はじめに
「闇動画23」のレビューです。発売は2019年10月。レビューはかなりリアルタイムに近づいてきました。以下は多くのネタバレがありますので、ご注意願います。
ビル(少し怖い)
概要
このビルの空きフロアは、誰もいないことをいいことに近所でラブホ代わりに使われていたという。その様子を盗撮するために、わざわざ隣のビルから見張っている若者2人組。案の定OLとその上司みたいなカップルがこのビルに入っていく。
下品な笑いを浮かべてその後を追う2人だが、カップルの様子はなんだかおかしく、ついに男が女の首を絞めて去って行ってしまった。慌てて女に駆け寄るのだが女の脈はなく、既に亡くなっているようだ。殺人現場に居合わせた形になり、おろおろする2人は取り敢えずこのビルから出ようとする。だが出口ではあの男が鉄パイプ片手に待ち構えていた。
逃げる行く先々で、まるでワープしてるかのようにこの男が現れる。狼狽した若者らが女が死んでいた場所に戻ると…。
感想(ネタバレ)
ここからネタバレです。
まあ、女の死体は何故か姿を消してしまい、隠れていたら目の前にあの男が突然現れる、という展開になります。まあまあのサスペンス感がありますが、若者たちはちょっと喋り過ぎです(笑)。あれじゃすぐに見つかっちゃうよ。
空きフロアが施錠もされていないとか、あんなところでよく行為をする気になるなとか、かつて殺人事件があったことを若者の一人が今更ながらに思い出すとか(最初から言えよw)、突っ込みどころはあります。
でも、ちょっと神出鬼没過ぎておかしいとはいえ、生身の人間だったと思っていたあの男(女も)は実は幽霊だったと思わせる演出が少し怖かったです。
魔窟4 妹の行方(少し怖い)
概要
ある廃墟を撮影したと思われる4本の不可解な映像。今回ご覧いただくのはそのうちの最後の1本である。
10年以上使用されていない老人ホームの廃墟。この施設の経営母体が某宗教団体であることを突き止めたのは、この宗教に入信して行方をくらました妹を探すカマダという男性であった。その調査のドキュメンタリーを撮影するため、映像制作会社のオオカワも同行する。この施設にはカマダの妹・マユミが事務員として住み込みで働いていた。カマダは施設内を探りながらこの宗教団体の異常性を語るが、廃墟化して長い月日が経っている施設内には、めぼしい手掛かりは残っていない。
後日、霊能者の女性・ミカワとともに施設を再訪する。ミカワは裏で警察の捜査にも協力するほどの能力者だが、霊の声を聴くために人と会話をしない。彼女の後をついて施設を巡ると、廊下の先に袋を被った女性らしき人が立っている。この女性は跡形もなく消えてしまうが、その服装はカマダが妹に買ってやったものらしい。やがてミカワは何かを聞き取ったのか、同行しているカマダ、オオカワに外で待つように携帯でメッセージを送る。
やむなく外で待つ2人にミカワから電話がかかってくる。「もうそちらへは戻れないので伝えておく」「マユミさんはこの施設で亡くなっている」「大川は教団のメンバーでマユミさんの死にも立ち会っていた筈だ」それだけで電話は切られてしまう。半信半疑ながらもオオカワに疑惑の目を向けるカマダ。当然彼は否定し、取り敢えずミカワの元に行こうと提案。2人は施設に舞い戻る。
そこで、カマダは事の真相を知ることになるのだが…。
感想(ネタバレ)
ここからがネタバレです。
施設内に2人が戻ると、ミカワは舌を噛んで死んでいた。カマダのオオカワに対する疑惑は確信に変わり、彼を問い詰めて白状させる。やはりオオカワは教団のメンバーで、この施設に教団のCM撮影で訪れ、マユミさんと知り合ったようだ。彼はマユミさんの消息をだしにして、ある一室にカマダを誘い込み、閉じ込めることに成功する。
オオカワはマユミさんが教団をやめるとか言いだしたので、改心させるためにこの部屋に閉じ込めたら舌を噛んで死んでしまった。そのときこちらを睨んで怖かったので、とっさにその辺にあった袋をかぶせたと語る。さらにマユミさんがこの教団に入ったのは、そもそも彼女に対するカマダの性的暴行が原因であることを暴露し、「バーカ」と吐き捨てる。策にはまったカマダはブチ切れるが、どうすることもできない。
オオカワはそこで「死ねや」と捨て台詞を残して立ち去ろうとすると、壁の鏡に何か写っていることに気が付く。彼が振り向くとそこには…。
袋を被った女性はマユミさんだったのですね。
