ほんとにあった!呪いのビデオ Ver.X:3(ネタバレあり)

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ほんとにあった!呪いのビデオ ver.X: 3
ほんとにあった!呪いのビデオ ver.X: 3

はじめに

「ほんとにあった!呪いのビデオ Ver.X:3」のレビューです。今回からナレーションが「Ver.X」の宮川宏司氏に戻っています。「Ver.X」のときは大変に違和感があったこのナレーションですが、慣れてくるとさほど気にならなくなってきました(笑)。

そして、監督が「THE MOVIE1・2」の白石晃士氏にバトンタッチされ、独特の演出が際立ちます。

登山(怖くない)

概要

あなたは山を登りますか?

とある山に登山に出かけた投稿者一行。下山中、山の中腹に廃屋群を見つける。不気味に思った彼らではあったが、興味本位に一軒一軒廻って歩いたと言う。その際の映像に不可解なものが写り込んでいた。

森の中で、同行した男性を追うように動く白い影。この男性はその後高熱を出し、入院後亡くなってしまった。実はこの男性、廃屋の中で不道徳な行為(立ち小便)を行っていた。この行為がそこに棲むモノの怒りをかってしまったのであろうか。

取材中の車の中で、投稿者の傍にも不気味な顔が現れた。

感想

各エピソードの冒頭に「あなたは山を登りますか?」とかの、キャッチコピーともサブタイトルともつかない一行ポエムが表示されます。他の方のレビューでもこの演出は概ね不評で、僕もあまり意味はないと思いました。

と、ここまで見て今更気がついたのですが、そもそもこの「Ver.X」シリーズ、本編中に各エピソードのタイトルが出てきません。一応DVDのチャプターメニューを見ればわかるのですが、これだとレビューを書く際に困っちゃいますよね。

さて肝心の映像ですが、まず亡くなったと言う設定の友人の後を追う白い影。正直影だけなので、怖くもなんともありません。そしてこの影、なんとなくカメラのブレに追随しているような感じもします。取材中に気分の悪くなった投稿者の側に写る顔もよくわからず怖くないです。

進学塾にて(怖くない)

概要

あなたの後ろに何かいませんか?

進学塾の一室で行われたささやかな合格記念パーティー。塾の講師以外は全員女性だったのにも関わらず、背後のホワイトボードに学ラン姿の男性の姿が浮かび上がる。

参加者の1人は体調を崩し、せっかく受かった高校に通えない状態が続いていると言う。その先生によると、この塾では受験に失敗し、自殺してしまった男子生徒がいたそうである。

感想

ただのシルエットで全然怖くないです。しかも顔まで見えていないし。

それにしてもただのシルエットなのに、詰襟を着た男子学生に見えてしまうのが興味深いです。

雪の夜に(怖くない)

概要

東京では珍しい大雪。投稿者は真っ白になった近所の風景を撮影する。交差点の街灯に男の顔が。

感想

顔はちょっと怖いですが、薄くて。それにほんの一瞬で、普通は気がつかないでしょう。よく見つけたなと言う感じ。というか、冒頭の一行ポエムがこのエピソードにはありません。

それよりも、公園でただ1人雪山にキックしている怪しい男性の方が気になります(笑)。

観覧車(怖くない)

概要

あなたは観覧車が好きですか?

若い男女のカップルが遊園地で撮影した映像。観覧車の中で、外に映る隣のゴンドラに誰も乗っていないことを確認しているにも関わらず、その天井部分に幼い少女の顔が写り込んでいた。

スタッフは遊園地の従業員に、観覧車および園内で事件事故がなかったか取材するが、そのような事は誰も心当たりがなかった。だが、園外の駐車場で女の子が交通事故に遭ってしまい、亡くなっていることがわかる。

取材班はその女の子の両親に取材を試みるが、父親に一度は取材を断られてしまう。だが後日母親が取材に応じ、映像内に写る女の子が生前の娘に似ている気がすると語った。この娘は観覧車が大好きで、当日も楽しみししていたそうである。女の子は今もこのは観覧車に乗っていると言うのであろうか。

母親は1人で乗っているのは寂しかろう、今度夫婦でこの遊園地を訪れたいと涙する。

感想

もしこの話が本当なら切なくて悲しいですね。

でも写り込んだ顔は小さくて一瞬、少女の顔にも見えません。なんども言いますがよく見つけたな、です。カップルの彼女が観覧車からの景色に、「景色良いのかこれ」、「住宅街だよ、軽く住宅街」とか言っているのに笑ってしまいました。

ここは今はなき、小山ゆうえんちですね。wikipediaに書いてありました。小山ゆうえんち自体は黒字で堅実経営だったらしいのですが、親会社の倒産によって連鎖倒産してしまい、2005年に閉園してしまいました。関東近辺に住んでいる方なら、「おやまゆうえんち〜」のCMソングを覚えている方も多いのではないでしょうか。なお、現在は「おやまゆうえんハーヴェストウォーク」というショッピングモールになっています。

電車の窓に(怖くない)

概要

あなたは電車に乗りますか?

