ほんとうに映った!監死カメラ13(ネタバレあり)

eye_catch_kanshi_13 レビュー
ほんとうに映った!監死カメラ13
レンタル開始:2015年12月2日(水)監視カメラに映った恐怖映像コンセプト・ホラー・ドキュメント第13弾!キャストナレーション:鈴木智晴スタッフ製作:AMGエンタテインメントプロデューサー:浦野太/…

はじめに

「ほんとうに映った!監死カメラ13」のレビューです。今回は菅野君の必殺技「横パン」が登場し、さらにちょっとした災難に見舞われます。そしていつも通りの茶番劇も充実し、さらにパワーアップしています。

毎度ですが、全編ネタバレ祭りなのでご承知おきをお願いいたします。

魔のカーブ(少し怖い)

概要

山道のカーブに監視カメラが設置されていた。ここは急に激しいカーブが訪れるため事故が多発し、地元では「魔のカーブ」として恐れられていたという。

夜になり、車のヘッドライトが照らすもの以外は漆黒の闇の状態になった頃、このカーブを照らす明かりの先に、子供を連れた母親のような半透明の人影が道のど真ん中に映り込む。この人影は微妙に揺れてまるで道路を横断しようとしているようにも見えるのだが、ドライバーには見えないらしく、車は構わずそこを通り過ぎてしまう。次の車が近づき道がヘッドライトで照らされると、再びその影は姿を現す。車が通るたびに何度も姿を現すこの存在は、いったい何を思って出てきているのであろうか。

この場所では事故は多発しているものの、死亡事故は記録されていない。ドライバーに注意を促すために存在しているとでもいうのであろうか。

感想

この巻では比較的純粋に、心霊っぽいエピソードのひとつです。半透明で輪郭もはっきりとしないけれども、存在感はそこそこあるといった、とてもそれっぽい映像で、つかみとしてはなかなか良映像だと思います。

でもここで死亡事故がないという情報は果たして必要だったのか(もし本物なら致し方がないですが)。エピソード内では道路標識になぞらえて、事故を防ぐために見守っているなにか、とされていますが、じゃあこの存在は幽霊じゃないの?なんなのよ?ということになってしまいそうです。

神隠し(怖くない)

概要

公園でママ友と子供たちが集まっている。その中の一人である女の子が、監視カメラの手前にある滑り台遊具に1人で駆け寄る。その滑り台の階段に消える少女だが、いつまでたっても滑り降りる様子がなく、滑り台の出口では謎の白い煙が立ち上る。ママ友たちが少女の不在に気が付き、手分けして捜索する様子が記録されているが、滑り台を調べても誰もいなかったようである。

実はこの映像の前後には続きがあった。ママ友と子供たちが集まる少し前に不審な若い男性が、黒い怪しげなカバンを肩にかけ、滑り台に近づいて何かを設置したようなしぐさをする姿が確認できる。立ち去ったこの男はあの黒い鞄を持っていなかった。さらに捜索するママ友達がいなくなってしばらくして、先程の男が再び姿を現し、滑り台からあのカバンを取り出し去ってゆく。

少女は未だ行方不明である。あの男は何をセットしたのか。少女は今どこにいるのであろうか。

感想

怖いというより理不尽さが許せないという感情。僕はこのような拉致とか監禁とかの(特に子供、女性)、生きている人の自由を奪う犯罪的な描写がかなり苦手です。だって生きているのなら、被害者は今も恐怖と絶望を味わっているのかもしれないですから。これが心霊物のフィクションだとしても、どうにも気分が悪く楽しめないのです。なので低評価です。

廃墟7(怖い)

概要

毎度おなじみ菅野君シリーズ第7弾。今回はとある廃道のトンネルに潜入し、このトンネル内で一夜を明かすことを試みる。毎度ながらこのトンネルも様々な噂が飛び交う心霊スポットだそうである。

寝入ってしばらくすると「菅野センサー」が発動し、彼は起き上がり周りを探る。だが何も姿を現さないため、今回初披露となる「横パン」を菅野君は試みる。菅野君によるとカメラを左右に振る、いわゆる「パン」を行うと霊をカメラに捉える確率が確実に上がるという。実際巷にあふれる心霊動画の多くは、この「横パン」によって霊が映りこんだものが多いというのだ。

