呪われた心霊動画XXX_NEO 04(ネタバレあり)

eye_catch_xxx_neo_04 レビュー
呪われた心霊動画 XXX_NEO 04
『呪われた心霊動画 XXX』のDNAを引き継いだ『呪われた心霊動画 XXX_NEO』として誕生!第4弾!

はじめに

「呪われた心霊動画XXX_NEO 04」のレビューです。今回も見ごたえがありました。

それはともかくこのレビュー記事、10月18日に30分ほど書きかけ状態で公開してしまいました。大変申し訳ございませんでした。

前回の投稿からちょっと間が空いてしまいましたが、今週は謎の頭痛(まあ偏頭痛なんですけどね)に悩まされてしまって筆が進みませんでした。この分では11月発売の「XXX_NEO 11」には追いつきそうにないですね。

15 ジュンちゃん(怖い)

概要

投稿者・福沢優香さん、その友人の班目菜月さんと山岸美央さんの女子大生3人組は、関東のとあるキャンプ場を訪れる。だがバーベキューの最中、美央さんは幼少期に祖母によく叱責されたときの言葉、「おによぶよ(鬼呼ぶよ)」という声を聞いてしまう。この言葉は彼女のトラウマであると聞かされたことを、後に優香さんは映像を見て思い出したという。

この声は他の2人には聞こえていなかったが、映像にはしっかりと記録されてた。この周辺は、美央さんが幼少期を過ごした地であり、近くに祖父母の家があったのだ。だがこれをきっかけに、このキャンプ場に来ようと言い出したのは誰であったかで、3人はちょっとした言い合いになってしまう。結局誰がこの地を選んだのかは、明らかにはならなかった。

夜になり、コテージでは菜月さんが、前の客が残したものらしきデジカメを見つける。そこには不気味な音声のようなものが記録されていた。そして突然「バァン!」という大きなラップ音が響き渡り、一同は恐怖に慄いてしまう。

実はこのデジカメは菜月さんが皆を驚かせようと仕込んだものであったのだが、このとき彼女が仕込んだ音声(レンズを手で覆い、読経を録音)とは全く異なるものが記録されてた。彼女は皆を騙そうとした負い目から、この事をこの場で言い出せなくなってしまい、さらなる恐怖に肝試しに行くのを止めようと言い出す。

ここで、その際の映像が紹介される。レンズを手で覆っているので画面は真っ黒だが、何やら音声のようなものが聞こえる。だがそれは歪み(ひずみ)まくってしまい、何を言っているのかまではわからない。最後に女の子の笑い声のような声が聞こえ、水面と湖畔に立つ女性のシルエットようなものが、ほんの一瞬表示されて映像は終わる。女性の姿は左側に大きく歪んで(ゆがんで)いる。

当初はこの後、このキャンプ場で噂の公衆トイレに、肝試しに向かう予定だった。だが、こんなことがあったために、優香さんと菜月さんは尻込みしてしまう。しかし美央さんだけは、強硬に肝出しに行こうと主張して譲らない。他の2人はそれに押される形でしぶしぶ付き合うことになった。彼女は普段、そんなに我を通すような性格ではなかったのだが。

このトイレは首つり自殺をした女性がおり、個室に入ると何かが起こるという噂だったのだが、優香さんが個室に入っても何事もなかった。次に美央さんがビデオカメラを受け取り、入ることになった。映像では彼女がドアを閉める際、その外に小学生くらいの女の子の姿が一瞬写り込んでいる。

しばらくすると、ドアを激しくたたく音とともに、「美央ちゃん早く助けて殺される!」「早く開けて!」という、幼い女の子の声が聞こえてくる。それに対し、美央さんは一言「ジュンちゃん?」と呟いた。彼女は急いでドアを開け、「ジュンちゃん?」と再び問いかけるが、外には誰もいない。すると離れたところから優香さんらが駆け寄ってきた。彼女らによれば、叫び声と共にトイレから美央さんが消えてしまい、辺りを探していたのだそうだ。何が起こったのか訳が分からず、当惑する3人。

そこで、菜月さんが地面に落ちたデジカメを発見する。それは彼女が見つけたあのデジカメで、コテージに置いてきたはずだった。さらなる恐怖に慄く3人。結局慌てて帰宅することになったのだが、このデジカメはどさくさでどこかに置いてきてしまったらしく、紛失してしまった。

この際の映像には続きがあった、デジカメを見つけて皆が怖がっているシーンで突然画面が暗転し、眼窩が真っ黒で、そこから血を流しているような不気味な男がケタケタ笑っているというものであった。

