はじめに
「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!シリーズ」第8作目、『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!FILE-01【恐怖降臨!コックリさん】』のネタバレを含むレビューおよび考察です。
異なる世界線の工藤ディレクターですが、より凶暴化しています(笑)。
あ、今回犬は無事です。
概要(ネタバレ注意)
最終章で世界を救ったコワすぎ!スタッフ、工藤・市川・田代の3人は、改変されたこの世界でも再びタッグを組み、「コワすぎ!」シリーズを制作していた。だが売り上げは振るわず、工藤は起死回生を狙って借金を重ね、シリーズを「超コワすぎ!」へとリニューアルする。再出発を高らかに宣言する工藤とは対照的に、市川の表情はどこか冴えない。
今回取り上げるのは、投稿映像に記録された“コックリさんの儀式”。投稿者である女子高生の翔子、純、そして新菜の3人は、高校受験前にこの儀式を行い、「3年後に再び同じ場所に集まり、もう一度行う」という約束を取り付けていた。
しかし約束の日、新菜は自身の予定を優先して不参加。やむなく翔子と純の2人だけで儀式を行ってしまう。すると、約束を破ったことに対する報いのように、不可解な現象が次々と発生。まるで儀式によって呼び出された“何か”が意思を持って干渉しているかのようだった。
事態の収拾を図るため、工藤は不参加だった新菜を強引に呼び出し、改めて3人揃った状態で儀式を再現する。だがその最中、現象はさらに激化し、状況は一気に制御不能へと傾いていく。
そして、新菜には一同の想像を超える“秘密”が隠されていたのだった。
感想(ネタバレ)
工藤の語るこれまでの「コワすぎ!」のタイトルが、「口裂け女を追え」「笑う幽霊」「殺人河童撃退作戦」「恐怖!トイレの花子さん」「怨念!お岩さんの祟り」「発狂寸前!呪いの村」と、実際のものと微妙に異なっている点が、ここが別の世界線であることを示唆しています。しかも決定的な映像が撮れていないことから、この世界線ではいわば“ショボいコンテンツ”という扱いになってしまっているようにも見えます。
とはいえ、翔子と純は「コワすぎ!」のファンであることを公言し、作中で顔出しすることにも懸念を示すどころか歓迎しています。そのため、コアなファンには支持されている作品、という立ち位置の設定なのでしょうか。
工藤はこれまで以上に凶暴化しており、とにかく手が早いです。新菜の彼氏をボコしたかと思えば、新菜もボコす。「コックリさん」に対しても敬称を付けることなく「コックリ」とタメ口で威嚇します。ただ、その一方で市川を先に行かせて様子を見させたり、新菜の脅かしに本気で怯えたり、乗っ取られた新菜と翔子から逃げ回ったりと、意外とヘタレな一面も健在です。
そしてJK3人組ですが、中でも新菜のキャラクターが際立っていました。自由奔放で大人にも物怖じせず、思ったことをズバズバ言うタイプで、廃校で工藤を脅かしてからかう様子など非常に印象的です。工藤が本気でビビっている場面で、市川が笑いをこらえているのも妙におかしく、良いアクセントになっていました。
結局、御狐様(コックリさん)はニンニクの臭いが苦手であることが判明します。冒頭で餃子を食べた工藤のニンニク臭を市川が指摘するくだりが、しっかり伏線として機能していました。ここでなぜか工藤が携帯していたニンニクカプセルを全員で摂取し、こっくりさんに対抗します。調子に乗った工藤はそのまま威嚇に出ますが、結局は完全に乗っ取られかけて苦しむ羽目に陥ります。
ネタバレになりますが、新菜は代々「狐憑き」の家系に生まれ、自身もその能力を使える人物でした。以前行ったコックリさんは、学力的には十分だったにもかかわらず受験校のランクを下げようとしていた2人を励ますために、自分がコインを動かしていた“インチキ”だったのです。しかし、昨年2人が自分に内緒でフジロックに行ったことに疎外感を覚え、今回誘われても参加せず、自分が飼っていた狐を飛ばして意地悪をしたという経緯が明かされます。その後に起きた災いは、彼女の狐が暴走したものであり、本人にとっても想定外の出来事でした。この事実をカミングアウトした上で工藤に助言し、取り憑いた狐を払い除けることに成功します。
最終的に、その使役していた狐は力を増し、新菜では制御できなくなったため、工藤に託されることになります。モコモコとした狐の尻尾は工藤の新たなアイテムとなり、物語は幕を閉じます。これは前の時間軸における“あの呪具”に近い役割を担うものなのでしょう。そしてこのお狐様、明るい場所で見ると妙に可愛らしいのも印象的でした(笑)。
後半はバタバタと逃げ回る展開で、全体的に騒がしくもテンポの良い作品でした。随所に挟まれるギャグにも思わず笑ってしまい、非常に楽しめました。前半の投稿映像がやや長く感じて疲れた部分はありましたが、金属バットを手にしてこっくりさんと対峙する工藤の粗暴さが一種の爽快感を生み、新菜のキャラクターとのコントラストも効いていて面白かったです。
また、この世界線では市川の兄が霊感を持っているという新たな設定も加えられていました。今後の展開に関わる伏線になるのか、気になるところです。
工藤ディレクター作詞作曲の「コワすぎ!音頭」、ぜひ一度聞いてみたいものですね(笑)。
では。
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