
はじめに
「ほんとにあった!呪いのビデオ112」が2025年8月6日にリリースされました。この時期、「呪われた心霊動画XXX」の新作と完全にバッティングしてるのが恒例だったのですが、今回は何故か数日早いリリース(「XXX」は8月8日)。これはわざとずらしたのでしょうか。
ですがこれは宅配レンタルサービスを利用している身ではちょっと困ってしまいます。「ほんとにあった!呪いのビデオ112」を先に配送してもらうと、これを返却しない限り、「呪われた心霊動画XXX」が送られてこないからです。仕方がなく配送は「XXX」のリリース日に合わせました。よってこのタイトルの初視聴は8月9日となり、レビューが若干遅れてしまいました。申し訳ありません。
いつも本レビューのアイキャッチ下に貼り付けている予告編ですが、今回からYoutube以外での再生が禁止されてしまい、ただのブログカードになります。「予告編くらい良いじゃんか」とも思いましたが、こればっかりは仕方がありません。
あと今回のタイトルのイメージ写真、なんか「イェーイ!」してて全然怖くない(笑)。
このレビューはネタバレ満載ですので、本タイトル未見の方はご注意のほどよろしくお願いいたします。
霧の家(怖い)
概要
何の気なしに田舎の駅で降り、街歩きを楽しむつもりだった投稿者とその友人。気がつけば日もすっかり暮れ、辺りは人影のない田舎道をとぼとぼ歩く羽目になっていた。家らしき建物はあるものの、灯りはなく、人の気配もない。不法投棄された廃棄物がごろごろと散乱し、うら寂しい雰囲気が漂っている。遠くには街の灯りが瞬いており、二人はとりあえずそこを目指して歩き続けた。
しばらく進むと、遠くから女性の声が聞こえてきた。何かを訴えているようだがはっきりとは聞き取れない。ただ、「ここから出して」と叫んでいるようにも聞こえ、その声には必死さが感じられた。やがて開けた場所に出ると、少し離れたところに民家らしき建物があり、窓から明かりが漏れている。窓辺には、手を挙げて窓を開けようとしているかのような人影がシルエットとなって浮かび上がっていた。
投稿者たちがうろたえている間に、信じられない出来事が起こったのだった――。
感想(ネタバレ)
うら寂しい田舎道、遠くに瞬く街の灯り、人気のない廃墟住宅、なかなか良い雰囲気です。
田んぼの先に平屋の日本家屋が見えるのですが、1部屋だけ眩い灯りが漏れ、そこに人影のシルエット。なんか過去の秀作「空中楼閣」を思い起こさせますね。必死な女性の声は傑作「ニューロシス」も彷彿とさせ、雰囲気で怖がらせるタイプです。
これは好きなエピソードですね。
尚、その後に起こった出来事はまあ本編を視聴してください(ちょっと拍子抜けするかも)。
祝い(ちょっとかなり怖いかも)
概要
若い女性たち3人がレンタルスペースを借り、そのうちの1人のささやかな誕生日パーティーを開いていた。だが、そこに来るはずだったもう1人の友人、岩佐遥さんの到着が遅れており、なぜか連絡も取れない状態だったという。
すると、廊下の方からドアが開く音がした。てっきり遅れていた遥さんが着いたのだと思い込んだ一同だったが、1人が玄関まで迎えに行っても、ドアは閉じたままで、外にも誰の姿もない。不思議に思いながら引き返した彼女が、廊下の灯りを消したその瞬間――。
感想(ネタバレ)
パーティーの食事内容がスーパーの大学芋、ポテサラ、フライドポテト、冷凍っぽいベーグル、コージーコーナーの4.5号のホールケーキと、とても庶民的で好感が持てますが、社会人なんだからもうちょっと奮発しろよとも思いました(笑)。ご時世なんでしょうか?
