心霊盂蘭盆5(ネタバレあり)

urabon5 レビュー

はじめに

久々に「心霊盂蘭盆」、今回は「心霊盂蘭盆5」のレビューです。

「心霊盂蘭盆」は大体がAmazonPrimeの年間サブスク料金のみで視聴できるのですが、この「5」は何故か別料金100円で48時間レンタル、または500円で買い切りの別料金です。安いから良いのですが、「なんで?」って感じですよね。

裏稼業の呪殺(少し怖い)

概要

昔やんちゃしていた投稿者が、悪い先輩が稼いでいた所謂「オレオレ詐欺」に興味を持ち、ツテを頼って荒稼ぎしている知り合いを紹介してもらい、実践レクチャーを受ける。

その知り合いの男性に指導を受けて、首尾よく受け子に金を取りに行かせるところまでいったが、待つ間にカモフラージュの環境音を流すラジカセから変な音がする。故障か?と男性がラジカセを調べている背後に一瞬人影のようなものを投稿者が発見。だがすぐに消えてしまった。

直後、今しがた投稿者が詐欺に使ったガラケーに非通知の着信があり、電話に出ると呪文ともノイズとも何とも言えない不気味な音が流れ出した。すると男性の後ろに顔が崩れたような女性と思しきものが姿を現し、投稿者は驚きの声を上げる。

気が付くと、男性の姿消えてしまい、床には奇妙なことにこの男性が着ていた衣服が抜け殻のように転がっていた。男性はその後行方不明になってしまったそうである。

この男性は、オレオレ詐欺で荒稼ぎしており、犠牲者の中には自ら命を絶ってしまった者もいるそうだが、最近はある宗教団体と揉めていたらしい。

感想

最初に男性の後ろに現れた影はほんの一瞬で、一部しか認識できないので怖くありません。前振りみたいなものですが、これからもっと何か起こるかもしれない、という雰囲気にさせる効果はありました。

2度目に現れた女は、まあ定番の怖い顔で、私にとっては若干食傷気味。でもタイミングが良いので、不慣れな方はちょっとドキッとするでしょう。またガラケーから流れる呪文ともノイズともつかない音は、人を不安にさせるような怖さがありました。フェイクだとしたら(フェイクでしょうけど)、かなりセンスが良いです。

ただそれより、詐欺のレクチャーが実践的というか、なんか段取りが良く、とてもそれっぽかったことや、投稿者が詐欺によって自ら命を絶ってしまった人々に全く同情しておらず、「どんだけ弱いんだよ」みたいなに発言していたことも含めて、とてもリアルに感じました。

なので、その後に起こる不可解な事象にも謎の説得力が生まれてしまい、怖さが盛り上がります。

さらに一番印象に残ったのが、消えた男性の服がそのまま残っていることです。蝉の抜け殻みたいになった衣服で、奇妙な怖さが醸し出されていましたね。

僕は犯罪系はあまり好まないのですが、このエピソードは意外と好きですね。

メイク(ほんの少し怖)

概要

投稿者は、とあるモデル事務所でマネージャーの仕事をしていた。その事務所のモデルの女性がメイク動画のブログで一定の人気を博しており、彼はその動画撮影の手伝いを行っていた。

ある日、新たにブログに載せる動画撮影していたのだが、カメラの調子が悪くなったりと、ちょっとした異変が起こるが、気にせず動画の撮影は続行。

ここで彼女は撮影に使う、肝心の口紅を忘れてしまったことに気が付くのだが、急遽ファンからもらったというもので代用することになった。その口紅を使って動画撮影はひとまず終了するが、突然画面にノイズが走り、部屋の照明も落ちてしまった。

投稿者がブレーカーの様子を見に行く間に、モデルは苦しみだし、血を吐いて倒れてしまう。戻ってきた投稿者が駆け寄ると、その背後に不気味な女性が姿を現し、彼は短い悲鳴を上げる。それはすぐに消えしまうが、部屋の外に通じるドアの曇りガラスに、再び女性の顔が現れパニックに。そこで、映像は終わってしまう。

