呪いの黙示録 第七章(ネタバレあり)

mokushiroku9 レビュー

はじめに

「呪いの黙示録 第七章」のレビューです。

江益、真田のコンビが頑張ってますね。今回は島田君がチョロッとだけ顔を出します(復帰したわけではありません)。あとこの巻は予告編が作られていないようです。

2008年7月23日 石川(少し怖い)

概要

ハンドルネーム迷い猫さんの映像。それはインターネット上で都市伝説、交霊術として広がる「ひとりかくれんぼ」であった。迷い猫さんは動画投稿サイトに投稿する目的でこの儀式を行っていたが、より怖い映像にしようと、ちょっとした「やらせ」を行う。

だが、それによって通常とは異なる手順になってしまったせいか、部屋の中で不可解な現象が起こってしまった。

感想

テレビがまだブラウン管です。懐かしいですね。「ひとりかくれんぼ」は丁度この年ぐらいにはやっていたみたいですね。存在自体は知っていたのですが手順がメチャメチャ細かくてめんどくさく感じてしまい、僕的には正直あんまり刺さらない都市伝説でした。

ですがこのエピソードはちょっとだけ不気味でした。テレビの前に女性らしき人影が立っているのですが、妙に背が低い気がして気持ち悪かったですね。映像が暗くてそう見えただけかもしれませんが。

ひとりかくれんぼ(怖い)

概要

黙示録スタッフから去ってしまった島田から託されたネタリストを精査していた江益は、気になる映像を見つける。それは2021年に撮影された長谷川未来さんの映像であった。

その1 長谷川未来の映像[2021年:投稿]

通常とは少し異なる手順で未来さんが「ひとりかくれんぼ」を行う映像。その映像内では「ルカ」という、女性と思しき名称が口にされる。映像内では年配の女性のような姿が写り込んでいた。

投稿主の女性、未来さんに話を聞くと、ルカさんは未来さんが引きこもり時代にFacebookで知り合った女性で、彼女もまた引きこもりであったため意気投合、メールでのやり取りだけであったが、自分の愚痴に寄り添ってくれたことで精神の支えになり、親友と呼んで差支えのない関係だったという。

そのルカさんが送ってくれたビデオレターも紹介される。中学から引きこもっていたルカさんはスマホの類を持っておらず、ビデオカメラによる映像だった。

その2 ルカの映像[2016年:ビデオレター]

引きこもりのルカが未来さんに呼びかける映像であるが、自分の顔は写していない。2階から1階に食事をとりに行く途中、物音に驚き引き返す様子が記録されている。「親が起きてしまった」と言うが、ちょっとおどおどする様子が垣間見える。

ルカさんとの関係は5年程続いたが、未来さんが彼女に逢いたいと伝えたタイミングで連絡が途絶えてしまった。未来さんはルカさんが仄めかしていたこともあり、自殺してしまったのではと考えていた。ルカさんが、「もし私が死んだら、ひとりかくれんぼで会えるかも。私は会えなかったけど」という話もしていたので、「ひとりかくれんぼ」を行えば彼女に逢えるかもしれないと思ったそうだ。

スタッフはルカさんの映像に盛り塩とお札、そして曇りガラスの窓の向こうに人影が写り込むと言った、心霊的な事象を発見するが、取材中フルーツパフェをパクパク食べる未来さんには心当たりが無いという。

寺内はルカさんの家族に何とか連絡が取れないかと、第一章でも活躍した特定班に調査を依頼、ルカさん本人にはたどり着けなかったものの、彼女と同じ部屋の写真が載った、成海さんという人物が心霊相談をしていたホームページを発見する。

そのホームページを運営する、ハンドルネーム百足さんに話を聞くことができた。

成海とルカ 

百足さんによると、成海さんはひとりかくれんぼを行ってから、幽霊が家の周りに群がり、家の中でも黒い人影見るようになってしまい、外に出れなくなってしまったという内容であった。だが、最近は連絡を取ってないという。成海さんから送られてきた動画がここで紹介される。 

