はじめに
久々の「フェイクドキュメンタリー Q」24本目、「ヘルタースケルター -Helter Skelter」を視聴しました。
怖い怖い怖い…
概要
7年前まで母が営んでいたベトナム雑貨店。母の死を機に店を畳み、在庫整理の最中に娘は不可思議な品を見つける。外箱には「VTC」と打たれたダイモテープが貼られ、中身はベトナム語らしき文字が印刷された包装紙で厳重に包まれており、詳細は不明だ。店の帳簿には「VTC」名義の数十万単位の高額な仕入れが記録され、その月にはその数倍の売上が計上されていた。不可解な品は他にもあり、全体が不気味に崩れた人物写真、謎の建物の写真、そして1本のminiDVテープが含まれている。
ここでテープの内容が紹介される。ベトナムと思しき雑多な街並みの奥に、瀟洒な洋館風の建物が建つ。この建物は在庫の中にあった写真のものと同一に見える。人の気配はなく生活感もないが、手入れは行き届いている。映像に登場するのは現地人と思われる2人の男性――初めてその場所を訪れた様子のカメラ担当と、彼を案内して指示を与える男だ。鍵で施錠された家の前には1台の車が停まっているが、持ち主は見当たらない。指示役の男は携帯で不審車の件を報告し、通話相手は日本人らしい。
家に入ると、玄関ホールには祭壇めいたものがあり、そこには日本人と思しき家族写真が一つ置かれている。祭壇前のテーブルには、あの雑貨店の不可解な在庫品に酷似した包みがいくつも並ぶ。横のテーブルには多数のスナップ写真が額に入れられて整然と並び、いずれも像が不気味に崩れている。指示役の男はカメラ担当に「しっかり記録するように」と念を押し、包みと写真群を新しいものと入れ替えて、儀式めいた行為を執り行う。やがてカメラの前で次々と不可思議な現象が起こるのだが――。
テープの紹介が終わると、娘はためらいもなくその包みを開封してしまう。その中身は――。
感想(ネタバレ)
まさかの海外ロケ、舞台はベトナムです。あ、このシリーズは「フェイク」を掲げつつも、「もしかしてガチなのでは?」と思わせる独特のテイストが魅力でしたね。ロケとか言うのは野暮でした。
母が営んでいたベトナム雑貨店に、謎の物品が残されていましたが、娘さんは詳しくは知らないものの、母には別の顔があったのではないか…そんな展開に惹かれます。包みは良い意味で風化しており、集合写真は像が不気味に歪んでいてこれだけで怖い。本来なら恐怖に慄く場面ですが、娘さんの飄々とした態度とのギャップに、やや違和感を覚えます。
そして、問題の映像について気づいた点は次のとおりです。
- 謎の屋敷に到着すると、敷地前に車が止まっています。侵入を試みた人物が行方不明になったのでは、と想像を掻き立てられます。
- 指示役の男性が携帯でどこかへ連絡します。たどたどしい日本語で話しているため、日本人に電話しているようにも見えます。彼らに依頼した人物がいるのかもしれません。
- 敷地に入ると、鍵が掛かっていたはずなのに二階の窓に人影が見えます。二人とも認識している様子。怖。
- 玄関ホールには祭壇があり、日本人と思しき家族写真が置かれています。祭壇前のテーブルには、例の在庫品に酷似した包みが並び、横のテーブルには多数のスナップ写真が整然と置かれています。写真の人物は像が不気味に歪んでおり、残されていた写真と酷似しています。包みや写真を新しいものに入れ替えている様子から、あの不気味な物品はここで“作られている”ことが示唆されます。
- 簡単な儀式の場面では、部屋の隅に置いた鏡に何かが映ります。やがてカメラ担当の男性がさまざまな怪異に遭い、最後は短い悲鳴とともに姿を消します。落下したカメラを指示役の男性が拾い、一人で屋敷を後にします。振り返ると、やはり二階の窓に人影が見えます。
映像の後、娘はこの包みを一瞬ためらいながらも結局ためらわずに開封してしまいます。中身については映像をご覧ください。軽い調子で開けてしまう様子に、彼女の“何か普通ではない感じ”も漂います。
ここからは推測です。あの屋敷は「呪いを付与する場所」で、対象者にゆかりの品や写真が必要なのではないでしょうか。カメラ担当の男性は臨時雇いで、生贄として騙されて連れて来られた可能性があります。車の持ち主は無断で侵入し、消えてしまったのかもしれません。母はベトナムでこの“呪い”の仕組みを見つけ、日本で請負のようなことをしていた――そんな想像もできます。
特別扱いされていた祭壇の家族写真は、いったい何だったのでしょうか。最後に写真が灰色で塗りつぶされる描写も含め、強い謎を残します。
タイトルの「ヘルター・スケルター」は、ビートルズの楽曲や映画を連想しますが、もともとは遊園地などに設置される螺旋状の滑り台のことだそうです。作中にも螺旋階段が見受けられ、その響きと呼応しているように感じました。
映像内の不気味な現象は、ぜひYouTubeでご確認ください。過度なびっくりドンキーはほとんどありませんが、しっとりとじわじわ迫る恐怖を味わえます。これまでの「Q」の中でも、かなり怖いエピソードだと思います。
なお、建物を「洋館」と表現しましたが、厳密には東南アジアの伝統様式も感じられます。いい感じに風化していて雰囲気バッチリ。いずれにせよ、よく見つけたものだと感心しました。
それでは。
コメント
今回すごく怖かったです
動画時間30分ですけどあっという間に過ぎてったような感じがします
ちなみに映像内でhuyさんがいなくなる直前に祭壇に飾ってある家族写真が笑顔から変わっています
あと異空間?らしきところに行った後も鶏の鳴き声はずっと聞こえてるんですよね
…ほんとに鶏だったんでしょうか?