状況的には良くあるパターンなのですが、現れた幽霊が笑っているでもなく、怒っているでもなく無表情。「顔…痛い…」という幽霊の声が妙に生々しくて新鮮です。
岩佐遥さんは案の定、この頃交通事故に遭い亡くなっているそうですが、上記のセリフで理不尽さが強調され、リアルで怖いですね。
シリーズ・監視カメラ 石材所(少し怖い)
概要
かなりの規模の石材屋さんの作業場の監視カメラ。この石材屋さんは主に墓石を取り扱っているらしく、広い産業場にはいくつもの墓石が整然と並んでいる。
作業場から丁度人が出払ったタイミングで、何かノイズのような音がすると、その墓石の一角から…。
感想(ネタバレ)
ノイズの後、下半身の無い人影が手を伸ばしているように見えます。この墓石の仕入れ先の採石場では発破事故が報告されているそうなので、この墓石群がそこから切り出されたものであるように連想できる構成となっています。
ノイズの音、「ザザザ」と言うよりは「パチパチパチ…ドーン!」って感じで、発破の事故を彷彿とさせます。よく見ると人影は投げ出されたように飛び出してくるので、さもありなんです。人影と同時に別の塊も飛び出すのですが、これはバラバラになった人体の一部とも受け取れます。
ほんのりと怖いですね。
続・黙示録 前編(少し怖い)
概要
超ざっくりあらすじ
不動産業者の投稿者・芦名さんが、奇妙な部屋で体験した恐ろしい映像を持ち込んだ。その部屋に住んでいた女性は夜逃げし、行方不明になっていたという。室内の壁には、三本足の「件(くだん)」と呼ばれる不吉な存在が描かれたお札が、所狭しと貼られていた。
スタッフはその部屋から、和紙に書かれた不気味な二枚の紙片を発見する。同時に見つかったVHSテープの内容から、それは自動書記によって書かれた、何らかの啓示であるらしいことが判明した。手がかりを頼りに、紙片に記された二人の人物を取材するが、一人はすでに亡くなっており、もう一人は行方不明だった。どうやら、その行方不明者には娘がいるらしい――。
本編
二枚の紙には、それぞれ住所・氏名、そしてその人物がどのように亡くなるかが、まるで予言のように記されていた。そのうち一人の佐野さんは、予言どおりの状況で亡くなっていた。もう一人の羽成さんは失踪し、行方不明となっていた。和紙に記された羽成さんの家には、娘と思しき女性が暮らしていることが確認できたため、スタッフは玄関にメモを挟んだ。
専門家による調査で、三本足の件が特定の地域で祀られ、信仰の対象となっていたことが判明する。それは「コマエサマ(仮称)」と呼ばれ、石像が祀られていたが、40年前に盗難に遭っていた。その場所は、あの問題の部屋からほど近い位置だった。
さらに、この調査を始めてから藤本の身体に、芦名さんと同じような痣が現れ始めた。呪いがスタッフにも伝播しているのだろうか――。
その後、羽成剛志さんの娘・澪さんから、玄関に残していたメモを見て連絡が入る。澪さんによると、彼女が十歳くらいの頃、剛志さんは離婚届を置いたまま突然失踪し、今も行方不明だという。当時、剛志さんは急に様子がおかしくなり、そのきっかけと思われる映像が提供された。映像は澪さんの母親の実家で撮影されたもので、この世のものとは思えない存在がはっきりと写り込んでいた。この後、剛志さんが暴れ出したという一部始終も記録されていた。
また、澪さんからは家の周囲を徘徊する“謎の日傘の女性”の存在も語られた。
そんな折、製作委員会事務所に奇妙な郵便物が届く。中には剃刀とともに、あの問題の部屋に貼られていた件のお札がぎっしりと詰められており、それらは大量の血で染まっていた――。
後編に続く。
感想(ネタバレ)
あの部屋で見つかった紙には「業火に焼かれて死すべし」「苦悶に顔を歪めたまま波間に沈みて死すべし」とか、縁起でもない残酷な文言が並び、とても不気味で不穏です。
澪さんの映像ですが、ミンミンと蝉がうるさい、夏休みのお婆ちゃん(お爺ちゃんの情報なしw)家がとても懐かしい感じで良いですね。しかも家は大きく庭付きの古びた日本家屋、お母さんが折檻された秘密の蔵まであって、まさに豪農って感じも雰囲気を盛り上げます。うちの母方の田舎も似た感じがしますが、ここまで大きくないよ(笑)。
エアコン?何それ?なので、扇風機にあおられ、だらしなく昼寝するお父さん(剛志さん)の顔元に何か不気味なものが近づき消えてしまいます。これはまあまあ怖い感じでしたね。そして映像の終盤、豹変して、まるで輩系のように怒鳴り散らす剛志さんのシーンで映像は終わります。
そんなに怖くないけど、あの夏休みの子供が体験する非日常の感覚と、それを打ち消すお父さんの豹変っぷりが、何とも言えない奇妙な恐怖を増幅させていると思いました。
てか、懐かしい…何もかも(笑)。
夜襲(少し怖い)
概要
大学サークルの合宿。深夜、仲間の部屋にドッキリ侵入。寝起きのメンバーを見て何が面白いのかケタケタ笑って楽しむ彼らではあったが、寝ていたメンバーの足元に…。
感想(ネタバレ)
なんかサークルの合宿って盛り上がりますよね。それはともかく、起こされたメンバーの布団の足元に骸骨みたいなものが一瞬写るんですよ。
