闇動画15(ネタバレあり)

yamidoga15 レビュー

はじめに

「闇動画15」のレビューです。前巻に比べると低調なのですが、意外と面白かったと思います。

復讐代行(少し怖い?)

概要

半グレみたいな男たちがいきなり男性を拉致。山奥に連れ込んで拘束されたこの男を暴行する。どうやらこの男、任意保険にも入らずに交通事故を起こし、幼い女の子を結果的に殺してしまった。にもかかわらず損害賠償金も払わず、自分は自己破産してのうのうと暮らしていた。被害者の両親が復讐屋に依頼したらしく、男たちは彼を殺してしまう算段のようだ。

だがこの男、痛がっているものの異常にタフで、半グレ達の息が上がってしまう程。男たちの新入りのような眼鏡の男性に、拉致された男が何か呟いたかと思うと、この新入りは何か恐怖を感じたかのように叫び出し、斧で男を惨殺してしまった。

その直後、閃光と爆発音、そして巨大な何かの足音が辺りに響き渡る。そして……。

男たちの中で一人だけ逃げ切ったようだが、精神を病んで入院。その後行方不明になってしまった。映像は、山中の巨大な糞らしきものから発見されたのだが………。

感想

最後に巨人みたいな男がカメラを飲み込みます。

現れた大きな足も、撮影者を飲み込む巨人もただの裸の男性で、いろんな意味で意表を突かれました。巨人と言っても背景が真っ黒なので比較するものもなく、なんだかなぁと言った感じ。

それでもクライマックスまでは良い流れだったのです。男性の痛がる様子だとか、助けを求める声とかもリアルだし、半グレっぽい輩たちの演技も真に迫っていて、ハラハラドキドキしましたから。もう少し巨人の造形を工夫してほしかったと思いました。

このタイトルは2016年ですから、丁度「進撃の巨人」のアニメ1期と2期の間ですね。あの作品にインスパイアされたのでしょうかね。

友人の行方(少し怖い)

概要

風俗のプロモーションビデオを撮影するために店長に呼び出された女性。だが隠しカメラで撮影していたり、店長が出した飲み物をトイレで吐きだしたりと不穏な感じ。実は同じような状況で彼女の友人が行方不明になってしまったらしい。彼女は友人の行方を探るためにこの男の誘いに乗ったのだった。

だがこれは店長の罠であった。返り討ちにあい拘束されてしまう女性。彼女の目の前で「自分は抵抗する女性でしか感じなくなった」「騒がれたので殺した」などと臆面も無く語り、保存していた友人の首を持ってきてテーブルに置き、あまつさえ切り刻んだ友人の肉を、彼女に無理やり食べさせるなどの猟奇的な行動に出る。

友人を助けられず、その無念を晴らすこともできず、自分も同じように殺されてしまう運命に、深く絶望する彼女の目の前にはなんと……。

感想

まあ、概要の通りなのですが、最後に撮影者の友人、「アキ」さんの幽霊が出てきて一矢報います。その姿はちょっと宙に浮いていて現れ方もタイミングも良かったです。ちょっとはっきりしすぎの感じがしましたけど。

撮影者の女性が店長にしてやられて、嘆き悲しむ「アキのメール消しちゃったぁ」「ごめんねぇ」というセリフ、悔しさや無念さが伝わってきてちょっと感情移入してしまいました。そこにアキさんの幽霊登場。鬼畜店長をやっつけてくれるのだから、なんだかスッキリしてしまい、怖くなかったです(良いんだか悪いんだかw)。

でも意外と好きなエピソードです。

霊を捕まえる(少し怖い)

概要

「女性を監禁していた」という噂の廃墟に恋人同士の「みき」さん「しんじ」さんの2人と、別の女性の「かおり」さんとで肝試しに向かう。かおりさんは「幽霊を捕まえたい」という変な願望を持っていた。