概要では端折りましたが、魔窟シリーズ1回目のおばあさん、2回目の腰から下だけの女性の謎も、教団を調査したカマダのセリフから、あっさりと回収されました。そうそう、玄関にパズルみたいな落書きがあったのですが、その謎もかなり雑に回収されています。
怖さはさほど感じませんが、なかなか面白かったですね。声だけしか登場しないのに、オオカワの演技がなかなか光っています。特にカマダに問い詰められて観念した後の、めんどくさそうに説明するところとか、カマダを閉じ込めた後の「バーカ、バーカ」とか吐き捨てるところとか、妙に現実感がありました。
カマダの方も年頃の妹の誕生日に服を買ってやる程溺愛している筈なのに、実は○イプしていたとか善良とは程遠い人物で、どっちもどっちって感じですね。
最後のシーン(あえて語りませんが)とかは、ちょっとあっさりしているかもしれませんが、ちらっと見せるだけの演出はよかったと思います。ただ、4回に分けて引っ張った割には少し地味だと感じる人も多いかもしれません。
お面(少し怖い)
概要
インターネットTV番組の取材映像。アイドルの「カオリ」をリポーターにして旅館「ミズノ」の取材が始まる。心霊現象の噂で客足が遠のき、開店休業状態のこの旅館の場所は、かつて罪人の首切りをしていた侍の屋敷があった。宿の主人の家系でもあるこの侍は、数多くの首切りで罪人の視線に恐怖を感じるようになり、首を切る前の彼らにお面を被せていたという。
だが伝承のお面が残っているわけでもなく、部屋も別に普通だし、レポーター役のカオリもNG連発で、なんだか取材はグダグダ気味であった。ちょっとでも使える絵を撮ろうとして待機中のカオリにカメラを向けたら、明確に拒否られたのが癇に障ったのか、ディレクターはカオリに対して精神論全開の超パワハラモードになってしまい、以降の取材もギクシャクしてしまう。
この曰く付きの旅館に一晩泊まることになるのだが、カオリがディレクターの上に赤い人間のようなものが覆いかぶさっているのを目撃したり、天井付近から激しく叩く音がしたりの心霊現象が発生する。ディレクターは天井裏に何かあるように感じたのか、カオリに探らせると古い箱が出てきた。
箱の中には不気味な能面が入っており、これがあのお面に違いないと思ったディレクターは、カオリにこのお面をつけることを強要するのだが…
感想(ネタバレ)
ここからネタバレです。
パワハラモードでこのお面をカオリにつけさせますが、予想通りというかベタというかやっぱりお面が取れなくなります。というかディレクター自身「あまりにもベタでしょ」とか言っちゃってます。でもやっぱり取れないのでディレクターが手伝うとペリッとあっさり取れてしまいます。
お面の裏側にはびっしりと肉が張り付いていました……後はご想像のとおりです。
その後、宿の主人が日本刀持ってやってきて、「たまに血を吸わせないと俺らもやばい」とか言ってディレクターも襲われてしまいます。
最後にこの旅館は原因不明の出火で全焼し主人とその家族も亡くなってしまったそうです。
あまりもたくさんの罪人を切り続けたため、お面に罪人の呪いが宿ってしまい、代々その家系のものはお面に血を吸わせないとその家に災いが訪れる、ということなのですね。最後は犠牲者を供給しきれなくなって一家全滅になってしまったのでしょう。
アイドルが自らお面をかぶるというシチュエーションを作るための、ディレクターパワハラモードなのですが、ちょっと胸糞レベルだったのが残念。カオリさんが少し歳が行ってる感じで、若いアイドルに見えないのが、さらに拍車をかけ、痛々しくて観るのがつらかったです。
お面の裏についていたのはどう見ても豚肉ですよねえ。後で美味しくいただいたのでしょうか(笑)。
お面自体の顔は結構怖かったのです。カオリさんがつけてからそのお面の怖さを引き出す「貯め」というか「間」が、もう少しあった方が良かったと思いました。
血を吸うお面とか、なんとなくジョジョの「石仮面」を思い出します。
感想まとめ
今回も面白かったのです。特に魔窟シリーズの伏線がある程度回収されて、少しすっとしました。若干地味なのが残念ですが。
ほかのエピソードもそこそこ怖くて面白く、盛り返してきた感があり楽しめました。
それでは皆様よいお年を。
コメント
はい、これで魔窟シリーズは終了となりましたが実はこの魔窟、なんと前日譚が存在します。闇動画25となっていますので、お楽しみに
なん……だと……w
新年あけましておめでとうございます!今年も楽しみにしておりますのでよろしくお願いいたします(_ _)
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。