はじめに
「心霊盂蘭盆3」のレビューです。間に「Q」を見ていたせいで、前作「心霊盂蘭盆2」からだいぶ間が空いてしまいました。前作はまあまあ、と言ったところでしたがどうでしょうか。
地図から消えた廃村(少し怖い)
概要
登場するのは若い夫婦。妻が嫌がっているのに夫はネットで見つけた心霊スポットと噂される廃村跡に連れ出す。撮影者は夫だが、後に見返した映像には彼らが訪れた様子を廃屋から覗くような第三者の視点がノイズと共に差し込まれていた。
妻は多少の霊感があるらしく、何かを感じたようで夫にしきりに撤収を訴えるが子供っぽい好奇心に夢中の夫は聞く耳を持たない。
差し込まれた第三者の視点は不安そうに廃屋の隙間から覗き込む妻の様子も捉えていたが、彼女はここに何かを見つけたようなしぐさをする。
再び通常の夫の視点にカメラの映像は戻るが、妻の姿が消えていた。夫は辺りを探し回るが妻の姿を見つけられない。助けを呼ぼうにも携帯の電波が届かないので、彼は車で麓まで降り連絡を試みるのだが…。
感想
自分らが撮った映像に何故か第三者の視点の映像が紛れ込む。今となっては使い古された手法となってしまいましたが当時はまだ珍しかったのかな。
案の定と言うか予想できてしまいますが妻が消えてしまいます。旦那はうろたえて携帯も繋がらないから車で麓まで下りますが、繋がった先で最初に連絡したのが「おかあさん」。
概要にも書きましたがまるで子供やん。情けない旦那だなっと思いました。
その直後、車のサイドウインドウに、顔のあらゆる穴から血が滲んだ、どう見てもあっちの世界に行ってしまった妻が一瞬顔を出しビックリします。
よく見ると妻の顔がホラー映画のゾンビみたいで冷めてしまいますが、一瞬なので慣れていない方は結構怖いかもしれません。
憑依(ちょい怖)
概要
ガールズバーとかで知り合った女性と、心霊スポットの廃病院へと向かう若い男女2人。女性は霊感があるらしく「ここやべぇ」みたいなことを言って、備えていた心霊グッズを男性に施したりして、先へ進む。
だが、男性は気分を害し、その場にへたり込んでしまった。女性の介抱により何とか復活するが、今度は女性が消えてしまう。男性は辺りを探し回り、公衆トイレの中で座り込む彼女を見つけ出すのだが…。
感想
トイレにしゃがみこんだ女性が顔を上げると、やっぱりゾンビみたいな顔で、背後から何本の手が伸びてきて女性を取り込もうとしているみたいな感じになります。撮影者はすぐに逃げてしまい、映像はそこで終了。女性のその後の消息も分からないそうです。
何が起こるのか構えて観ていたので、そんなに怖くはありませんでした。というか後ろから手が出てくるパターンは結構観ましたので慣れてしまったのが大きいですね。
生半可に霊感があるとこういう時犠牲になりやすいんだなぁ、なんて思いました。
傀儡廻(少し怖いが胸糞そしてざまあ)
概要
心霊番組のロケハン記録映像。男女2人のADが心霊スポットの祠みたいなものがある場所を下見していると、そこに供えられた日本人形を発見する。
男性ADは罰当たりにもその日本人形を拝借して、本番でタレント脅す材料に使おうとするが、多少霊感がある女性ADは必死に異を唱える。
その場は人形を元に戻すことで収まるが、バカADは隙を見てそれを車に持ち込んでしまう。車に人形があることを発見した女性ADは、その人形を車の外に持ち出し、その辺に投げ捨ててしまう。直後彼女はその場に倒れ込んでしまったのだが…。
感想
この男性ADがちょっとムカつきます。心霊とかまるで信じていなくとも、誰かが思いを込めてお供えしたものを、勝手に拝借しようとか、罰当たりというよりモラルに欠けていますね。最近の「セクシー田中さん」問題が記憶に新しいので、こういうTV局脳、マスコミ脳、みたいなものにちょっと嫌気がさしている昨今なだけに、なおさらそう感じてしまったのかもしれません。