何回かこの「横パン」を行う菅野君だが、その映像はこちらに向かってくる2人の人影を映し出す。そして間髪入れずに間近に迫るやはり2組の顔をカメラは見事に捉えた。

そして恐怖のあまり「ほらぁ!いたぁ」と叫び、逃げ惑う菅野君はさらなる悲劇に見舞われた。廃道から幹線道路に思わず飛び出してしまった彼は車に撥ねられてしまい、さらにその車は非情にも走り去ってしまい怪我を負ってしまった。この事故により菅野君は心霊スポットへの突撃が親にばれてしまい、自粛するように叱責されてしまった。

そのため活動を無期限休止せざるを得ない旨が、スタッフにメールで寄せられた。今まで100%の確率で幽霊を捕らえ続けてきた彼の活躍は今後見れなくなってしまうのであろうか。

感想

「菅野センサー」、「横パン」の初登場です(たぶん)。特にこの「横パン」は大抵の心霊映像はパンした先に発生する、といった「フェイク心霊映像」の単なる演出技法を逆手に取って「パンすると幽霊が写り易い」と主張するのは、なかなか秀逸というか、「そこまでぶっちゃけちゃっていいのかよ」と言うか、かなり面白いと思いました。

因みに「横パン」と言っていますが、撮影技法の「パン」は横だけなので、わざわざ「横」つける必要ないです。縦は「ティルト」と言います。じゃあ斜めは?……知らん(笑)。

映像は「横パン」の後、こちらに近づいてくる2人の人影ですが、「あ、こっちに近づいてくるなあ」と思ってからすぐ手前に超ドアップで「にゅ!」と別の顔が出てきます。同じ霊が超高速でこちらに瞬間移動したようにも見えて、結構怖かったですね。菅野君シリーズでは今のところ一番怖い映像です。反面、菅野君には悪いですけど、ひき逃げされるシーンは蛇足っぽくてどうでもよかったですね。

この場所は埼玉県飯能市にある畑トンネルですね。

畑トンネル - Wikipedia

明治43年に開通、埼玉県で初となる煉瓦巻のトンネルで近代歴史遺産とも呼べるものだそうです(Wikipediaより)。心霊スポットしても地元では有名のようで、笑う染みの噂の存在や不法投棄問題で車両通行止めになったことも事実のようです。なかなか不気味なトンネルですが、AKB48の2ndシングル「制服が邪魔をする」PVのロケにも使われたそうですよ。

除霊食堂(なにこれ)

概要

東京でも有数のラブホテル街である鶯谷。そこには「立ちんぼ」と呼ばれる客待ちの〇春婦がよく見られる地域でもあった。その監視カメラに信じられないものが映り込んでいた。それは当シリーズの看板アシスタントでもある金田萌黄が不特定の客を取り、〇春しているかようなの姿であった。彼女のファンでもあった投稿者は、この映像とともに幻滅を隠し切れない文面でスタッフにメールをしたためてきた。監督の寺内はとにかく彼女に話を聞いてみることにするが、なんと金田は、あっさりとこの映像に写る人物は自分であると認めてしまったのである。

だが彼女には事情があった。それは金に困っているというわけではなく、〇春をしている自覚もなかった。ただ数か月ほど前から一部の記憶が無くなり、なぜか財布のお金が増えていたり、買った覚えもないエッチなグッズがカバンに入っていたり、スマホに男性のナニの写真がダウンロードされていたりといった現象が続いていたという。彼女自身はこれは悪霊に憑りつかれたせいであると考えていた。金田は霊能力があり、エッチな女性の霊の存在は感じていたのである。なぜもっと早く事情を話してくれなかったのかと寺内は問い詰めるが、金田は絶対このシリーズ内で弄られるのでそれが嫌だったからと答える(そりゃそうだよな)。

プロデューサーの有馬顕氏は、霊のしわざならば仕方がないが、もしそうでないのであれば辞めてもらうしかないと吐き捨てられてしまう。スタッフはニコ生でも「キンタさん」と呼ばれ、親しまれていた金田の無実を証明するために、魔術堂のKATOR氏に相談することにした。

