はじめに
ほんとうに映った!監死カメラ15のレビューです。ギャグパートに力を入れすぎな感じがしますが、菅野君の「廃墟9」が結構怖いです。
行列(怖くない)
概要
開店前のパチンコ屋の行列。開店とともに人々が店内に入って行く。その中の一人が半透明の影で、幽霊だった?
感想
幽霊が行列に並んでいます(笑)。後ろの人は一人分開けて並んでいるので、この幽霊が見えていたってことですかね。
ゴーストカー(びっくり)
概要
住宅街で歩いている男性。突然後ろから何かがやってきて撥ね飛ばされたようにひっくり返って身動きもしない。たまたま居合わせた人が介抱しているところで映像は終わる。
近年ネットでは「ゴーストカー」とも言うべき謎の超常現象カー(車)が見受けられる。フェンスをすり抜けたり、何もないところから急に姿を現したりといった映像がアップロードされている。この映像も、よく見ると後ろから猛スピードの半透明の車がうっすらと確認できる。これはゴーストカーが人をはねた瞬間を捕らえた貴重な映像かもしれない。
よく道でぶっ倒れている人はこのゴーストカーに撥ね飛ばされた人かもしれないので、気にしてあげて、というナレーションでエピソードは終わる。
感想
撥ねられた男性の持っていたカバンが、あり得ないくらい高さまで飛ばされてしまい、そばのアパートの壁に激突してしまっているのが妙に印象に残ります。ゴーストカーがかなり薄くてわかりにくいため、いきなり人が倒れたように見えてちょっとびっくりしました。
「街中でよく倒れている人々はひょっとしたらゴーストカーに撥ねられた人かもしれない…」というナレーションに「いやいや」と突っ込みたくなります。
廃墟9(かなり怖い)
概要
幽霊が現れるとの噂の廃墟で一夜を明かし、その様子をカメラに収める、シリーズおなじみの菅野君の第9弾。前回のエピソードから、依頼があれば「監視カメラ」スタッフとして活動ができるという、暗黙の了解を得た彼ではあったが、そうそう頻繁に依頼があるわけもなく、結局自主的にある廃墟へと向かうため、森の中に入って行くことになった。
だが菅野君が目指している廃墟は、この時点ではもう既に解体されてしまっており、現存していなかった。そうとも知らない彼は、森の中で存在しない廃墟を探す羽目になり、やみくもに歩き回った結果、半ば遭難してしまう。帰り道がわからなくなり、食料も乏しく飲み水もない状況で、自らの尿を飲まざるを得ないようなサバイバル状態に陥ってしまい、万が一のために遺書をしたためたり、メッセージビデオを撮ったりする彼であった。
そんな中、何日間森を彷徨ったのであろうか、真夜中の森で菅野君は、女性と思しき縊死体を発見してしまう。誰もいない深い森の中で、このような状況に出会ってしまった彼の心情は想像に難しくない。恐怖におののく彼はその場を早々に後にするが、例の「菅野センサー」が発動し、何者かが後をついてくる気配を感じ始める。
だが後ろを振り向いても何もいない。そこで彼は得意技「横パーン」を発動すると、なんと先ほどまでは誰もいなかった筈の背後に、白い服を着た女性と思しき人影があるではないか!その姿は先程の縊死体の特徴とぴったり符合する。あの女の霊は菅野君の後を追ってきたのだ。半狂乱になった彼は慌てて走り出すが、しばらくして後ろを振り返ると、その女はすぐそこまで迫っていた。あられもない悲鳴を上げ、めちゃくちゃに夜に森を走り回り、菅野君がようやく街道にたどり着いたころには夜が明けていた。
命からがら女の幽霊から脱出することができた菅野君だが、街道にたどり着いた際の映像を自分の顔がが写るようにわざわざ撮り直していることに、ナレーションで突っ込まれたうえに、「スタッフから嫌われている」とまでディスられてエピソードは終わる。
感想
このエピソードは以前ご紹介した「ダラケ!お金を払ってでも見たいクイズ」で取り上げられたもので、これがきっかけでこのシリーズを見てみようと思ったエピソードなんです。フルバージョンを見るのが楽しみだったのですが、この「監視カメラ15」まで登場しないのでかなり待たされました。いや~ここまで長かった(笑)。「ダラケ!」内ではおしっこ飲むシーンや、ナレーションで突っ込まれるシーンはカットされていました。
これほどの衝撃映像を、自分のおしっこまで飲まざるを得ない状況に追い込まれて撮影しながらも、「嫌われている」とまでナレーションでディスられのはちょっとかわいそう(笑)。
それでも衝撃映像であることは間違いなく、これまでの菅野君シリーズでは前々巻の「廃墟7」を超えて、一番怖いものに仕上がっていると思います。縊死体がばっちり写っちゃってますが、ビデオカメラがナイトモードなので、詳細がよく分からないところも妙にリアルで生々しいです。
ですがこの映像、おそらくはフェイクなのでしょう。この後警察に届けた云々の話もないし、女性の服装が闇夜でも映える白い服であることも、ちょっと作為的な感じがします。でも雰囲気はかなり怖いので割と好きなエピソードです。
菅野君と絡めないほうが怖かったのかもしれないなんて、思っちゃったり。
Nature calls me(なにこれ)
概要
東京付近の神社の前で両手を広げ、なにやら呪文のようなものを唱えている、自転車の男の映像が監視カメラに記録された。この男性はあちこちの神社でこのような行為を行っているようだ。そのような中、別の神社の音声付きの監視カメラで、この男は「Nature calls me」と何度も唱えていることが分かる。いずれの映像も男がこのセリフを唱えると、白い煙のようなものが立ち上る現象が確認できる。だが、周りの人々にはこれは見えないらしく、無反応であり、カメラにのみ写るもののようだ。
