はじめに
ほんとにあった!呪いのビデオ23のレビューです。屈指の恐怖映像である「廃神社」が収められています。前半はあまり怖くありませんが、後半になるにつ連れてだんだん恐怖度が上がってくるという憎い演出。さらに、その後本呪の顔となる演出捕、岩澤宏樹氏が初登場します。
パリ旅行(怖くない)
概要
パリ旅行に行った際、地下鉄内で何気に撮った映像に人の顔が。
感想
ドア窓越しに白く半透明の顔がゆっくり横切ります。怖くないです。
シリーズ・監視カメラ コインランドリー(怖くない)
概要
コインランドリーの監視カメラ。乾燥機の中から白い手が伸びてくる。かつてこのコインランドリーでは、乾燥機から遺体が見つかる事件があった。
感想
乾燥機から白い手がニューっと出てきます。手というよりは、漫画で描く蛇みたいなシルエットです。
カラオケボックス(怖くない)
概要
カラオケボックスで盛り上がっている映像で、足が見える。まるで首を吊った足先のようだ。店側は否定するが、かつてここで、首吊り自殺があったそうだ。
感想
足首の関節が下を向いていないので、首吊りには見えません。
ボクシングジム(怖くない)
概要
友人がボクシングの試合があるというので、記念に練習風景を撮影。背後の鏡に、逆さの男の顔が写った。かつて、このジムに所属していた先輩に似ているというのだが。
感想
背後の鏡の上端に角刈りの男の顔が半分だけ出ています。なにも逆さに写らなくとも。
廃神社(まだ怖くない)
概要
投稿者(吉井さん)の親友、美和さんとその彼氏。婚約を済ませ、順風満帆な2人はドライブに出かける。その道すがら、ある廃神社に立ち寄ることとなる。彼氏が道に迷い、偶然たどり着いてしまった。その帰り道、2人は大きな交通事故に遭ってしまい、彼氏は即死。美和さんも意識が戻らず、植物人間のような状態だという。吉井さんは、遺族である彼女の母親から、壊れたビデオカメラから取り出したテープを譲りうける。そのテープには気味の悪いものが写り込んでいたため、制作委員会に持ち込んだのだった。
吉井さんからの話を頼りに、この神社の場所と名称を特定。地元の自治会から情報を得る。この神社はかつて1人の老婆が管理していたが、その老婆が交通事故に遭い他界してからは、管理するものがおらず、放置され廃墟化してしまったという。
とにかく児玉、広岡、大谷の3人で現地へ取材に赴く。途中地元の人々に話を聞いてみると、老婆は山の中から道路に降りてきたところで、トラックに轢かれてしまったということである。その後問題の神社にたどり着き周り探索するも、調査にこれといった進展もなく、帰途に着こうとしたその時、広岡が遠くに人影を見つける。話を聞こうとその人影を追い、森の中に入るスタッフだがすぐに見失う。その頃には日が落ち始め、方向を見失った彼らは完全に迷子になってしまった。
日が落ちてしまい、携帯の電波も届かない山の中で、あてもなく彷徨うスタッフ達。途中、頭痛を訴えたり、人の声を聞いたり、何かを感じ取る大谷であったが、とうとう倒れて頭から出血し、意識を失ってしまう。大谷を抱え、広岡、児玉はなんとか道路まで脱出することに成功するが、森に入ってから6時間以上も経過していた。大谷は病院に担ぎ込まれるが、幸い軽い怪我で済んだ。
後半に続く
感想
投稿映像はさわりだけで、あとは取材の様子のみなので怖くないです。最大の見せ場は、児玉氏、広岡氏、大谷氏のスタッフ3人が山の中で遭難しかける件(くだり)ですかね。空気の読めない大谷氏の発言に対し、広岡氏や児玉監督のスーパーパワハラ発言が炸裂します(笑……ぇねえよ!)。
この廃神社。結構簡単に場所が特定できました。この神社の先は行き止まりになっており、ほとんど人が寄り付かないロケーションですね。場所がわかっても行かないほうがいいですよ。神社から下の国道までは、地図上なら直線距離なら200mちょっとなんですけど、道のうねりようから、かなりの高低差がありそうです。また、広岡氏が「登ったほうがいいかな?」なんて言ってましたが、そっちの方向はずーっと森なので、登っていたらたぶん死んでます(笑)
文化祭(怖い)
概要
投稿者が都内に出張の折、合間を縫って母校の文化祭を訪れた。数多くの屋台がひしめき合う中、売り子さんの中に半透明の女性らしき姿が映り込む。さらに、飲食スペースで食事中の男性の後ろにも、恨めしそうにこちらを見つめる人影が…