KATOR氏によるとおそらく色情霊、インキュバスに憑りつかれたのではとの見解。そしてその霊を祓うために特殊な料理を提供する「除霊食堂」とも言うべき存在を紹介してもらう。その料理を食べることによって除霊できるという信じられない話であったが腕は確かという。

その「除霊食堂」は何の変哲もない住宅地の路地にあり、店というよりはただの古民家で、普通のおっさんにしか見えない主人が振る舞う料理は、異常に塩辛いものばかり。店内には誰とも知れない謎のサイン色紙が大量に貼られ、胡散臭いことこの上ない。料金はなんと先払いで60万円もするというのだが、KATOR氏の紹介ということで半額の30万円にまけてもらう。こっそり調理場をのぞくカメラがとらえたものはコンビニの食材を盛り付けるだけのいい加減なもので、スタッフは「詐欺にあっているんじゃねえの」と不信感にさいなまれる。

それでも苦痛にしか感じないこの料理を、金田は除霊したい一心で何とか完食する。「ちょっとこの足でKATOR氏に文句を言いに行こう」と除霊食堂を後にするスタッフであったが、道すがら金田が口に違和感を覚えて立ち止まる。その口からは黒い毛におおわれた得体のしれない生き物のような何かが飛び出し、街中に消えてしまった。除霊が成功し、邪悪な黒いものが彼女から飛び出た、とでもいうのであろうか。その後、金田を襲っていた謎の現象はぴたりと収まったという。

感想

はい茶番劇の始まりです(笑)。

突っこみどころが多すぎて感想としてうまくまとまりません。それでも気になった点を挙げると。

  • 本当に呪われた中年男性」の取材でノーパンだったとか…そんな情報知りたくない(笑)
  • 「絶対このシリーズ内で弄られる」という趣旨の金田のセリフに僕が「そりゃそうだ」と思ったら、監督からも「それは…そうだな…」とのセリフ(笑)
  • 「もう金田さんほんとに超エッチなんじゃないの?」という有馬氏(笑)
  • 郵便受けの店名の表記が「叙霊食堂」って(叙…)
  • コースで60万円…たっか!
  • キンタさんの財布に3千円。財布に勝手にお金が入ってたんじゃなかったの?
  • 調理場で「これが重要」とか言ってた骨粉の入れ物に「味の素」の表記(笑)
  • 色紙の「ボブコールマー」で誰だよ(笑)
  • キンタさんの口から出たのって絶対「モーラー」だよね(笑)

「モーラー」というのは増田屋コーポレーションが70年代に発売していたおもちゃです。

モーラー - Wikipedia

僕がちびっこの頃に家にありました(年がばれる)。モールっぽい毛虫みたいな造形の先っぽに透明なピアノ線が括り付けてあり、この線をうまく操作することで生きているみたいな動作が再現できるという触れ込みで、TVCMもやってました。あれを黒く染めた感じです。てか「じゃれっこモーラー」という名前で今でも売ってますね。

夜釣り(ほんの少し怖い)

概要

釣りが禁止されているとある湖。湖畔の監視カメラにゴムボートで漕ぎ出す2人組の姿があった。このカメラには釣りを終えて帰ってくる彼らの姿は写っていない。この映像の数週間後、湖の波打ち際に流れ着いたスマートホンが発見される。そこには恐ろしい存在によって湖に引きずり込まれる彼らの最後の映像が記録されていた。

感想

夜の湖に漕ぎ出すなんて僕にとっては物好きとしか思えない。ましてや釣り禁止の湖で。そこまでして釣りしたいかと思っちゃいます。さらにションベンするためとは言え、ボートの上で立ち上げるのって危険じゃないですかね。危なっかしくて見ていて別の意味で怖かったです。案の定落ちるし(笑)。

引きずり込む幽霊らしき存在は腐ったような顔でそれなりに怖いかもしれませんが、ちょっとありきたり過ぎで、作り物にしか見えずチョイ怖程度です。ですが、湖の中に落ちるシーンはかなりリアルで臨場感がありました。

