闇動画22(ネタバレあり)

yamidoga22 レビュー

はじめに

「闇動画22」のレビューです。発売は2019年7月。レビューはかなりリアルタイムに近づいてきました。以下は多くのネタバレがありますので、ご注意願います。

密着取材(怖くない)

概要

映像学科の女子学生が、卒業制作にと、小説を書き始めたルポライターの義姉に密着取材する映像。取材対象の義姉は女子学生の兄の妻である。兄は退職後アウトドアに嵌ったようでしばらく家にはいないそうだ。密着取材を開始するのだが、家の外そこかしこに怪しい女がストーカーのようにこちらを伺い、纏わりついていることに気が付く。

ある日小説のネタに詰まった義姉がイライラしているときに、あの女が家の外からこっちを見ている。そのことを伝えようとしても義姉はプンスカして話を聞かず、よりにもよってコンビニに出かけるという。彼女を心配した女子学生が声をかけても義姉は意に返さず出かけてしまった。

もう一度外を見るとあの女がめっちゃ近くにいるではないか。だが義姉は鍵をかけないで出かけてしまったため、女が部屋に入り込んでくる。片手に刃物を持っており、女子学生は思わずクローゼットに逃げ込むのだが…。

感想(ネタバレ)

ここからネタバレです。

女子学生が10分ほどしてクローゼットから外を伺うと、あの女が待ち構えていて襲われそうになります。ですが、ちょうど帰ってきた義姉の灰皿攻撃によって事なきを得ます。

何故かクローゼットから出た女子学生はあちこち血だらけになってしまいます。クローゼットから出た時に一緒にこぼれ出た男物の靴下も血で濡れていました。それを見た義姉は今度は女子学生に灰皿を振り下ろすところで映像は終わります。

ナイフの女は兄の愛人らしく、兄に会えなくなったことで義姉を疑い家を探っていたそうです。この女も女子学生も命に別状はなかったのですが、義姉はその後行方をくらまし自殺してしまい、兄の行方は未だに行方不明というお話。

心霊的な要素も無く、義姉からの依頼とは言え、旦那を殺したばかりなのに密着取材なんかに同意するわけないじゃんとか、納得しずらいところがありますね。小説書いている場合じゃないだろうとか思いました(書いているふりかもしれませんが)。

怪しい女もごく普通の女性で怖くはありません。本当は今まで怖いと思っていた女よりも、実は義姉の方が怖かった、という感じを出したかったのだと思いますが、双方ともにちょっと凄みが足りない印象でした。

恋愛情報商材(笑)

概要

超怪しい風貌の男、コンドウが恋愛情報商材用に作成した映像。バーで女の口説き方を実践する予定だったのだが、やってきた仕込みの女性はべろべろに酔っぱらっており、意図した映像にならない。そればかりか女はトイレでゲロゲロやるために途中で席を外してしまう。

女を手配したマスターに愚痴をこぼすコンドウだが、マスターの携帯には手配した女からバイトで遅れて今から行く、とのメールがくる。「じゃあ今いるあの女は誰なんだよ」……。

感想

ここからネタバレ。「あの女誰?」って感じになった所で女がトイレから出てきて、コンドウに馬乗りになったと思うと、彼の顔面(カメラ)にゲロゲロ。だがコンドウの顔は劇薬に晒されたように崩れて溶けて意識を失ってしまい、女は謎の高笑いで店を出て行く。

コンドウの「ネイルの仕事やってるんだよね」の問いに「もうやっていない、今はニート」と返して視聴者をずっこけさせたり、「こないだ男とHしたとき、いつ入れてくれるのかと思ったら、もう入ってた。小さくて気が付かなかったわw」とか下ネタかましたりと、ちょっと笑ってしまいました。

今までインパクトの薄い隙間エピソードでしたが、なんか今回は面白かったです。とは言っても全然怖くないのはちょっと問題ですね。コンドウの溶けた顔はそんなにグロではないですが、カメラに向かって「うえっ!」とかやるのには、ちょっとドキドキしてしまいました(違う意味で)。

魔窟3 袋(少し怖い)

概要

ある廃墟を撮影したと思われる4本の不可解な映像。今回ご覧いただくのはそのうちの1本である(改行等修正)。

廃墟に探検にやってきた若い男性3人組。あらかた探検を済ました後、鬼ごっごでもするかという事になった。鬼は逃げる他2人の携帯を5コール鳴らして探るという、今どきのルールでの鬼ごっこである。

鬼ごっこの途中、撮影者のカメラの視野の片隅に、赤っぽいスカートを履いた女性が横切るのだが、この時撮影者は気づいていない。よく見るとこの女性は頭から紙袋のようなものを被っており、容姿は判らない。鬼から逃げる撮影者はこの時の鬼、ケンタから逃げるために空のロッカーに逃げ込んでやり過ごす。結局後にケンタに捕まってしまうが、彼はロッカーのある部屋には行っていないという。確かに扉が開く音や足音がしたのだが…。

その後鬼になった撮影者はケンタを捕まえ返したが、時間切れになったらしく罰ゲーム決定になる。だがもう一人のリョウジの姿が見えない。携帯を鳴らして探して見るのだが、携帯は廃墟内の部屋に落ちており、彼を見つけることができないため、外で待つことにした。

すると、2階の窓から呼びかけるリョウジの姿があった。携帯をなくした上に迷って出られなくなったと訴える彼の後ろには、もう一人の女性らしき人物が見える。後ろの女性は誰だと呼びかけてもリョウジには見えていないようだ。若干距離があることから見間違いか何かと思ったのか、2人は気にすることもなく彼の元へと急ぐが、その場所に辿り着いても誰もいない。リョウジは何処に行ってしまったのだろうか……。

感想(ネタバレ)

ここからネタバレです。

リョウジは2階の「洗面洗濯室」で血を流して倒れていました。どうも息をしていないようです。狼狽する彼らですが、廊下の向こうに例の袋を被った女が立っています。それを見たケンタも突然苦しみだし、やはり血を流して倒れてしまいます。最後に残った撮影者は逃げ出しますが、あの女が迫ってきます。

先程隠れたロッカーに逃げ込もうとその扉を開けると、中にあの女がいて驚いた彼の叫び声で映像が終わります。

なんかバイオハザードみたいで面白かったですね。女性が被っている袋は麻袋なのか紙袋なのか良くわかりませんが口の周りが赤く染まって不気味です。ただし遠くだったり一瞬だったりして「袋を被った不気味な女」というアイコンが認識しずらいのが残念です。もっとはっきりと見せても良かったんじゃないですかね。

待望の「魔窟」シリーズ第3弾ですが、前作の「魔窟2」からタイトルで2年も開いているのですね。これはちょっと開け過ぎではないかと思います。私はDVDで後追いだから良いんですが、リアルで観ている人は前作のことを忘れかねないなぁと思いました。

感想まとめ

今回も面白かったのですが、怖さに関しては前巻よりも輪をかけて地味になった感が否めないですね。特に「密着取材」が地味、というよりただの人間模様です。今までは、あってもなくてもどうでも良かった隙間エピソードが、酔っぱらった女性のキャラで存在感を増していたのが印象的でした。

楽しみにしていた「魔窟3」ですが、そこはとない不気味さはあり面白かったものの、恐怖に関してはパワー不足でしたね。

それでは。

コメント

  1. fd より:

    次回はいよいよ魔窟最終話です!ついに老婆や分離女、袋女、この老人ホームの正体が判明します。こうご期待!

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