飲み会が朝帰りになってしまった。テープが余ったため、帰りの電車の中で、投稿者とその友人はたわむれにしりとりをしながら、互いに撮りあっていた。すると投稿者の背後、電車の窓の外に手のようなものが映り込む。この映像が撮られた後この友人は、電車に轢かれて体がバラバラになってしまう悪夢を見るようになり、ノイローゼになってしまったそうである。

感想

「あなたは電車に乗りますか?」と問われても「乗るに決まってるだろ」としか言いようがありませんね。

ここは、はい中央線ですね。この路線で自殺が多いのは周知のことで、わざわざ調査するまでもありません。写り込んだ手は本当に一瞬で、これまたとても薄く、もうこれで3回目ですが、「よく見つけたな」です。

線路上の影(怖くない)

概要

上記の映像が撮られた2Km程先で撮られた映像。線路をまたぐ橋の上から夜間、電車が通過する様子を収めた映像。電車が通過する直前、その前に白い靄のようなものが立ち上がり消えていく。

感想

エピソード内では前エピソード「電車の窓に」と淀みなく繋がっていて、これと合わせて1つのエピソードのように見えます。

投稿者は夜も更けた橋の上で一体何を撮ろうとしていたのでしょうか。鉄道ファン?。だったら昼間撮りますよね…と思ったら、冒頭の手紙に詳しく書かれていました。映像学校の課題で電車をテーマにした短編を作成していたようです。

確かに電車(懐かしい201系)の前に煙のような、靄のようなものが立ち上っていきます。不思議ですが怖いと言ったものでありません。

誕生パーティー(怖くない)

概要

ある寺を借りて大学生が誕生日パーティーを開いた様子の映像。ケーキのろうそくを吹き消し、部屋の明かりをつけた際に背後の柱に男の顔が映り込み消えてしまった。この日誕生日を迎えた投稿者は数日間、就寝時に金縛りに襲われたそうである。

感想

このエピソードも冒頭の一行ポエムがありません。どうせなら全部やればいいのに。

それはともかく、なんでお寺を借りて誕生パーティーやるのよ、思いました。「男」とか書かれた変な鉢巻(反対側になんと書かれているか不明)巻いているし、一体なんのサークルなんだ?

誕生日を迎えた投稿者と、ろうそくを立てたケーキとの間が妙に離れていて吹き消すのに苦労していて、最後の一本がなかなか消えず、ちょっとイラっときました(笑)。

写り込んだ男性の顔はとても薄く不鮮明で怖くないです。

添付メール(少し怖い)

概要

あなたのパソコンに奇妙な画像が届きませんか?

投稿者のパソコンに奇妙な画像が送られ続けている。そこには本文は記載されてなく、画像のみが添付されていると言う。それはどこかのビルの屋上のようで、ただ扉があるだけのもの。だが、その画像は一見同じに見えるが、送られてくるたびにその扉が少しずつ開いてきているのだ。何日かおきに送られてくる画像は既に1年以上送られ続けており、最新の304枚目の画像では、人1人通れるほどに扉が開いてしまっている。

この画像データを連続させて動画にすると、扉が開いてくるとともに、左上に黒い模様が浮かび上がってくる。映像を逆さまにすると、この模様が人の顔であることがわかった。

感想

差出人不明。なぜ送られてきているのか不明。映像の意味も不明で現実にあったら、なかなかに不気味でしょうね。でも、でもアドレスは分かっているのだから、その辺を調べて見ればいいのにと思いました。ま、プロバイダのドメインでしょうけどね。でも、嫌がらせを受けているとしてプロバイダにアドレス主の個人情報の開示請求とかできませんかね。

映像自体は怖いと言うほどではありませんが、どことも知れないビルのドアは、いい按配に風化した感じがあり、結構不気味です。

このエピソードはドアがどこまで開くのか、中から何か出てくるのか、絶対追跡調査してもらいたいですね。

彼女の秘密(怖くない)

概要

あなたの恋人は過去を隠していませんか?

投稿者の森山さんは同棲していた彼女との映像で、彼女の周りに赤い光が浮かび上がる映像を撮影してしまった。その後、彼女は義理の父親を刺してしまう傷害事件を起こしてしまっていた。森山さんによると彼女が豹変し、暴力的になってしまったことに戸惑い、この映像が原因ではないかと投稿したようだ。

友人に取材すると、彼女は父親に虐待を受けていたことがわかる。性的な虐待を受けていた節も見受けられる。彼女の実家を訪れ、取材を試みるも、すでに引っ越しており、その義父に話を聞くことができなかった。

そのようなことは聞かされていなかった森山さんは、明らかに戸惑っているようであった。

感想

可愛い、ただの女の子と思っていた彼女に、そんな壮絶な過去があったとしたら、そりゃぁショックでしょうけど、そんな時こそ男の包容力で支えてあげなきゃダメでしょ…と口で言うのは簡単ですけどね。とにかく彼女に話を聞かないと、何もわからないと思うのですけど、ショックを受けるだけで何もしようとしないような投稿者にちょっとモヤっとします。まあ、この後、いろいろと行動したのかもしれませんが。

映像は赤い電球の光を浴びたように見えます。怖いと言うようなものではありません。

バレーボール(怖くない)

概要

ある会社のバレーボール大会。選手の1人の右足が一瞬消えた。

感想

確かに消えてます。不思議ですね。それだけです。

砂嵐・その後(少し怖い)

概要

あなたは砂嵐の映像に何が見えますか?

