はじめに
「闇動画18」のレビューです。今回も面白かったですが、シリーズ化されたと思っていた「魔窟3」がありませんでした。
少し古い作品ですが、以下のレビューは多くのネタバレがありますので、ご注意願います。
サンドバッグ屋(痛そう)
概要
フリーライターが、不特定多数の客に自分を殴らせることによって3万円の報酬を得る商売、「殴られ屋」を行っていた男性の取材を行った映像である。この男性は全く防御をせず、ただ殴られるだけなのだが、ライターはこの男性と交渉して、隠しカメラで仕事の様子を撮影してもらっていた。客は水商売の女性から一般のサラリーマンと幅広く、怒りをぶつける客からは想定以上の暴力を受けることもあり、生傷が絶えないばかりか、もう一歩で死にかけることもあったそうだ。
インタビューで彼は幼少期から父親に日常的にDVを受けていたことを告白する。ある日この父親は蒸発してしまい、暴力を受けることはなくなったのだが、彼は心にぽっかりと穴が開いたような物足りなさを感じてしまったという。一種の暴力依存症になってしまった彼は、自分の存在を確かめるためにこのような商売を続けていると語るのであった。
ある日、客としてやってきた男性を見て彼は絶句する。その男性は蒸発した父親だったのだ。最初はきょとんとしていたこの男は、息子であることを告げるとその場を逃げ出そうとする。追いすがる彼は、男に暴力を要求するが、この男は形ばかりの謝罪を繰り返すばかりであった。男に馬乗りになった彼は狂ったように「違うだろお父さん!」と叫びながら、激しい頭突きを繰り返し、男の顔は次第に……。
連絡が取れなくなったフリーライターが仕事現場である倉庫に駆け付けるが、そこには床に血の痕跡があるものの、父親らしき人物も彼自身もいなくなっており、その後の行方が分からなくなってしまった。
感想(ネタバレ)
結構激しく殴られているように見えてリアルですね。ある水商売らしき女性に殴られた挙句、最後にコンクリートブロックを振り下ろされるシーンとかとっても痛そうでした。インタビューシーンの痣だらけの顔もリアルでとても痛々しい。
息子に頭突きを食らった親父はだんだんザクロみたいになっていき、ちょいグロです。ただ、このシーンのみリアルさにはちょっと欠けていたように感じました。
親父は自業自得ですが、息子は救われないなと思い、ダウナーな気分になります。
取り憑く(かなり怖い、ヘッドホン推奨)
概要
「一昨日に撮った映像を見てほしい」そんな依頼が取材陣に来る。
映像提供者の女性は、彼氏の部屋で友人の結婚式の余興ビデオを撮影していた。彼氏さんがカメラの前で自作の曲を弾き語りで披露する。だがしみじみとしたフォークソングっぽい歌の最中、なにかハモるような声が曲に合わせて聞こえてくる。彼は演奏を一旦止め、彼女にそのことを伝える。だが、撮影している彼女は気が付かなかったし、自分もそのような声を出した心当たりはない。
気を取り直した彼が弾き語りをやり直すが、元々半開きだった後ろの押し入れの引き戸が勢いよく空いてしまう。驚く間もなく隣の部屋の照明も消えてしまい、震えあがる2人。すぐに照明は復活するが、彼氏が彼女に向かって何か言いたげである。後ろを見ているようなので、彼女が振り向くと、自分にもたれかかった女の姿が鏡に写っており「あ~~」と声を上げている。先程ハモってきた声の主はこの女だったのだ。
彼女はその場で失神して倒れ、映像はここで終わっていた。彼女はそれまで幽霊の類は信じていなかったが、数日前から首を吊った女が出てくる悪夢に悩まされていた。実は少し前に心霊スポットに肝試しに行き、女性の霊らしきものを見てしまったそうだ。
なんとこの映像提供者はインタビュー2日後に自殺してしまった。首つり自殺だったそうである。
感想(ネタバレ)
結構怖いぞこのエピソード。
特に自分にもたれかかっている姿が、鏡に映っており、それをカメラが捉えたとたんに、「あああああ~」と声を上げるのが怖いです。これを踏まえたうえで映像を見直すと、彼氏さんの歌に被せて「あああああ~」とハモっている声の怖さも引き立ちます(ヘッドホン推奨)。
この現象が起こる前、半開きの押し入れの暗がりに何か白いものが動いた気もしますね。
それにしてもこの彼氏さんの歌が妙に耳に残りますね(笑)。
「ゆたかが結婚…さびしいな…家庭を持たれたら…誘いにくくなるな…前よりももっと…誘いにくくなるなぁ…」
死者の遊戯(かなり怖い)
概要
オカルト関係の番組制作のためにロケハンした際の映像。その建物は自殺志願者の侵入が絶えない廃工場であった。建物内を調査する彼ら(男性ディレクター:香川、女性AD:小山、男性AD:渡辺)だが、そこには動物の死骸がそこかしこに存在し、不気味な様相であった。小山が人影を目撃し、その人物が入っていった一室に入ると、全員がいきなり気を失って倒れてしまう。