尚、「Nature calls me」とは直訳で「自然が私呼んでいる」というもので、西洋で女性が用を足しに行く際に使用していた慣用句である。日本風に意訳すると「お花を摘みに行ってきます」だろうか。まさかこの男が神社仏閣でわざわざ大声で「トイレに行ってきます」と唱えているとは思えない。煙が立ち込める現象からも何かの術的な儀式なのであろうか。
取材班は、見つかった数々の監視カメラの撮影した日時を調べておおまかな足取りを追い、この男を都合よく見つけることができる。彼によるとこの行為は夢のお告げに従って、自然霊を呼び覚まし日本の景気を回復するために、各地の神社仏閣を行脚して「Nature calls me」を連呼しているという。
スタッフと酒を交わし、いい気分になった彼は近くの神社でまた「Nature calls me」を大声で唱え始める。だが近所に住んでいると思しき男性に「うっせいわ!」と激しく絡まれてしまう。自転車でスタコラさっさと逃げてしまう彼は、再び「Nature calls me」を何度も唱える。すると自転車の周りに霊の白い煙が立ち込め彼は消えてしまった。
感想
今回の茶番劇第1弾の始まりです。
「変なおじさん」という感想しかありません。近所の人ですが、「そんなに怒らなくとも」と思いました。毎日この場所で大声出しているというわけでのないだろうに。ねえ。
憑依(怖くない)
概要
エレベータ内に設置された監視カメラ映像。一人の女性が乗り込み目的の階に到着してエレベーターを降りる。すると荷物も持たずにすぐに舞い戻ってきた。この女性はこの後最上階に上がり、エレベーターを出た後転落して亡くなってしまったという。
映像をよく見るとエレベーターに舞い戻ったときこの女性の顔が変化し、彫りの深い男性の顔に変化している。この顔は2日前に飛び降り自殺した男性に酷似していた。女性は自殺者の霊に魅入られてしまったのか。
感想
そんなに怖くはないですが、「監視カメラ」にしては味わい深いエピソードです。男性の顔が分かりやす過ぎるので作為的なものを感じますが、少々不気味かもしれません。見る人によっては怖いかも。
続・男色霊(いいかげんにしなさい)
概要
「ほんとうに映った!監死カメラ11:男色霊」で登場したとある湖。そこに設置された監視カメラには下半身すっぽんぽんの男性達が湖畔でウロウロしている異様な光景を写し出していた。中には湖に向けて尻を突き題している者もいる。
「監視カメラ」で一部の人々に有名になってしまったこの湖で、人知れず幽霊に犯された男性を救護する活動をしていた吉田さんから、この男色霊目当ての男たちが大挙して迷惑しているというメール、そしてこの映像がスタッフに届いていたのである。吉田さんによると、この霊の怨念が強すぎて依頼した霊能力者に匙を投げられてしまい、何とかしてくれと言う内容であった。
取材班は調査のため、前回の取材で知り合ったトミーさんと再び現地に向かう。トミーさんによると、あの場所はハッテン場として今一番アツい場所であるとのこと。彼自身も、あの男色霊と結ばれたそうで、期待以上の快感が得られたらしい。
現地で出会った吉田さんは取材で有名になってしまい、現場が荒れてしまったり、変な噂が広まることによる観光への悪影響などから渋い表情。いくばくかの責任を感じた取材班とトミーさんは、何とかこの男色霊を成仏させる方法はないかと奔走することになる。KATOR氏は霊の心残りを払拭することで成仏できるのはないかの見解。
取材班は知り合いである地方新聞の記者に連絡を取り、あの湖で亡くなったある男性の情報を得る。その男性は自殺したと判断されたが、発見時全裸で死後24時間以上経過していたにもかかわらず男性〇が隆々と〇起したままであったという。この男性、園田さんを調べると、やはり男色趣味で失恋から自殺したらしいことが分かった。そして彼の友人である新井さんから彼の思い人が「祐一君」であることが分かる。祐一君を男色霊に捧げれば成仏させることができるとスタッフは感じたが、彼は既にバイク事故で亡くなっていた。それも、園田さんが亡くなる以前であったので、彼は祐一君の後を追って自殺したであろうことが想像できる。
園田さんを成仏させる手段としてスタッフはトミーさんに生前の祐一君の扮装をさせ、誘うことを試みたが、すでにトミーさんは一回交わった後であり、肛門も緩いので園田さんの興味を引くことはできないようだ。これはお尻が未経験である演出補・鳥居氏で誘うしかない、そう判断した監督の説得で鳥居氏も覚悟を決め、祐一さんになりきって湖にお尻を向ける。
そして手ごたえはすぐにあった。あまりの痛さに悶絶する鳥居氏。そしてお尻から白い煙のようなものが立ち上った。園部さんが成仏した瞬間だろうか。映像には写らないものの、出血してしまった鳥居氏を病院まで担ぎ込むスタッフ。それ以来この湖に男色霊は現れることはなかった。
感想
全編ギャグエピソードです。湖畔に下半身脱いだ男性がウロウロしているシーンと、それを棒持って追いかける吉田さんの光景とかは、酒が入っていたら大爆笑もの。トミーさんが「僕のはもう、クッタクタになってるんで」とか、鳥居氏の熱演とか、ぶっちゃけやり過ぎ(笑)。
これを心霊ドキュメンタリーと呼んでよいのでしょうか。
感想まとめ
ギャグ演出が冴えまくったタイトルで、もはや恐怖という感情には遠く及ばないものです。「廃墟9」だけが怖く、唯一の救いになっています。
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