「ほんとにあった!呪いのビデオVer.X;2」で紹介された「続・砂嵐」。この映像に対する反響は大きく、深夜の砂嵐の中に人の顔を見た、紹介された映像の他の部分にも顔が写っている、と言った手紙が多数製作委員会に送られている。その中でも特に興味深い内容の手紙を送ってきた女性に取材を試みることになる。

投稿者の川上さんによると最後に紹介された砂嵐の映像の最後に、作品内で指摘していない箇所で多くの顔が現れたと言う。スタッフの菊池峰生は新品の「ほん呪VerX:2」を持参し、川上さんとともに問題の箇所を視聴してみる。

だが、このテープには川上さんの指摘する箇所に何も写っていなかった。川上さんの証言を懐疑的に見る菊池は取り合わず、勘違いであると判断しその場を去ろうとするが、川上さんは自分のテープでは確かに見たと譲らない。彼女は自身がダビングしたテープを持ち出し、菊池の前で再生してみる。すると確かにそこには無数の顔が蠢いていることを菊池も確認することができた。

ダビング元のテープを、レンタルビデオショップから借り直して確認するが、そこには何も写っていなかった。さらにその場で川上さんに借り直したテープをダビングしてもらうが、そこにも新たな顔は現れなかった。彼女が最初にダビングしたテープにのみ顔が現れたのである。

その後、川上さんから連絡が入る。川上さんの友人・大澤さんに問題のテープを貸し、彼女がさらにダビングした孫テープにもこの顔は現れ、しかもさらに顔は増えていたというのである。つまり、ダビングにより無数の顔が増殖していたのである。これは一体どう言うことなのであろうか。大澤さんは体調を崩し、寝込んでしまった。また、彼女の周りではラップ音や人の気配がするなど怪現象が続いていると言う。

ここで川上さんのテープ、大澤さんのテープが順番に紹介され、さらに画面2分割で同時に紹介される。画面の左下に無数の顔が蠢いており、大澤さんのテープの映像では明らかに人の顔が増えている。

感想

川上さんが、この映像(新品のテープ)では私も見えない。でも私がダビングしたテープでは見えた。と何度も言ってるのに、「勘違いじゃないですか?」、「よくあるんですよねえ」と頭ごなしに否定する、菊池氏の発言にイラっときます。「私がダビングしたテープには写ってるんです。今持ってきますから一緒に見てください」って言っているのにまだ「勘違いじゃないですか?」とか、見てから言えよと思いました。

増殖してうごめいている顔はちょっと怖いですね。リアルタイムで観ていたら結構怖いと思います。今現在は耐性ができてしまっているのでそれほど怖くは感じませんでした。そして大澤さんの孫テープを、も一回ダビングしてみたら?と思ったのは、私だけではないと思います。まあ、大澤さん寝込んじゃったので、これ以上は止めておいたってところかもしれませんが。

感想まとめ

どうも演出が妙に凝っていて違和感がありました。例えば例の一行ポエムとか、最初に映像を紹介するときになんか変な枠で囲ってしまって小さくて見づらいとか。投稿自体も恐怖度が低くて、正直ちょっとがっかりしました。

その中で印象に残ったのは「添付メール」と最後の「砂嵐・その後」です。この2つはまあまあ怖かったですかね。

コメント

  1. みっつ より:

    >あなたは山を登りますか?
    >あなたは電車に乗りますか?

    相当以前に観たものの、タイトルポエムは全く憶えてませんでしたが、これはひどいw
    意味もセンスもないですね。
    Ver.Xというシリーズがいかにおざなりに作られているかを象徴しているようです。
    関係ないですが、五木ひろしの昔の歌の「あなたは誰と契りますか?」という歌い出しを思い出しました。

    こんなVer.Xですが、次作では思わぬ掘り出し物もあるかも(今作では最後の砂嵐がけっこう面白かった記憶があります)。

    • itton より:

      >五木ひろしの昔の歌の「あなたは誰と契りますか?」という歌い出しを思い出しました。

      草w

      >こんなVer.Xですが、次作では思わぬ掘り出し物もあるかも(今作では最後の砂嵐がけっこう面白かった記憶があります)。

      それは楽しみです。Ver.X:4も一度見ているはずなのですが、全く覚えていないんですよね。

      たしかに「砂嵐」は映像自体が興味深く、今作では最後でホッとしました。

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