I am 日本人(なにこれ)

概要

ジャック・スチュアートという米国人の男性から映像が届く。彼は日本に旅行に来た際に購入した人形(エジコに収まる子供をかたどったもの)を購入し本国に持ち帰ったところ、自身にある変化が訪れたという。金髪が黒髪に変化し、日本語が理解できるようになるとともに母国語の英語を忘れてしまう、女性の好みが日本人に変わってしまうなどと、まるで日本人化してしまうというものであった。さらに毎晩のように悪夢にうなされるようになり、彼は日本で購入したこの人形に呪われていると感じていた。

映像には、このうなされる様子が収められており、人形がひとりでに動き回ったり、たくさんのオーブが現れたかと思うと、日本語で「殺される!あいつが来る!極端な話!」とうわ言を言いながら苦しみだすジャック氏。その体には黒いもやのようなものが纏わり付き、黒い粒のようなものが彼の体内に取り込まれる様子が写っていた。

スタッフは彼に電話取材を行って来日してもらうことになる。ジャックさんは日本語を流暢に操り、しぐさも日本的で、食事も和食が好きでハンバーガーなども食べられなくなったと語り、日本人化が進んでいるようである。だが日本人形を買った店は既に無く、これといった手掛かりもない。スタッフは大胆にも呪いの元凶であるこの人形を焼いてみるが、ジャックさんのリュックには先程焼いたはずの人形が何事もなかったように戻ってきている。そこで「ほんとうに映った!監死カメラ11」で登場したインチキ除霊グッズを販売する例の販売業者に相談する。そこで効果があるという1時間8万円もの料金がかかる「除霊猫」をレンタルすることになった。

日本人化が進むジャックさんは逡巡の末、豪胆にもこの料金を支払い、除霊猫(推定200歳)と一夜を過ごしてもらうことになり、監視カメラをセットすることになった。ジャックさんが寝入った数時間後、彼はあの映像と同じように苦しみだす。すると除霊猫は、カメラのフレームの外から彼に体当たりするような攻撃を悪霊に対して行う。ジャックさんの体から黒いもやが立ち上り、黒い粒のようなものが体外に飛び出す様子をカメラは捕らえていた。除霊猫の数回の攻撃で、ようやくジャックさんは落ち着く。

翌朝目覚めたジャックさんは、もう日本語は話せなくなり、男性演出補で英語が堪能な鳥居康剛が通訳しなければならなくなった程である。尚、鳥居は「ほんとうに映った!監死カメラ7『コケちゃん』」で市役所の観光課職員として出演していたが、いつの間にかスタッフの一員になっていたようだ。

すっかり日本人化が解消したジャックさんは除霊猫の効果でアメリカ人に戻り、日本人のような謙虚な姿勢が消え去り、無駄にテンションが高く、適当な割に強気で、そのくせマイペースでがさつであるなどど、ナレーションでディスられてしまう(笑)程に回復。ハンバーガーを頬張り帰国する彼は、「2020年の東京オリンピックで会おう!」とさわやかな笑顔で約束してくれた。

「私たち『監視カメラ』スタッフは2020年東京オリンピックを応援しています」とのテロップでエピソードは終わる。

感想

はい茶番劇第2弾です(笑)。

もう日本語のうまい外国人タレントにしか見えません。序盤の映像で、ジャックさんが苦しむシーンの変な日本語で「極端な話!」とか言うところが笑いどころでしょうか。あとは「除霊猫」の除霊攻撃が、どう見てもフレームの外から猫を投げ入れたようにしか見えないことですかね。

ジャックさんが帰国の際に「2020年の東京オリンピックで会おう!」というシーンでは虚しさを覚えました。この頃はまさかこんなことになるとは想像もつかなかったですからね。

「コケちゃん」で観光課職員として出演していた鳥居氏が「監視カメラ」スタッフになっていた設定にことに驚きました。

感想まとめ

必ず茶番エピソードを入れないと気が済まないんでしょうかね。というより、この茶番エピソードこそが、このシリーズの「売り」になってしまっているということか。

それでも「魔のカーブ」、「廃墟7」はちょっと怖かったです。

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