はじめに
かなり有名な、「面接」が収録されている巻です。
戦争遺跡(すこし怖い)
概要
とある戦争遺跡を訪れる女性2人組。友人は奥に入るのを嫌がり、しきりに出ようと訴えるものの、ビデオカメラを持った投稿者はせっかくだからと、撮影しながらどんどん奥に入っていく。すると、どこからともなく爆発音のような音と、人の苦しむようなうめき声が、大音響で遺跡内に鳴り響く。恐怖を感じた投稿者が、慌てて脱出するのだが一緒だったはずの友人が出てこない。施設の管理人とともに、再び中に入ると友人は気を失って倒れていた。
感想
なかなか臨場感があって、僕は好きなエピソードです。ただ爆発音も唸り声も、スピーカーから流れるような音質の悪い感じがして、ちょっと作り物っぽい気もするんですよね。
駐輪場(怖くない)
概要
駐輪場の監視カメラ。行き交う人が途切れところに、無人の幼児用三輪車が入り口から入ってくる。その三輪車が止まると、小さな足、それも足首だけが、そこから駈け出すように姿を現し、消えてしまう。
かつてこの駐輪場の利用者であった母娘が交通事故に遭い、小さな子供が犠牲になったという。
感想
雰囲気は良いです。無人の三輪車が入り口からゆっくり入ってくる様子はなかなか不気味です。
でもですね、そもそもこの映像に映った三輪車は、実在したのかどうなのかが気になってしょうがないんですよ。おそらくカメラにのみ映った、ということなんでしょうけど、ならそれには言及して欲しいところですね。あと、映像に映った三輪車が消える映像もあったほうがリアルだと思います。この三輪車いつまで写ってたんだよ、とか気になってしまうのです。
ITバブル(怖い)
概要
急成長したIT企業の社長さんらしき人が、偉そうにもっともらしいうんちくを垂れている、新卒者向け就職PR映像。社長の肩越しに目をギョロつかせた顔が覗く。別方向から撮ったカメラには写っていないので、背後に人がいたわけでもない。この社長は健康に気を使っていたにもかかわらず、この映像が撮れた2〜3ヶ月後に脳梗塞で亡くなってしまった。
感想
すかした感じの社長がムカつく作品で、とにかくまっすぐ座れや!と言いたくなります(笑)。こんな社長がいる会社入りたくねえわ、とおもいました(向こうもお断りでしょうけどw)。覗かせた顔は、目がギョロギョロ動いて結構怖いです。
渓谷(怖くない)
概要
投稿者、飯山さん他、男性4人でドライブを楽しんだ帰り道、道路が混んでいるので、地図を頼りに別ルートで帰ることにするが、途中で道に迷ってしまう。運転手である高橋さんは、仲間のうちの誰かが、「右」と言ったのでそれに従ったと主張。だが、ナビを担当した木津さんを含め、同乗の3人はそんなことは言っていないと返す。しかたなく道なりに走ると、渓谷に架かる辺鄙な吊り橋にたどり着く。車から降り、しばらく渓谷の景色を堪能し、引き返すこととなった。
その後、飯山さんが映像を見返すと、分かれ道で確かに「右」と言っている音声が記録されていた。そればかりではなく、吊り橋の映像に、何者かの顔のようなものが写り込んでいることを発見してしまう。
飯山さんは、互いに仕事も多忙なこともあり、なかなか他の3人にこの映像のことを言い出せなかったが、しばらくして当時運転していた高橋さんが、交通事故に遭い入院してしまう。それも、夜中に1人で車に乗り出して、トラックと正面衝突してしまったのである。しかも、あの渓谷の方向を目指していたというのだ。そして高橋さんは、事故のショックでこの2〜3年の記憶を失ってしまうといった、後遺症も抱えてしまうこととなり、現在も入院中である。この機会に、残り2人にもこの映像を見せ、制作委員会に映像を投稿することにしたという。
スタッフはこの映像に入り込んだ「右」という声を、専門の分析に回すと同時に、早速この橋への取材に向かう。すると、この橋では飛び降り自殺が頻繁に起こっていることがわかった。さらに橋からの帰り道で、あわや大惨事となるかもしれない事故に遭遇してしまう。対向車の荷台から廃棄物の鉄板が落ちてきて、スタッフの車にぶつかりそうになったというのだ。演出捕:菊池の華麗なドライビンクテクによって、なんとか避けることができたが、フロントガラスに直撃していたら、全員死んでもおかしくないものであった。尚、声の分析結果が判明し、この声は他の4人の声とは、全く異なることが科学的に証明された。
ここで、映像の前半部分が紹介され、確かに「右」という、何者かの声が記録されているのが確認できる。
感想
映像は声だけなんで、全く怖くはありません。確かにその場にいた人たちの声とは違う感じですね、年配の人の声のような気がします。それにしても、木津さんが一生懸命地図を見ているんですが、この車ナビ付いてますよ(笑)。ナビの地図見た方がよくね?
