ドラマ・放送禁止4 恐怖の隣人戦争(ネタバレあり)

housouban4 レビュー

初めに

「放送禁止4 恐怖の隣人戦争」は2005年10月13日、26時25分に放送されたフジテレビのドラマです。一見ドキュメンタリーのような演出がされていますが、番組の最後に「この作品はフィクションです」とのテロップが表示され、視聴者にフィクションであることを宣言しています。連続ドラマではなく一話完結で、TV放送版が7話、劇場版が3作品作られており、本タイトルはその4作目です。

概要

TV局では、何らかの理由によって放送ができなくなった所謂「お蔵入り」となった素材が、人知れず保管されていることがある。今回その一つを発掘し、再編集したものがこの番組である。

夫、一人息子との3人家族で生活する主婦・森下利香子さんは隣人のUさんからの嫌がらせに悩まされていた。それは庭にゴミを撒かれる、門柱に中傷ビラを貼り付けられる、大音量の「狂言」か何かの騒音と枚挙にいとまがない。だが夫の仁志さんは営業職で毎晩遅くまで仕事に出ているためか、被害に対しても実感が薄く「証拠がない」と警察や行政にに対するアクションに消極的な様子が見受けられる。

Uさんは以前は気さくな人物で、利香子さんともしばしばショッピングやお茶を共にするほどの仲であったのだが、彼女はとある新興宗教にはまり、利香子さんがその宗教への誘いを断ったときから態度が豹変、さらに1年前に夫が亡くなってから、嫌がらせが始まったとのことであった。

取材班は隣人のUさんの嫌がらせの決定的な証拠映像を捉えることに成功し、事態が動き始めるのだが、それは誰もが予想もしなかった衝撃的な結末を迎えることになる……。

感想(ネタバレ注意)

様々な伏線で気づいたのは以下の事柄。

  • 嫌がらせの騒音の音源が「狂言」(笑)。
  • 後に明らかになるがこの狂言の題目は「鎌腹(かまばら)」(後述)。
  • 息子の元気君が飼っているのは、つがいの「蟷螂(かまきり)」。
  • 夜中に窓ガラスが割られるが、割れたガラスは外側に散らばっている。
  • 証拠映像のUさんは指で「X」を描く。
  • Uさんの夫は宗教に反対していた。コーヒー好き。
  • 近所ではUさんの宗教で夫が呪い殺されたとの噂。
  • Uさんの森下さんの家は呪われており、その災いで夫も死んだとの訴え。
  • 証拠がそろったので警察に行こうとする仁志さんを、何故か止める利香子さん。
  • この時点で仁志さんの過去の浮気判明。
  • Uさん宅へ夫婦で話をしに行く朝の食事風景。仁志さんのコーヒーカップ、Uさん夫のカップに似てね?
  • 元気くんの描いた絵に無数の「X」。つがいの蟷螂、交尾してる(笑)。
  • 仁志さんの携帯に怪しい着信。
  • 元気くんの体調不良が、Uさんにもらったドーナッツのせいなのでは、というシーン、利香子さんの「何か盛られたんじゃね」と発言するタイミングで、仁志さんがUさんの夫の遺品にクリソツなカップでコーヒーをゴキュゴキュ飲む(笑)。
  • Uさん宅で仁志さんが苦しんでいるシーン、救急車を呼ぶため飛び出したスタッフのカメラに窓から指で「X」を描く、利香子さんと元気くんの姿が。
  • Uさんの祈祷で仁志さん死亡。そんなに即効性あるなら最初からやれよ(笑)。
  • 担当医の証言シーン。後ろの額に「X」。
  • 仁志さんの死から3週間後の利香子さんの満面の笑み(笑)。
  • 元気くんの蟷螂、オスはメスに喰われていた(笑)。背後の窓に「X」。
  • 判りやす過ぎるダイジェスト映像始まる。
  • このダイジェスト映像で仁志さんの最近の浮気が発覚してた。
  • 仁志さんがコーヒーを飲み干すシーンの直後に、貼られた中傷ビラの「毒」の文字。
  • せっかく(僕が自力で)発見したのに、森下さん親子が窓から「X」を描くシーンが何度も何度も何度も繰り返されて(僕的に)台無しになる(涙)。

「鎌腹」という狂言は怠け者の夫が妻に鎌を振り回され、いやいや芝刈りに行った山で嫌気がさして自分で自分の腹を切ろうとするも死にきれず、結局真面目に生きることにした(超抜粋)、という悲喜交々な夫婦喧嘩のお話のようです。

浮気により夫を恨んでいた利香子さんが、仲の良いUさんと共謀して仁志さんを呪いに見せかけて毒殺したという事なのでしょう。利香子さんはUさんの誘いに乗り、その宗教に帰依していた。死因を特定した医師も信者。元気くんも信者にされていたのでしょうね。そしてUさんは夫を毒殺しているのでしょう。利香子さんがいきなり警察沙汰にする事を反対したのもこれで合点がいきます(だって狂言だしw)。Uさんが長期間悪役を演じるのは大変だと思いましたが、そもそも狂言なんですからどうとでもなりますね。