その3 成海(ルカ)の映像[2008年:百足のDM]

何かに怯えた様子の成海さんが、二階の窓から外にカメラを向ける。外は暗く、夜遅くのようだ。家の外には様々な風体の人物が何人もおり、こちらを見上げている。

「真夜中の降霊遊び」に続く…

感想

長い(笑)。

前後編に分かれたこのメインエピソードは、未来さんとルカ(成海)さんとの関係性がとても重要なので仕方ありません。

冒頭で島田君が登場しますが、事務所を彼が去ってしんみりしている場面の過去の映像でした。

未来さんの映像はちょい不気味程度でしたが、成海さんの映像はかなり怖かったですね。絵面的には別に怖くはないんですが、夜中の家の外にこんなのがいたら、シチュエーション的に悲鳴をあげるレベルです。街中でも怖いのにましてや田舎っぽい風景ですからね。暗くて良くわからないのですが、性別年齢問わず20人くらいいるんですよ。スーツ姿、作業服姿の人もいましたね。

どうでも良いのですが百足さん、風体がなんだか鉄道写真家の中井精也さんみたいに見えました(笑)。

2017年4月18日 兵庫(ほんの少し怖い)

概要

投稿者が引っ越してきた部屋が、事故物件であることを知り、その友人がひとりかくれんぼを実行。

これも少し手順が異っていたが、撮影した友人は儀式の終了直後に風呂で髪の毛を吐いたり、顔が醜く歪んだりする。彼によると、儀式の間中ずっと人の話し声がしたというのだが、映像には記録されていない。

感想

そんなに怖くありません。髪の毛吐くのが気持ち悪かったくらいです。でも、顔の歪み方はちょっと怖かったかも。

撮影日不明(ほんの少し怖い)

概要

自室で亡くなった男性の部屋から見つかったビデオテープ。これもひとりかくれんぼの映像であった。こちらも手順が異なり、ぬいぐるみにお米ではなく自分で傷つけた血を流し込んでいるようだ。

押入れに隠れている彼は、左右に首を振っているのだが、その度に顔が醜く歪んでいる。映像は突然切り替わり、男性の足首だけが写っている。この足は引きずられるように暗闇に消えてしまうった。

感想

雰囲気は怖いですが、正直暗くて良くわからないんですよね。

真夜中の降霊遊び(少し怖い)

概要

百足さんは霊障を抑えるお札を送り、盛り塩をする事をアドバイスした。だが、専門家でない彼は具体的な対処法を知っているわけではない。結局このアドバイスで部屋の中に現れる黒い影は見なくなったという知らせで、彼女とのやり取りは終わった。

また百足さんは、ひとりかくれんぼは呪術としてはまだ不安定で、もっと違う手順が熟成されれば、禁止されるレベルのものになり得るという見解も示す。

百足さんからの情報で成海(ルカ)さんの住所が判明したため、未来さんとスタッフは彼女の実家に向かう。成海さんの母親は快く取材に応じてくれ、成海さんが3年前に亡くなっていた事、彼女の妹も成海さんが中学生くらいの時に事故で亡くなっていたことが判った。

だが母親はひとりかくれんぼの事やその後に幽霊に囲まれていることなどは話してくれなかったため、なぜ引きこもっているのか分からなかったのだという。そんな引きこもり生活が長かった彼女が、突然外出すると言い出しタクシーに乗ってしまったのだそうだ。結局タクシーの中で体調を崩し、そのまま病院に運ばれたものの、原因不明の心不全でこの世を去ってしまった。その顔は風貌が変化し、実の母でも判別しかねる程だったという。

母親は未来さんの希望で数少ない彼女の遺品を見せてくれた。その中のビデオテープの中身がここで紹介される。 

その4 成海の映像[2019年:自撮り]

そのテープの映像はノイズが走り、成海(ルカ)さんの声もとぎれとぎれであったが、自分の顔が「酷いことになっている」「一目逢いたい」と語り、その風貌はとても二十歳前後とは思えないものであった。