この学校では、かつて女生徒が暴行され、飛び降り自殺するといった痛ましい事件があったという。
感想
売り子さんの中の人影はそんなに怖くありません。でも男の後ろから見つめる顔は結構怖いです。
鉄棒(かなり怖い)
概要
公園にて、息子の縄跳びや逆上がりの練習を見ている母親。運動不足でちょっと太り気味の我が子に、なんとか逆上がりを達成してもらいたいのか、しきりに彼を励ます母親であったが、当の息子はなんだかやる気がない。そんな微笑ましい風景に、なんともおぞましいものが写り込んだ。逆上がりをしている男児の後ろ、公園の木々の根元に生首が転がっている。別のカットでは、そこには何もないので、岩か何かがそう見えてしまっているというわけではない。
この公園では、かつて惨殺されたバラバラ死体があちこちで発見されるという、猟奇事件が起こっていた。そして、遺棄された死体の中で頭部だけが、いまだ見つかっていない。
感想
バラバラ殺人事件といえば井之頭公園ですね。この公園でお母さんにインタビューするのは、大変ふくよかでいらっしゃる演出捕横田氏です。なんでしょう、お母さんが美人だからインタビューを買って出たんでしょうか(笑)。そういえば前作である、「ほんとにあった!呪いのビデオ22」の「キャッチセールス」でも、横田氏がインタビューしていましたね。あの時も綺麗なお姉さんだったんでしょうね(女性には顔にぼかし入ってました)。しかも横田氏、今回はまさかのスーツ姿。大変ふくよかなので、似合ってな…いや、とても貫禄がありましたね(笑)。
2020年2月4日追記
この時の横田氏は「責任」で床を踏みついた「横田直幸」さんではなく、本呪22から演出補に加わった「横田則幸」さんです。同一人物だと思っていました。さらにこれから49巻で「横田季幸」さんが登場します(笑)。あーややこしい。
で、映像ですが、これはかなり怖いです。転がっているというよりは、首だけが木の幹に寄っかかっている感じ。表情や髪型(真ん中分け)までわかり、空虚な目でこちらを見ています。
花火族(けっこう怖い)
概要
河原で花火をしつつ、バカ騒ぎをする若者達。強力な花火の激しい明滅で一瞬だけ、辺りが昼間のように明るくなる。1回目の明滅では、背後に小さな子供らしき人影が映り込む。深夜であり、メンバーには子供などいなかった筈だ。2回目の明滅では、カメラの直前、左下に少女らしき顔が大写しになる。
感想
これもかな〜り怖いです。花火の明かりがストロボみたいに一瞬明滅するのですが、1回目はそんなに怖くないです。でも、2回目はスローにしないでもわかりましたね、作中では少女と言ってますが、大人の女性にも見えます。とにかく気持ちの悪い不気味な顔です。
続・廃神社(めちゃめちゃ怖い)
概要
廃神社近辺の調査で、この周りでは交通事故が4件も発生していることがわかった。老婆が事故死する前は1件もなかったにもかかわらず、である。また、管理をしていた老婆と関係のある人物(榊原さん)を突き止める。そのお宅を訪ねてインタビューするスタッフ。大谷氏が怪我を負ってしまったのでここで演出捕の1人が岩澤氏に交代となっていた。
榊原氏へのインタビューでわかったことは
- 榊原氏の家系は彼の祖父の代までこの神社の管理をしていた
- 祖父他界後、父が神社の手伝いをよくしてくれた女性に管理を引き継ぐ
- この女性が例の事故死した老婆
- 榊原氏一家はこの地を離れる
- 古い話なので(当時中学生)、投稿映像を見ても、この老婆と女性が同一人物かは判別がつかない
また、こんな話をしてくれた。
- あの神社はあの山々一帯を祀っていた神社
- 元々はそうではなかったが、あの山でいなくなった人、捨てられた人、動物を慰霊する神社でもあった
- あの山は昔、土地の人でさえ、方向がわからなくなってしまい、出てこれなくなる事が多かった
- それを利用して姥捨山のような人減らしも行われていた
- 犯罪者や役立たず、子供まで人減らしの犠牲になった
- 元気な者は足を折られて捨てられる事もあった
- こんな黒歴史はなかなか語り継がれないだろう
- 管理されていない神社は魑魅魍魎が集まりやすいので、むやみに近寄るものではない
岩澤氏は、問題の神社を管理していた老婆の息子夫婦に連絡を試みるが、その電話番号は既に使われていなかった。そんな折、息子夫婦の遠い親戚である、遠藤さんにインタビューできることになる。遠藤氏へのインタビューで判明したことは、