未央さんはその時何があったのかは、何も話してくれなかったそうだ。後に映像を確認した優香さんが「ジュンちゃん」について問いただそうとしても、これ以来、彼女とは連絡が付かなくなってしまった。

感想

このエピソードだけで33分です。本タイトルは60分とちょっとなので、ほぼ半分がこのエピソードに費やされています。ただし、冗長さは感じられず、十分楽しめました。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、驚かせようとデジカメにお経を仕込んだはずなのに、変な音声が入るといった心霊現象は、菜月さんだけには判っているので、彼女だけ余計に恐怖を感じているのに、皆を騙そうとした負い目からこの事を言い出せない、と言う状況が興味深かったです。概要では端折ってしまいましたが、このデジカメ、菜月さんのお父さんのです。

おそらく、未央さんはこの地でトイレに逃げ込み、「ジュンちゃん」を見殺しにしてしまった過去があるのでしょう。この状況は怖いですね。強硬に肝試しに行くことを主張したのは「ジュンちゃん」に魅入られてしまったからでしょうか。「鬼呼ぶよ」の声はお祖母ちゃんの警告なのか、見殺しにしてしまったことを叱責する意味なのか。いろいろと想像できます。

そしてデジカメ映像に登場する、あの男性は「呪い部屋」「イギル●タ」のあの男性に似ている気がしますね。

ところでデジカメは紛失してしまったのに、どうやって映像を取り出したのでしょうか…。

16 おかしな家族(少し怖い)

概要

投稿者の篠塚さんは初めて入った居酒屋で、見知らぬ男性に声を掛けられる。イケメンで20代前半に見えたこの若い男の話術は巧みで、初対面にも関わらず話が弾んだそうである。だが篠塚さんはちょっと気になったことがあった。それはこの男性が右手に手袋をしたままだったからだ。それを察した男は自ら手袋を外すが、その手は全ての指が欠損していた。そして指を失った経緯を話し始めたのである。

とても信じられない話に「さすがに作ってるでしょ」と投げかけると、男は無言でSDカードを彼に渡し、そのままカウンターで寝てしまった。その場でポケットにしまったSDカードの中身が今回の投稿映像である。後にこの映像を見て、あの男の話は本当の事なのでは、と篠塚さんは思い始めているという。映像の内容が男の話と合致していたからだ。

ここでその映像が紹介される。

隠しカメラで撮影している男性は市役所の職員のようで、どうやら同居老人男性の年金不正受給を疑い、その老人との面談を要求しているようだ。だがこの家の夫婦は男性の問いにも生返事が続き、一向に埒が明かない。すると奥の廊下に男の子がこちらを覗いており、すぐに姿を消した。子供がいたのかとの問いに、妻らしき女性は親戚の子供を一時的に預かっているだけである、とぶっきらぼうに答えるだけであった。男性はトイレを借り、用を足した帰りに廊下で子供の笑い声を聞く。不審に思ったがそのままリビング帰ると、夫婦は忽然と姿を消していた。

リビングで待っても姿を現さないので、家の中をうろうろすると、また子供の笑い声。玄関脇の和室の入り口には何故か盛り塩があり、不穏な空気が漂う。すると中から老人のうめき声が聞こえた。男性がそっと中を覗くと布団が敷いてあり、中に誰かが潜り込んでいる。てっきりこの家の老人かと思った彼が、声をかけながら布団をめくると、そこには干からびてミイラになった遺体があった。叫び声をあげて部屋を飛び出すと、玄関先にはあの夫婦が待ち構えている。息をのむ男性だが、この夫婦は糸が切れたマリオネットのようにその場に崩れ落ちた。

訳の分からない恐怖に近くの応接間に逃げ込む男性だが、その床にはボロボロのブルーシートの上に、かつて人間が着用していたであろう形、そのままの衣類があり、そこからは赤黒い液体が染み出ている。恐怖に駆られながらも恐る恐るその液体を触って確かめているとき、シートの影から青白い男の子の顔がひょいと表れて、消えてしまう。男性はさらにあられもない叫び声をあげ、別の扉を開けた先には先程の妻らしき人物が待ち構えており、男に向かって刃物を振り下ろしたところで映像は終わる。

その後寝入った男性を、後から来た中年の男女が会計を済まして連れ帰ってしまった。中年男性は自分の息子であると語っていたそうだが、投稿者にはそのようには見えなかったそうである。今から思えば映像の中年夫婦によく似ていたとも語っていた。また、その時目を覚ました男性はどことなく怯えているようにも見えたという。

