はじめに
「投稿されてきた!呪いの心霊映像」のレビューです。このシリーズは2010年から2013年にわたり、8巻までリリースされ、最後の2巻はあのほん呪の名物演出補、菊池宣秀氏が監督を務めました。5巻からは「投稿されてきた!」を外して、ただの「呪いの心霊映像」というタイトルになっています。
コメント欄でとある情報をいただき、今回、このタイトルの1巻を視聴することにしました。たまたまAmazonプライムビデオにラインナップされていたことも理由の一つです。さてどんな感じでしょうか。
祖母の家(怖くない)
概要
15年以上前の古い映像。今は亡き祖母の家で、まだ「バブバブ」言ってる投稿者と祖母を縁側で撮った映像だが、部屋の奥に男が横たわっている。
感想
ありがちで怖くないです。
出会い系喫茶(怖くない)
概要
出会い系喫茶。マジックミラー越し女の子待機室に、真っ黒な女性の影が写っており、しばらくすると消えてしまう。別の階にかつてあった同種の店で女性が殺される事件があったというが。
感想
これも本当にありがちで怖くないです。
花火大会(怖くない)
概要
花火大会を漫然と撮影した映像。男性の後ろに白い手が伸びている。
感想
これもまたありがちすぎて怖くないです。
映像で投稿者の同僚らしき女性が「うーう、きっとくる」と映画版「リング」の主題歌「feels like HEAVEN」の超有名な一節を歌っていて、リプレイの度に聞かされるのでちょっとうざかった(笑)。
ビデオメッセージ(少し怖い)
概要
結婚式の余興で使うメッセージビデオ。大学時代のサークルメンバーが各々メッセージを語るが、ある人物の後ろのガラス戸、曇りガラスの向こう側ににぴったりと顔を近づけた感じの、女性の顔があった。
この部屋に取材に訪れた女性スタッフは、部屋の中の異臭に気が付く。一月後、投稿者が次第にきつくなった異臭の原因を探ると畳が腐っており、その下に奇妙な封筒があったという。その封筒の中には一房の髪の毛が入っており、分析の結果、女性の髪の毛で唾液と血液が検出された。その部屋の前の住人は事故で急死しており、女性と同棲していた時期もあったようである。
感想
これはちょっと怖かったですね。曇りガラス越しの女性がポカンと口を開けているのも怖いです。畳の下から出てくる封筒の風化具合のリアルと言うか気持ち悪さも良かったですね。
ほん呪の良作、「ほん呪39:廃アパート探検」を思い出します。インパクトも怖さもはあっちの方が上だとは思いますが、本タイトルではこのエピソードが一番怖かったと思います。
広島旅行(怖くない)
概要
広島旅行に行ったら広島城で黒い足のひざから下だけが写った。
感想
またまたありがちすぎて草も生えません。「この城で亡くなった武者の霊」?、いやいや、広島ではもっと大変なことで沢山亡くなっているでしょう。
2024年6月15日追記
ここは広島城ではなく、愛知県の犬山城ではないか、と言う情報が「どらほー」さんより寄せられました。あまりにも場所が異なるので、制作側がわざとぼかしたのかもしれません。って、まさかガチの映像じゃないでしょうね(笑)。
死への誘い(ほんのちょっとだけ怖い)
概要
夜の海岸の堤防で、海の上にこちらを手招きする人影を見かけたが、カメラを構えるといない。彼女にカメラを向けると、すぐ後ろに男の姿が写っており、こちらに「びゅっ」と迫ってきた。それ以来彼女と連絡が取れなくなってしまったそうだ。
感想
少しだけ怖かったですが、男の顔がマツコ・デラックスに見えてしまい、怖くありませんでした。タイミングとかはまあまあですが、あまりにもパターンを踏襲しすぎですね。
樹海の洞窟(ほんのちょっとだけ怖い)
概要
樹海の「氷穴」だか「風穴」だかの洞窟に入ったら、氷の向こうに人の顔が写った。
感想
口を開けた顔がちょっとだけ怖かったですね。
ジュンちゃんの部屋(ちょっとだけ怖い)
概要
関西地方のとある噂の廃墟マンションに、肝試しに訪れる若者たちの映像。スタッフは、今は東京に住んでいるという投稿者・上田慎一郎さんに話を聞く。
上田さんは地元の仲間と心霊ドキュメンタリー風の映像を作ろうと思い立ち、その場所を訪れたのだそうだ。彼は友人の岡田さん(仮名)にカメラを任せて廃墟に入っていく。だがそこでは特に何も起こらなかった。
だが、帰り道に映像をチェックしていた岡田さんの顔色が悪くなっていく。不思議なことにその映像の一部には岡田さんの家の自分の部屋の光景がノイズと共に差し込まれており、そこに謎の女性が写っていたのである。その数日後、岡田さんの家でガス爆発が起こり、家族もろとも全員が亡くなってしまった。
スタッフは以前、その廃墟に行ったことがある人物に話を聞く。そのマンションには「ジュンちゃんの部屋」と呼ばれる部屋があり、その部屋にかつて住んでいた「ジュンちゃん」と呼ばれる知的障害の娘が乱暴されて子を宿し、自害してしまったという噂があった。