仁志さんの最近の浮気に利香子さんは気が付いていたのか、殺すより夫の浮気を理由に離婚して慰謝料もらったほうがよくね?とか、救急車で運ばれる先が「X教」信者の医師のいる病院に都合よく運ばれるわけないじゃんとか、毒がまわるタイミングをよく合わせられるな、とかの数々の疑問点が残ります。「X教団」は、今回の殺人劇にどれほど絡んでいるでしょうか。

あまりにも判りやすいダイジェストが、クライマックスで流されるのにはちょっと不満ですね(「XXXシリーズ」の観すぎだろうか)。実はこれはミスリードで、なにかもっと裏があるのかもしれませんが、頭の悪い僕にはこれ以上はちょっとわかりません。

ただドラマ自体はテンポよく、ストレスなく観ることができました。

では。

コメント

  1. FD より:

    ittonさんへ

    こんばんは。
    外もすっかり肌寒くなりつつある今日このごろ、お元気でいらっしゃいますか?私はというと体調不良になったりバイトで失敗したりと不調続きですがそれでもなんとかやってます。しかし、そんな日にはittonさんのレビューを見たり、バイトや学校帰りに呪いのビデオやXXX,放送禁止、闇動画などを借りて一人鑑賞会を行ったりしています。次のレビューも楽しみにしておりますので御身体に気をつけてお過ごしください
    それでは。

    FD
    -----------------
    添付ファイル ↓すべてダウンロード
            ̄

    WQ884ST564_22027001.mp4

    • itton より:

      FDさんこんにちは。
      センスの良い冒頭の文言、ニヤリとしました。
      ほんとに添付ファイル来てたらどうしようかと思いました(笑)。
      添付ファイル名に何かメッセージが隠れているのかとも思いましたが、頭が悪いので解読でき………………あれ?

  2. sato より:

    このエピソードはわかりやすくて見やすい反面、不親切が売り(?)の放送禁止っぽくないエピソードですよね。もちろん面白いんですけど…。
    話は変わりますが、心霊マスターテープの念写とEYEをようやく見終わりました。。
    念写は前作の延長、EYEは胸糞フェイクドキュメンタリーという感じでどっちも面白かったです。

    • itton より:

      satoさんこんにちは。
      これは局内で「もっと判りやすいようにしろ!」と、お達しでもあったのかと邪推してしまいますね。特に最後の母子が「X」を描くシーンがしつこくて、せっかく僕が自力で見つけたのに、と思ってしまいました。

      念写とEYE面白かったですか。ちょっと楽しみですが最近忙して(汗)。

      「胸糞フェイクドキュメンタリー」というのががちょっと気になります。

  3. tasojiso より:

    懐かしいですね。私の初放送禁止がこれでした
    最初、ラテ欄(死語)で「放送禁止」とあってなんじゃこりゃと思い
    チャンネルをフジにしてながら見してたんですが
    当時よく合った深夜ドキュメンタリーぽいので
    「なーんだ…」と思ってボケーっと見てたんですが
    いきなりおっさんが泡を吹き出してポルナレフ状態になりましたねw
    そこから怒涛の大音量狂言EDに母子の☓で放心状態になりました。
    以来すっかりハマってしまいましたねぇ。5のしじんの村も名作なんで楽しんでください

    • itton より:

      ラテ欄に「放送禁止」とか書かれていたらちょっと面喰いますよね。でもラテ欄に記載はあったのですね。

      この「放送禁止」シリーズは、新聞のラテ欄に記載が無く、ゲリラ的に放送されたという記事を見たことがあるのですが、それはガセだったのか、あるいは4月1日放送の第1話だけだったのでしょうか。

      当時としては画期的でハマる気持ちもわかります。

      >5のしじんの村も名作なんで楽しんでください

      それはとても楽しみです。

      それにしても「ポルナレフ状態」という文言にちょっとツボりました(笑)。
      「ポルナレフ状態」自体ネットスラングになっていたのですね(知らんかったw)。

      「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!…」以下略

      • tasojiso より:

        あーごめんなさい!もしかしたら新聞のラテ欄ではなくて
        チャンネルをザッピングしてたらテレビ画面に番組名が出てて
        それで「放送禁止」の文字を見て驚いて止めたのかも知れません。

        この番組、半年くらいに1度、なんの宣伝もなしに
        深夜2時くらいにいきなりやる感じなんで、存在を知って以降は
        5、6と見逃さずに済んだんですが、ラテ欄への記載もなかったんですね…
        こういうフェイクを前提にして情報を画面に散りばめたモキュメンタリーは
        XXXにも通ずるものがあって見応えがありますよね。
        作りになれちゃうとそれを前提に見ちゃうんで少しでも不自然なところに
        目が行ったり、大げさな部分がちょっと笑えるのも同じなんですよねw

        • itton より:

          新聞のラテ欄に記載があったかどうかは今となっては確かめようもないですが、なんかそんな記事をどこかで見かけたんですよ。どこだったのか思い出せないのですけど。

          >この番組、半年くらいに1度、なんの宣伝もなしに深夜2時くらいにいきなりやる感じ…

          これだけでも十分ゲリラ的ですよね。

タイトルとURLをコピーしました