この橋の場所はWikioediaの本呪の項目に載ってるので、場所は簡単に特定できました。残念ながら、Googleカーは訪れていないようで、ストリートビューでは見れません。確かにY路地で右へ行くとこの橋に行くのですが、その後さらに左折する必要があります(直進すると行き止まり)。左折の部分はカットされていましたが、どうしてなんでしょうかね。
霊の通り道(怖くない)
概要
仲間内での楽しい酒盛り。背後に写るテレビの画面に、何者かが横切る影が…
この部屋は東西を神社に挟まれ、霊の通り道になってるそうである。
感想
「白い着物の女」を彷彿とさせる映像。何かが横切っていますが、怖くはありません。
地震(まあ怖い)
概要
真っ赤に染まる夕焼け。その中に大きく口を開け、叫んでいるような顔が2体確認できる。
この地域は、後に大地震が襲い、多数の死傷者が出たという、
感想
口の大きさが、顔の半分はあろうかという姿が夕焼けに写り込んでいます。ものすごく存在感があり、なかなか怖いのですが、あからさまに作り物っぽい気もします。また、これはカメラにだけ映ったのか、そうではないのか、撮影者がその時この存在に気が付いていたのかとか、そういう説明が欲しいところです。
面接(かなり怖い)
概要
アダルトビデオの制作プロダクションに務める、菊永さんの投稿。
この日、AV女優候補者の女性との面接がセッティングされていたが、なんの間違えか、その候補者は約束の時間より、1時間も早く事務所に現れた。予定していた担当者がまだ出社していないので、急遽菊永さんが面接することになる。プロフィールによるとその女性はハセベさんといい、最初は普通に受け答えしてたのだが、突然、「田島さんいますか」と聞いてくる。田島という社員はいないので、問い返す菊永さんではあったが、彼女は「田島を出せ!」と激昂し、ヒステリックに暴れだす。菊長さんは、話にならないと彼女を部屋から連れ出し、「警察を呼ぶ」と諭すと、おとなしくなったという。実は選考の参考にするために、この面接の様子は撮影されており、菊永さんが部屋に戻ってくると、ビデオカメラの録画は誰も部屋に出入りしていないのにもかかわらず、勝手に止まっていたそうである。
そして、30分後に別の女性が面接にやってくる。なんと先程のハセベさんは、本来の女優候補とは関係のない、別の人間だったのだ。不審に思った菊永さんは、彼女を斡旋した事務所に問い合わせるのだが、そのような女性は所属していないと言われてしまう。プロフィールの写真を送ると、よく似た女性はかつて在籍していたが、今はもういないとの答えだった。尚、以前田島という社員が所属していたことは、先輩社員に聞いて判明したという。気になった菊永さんが、映像を確認すると、そこには不気味なものが写り込んでいたので、制作委員会に投稿したのだ。
スタッフは改めてハセベさんの事務所に問い合わせるも、菊永さんの話以上の情報は得られなかった。そこで、かつてその事務所に所属していたという、長谷部さんに瓜二つの女優と交友があった、別の女優に話を聞くことができる。彼女の話で、その女性はプロダクションの社員と恋愛沙汰を苦にして自殺してしまったことがわかるが、その社員が例の田島氏であったかどうかまでは確認できなかった。田島さんに直接コンタクトを試みるも、取材は頑なに断られてしまった。
ここで映像が紹介される。