このモデルはその後病院に担ぎ込まれるも、意識が戻らず亡くなってしまったそうである。

実はこのモデルは事務所の社長と不倫関係にあり、それが原因で離婚、別れた後に元妻と子どもは、生活が困窮して無理心中してしまったという。社長を恨んでいた元妻は、事務所の帳簿に恨み言を口紅で書き込んでいたのだが、その成分はモデルに届けられた、あの動画に使われた口紅の成分と一致したそうである。

感想

ファンから送られた口紅を見て「うわ、だっさ」とかDisるモデルさんが、動画内では「うわ~可愛い~」とか心にもない事を言ったりしているのが、妙にリアルと言うかなんというか。

それなりに怖い映像かもしれませんが、なんとなく先が読めてしまいます。

というか、モデルさん、メイク動画ブログで評判の割には、なんだかメイク上手くないような気がするのは僕だけでしょうか。当時は今みたいに機器が一般には手に入りにくいとはいえ、あまりにも照明がへたくそなのも気になりました。

あんな絵面では逆に評判落ちちゃうよ。

幽霊はやはりテンプレ。でも出てくるタイミングは2回ともまあまあなだけに惜しいと思います。

吸血女(ちょい怖)

概要

コミュ障を克服して、今やナンパサークルを主宰してそのテクニックをメンバーに伝授するまでになった投稿者。最近加入した新メンバー山田に、そのテクを勉強してもらうために撮影した動画。

だが山田は実際にナンパする段になると、怖気づいてお地蔵さんになってしまう。彼に度胸を付けさせようと、投稿者はその場で自分がナンパしてきた女性を彼にあてがう。後から投稿者も合流してカラオケに行くという事にして、取り敢えず投稿者の部屋に女性を連れ込む山田。女性は投稿者にナンパされたのに、山田と二人きりになったせいかなんだか浮かない様子で、一旦トイレに立ってしまう。

だが数十分過ぎても女性は戻ってこない。荷物がソファに残っているので、逃げられたわけでもなさそうだ。しびれをきたした山田がトイレに声をかけるが返答はない。トイレには鍵がかかっておらず、少し扉を開けたところ、中からは異常な臭気。彼は吐き気を覚え、咳き込んでしまう程であった。

明らかに異常であるため、山田はトイレの様子を伺うと、女性の姿は何処にもなく、便器やその周辺が血まみれであった。吐き気に咳き込みながら、彼女が残した荷物を調べると、中から赤い液体の入った注射器が何本も出てくる。

困惑する山田に「何をしているの?」という、ドスの効いた彼女の声。振り返ると顔が黒く変色し、今墓場から出てきたように変貌した彼女の姿がそこにある。恐れおののく山田であったが、咳き込みながら仰向けに倒れ込んでしまったようだ。

それを覗き込むこの女が空の注射器を取り出すと…。

帰ってきた投稿者は、倒れ込んでいる山田を発見。病院に担ぎ込んだが、彼はそのまま命を落としてしまった。特に外傷はなく病死として処理されたそうだ。

投稿者の部屋は所謂事故物件で、この部屋では女性が刺されて亡くなっているそうである。

感想

まさかのナンパからの恐怖映像。それにしても投稿者、コミュ障からナンパ師とは振れ幅が極端ですね(笑)。でもすぐにナンパしてくるのですから、さすがと言えます。とは言ってもこの女性(の怨霊?)、わざとナンパされた疑いがありますが。

山田君は気の毒ですが、ナンパと言うチャラい感じからの一転した非日常、なかなか興味深いものがあります。ナンパされたこの女性、最初は普通の女の子で、豹変っぷりに違和感を感じる程です。

事故物件になった悲劇の怨霊が、いきなり吸血鬼みたいな感じになるのも唐突過ぎてちょっと納得しがたいものがありますが、それなりに気持ち悪く、不気味でした。

怨霊化した女性の姿はやはりテンプレでした。

煩悩の邪慢(怖くない)