- 息子夫婦と遠藤氏の関係は母親の従兄弟
- この息子は母親が死んでも親戚に連絡さえよこさなかった
- 連絡がつかないのは借金取から逃げ回っているから
- 昔は真面目だったが若い嫁さんをもらってからおかしくなった
- スナック経営のため多額の資金を調達するも、経営はままならず
- 遺産目当てに母親を殺したのではないかと噂していた
- 息子夫婦は、老婆の死の直前、村に帰ってきていた
老婆の息子夫婦が、遺産目当てに老婆を生きたまま山に遺棄。命からがら山を降りれた老婆が道に出たところ、運悪くトラックに轢かれてしまったのではないかとの仮説を立てるも、広岡はこの説に懐疑的であった。姥捨山の黒歴史があったとはいえ、確実性がないし、老人の保険金などそんなに高額ではない。しかしながら、老婆の死の直前に、村に帰ってきていたという事象は、十分怪しいのではないかと、先輩に臆せず自らの意見を主張する岩澤。
その後の調査で、息子夫婦は老婆の所有する土地を手に入れ、売却することで、多額の現金を手に入れていたことが判明し、岩澤の主張を裏付ける結果となった。
スタッフは情報を頼りに、この息子夫婦のアパートを尋ねることにした。しかしながら、住人は既に変わってしまっているようで、表札の名前も異なるものであった。岩澤氏はその場で不動産屋に問い合わせ、引越し先の住所と電話番号の情報を得る。しかしその電話番号も、既に使われていなかった。さらに住所の場所にたどり着くも、なんとその家は全焼してしまった跡が残るだけであった。最近焼けたらしく、消防の封鎖線が行く手を遮り、中の様子を伺う事もできない。隣人に話を聞くと、一家心中だそうで、練炭で自殺を試みたのだが、何かの加減で周りに引火して家ごと燃えてしまったらしい。火事の直前には、借金取らしき人物が連日訪れ、脅されていたようである。呆然と立ちすくむ、広岡と岩澤。
ここで、例の投稿映像が紹介される。
ドライブ中に道を間違えて廃神社にたどり着いてしまったカップル。美和さんが止めるのも聞かず、彼は神社に足を踏み入れてしまう。カメラを持ち、しかたなくついて行く彼女であったが、何かを感じたのか、しきりに引き返すように訴える。彼は興味本位に周りを散策したり、扉を開けようとしたりするが、怖がる彼女に急かされてその場を後にする。その際の映像、神社の柱の陰からこちらを追うように見つめている、不気味な老婆の姿をカメラは捉えていた。
投稿者の吉井さんに調査結果を報告の後、献花のため彼女とスタッフは老婆の事故現場を訪れることにした。なんとそこは、児玉、広岡、大谷が山から脱出できたその場所だったのである。スタッフらは老婆が迷い出た、その行程を再現してしまったとでも言うのだろうか。
1週間の後、植物状態だった美和さんが病院で亡くなってしまったとの連絡が入る。
感想
ここで岩澤氏が初登場します。なかなかの有能っぷりが印象的ですね。
さてさて、久々にめちゃめちゃ怖い映像です。先に私がまとめた、私的ベスト10にこの映像を入れるかどうか、迷ったほどです。本当に怖いので、覚悟してみたほうが良いかと思います。
このおばあさん、眼窩は真っ黒、何かを訴えかけるように大きく開いた口も真っ黒、大抵こういう映像に映る幽霊は白黒や半透明が多いんですけど、今回は生々しい肌色でとても恐ろしい。本呪にも慣れてきて、少々の映像には動じないつもりでいたのですけど、これは夜には見れないですね。
取材過程の映像もリアルですね。最後の息子夫婦の家が、全焼した跡だったのにはびっくりしました。こんなのフェイクで作れるのでしょうか。また、この家の道を挟んだ正面に消防署があった事に、みなさん気がつきましたか? こんな近くに消防署があったのに、この家は全焼してしまった。老婆の呪いの強さに驚きを隠せませんでした。ひょっとしたらガチなのかもしれません。
感想まとめ
一般投稿映像も後半、どんどん怖くなってきて満足ですね。
そしてメインエピソードの「廃神社」が見事でした。畳み掛けるような展開、スタッフ同士の人間模様、この地に隠された黒歴史、次々に明かされる、恐ろしい呪いの事象、そして、怖すぎる投稿映像。久しぶりにブルッときました。なんでこれベスト10に入れなかったんだよと、今更ながら思ってしまいました。実は怖すぎて忘れたかったのかもしれません。
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