結局女性ADを車に担ぎ込んで助手席に乗せると、「しね」と言う声をともに女性ADの顔が一瞬怖い顔に変わって、男性ADが恐怖の声を上げるというものでした。
その後女性は仕事を辞め、男性は数か月後に亡くなると言うオチでしたが、怖いというより因果応報で、言葉は悪いですが、「ざまぁ」とさえ思ってしまいます(もちろんフィクションだと認識しているからですよ)。
鉢合わせ(意外と怖い)
概要
「深夜に合わせ鏡をして、そこの何番目かに映る自分の顔が死に顔」と言う都市伝説を、きゃっきゃうふふと実践する若い女性3人。
ところが、その最中にブレーカーが落ち、部屋が真っ暗になってしまう…。
感想
2人の女性の1人が首を絞められて亡くなっている顔、もう1人が事故か何かで首が曲がってやっぱり亡くなっているような顔になります。
直球ど真ん中の派手な演出に、思わず驚きの声を挙げました。シチュエーションもなかなか良く、彼女らの顔の造形がやっぱり安っぽいホラー映画にしか見えないのですが、雰囲気も相まって少し怖い。ただ、人によってはちょっと笑ってしまうものかもしれません。
案の定、彼女たちは想像できる理由で、後にこの世を去ってしまったというお話です。
図らずも彼女たちの本当の未来を見てしまったのか、それともこの行為が悲劇を呼び込んでしまったのか、どちらにも取れる感じで、僕にとっては意外と好きなエピソードです。
忌わしの呪家(雰囲気は良かった)
概要
不動産屋を介さず空き家を購入するサイトで、気になる物件を見つけた若い夫婦が、ある空き家に内見に訪れる。
撮影者である妻は、そこかしこに女性の姿を認めるが、この家は施錠されており人はいない筈。2階から見下ろすと庭に女性が立っている。夫が挨拶に向かうため1階に降りて行き、2階に妻1人が取り残される形になった。
そこで起こった怪現象とは…。
感想
外から見上げた家の窓とか、格子の間とか、不気味な女性が姿を現し恐怖が盛り上がります。2階に取り残されることになった奥さんですが、襖がが開きにくくなったりしてパニックになります。
そしてよせばいいのに、押入れをビビりながらもばっと開けて、何もいないと思ってホッとしたのもつかの間、さっきの女性らしき顔がゆっくりこちらを覗き込んで来る、と言うフェイントがちょっと怖かったですね。
その家の中に入って、だんだん雰囲気が変わっていく過程の演出が良くて盛り上がりますね。
ただし、不気味な女性の顔自体はさっきから言っているようにホラー映画です。
感想まとめ
全体的に演出が派手で派手で判りやすい印象です。だけど判りやすいせいで、幽霊がはっきり見えすぎてしまい、メイクがB級ホラー映画そのもので、「ほん呪」のような、「え?ひょっとしてガチ?」みたいなリアリティは微塵も感じさせません。
ただそれさえ割り切ってみれば、ストーリー構成、演出等は手慣れていて、ストレスなく視聴でき、怖さもそこそこあって、結構楽しんで観れますね。純粋なホラードラマとしては面白いです。
これでもうちょっと、不可解さと言うか、訳の分からなさというか、そう言った奇妙でそこはかとない、気味の悪い恐怖感が加味できれば、フェイクドキュメンタリーと言う観点では、もっと良かったと思います。
それでは。
コメント
久々の心霊盂蘭盆レビューありがとうございます。
正直3巻は記憶があまりありませんがこれを機に見直してみたいと思います。
確か次の巻あたりから構成が「XXX」風になったと思います。
といっても「XXX」ほど複雑ではなくつながりもわかりやすい上1巻で完結するので見やすいと思います。
おっと。
これから面白くなりそうですね。
楽しみです。