投稿者が放置していたSDカードの映像を見るきっかけになったのは、この若い男性がテレビ番組やCMで活躍しているのを見たからである。名前を聞けば誰でも知っている売れっ子俳優なのだそうだが、右手にはきちんと5本の指があったそうである。だが、他人の空似とは思えないと投稿者は語り、エピソードは終わる。

感想

立派できれいなお宅ですね。それはともかく……、訳がわかりません(笑)。

きっとこの家生きている人間は一人もいないという事なんでしょうね。年金不正受給の為にお爺ちゃんが亡くなってもそのまんま。この少年は夫婦の子供なんでしょうか。連れ込んだのでしょうか。この子も死なせてしまったのでしょうか。居酒屋の若い男(映像の市職員)は、この子の身代わりなのでしょうか。お爺ちゃんも子供も死なせてしまったために夫婦は修羅に落ちてしまったのか。指が全部無いって、あの刃物の振り下ろし状態では指どころじゃない気もするし、てかテレビで活躍しているって、この家の稼ぎ頭として使役されているの?指どうしたの?

やっぱり訳がわかりません(笑)。

状況は怖いんですけどね。わからな過ぎて怖い。

17 嫌がらせ(少し怖い)

概要

投稿者の男性、海藤さんの恋人である「みお」さんは自宅玄関の、何枚もの貼り紙に悩まされていた。その貼り紙は「例のものを返せ」「さもなければ大変なことにになるぞ」といった内容であったが、彼女には何の心当たりもない。この貼り紙は次第にエスカレートしてくる。

何かの証拠にと貼り紙をスマホで撮影した映像では、脇の階段に立つ不審な両足も捉えてしまった。その両足は奇妙なことに素足であった。彼女が改めてその方向にカメラを向けても既に誰もいない。彼女は幽霊のしわざだと言い出すが、海藤さんは信じられず取り合わなかったようだ。この頃から彼女の様子がおかしくなっていったと海藤さんは語る。そしてとうとう彼女のスマホカメラは幽霊の姿を捉えてしまう。床に血のような赤い液体が滴り、見上げると下半身半透明の女がいたのである。その首は曲がり、まるで首を吊っているようでもあった。

この時点で海藤さんは気が付いた。あの貼り紙の手書き文字は「みお」さんの筆跡に酷似していたのである。貼り紙は彼女の自作自演であったのか。だが、映像に写り込んだ幽霊と彼女の行為に何の関連性があるのだろうか。この映像が送られてきて以降、彼女とは連絡が付かなくなってしまい、自宅ももぬけの殻であったという。しばらくして彼女が山奥のトイレで首を吊り亡くなってしまったとの連絡が彼にもたらされる。

海藤さんは取材班から話を聞き彼女が何かに巻き込まれていたのではないか、彼女の両親に「ジュンちゃん」の件についても聞いてみたいと語る。そう、「みお」さんはエピソード「ジュンちゃん」で登場した、あの「美央」さんだったのだ。

その後、海藤さんから一度だけ連絡があった。それは「この件についてはこれ以上深入りしない方が良い」と言うもので、それ以上のことは何も語ってくれなかった。同時にデジカメ本体が取材班に送られてくる。これは菜月さんが紛失したあのデジカメである。

これより問題の映像をお見せします。何らかの霊障が及ぶ危険性も考えられるため、くれぐれも自己責任でご鑑賞ください。

上記警告テロップ(改行等修正)と10秒のカウントダウンの後、デジカメに残っていた映像が紹介される。

冒頭はあのデジカメ映像の続きのように、湖畔に立つ女性のシルエットで始まる。女の首はやはり曲がっているように感じられる。終始耳障りな電子音のようなノイズが流れており、問題のトイレ、縄跳びをする少女の地面に写る影、踊るような女性の姿などが断続的に切り替わる。最後にトイレの扉が開いて、中に首を吊った女の姿と、顔の右半分がただれた女の顔のアップで終わる。

感想

最初は「みお」さんの名前がテロップとして出なくて、最初のエピソードの「美央」さんなのかと期待させる演出が憎いですね。首を吊っている女性は、未央さんと直接関係あるのでしょうか。投稿者のご両親に「ジュンちゃん」について聞いてくる、って言っているのに、思わせぶりな「関わらない方が良い」というセリフで終わるのは、なんか次に続きそうでこれも期待させます。

デジカメの映像どうやって取り出したのよ、という疑問はこのエピソードで回収されました。菜月さんのお父さん、もうこのデジカメ気持ち悪くて使えませんね(笑)。

美央さんはなんで自分で貼り紙作って、自分で怖がっているのか(操られていた?)とか、あの男の正体はなに?とか、裸足の足は誰?とか、返せって何を?、と言う感じで、相変わらず疑問は尽きませんが、奇妙で不気味な現象の連続は、そこはかとない恐怖を盛り上げてくれます。