概要

映像制作の学校に通っていた投稿者の女性が、卒業制作にと薬物依存症に悩む女性に密着取材した、ドキュメンタリーを制作することにした。この女性は字がまともに書けないほど、薬物による後遺症が見られたが、支援団体の女性のカウンセリングで徐々に回復しているように見えた。

だが、この女性は自分の腕などに拙い文字を書いてしまうという癖があった。リストカットの後を隠すためだという事だったが、若干の違和感を感じていたある日、彼女は失踪してしまう。

カウンセラーによると、彼女は時々認知症患者のように徘徊してしまう事があるという話で、近所を夜になるまで捜索することになる。ようやく河川敷で彼女を発見し、保護しようとすると、体中が文字だらけだった。そして一瞬異形の恐ろしい顔に変化すると、その場に倒れ込んでしまう。病院に運ばれるも、意識が戻らず、亡くなってしまったそうだ。何故か彼女は重度のアルツハイマー病のごとく脳が異常に収縮してしまっていたという。

自分の体に特殊な呪文を書き連ねることによって、災厄から逃れる呪術はあるらしく、彼女は薬物に対する煩悩を抑え込むために、拙い文字で偶然呪術行為を行ってしまい、邪悪なものを呼び込んでしまったのかもしれない。

感想

体中文字だらけで、耳なし芳一みたいになった姿は、若干不気味ではあります。でも体に書かれた文字は服のない部分だけで、多分服の中は書かれていない印象を受けました。

異形の怖い感じになった顔も、例のテンプレ表現でこれについては全く怖くはありません。

トリを飾るエピソードにしてはかなりのパンチ不足でしたね。

感想まとめ

いろいろと楽しめましたし、時間も感じさせなかったので、まあまあ面白かったと言えるでしょう。ただ、前巻に比べると如何せん地味な印象を受けました。

何よりも怖い筈の顔が特殊メイクにしか見えず、ここがとても残念な点です。それでも「裏稼業の呪殺」「吸血女」は印象に残りました。

ストーリーや演出に関しては良かったので、怖さを感じる映像に磨きをかけてほしいと思いました。あるいは、怖い怨霊の造形に関してはこんな感じで割り切るのであれば、ストーリーや演出にもっと全振りして、そこで更なる怖さを感じさせてほしいと思います。怖い幽霊など影も形も現さないのに、あれだけ怖かった「ほん呪」の傑作、「ニューロシス」のような。

次巻以降に期待したいです。

コメント

  1. fd より:

    今更ですがコメント失礼します。
    放送禁止5 しじんの村にて終盤ハニコがインタビューに応えていた公園ですが、これは県立相模湖公園だと思います。
    公園のシーン、球体のオブジェと背景の建物が一致してます。

  2. fd より:

    35.6124458, 139.1905781
    公園のシーンの座標です。

  3. fd より:

    ってか、よく見るとゲル山やXXXのドライブインの近くっすねw

  4. fd より:

    しじんの村も分かったかもしれません。
    このキャンプ場は長野県ではなく神奈川の相模原にある桐花園キャンプ場の可能性が高いです。検索すると道中の酷似したバンガローがいくつもヒットします。
    割と狭い範囲で撮影されてたかもしれません。

    • itton より:

      FDさん、「しじんの村」のロケ地特定情報ありがとうございます(どうやって見つけたのw)。

      放送禁止シリーズはFODでしか配信していないので、検証はできていませんが、記憶を頼りにした限り、両方とも限りなく正解っぽいですね。
      特にキャンプ場の特定はさすがです。
      DVDを取り寄せて確認してみます。

      やはりロケ地は近場に固まる傾向は見られますね。実は「ほん呪」のロケ地が、それぞれ別エピソードなのに僕の住んでいるエリアに固まったことがあって、「遠くへ行きたい」のロケが近所に来たような、複雑な心境になったことがあります(場所は内緒ですw)。

