってすぐの映像にもう映り込んでいる
奥の通路をよく見ると既にこっちを覗く影がいる。「そうですね」の前後の辺り(1:12:20頃)
…と、なんだか長々と書き記してしまいまして、申し訳ありません。
今後もレビュー楽しみにしています。
追伸:そういえば、例の映像で最初に一瞬だけ重森の映像が映る直前、ノイズの中に鉄格子の柵と家?らしきものが見えます。
和子さんの家に鉄格子の柵は見当たらず、ここだけは謎のままです。これは一体…??
のまどさんお久しぶりです。
ずいぶんたくさん見つけましたね。
100はDVDを取り寄せておりますので確認はしばらくお待ちください。
のまどさん
こんばんは。
ご指摘の個所、確認してみました。
>電子レンジの後ろに現れた人物
ご指摘のとおり、いましたね。真っ黒なシルエット。
こっちの方が真っ黒で不気味です。
>木勢さんが宅の本棚の後ろ…
こちらも男性の頭部と思しきものがハッキリと写っています。
再びこの場所を写した時にもほんのちょっと見切れて写っていますね。2回目に写った時にはちょっと場所が移動している世にも見えました。
あんな狭いところに誰かがいるとも考えずらいですよね。
>バスケのチームメイトの方々にインタビューしているシーン…
確かに鷲巣さんの部屋で撮影されたものを彷彿とさせる影が左右に揺らめきます。のまどさんのおっしゃる通り、川島氏がうろうろしていた可能性がありますが。
>和子さん宅での映り込み
玄関先でもうすでに写っているのは確認できました。木瀬さんがなんかいるって言ってましたけど、ちゃんと写ってる(笑)。
ただ、「違う?」「違いますね」の会話の当たりの映り込みはよく判りませんでした。木瀬さんの手が廊下を遮るように動くのでなおさらでした。
>鉄格子の柵と家
これも確認しました。僕は最初単なるノイズの模様化と思っていましたが、ちゃんと侵入者を防ぐ為の先端の尖った柵でしたね。
重森の家の風景なのでしょうか。確かに謎です。
いずれもほんの一瞬で、本当に良く見つけましたね。
まとめて、レビュー本文にも反映したいを想います。
情報ありがとうございました。