ただし最後の映像は作り過ぎ(毎度言ってますが)で、それほど怖くはないので安心してご覧ください。首を吊った姿は気持ちのいいものでありませんが。

感想まとめ

なんとこの巻、たったの3エピソードしかありません。それだけ1エピソードにボリュームがあるという事ですね。グダグダ取材が無くてもこれだけのボリュームで、間を持たせるどころか、ストーリーに引き込ませるのだから、脚本が良いとしか言いようがありません。

これでもう少し映像が怖かったらなぁ(もう5回くらい言ってる気がしますが)と思います。映像自体が作り物臭くてガチとはとても思えません。まあ、この辺りは割り切って作っているのでしょうが。

「ジュンちゃん」と「嫌がらせ」の一連の出来事は続きが見たいですね。

コメント

  1. vigge より:

    はじめまして、コメントを初めて書かせていただきます!

    キャンプ場の話は見応えありました。
    ジュンちゃんはもちろん、変化した映像の最後に出てきた謎の男の正体が分からなかったのは腑に落ちませんが…
    「嫌がらせ」に出てきた足も気になりますね。

    ただ最後の警告映像は、個人的にはなんだか洗練されてて、ほん呪のOPでありそうな感じだと思ってしまいました(特に縄跳びと木が揺れるあたり笑)

    • itton より:

      viggeさんこんにちは

      キャンプ場の話は謎だらけですが面白かったですよね。
      最後の映像の既視感はなるほど………確かにほん呪のOPにありそうですね。
      全く持って同意いたします。

  2. ハコ より:

    2 3 と続いてこの巻も安定した出来でしたね
    恥ずかしながら初見時は相当ぼんやり見ていたらしくジュンちゃんと嫌がらせのエピソードが繋がっていることに気づいてなかったというか話聞いてませんでしたね笑 間に全く関係ない話が入り込んだので思考みたいなのが途切れてしまいました。
    その関係ない話のおかしな家族ですがXXXとしては結構雰囲気異色ですね 個人的にはこれだけ闇動画見てる気持ちでした 雰囲気はグッド
    この巻だけ異様にエピソード数少ないですが前作のこと考えると百物語へ到達遅らせるためかなと思いましたが次から平常運転なのでよくわからないですね エピソード数が少ないというのも中期以降の闇動画の特徴でした

    • itton より:

      ハコさんこんばんは

      >繋がっていることに気づいてなかった…

      けっこうあるあるなのかもしれません(笑)。私もしばらく気が付かないことがたまにあります。

      「闇動画」はこんな感じなんですね。「XXX」を観終わったら「心霊闇動画」も併せて検討してみたいと思います。

      • ハコ より:

        闇動画はとてもおすすめです!しかし残念ながら今年一度も出なかったのでもしかしたら終わってしまったのかもしれません…しかし結構評価は高いです これと言ってハズレの巻もないです
        心霊闇動画は闇動画のスピンオフという位置付けですがスピンオフなのに闇動画の倍以上出ており現在も生きてるシリーズですがこちらは凡庸な投稿シリーズという形で本家とは毛色が多少異なるので一応ご注意を
        トリビア的なネタですが心霊闇動画はどの巻かは忘れましたがXXXのアケチノハウスが二回ほど出てきたことがありました笑 カセットテープもちゃんとありました

        • itton より:

          ハコさんこんばんわ。

          闇動画、面白いですか。次はぜひ見てみようかと思います。情報ありがとうございます。

          アケチノハウス出てくるんですね(笑)。

  3. fd より:

    すごくどうでも良さそうで、案外重要な箇所だと思いますが、最後のエピソード「嫌がらせ」の警告映像、問題のトイレのシーンでドアが開き首を吊った女が現れるシーンですが、ドアが開く直前、かすかに女の叫び声が聞こえません?ひょっとしたらこの叫び声が最初のエピソード「ジュンちゃん」で投稿者たちが聞いた悲鳴なのでしょうか?

    • itton より:

      あ、悲痛な悲鳴が確かに聞こえますね。

      この映像、耳障りなビープ音の連続で、ちょっとしたトランス状態に陥りそうです。あまり連続して見ない(聞かない)方がいいかもしれません。
      なんだか寒気がしてきました。

      >「ジュンちゃん」で投稿者たちが聞いた悲鳴なのでしょうか?

      その解釈もアリかと思います。

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