      あとFDさん。
      最新の投稿にコメントされなくとも、私のWordPress管理画面上では、過去の投稿のコメントでも、コメント日時順に表示されますので、今回の場合も「しじんの村」にコメントしていただいて大丈夫ですよ。

      私の返しが遅いせいで、不安にさせているかもしれませんね。
      それについてはお詫びさせていただきます。

      なるべく早く反応するようにいたしますので、今後よろしくお願いいたします。

  5. FD より:

    実は私の従兄弟が部活の遠征に行ってまして、そのときキャンプ場での様子も写真を送ってきてくれたのですが、そのキャンプ場が見覚えのあるキャンプ場で、極めつけは食事風景の写真が村人たちが集まっていたあの集会所でしたw

    • itton より:

      なるほど~
      実際に行った人からの生の情報なのですね。

      こういう情報は貴重です。

    • itton より:

      >極めつけは食事風景の写真が村人たちが集まっていたあの集会所…

      フィクションなのになんとなく不穏に感じてしまいますね。

    • itton より:

      FDさん

      DVD取り寄せて確認してみました。
      バッチリですね。

      >ハニコがインタビューに応えていた公園

      これは100%確定。

      しじんの村もほぼ確定でしょう。
      全く同じアングルの写真はなかなか見つけられませんが、同じ形のログハウスは確認できます。

      レビューに反映させたいと思います。
      情報ありがとうございました。

  6. Baobhan-Sith より:

    5と6は、4や7以降の話繋がってる系(XXXみたいな感じ)ではない独立話である上、初期の1&2&3にあったインパクト強めな話もあんまり無いので、盂蘭盆暗黒期だと勝手に思ってます。そんなんだからアマプラでも無料公開してないのかな?とか思ったりw(の割には8&9も有料公開なんですよね。まあ8は劇場版らしいのでギリ有料でも分かりますが)

    あと盂蘭盆って、スタッフさんが雰囲気作りのために頑張って難しい単語を使おうとしてるのか分かりませんけど、ちょくちょくテロップやサブタイの日本語がおかしい事があるんですよねwその辺は温かい目で見てあげてくださいw
    ちなみにゾンビメイクみたいなお化けは今後も結構出てきます。途中からは違った雰囲気のお化けも出てきますが、「またこんな見た目かい!」って事案は続くと思います…w

    • itton より:

      Baobhan-Sithさんこんばんは。
      盂蘭盆暗黒期という事は、これからが期待できそうですね。
      それにしても「8」で劇場版って、ペース早いですね。

      あ、因みにBBドバイもアルクェイドも爆死です(アルクはあと一人で宝具5なのに涙)。

    • itton より:

      >「またこんな見た目かい!」

      ちょっと笑ってしまいました。
      派手で判りやすいんですけどね。

      • Baobhan-Sith より:

        7から先は個人的に結構面白い感じでした。警告映像も雰囲気があって良いと思います。ただ最近の作品(19以降)はストーリーが読み解きにくい傾向が強くなってきてるので、そこが少し残念です。
        確かに、曼邪羅に出てくる分かりにくいお化けに比べれば派手で分かりやすいのはあるかもですw

        私の方はBBドバイもアルクも正直諦めてます。とりあえず300個はキープしておきたいので…

        • itton より:

          Baobhan-Sithさん
          7から先、今から楽しみです。

          曼邪羅は分かりにくいんですか。

          >とりあえず300個はキープ…

          300?凄い!
          私はイベント礼装欲しくて、すぐに回してしまいます(笑)。

  7. ああ より:

    心霊盂蘭盆とは無関係な話ですみませんほんとにあった呪いのビデオ109が劇場版として
    公開されるらしいです※アマゾンで確認ができます

    • itton より:

      ああさん、こんばんは。
      情報ありがとうございます。
      どうもそうらしいんですよね。公式からの発表を待ちたいと思います。
      12月DVD発売って書いてあるんですけど、劇場版DVDってどゆこと?
      と思いました。
      その前に劇場公開があるんですかね。

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