ここで問題の映像が紹介される。照明が行き届いておらず、部屋の詳細は非常にわかりづらいが、入った部屋にはロープが垂れ下がっていた。すると映像が乱れだし、そこにはどこか別の部屋の光景が差し込まれ、ボヤっと写った女性がこちらを指さして笑っている。心なしか、お腹が大きいようにようにも見える。
感想
投稿者の上田慎一郎さんとは、まごうことなき、あの「カメラを止めるな!」の上田慎一郎さんです。間違いありません、顔がそのまんまです(笑)。さすがにトレードマークの帽子は被っていませんけど。このタイトルの発売日が2010年12月ですから、丁度彼が映像作品に関わり出した頃ですね(wikipedia調べ)。
まずはコメント欄にて「みっつ」さんが心霊投稿ものに「上田慎一郎氏が実名で投稿しているのを見た」と教えていただきまして、残念ながらタイトルは失念してしまったとのことで、しばらく謎だったのですが、つい最近「おっさんごりら」さんより、本タイトルであることを教えていただけたのです。これが「案件」だったのか、それとも「素」で投稿したものなのかは、ちょっと判断できませんですけど、とても貴重なものを見せていただきました。
さて、エピソードなのですけど、まあまあ怖いものに仕上がっていると感じました。特に、心霊スポットに行ったら、その場で撮影した筈の映像に、自分の部屋が写り込んでいるというシチュエーションは全く理屈に合わない現象で、これはちょっとした恐怖です。さらにそこに不気味な人物が写っていたのでは、顔色が変わるのも無理ないですよね。
ただ残念ながらこれには2004年の「ほん呪SP5:井戸」という傑作が既にあるため、インパクト不足は否めないです。女性の姿がうすぼんやりしていて表情が伺えない点も似ていますが、怖さ的には断然「井戸」に軍配が上がります。ちょっと惜しいですね。
感想まとめ
と言うわけで、「カメラを止めるな!」の上田慎一郎氏が、投稿者として実名で出演していたという、このタイトルですが、全体的に真面目に作り込んでいるものの、余りにも「心霊ドキュメンタリー」のセオリーを踏襲しすぎて特徴のない、地味な印象を受けました。また、無駄な取材シーンが多くて冗長な感じもします。
それでも「ビデオメッセージ」、「ジュンちゃんの部屋」はちょっと怖くて、多少光るものも感じたエピソードもありました。
その他に気になった件としては、ニュース映像みたいな明るい調子のナレーションに違和感がありました。何故かAmazonプライムビデオではスタッフロールが無かったため、確認できないのですが、HOYAのショウ君のような合成音声のように感じます。心霊ドキュメンタリーに合成音声はなじまないと思いましたね。
さて、このタイトル、今後続巻をレビューするかどうかわかりませんが、暇があったら見て見ようかとは思います。
それでは。
コメント
上田監督の出演作、見つかって何よりです(祝)
「投稿されてきた!呪いの心霊映像」そのタイトルでは記憶に残らなくても無理ないな、と自分では思ってしまいますw
この作品の各エピソードは私もかなり観たことのあるものですね。いくつかはGYAOで観ることもできます。「ありがち」という評価が続いていますが、個人的にはけっこう好きなものもありました。(一番ありがちなのは、やっぱりそのタイトルかなと 笑)
>見つかってなにより…
ありがとうございます。
>一番ありがちなのは、やっぱりそのタイトルかな…
劣化コピー感が半端ない、このタイトルが一番の問題かもしれません。
この巻では、「ビデオメッセージ」が一番良かったです。
確か祖母の家とビデオメッセージはtbsの
世界恐怖映像で見た記憶があります。特にビデオメッセージはインパクトが強く民放でもよく見たので今でも思い出してはゾッとします。それにしてもカメ止めの上田氏が出演していたとは驚きましたw
これテレビでもやってましたか。
ビデオメッセージはちょっと怖かったですね。
>上田氏が出演していたとは驚きましたw
私も驚きましたw
お初です
少し前に自分もプライムで観ました
自分もかなり投稿系心霊ビデオを観ているので怖さ的にはほぼ無しでした
一つどうしても気になっていると言うか…敢えてなのかそうじゃないのか分からない所が有りまして…
広島旅行の城ですがあれは愛知県の犬山城だと思います
自分、何回か足を運んだ事が有りまして中も外の景色もそっくりでした
どらほーさんこんばんは。
コメントありがとうございます。
あれは犬山城でしたか。
どらほーさんが何回も訪れたという事であれば、間違いないかと思います。
場所が全然異なるので、わざとぼかした可能性がありますね。
まさか…あの映像は…ガチ?
お返事ありがとうございます
あの足が映っていた位置には確かお城関係の職員?ボランティア?の方が居たような気がするんですよ
仮にあの映像がフェイクだとしたらあの位置に立っている人を加工処理で足だけ残して消した可能性が有ります
まあある意味ではガチと言っても良いかもしれません
なるほど。
案内のボランティアさんがいたのですか。
ただ、コンテンツの性格上、フェイクだとしたら、もうちょっと怖くすると思うんですよね。
そう意味でガチなのかとも思った次第です。
フェイクなら、リアルさを考慮し過ぎましたね。