約1時間後、みんな目を覚ますがわけがわからない。一旦外に出るとの提案もあったが、ロケハンを続行することになる。そこで香川が侵入者を発見する。ちょっと小太りのこの侵入者、奇妙なメイクをしていたが、これは遊びであり、人間の〇体が見たかったため侵入した、とのことであった。そして建物内に本当に〇体を発見したというので彼に案内してもらう。案内された場所にそれはあったが、よく見ると侵入者の男によく似ている。というより、服装から、あの小太りの侵入者そのものに見える。振り返ると今までいたはずのあの男は何処にもいない。
小山は警察へ連絡、管理人が鍵を閉めに来る午後6時が近いので、一同この建物から出ることにした。だが玄関から出ようとした矢先に、背後から警察を名乗る声に呼び止められる。その声はこちらの呼びかけに反応せず「警察のものですけど、通報した方はいらっしゃいますか」と繰り返すばかり。導かれるように辿り着いた先は、あの〇体の場所であった。これはやべえと一同出口に向かうが、既に6時を回っており玄関は閉ざされている。内側から開くはずの鍵も何故か開かない。渡辺が消火器で玄関ガラスの破壊を試みるが、香川、小山に止められる。管理人に電話するも繋がらず、警察に電話すると、先程の呼びかけ「通報した方はいらっしゃいますか」が繰り返し流れ、ただならぬ事態に。
すると階段の奥から「通報した方はいらっしゃいますか」の生声が聞こえてきた。完全にキレた渡辺が階段を猛ダッシュ、だが先程気を失ったあの部屋で忽然と消えてしまった。廊下に出ても渡辺はいない。そして小山の悲鳴。気を失った彼女は何者かに引っ張られるようにあの部屋に消えてしまう。
これはもうあかんと逃げ出す香川。玄関ガラスを破壊しようと消火器を探すと、傍らの椅子に顔の崩れたあの男が座っている。悲鳴をあげ、後ずさりするともういない。
だが部屋の奥にあの男が立っており………。
感想(ネタバレ)
エピソード中の人物の苗字の漢字は明かされていないので、私の推測です。
いやこれは怖いわ。最初のあの部屋で全員が眠らされてしまったのは、管理人が鍵を閉めに来る18:00までの時間稼ぎだったのですね。また、最初に施設から出ようとしたときに絶妙なタイミングで、「警察のものですけど、通報した方はいらっしゃいますか」の声は怖いです。因みにこの声、どう聞いてもあの男の声ですよね。
小山が警察呼んでから、警察を名乗る声がするまで時間が短すぎるとも感じましたが、あんな声がしたら安心して声がする方に行ってしまいますよね。そのくだりも怖いです。
最後、男が部屋の奥に立っていて、こちらに猛スピードで向かってくるのですが、その動作がゼンマイ仕掛けのようにブルブル震えながら来るのも、ビジュアル的に怖いと思いました。
かなり好きなエピソードです。
この場所は「心霊玉手匣 constellation」にも登場した「さしま環境センターごみ処理場跡地」ですね。実は以前にコメント欄でfdさんに教えていただいていましたが、特徴的な玄関からすぐにわかりました。よく見るとゴミ関係のポスターが貼ってありますし、〇体が見つかった場所のなんか変なタンクみたいなものに「1系焼却炉」とか書かれていて、ごみ処理場だった名残が見受けられます。この施設、建物は結構新しいのに何で廃墟化しているのでしょうか(いばらぎフィルムコミッションが廃墟スタジオとして貸し出しています)。
それにしても問題のちょっとふくよかな男性(の幽霊?)、なんでバットマンのジョーカーみたいなメイクしていたのでしょうか(しかも半分だけ)。何か意味があるような気もします。
感想まとめ
「サンドバッグ屋」が痛々しいだけで、ちょっとあれでしたけど、他の2エピソードが抜群に良かったです。「取り憑く」と「死者の遊戯」どちらも甲乙つけがたいですね。「死者の遊戯」方が若干好みかな。「取り憑く」の方が怖かった気がしますが、こっちは彼氏さんの歌で、ほんのちょっとだけ、興がそがれた気がします。
「魔窟3」が無かったのがちょっと残念でしたが、その期待を上回るエピソードで大変満足しました。
それでは。
コメント
なんか殴らせ屋ってクレヨンしんちゃんのネネという女子キャラの殴らせウサギ思い出したwあっちは無償だけどw
これですね(笑)。
https://dic.pixiv.net/a/%E6%AE%B4%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%A6%E3%82%B5%E3%82%AE
全部嘘くさい サンドバッグが一番 作りだなって感じ
まあ、作りだとわかって楽しむものかもしれませんし。
痛がり方は結構名演技だと思って観ていました。
まあ、ドラマですね。
ちなみにこのさしまごみ処理場、ウルトラマンZ 7話でも使われています。
作品:仮面ライダーエグゼイド 38話でも使われていますね 結構特撮ものの舞台地となっているようです。
あれだけしっかりとしたWebページですから、借りやすいのかも。
それにしても特撮物のどんなシチュエーションで使われたのでしょうか。
敵のアジト?
今思えば、死者の遊戯のロケハンで使ったオカルト関係の番組って実は心霊玉手箱だったりして(笑)
サードステージ!
先日来たお前たちの仲間には消えてもらった!
って、これじゃ楽屋落ちになってしまうな。