かおりさんは水晶のダウンジングでその噂の部屋をさぐり、それが指し示す方向に進んでいくと、行き止まりになってしまう。だが水晶は勢いよく宙を飛び、壁にぶち当たる。その壁を足でぶち破ったかおりさんは、噂の監禁部屋らしき隠し部屋を探し当てた。

その部屋には女性の生爪のようなものが散乱し、壁には不気味な図案の紙が貼られていた。あまりの不気味さに一同引き返すのだが、かおりさんはあの部屋に引き返したいと言い出す。彼女は幼少期に母と死別し、幽霊を捕まえてあの世の入り口を見つけ出して母親に会いたいと願っていたのである。

一人、あの部屋に戻っていく彼女を放っておくわけにもいかず、後を追うしんじとみき。彼らを襲う信じられない現象とは……。

感想(ネタバレあり)

少し間抜けだけど実はまじめで理屈っぽい「しんじ」。怖すぎて「そんな女放っておけ」と逃げようとする感情が優先してしまう「みき」とのコンビが面白かった。「幽霊を捕まえる」とか訳の分からないことを行動原理とする「かおり」に振り回されるこのカップルが可哀そう、とか感じました。

概要ではかなり端折ってしまいましたが、あの部屋に行ったり来たりとグダグダなんですけど、ちょっと面白かったですね。ただ、怖さ的には大したことないし、ラストの展開も「???」って感じで消化不良です。

てか「かおり」はどうやって幽霊を捕まえたんだよ。

感想まとめ

ちょっとグダグダで、ラストも「?」が多く、怖さも面白さも前巻からはかなりのパワーダウンですね。でも、何故か長いとは感じさせず、意外と面白かったなというのが全体の感想です。前巻とこの巻の順番を入れ替えたら盛り上がったかも、なんて思ってしまいました。この後の続巻を見ていないので何とも言えませんけどね。

「友人の行方」が僕的には良かったです。ラストの巨人さえもう少し何とかなっていれば、「復讐代行」も面白かったかも。

それでは。

コメント

  1. fd より:

    いや、友人の行方の店長と撮影者が結局その後どうなったのかインタビューで詳しく教えてもらいたかったです。個人的にこっちが消化不良でした。あと復讐代行進撃の巨人そのまんまっすねw

  2. itton より:

    いやいや全く持ってその通り。

    でも、僕の中では店長は死んで彼女は何とか助かっているんですよ。僕がそう思うんだからそうなんですよ。僕の中ではね(笑)。

    >復讐代行進撃の巨人そのまんまっすねw

    しかも実写版という(笑)。

  3. antonescu より:

    投稿お疲れ様です。

    「復讐代行」は、自分的にはちょっと内容に無理があったように感じてしまいましたね。
    巨人の能力があるくせに、自賠責も入らずに子供を●しちゃうようなノータリンだったり、巨人の下りのところがあまりにも唐突で前後に何の脈絡もなかったのが、なんか残念だった気がします。
    ただ、この回は加害者が勝ってるけど、次の「友人の行方」では被害者側が勝ってる展開になってるのは、対照的な感じで面白かったですね。
    「霊を捕まえる」は・・・オチまでちゃんと考えてやってください・・・としか。

    これからも頑張ってください。^^

    • itton より:

      ホントに唐突で笑ってしまいました。
      それでも映像がスピーディーなので、ちょっとびっくりもさせられたりして、いろんな意味で意表を突かれましたよ。
      これが「進撃の巨人」よりも前だったら評価が変わったと思います。

      >対照的な感じで面白かったですね…

      そうですね。意識していませんでした。
      捕まった女の子のセリフが、めちゃめちゃ説明的なのになんか可哀そうになってしまって、報われて良かったなんて思ってしまいました。

      「霊を捕まえる」は全く持って同意します。「パン!」じゃねえよ(笑)。

  4. より:

    復讐代行はやらせ 作り物 事実なら犯罪ですから

    • itton より:

      >復讐代行はやらせ…

      まあ、そうでしょうね。
      このエピソード、クリミナルな話かと思ったら、いきなり「進撃の巨人」で戸惑いました。

タイトルとURLをコピーしました