よく見ると骸骨じゃなくて、やせこけた老人の頭なんですけど、最初判らなかった。あまりにも場違いであまり怖くはありませんでしたが、それなりに不気味ではあります。
覗き穴(ほんの少し怖い)
概要
郵便受けか何かかから、若い女性の部屋を盗撮する差出人不明の投稿者。お目当ての女性がカメラの画角から立ち去ると…。
感想(ネタバレ)
まあ、郵便受けに張り付いて盗撮しているわけでもなく、設置した隠しカメラをリモートでモニターしているらしいです。でもあんなところから盗撮してお目当ての女性のあられもない姿が撮れるのでしょうか。訳わからないしキモいですよね。
で、いきなり白目の女が画面いっぱいに写り込むのでちょっとびっくりします。でもこの白目が白目に見えず、瞳を閉じているように見えてしまい、僕はあまり怖くはありませんでしたね。ちょっと惜しいです。
衝突事故(クラクションうるせえ)
概要
インド旅行で乗っていたタクシーがトラックと衝突。やむなくその場の3輪タクシーを拾うが、そのサイドミラーに…。
感想(ネタバレ)
これは箸休めエピソードですね。サイドミラーに人の顔が写ります。
てかもう道路にはあちこちの方向から車やバイクが右往左往していて、まさにカオス。混沌としたお国柄の一端が垣間見れてとても臨場感はありました。てかクラクションうるせえ(笑)。
続・黙示録 後編(少し怖い)
概要
現地で調べた「コマエサマ」の伝承は次のとおりである。
飢饉が訪れた村では、人柱を立てることになり、生まれたばかりの双子の兄弟に白羽の矢が立った。だが母親は掟に背き、その子を牛小屋に隠す。しかし村人に見つかってしまう。処刑の前夜、その牛小屋で生まれた子牛は三本足だった。これは神の怒りに違いないとされ、人柱とともにその子牛も神に捧げられることになる。
処刑当日、人柱となる子は恨みを込めて「山は崩れ、田は腐り、病が村を這う」と予言めいた言葉を叫んだ。その後、実際にそのとおりの災厄が村を襲い、この人柱は「駒右衛門の神」と恐れられるようになり、やがて「コマエサマ」として祀られるようになったという。
スタッフは「コマエサマ」の祠の存在を確認し、そこに残された古文書を発見。専門家に解読を依頼することとなった。
一方、最初の投稿者・芦名さんの体調不良は落ち着きつつあったが、私生活で何らかのトラブルを抱えている様子だった。また、スタッフの美濃は何もしていないのに頭から出血してしまったという。さらに大変ふくよかな体格の男鹿には食欲減退という、信じられない驚天動地の異変も起きていた。
さらに澪さんから、玄関先に設置した監視カメラに、あの徘徊する日傘の女性が映っていたとの連絡が入る。深夜にもかかわらず玄関前をうろつくその女性。日傘の内側にはびっしりとお札が貼られており、映像にはその他の心霊的な影も写り込んでいた。
スタッフが澪さん宅を訪れた際、例の日傘の女性を実際に目撃。接触を試みると、女性は驚いたように走り出し、逃げる車を追跡した結果、とある民家に駆け込む姿を捉えることに成功した。その家の窓には、あの部屋に貼られていたものと同じお札が、びっしりと貼られていた――。
つづく。
感想(ネタバレ)
この日傘の女性、藤本氏に声をかけられるとダッシュで逃げていきます。車を付けられて家まで特定されちゃう間抜けですが、車を降りても猛ダッシュで逃げるように(てか逃げていたのか)、とにかくスタッフに隙を見せずに家の中に駆けこむことに成功します。
まあ、次巻で家の周りを聞き込みして正体がバレるのでしょうが、僕は夜逃げしたあの部屋の主、あるいはその娘か何かと想像しますね。
なぜ澪さん宅をうろつくのでしょうか?まさか、剛志さんはまだ生きていて、呪いが成就していないために様子を見に来た、とか?
いろいろ想像が膨らみます。
監視カメラに映る日傘の女の後ろに浮かぶ人影。かなり不気味ですが、怖いという程でもありません。でも首が曲がっているのがなんとも不穏です。
感想まとめ
前巻に引き続き、一般投稿に程よく怖いエピソードが揃ってましたね。特に「霧の家」、「祝い」が印象に残ります。
メインエピソードは謎が少しづつ解明され、全体像がおぼろげながらも判明してきたものの、やはり三部作の中間という事で、取材メインとなり、冗長に感じる部分もありました。ただ次回の展開を非常に期待されられる内容なので、是非とも頑張ってほしいと思います。まあ、まだ謎だらけなんですけどね。
では。
コメント
投稿ありがとうございます!!
今回の映像も粒ぞろいでしたね。
「霧の家」「祝い」「覗き穴」あたりが個人的に怖かったです。
メインエピソードは羽成さんの屋敷を覗いていた女が非常に怪しいですが、彼女の裏にも黒幕がいるような気もします。
今回はスタッフにも危険が迫っていて緊張感がありますが、これで藤本監督体制終了だと少し寂しいです。
藤本監督体制からは怖い映像も増えたように感じましたし、スタッフにも愛着が生まれてきたタイミングなのでしばらくはこのままいってほしいと思っています。
次回が楽しみですね。