成海さんは何処へ向かおうとしていたのか。彼女が最後まで握りしめていたという、血が滲んだ紙片に描かれた住所を見た未来さんは、その場で泣き崩れてしまった。そこには彼女が当時住んでいた実家の住所が記されていたからである。未来さんの逢いたいという呼びかけに、成海さんは命を懸けて向かったのであった。

取材の帰り道で未来さんは、自分のひとりかくれんぼの映像に写ったのは、逢いに来てくれたルカさんであったと確信した、と語り和やかな表情を見せる。だが、そうであってほしいと願うスタッフは、一抹の疑念を抱えていた。それはルカさんの残した「死んだらひとりかくれんぼで逢えるかも。私は会えなかったけど」という言葉であった。ルカさんがひとりかくれんぼで逢いたかったのは事故で亡くした妹だったのだろうか。

後にスタッフが成海さんと百足さんの初めてのやり取りのログを見つける。それは成海さんの、「ひとりかくれんぼで亡くなった家族に会えるか」との問いに、明確に「会えます」と答える百足さんの返信であった。ここで彼の「術としては不安定だが、もっと効果のある手順が開拓されれば、危険な呪術になり得る」という彼の言葉がクローズアップされる。百足さんが成海さんへのひとりかくれんぼのアドバイスには、今まで聞いたことのない方法が記されていたからである。

スタッフから百足さんには連絡が付かなくなった。エピソードの映像は、彼への告発であるかのようにモザイクが外れ、何かを企んでいるような彼の顔がつまびらかになった。

その後、未来さんはルカさんに会うため、ひとりかくれんぼを続けているというテロップが表示され、彼女が今も行っている儀式の映像が最後に紹介される。

その映像には…………。

感想

いやいやいや!これは面白かったです。

最初は未来さんとのやり取りが長くて退屈と思っていたのですが、次第に面白くなり、クライマックス近くで、成海(ルカ)さんの未来さんを思う気持ちに切ない気持ちにさせられます。ですが、その直後の演出が冴えわたって結構怖かったですね。

特に百足さんのモザイクが解かれるシーンと最後の未来さんの映像ですね。

百足さんの顔は正直ただの小太りで丸メガネのおっさんなのですが、モザイクの解かれるスピードとタイミング、そして百足さんの表情とかが絶妙で、不思議と怖かったんですよね。因みに中井精也さんとは似ても似つかない顔でした(中井精也さんごめんなさい)。

最後の未来さんの映像ですが、ここでは詳細を語るのはやめておきます。是非ご自分でお確かめください。

結局、百足さんが暗躍しており、呪術を「育てる」ために、様々な方法を試していたという事なのでしょう。隙間エピソードの人たちも彼に相談していたのかも、成海(ルカ)さんの家の前にいた沢山の人たちの幽霊は、彼の試みの犠牲者だったのかもしれない、なんて思いました。

感想まとめ

今回もとても良かったですね。というか回を重ねるごとに良くなっていると思います。今回はエピソード主体で、スタッフ同士の人間模様などは控えめでしたね。奇しくも島田君スタイルに近づいてきているのかもしれません。

あと今回は真田さんの肩や腰を露出した、やたらセクシーな恰好が印象に残りました(笑)。

それでは(来年早々ほん呪とXXX)。

コメント

  1. 美男子 より:

    この動画は実話であるということになってますが、本当のところはやはり作り物でしょうか?
    皆さん演技がうまいですアカデミークラスかも!?
    てか、ルカさんって美女だわ。。

    • itton より:

      美男子さんこんばんは。
      僕はほぼフィクションだと思って観ています。
      実話っぽい、ドキュメンタリー風の演出で本物っぽく見せるのがこのジャンルの常套手段です。

      ほんとにあった!呪いのビデオみたいに、実は本物もあるのでは?と言う感じも面白いですが、このようなドラマっぽいものも嫌いじゃありません。
      呪いの黙示録シリーズは脚本が巧くて飽きさせないところが良いと思ってます。

      演技巧いですよね。

      >てか、ルカさんって美女だわ。。

      同意します(笑)。

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