当初は何気ない面接の様子。菊永さんが彼氏の話を振ると、突然「田島さんはいますか」と聞いてくる。その後女性は激昂し、ヒステリックに騒ぎ出す。菊永さんが彼女を部屋から連れ出し、帰ってもらうために、この女性の荷物を取りに再び姿を表す。菊永さんが部屋から出て部屋に誰もいなくなると、背景のホワイトボードの下から目を見開いた不気味な女性の顔が逆さのまま、ゆっくりと姿を現し、突然映像が終了する。
感想
あ、これかなり怖いやつです。後ろにホワイトボードの下から女(たぶん)の顔が、しかも逆さまで出てきます。なぜか逆さまなのに髪の毛が垂れ下がることはありません。ホワイトボード本体と、ペンや黒板消しみたいなやつを置くところの間に隙間があるんですけど、そこに目が見えるタイミングでブチッと映像が切れてしまうのも怖いですね。尚、顔が出てくるのは、菊永さんが女性のバッグを取りに戻って部屋から出てからなので、そこまでは安心して観てください。
合格祝賀会(怖い)
概要
とある予備校の、ささやかな合格祝賀会の様子。厳しい受験を終え、ホッとした表情の生徒たちであるが、部屋の白い壁にシミのような女性の姿が写り込んでいる。その予備校では、受験前に病死してしまった女生徒がいたそうである。
感想
壁に一瞬、シミというよりは女性の姿を等身大モノクロコピーして、貼り付けたようなものが映っています。結構生々しい感じがして、僕は怖いんですけど。
続・渓谷(少し怖い)
概要
とにかく、高橋さん以外を制作委員会に呼び、詳しい話を聞こうとしたが、訪れたのは、投稿者の飯田さんと、ナビを担当した木津さんだけであった。もう1人の佐伯さんとは連絡が取れなくなってしまったという。念のため、その場で電話をしてもらうものの、連絡はつかなかった。
佐伯さんのことが気になったスタッフは、彼の自宅アパートを訪ねるが不在であった。何日か様子を見て、部屋の明かりが灯っていることを確認し、再度玄関のチャイムを鳴らすが、どういうわけか居留守を使われてしまう。しかし、粘り強く佐伯さんの部屋の前で待機し、部屋から出てくる彼を捕まえることに成功する。だが、取材を申し込んでも体調不良を理由に体よく断られてしまった。佐伯さんはマスクをしていたが、その顔が醜くただれていることは隠しようがなかった。
その何日か後、佐伯さんが通っていた病院の屋上から飛び降り自殺してしまうという連絡が入る。
ここで、問題の映像の橋での場面が紹介される。車から降り、付近の景色を眺める飯山さんら4人組。車に戻る際、橋の柵の隙間から覗く、肉色の歪んだような顔が確認できる。
感想
話はそれなりに興味深いのですが、肝心の写った顔はそんなに怖くありません。というか肉色というか、肌色の何かは存在するのですが、なんか顔には見えないんですよね。それよりも木津さんが谷を覗き込んだ佐伯さんを、「わっ!!」と驚かすシーンが一番びっくりしました。こんなところで脅かすんじゃねえよ(笑)。
感想まとめ
「面接」以外のエピソードの映像が弱く、全体的に小粒な感じは否めないです。今までが、怖すぎたので比較されてしまうんですかね。次に期待しましょう。「面接」以外では、「戦争遺跡」、「ITバブル」、「合格祝賀会」が好きな作品ですかね。
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