はじめに
「ほんとにあった!呪いのビデオ37」です。今回はインパクトのある映像が目白押しです。さらに心霊博士の正体が明かされ、心霊博士編「狂死のビデオテープ」がスタートします。
またこの巻より、画面アスペクト比(縦横比)が従来の4:3からHD対応の16:9に変わっていることに気がつきました。冒頭のブロードウエイのアイキャッチや投稿映像はまだまだ4:3のままですが。
呪いのわら人形(めちゃ怖い)
概要
差出人が不明な投稿。若い男性2人組が物好きにも夜の神社に探検に訪れる。人っ子一人いない様子から深夜だと思われる。カメラのナイトモードで撮影をしながら神社の裏の森に足を踏み入れ、しばらくすると2人は多数のわら人形が打ち付けられた一本の木を発見する。藁人形が何本もの五寸釘で打ち付けられている異様な光景に恐れおののく2人。
すると、すぐ近くから低いうめき声が聞こえる。そのうめき声は叫び声となり、急速に近づいてくる。その方向にカメラを向けると、白装束の女が髪を振り乱しながら木々をかき分け、こちらに迫って来る。男性たちは恐怖の叫び声をあげながら逃げ惑う。
感想
あ、これめっちゃ怖いです。迫ってくる白装束の女は、この呪いを行った人物なのでしょうか。ナレーションはこの女性の足が無いと言っていますが、単に暗くて写っていないだけのようにも見えます。
でもですね、足があって幽霊ではなく、生身の人間だとしても怖いですよ。いやむしろその方が怖い。
だって呪いの儀式を見られるのは「超NG」ですから…
見られたら呪いが返ってくるのだから…
だから追いかけられて殺されるかもしれません…
それほどの覚悟があって呪いを実行したのでしょうから…
こう考えると生身の人間の方が怖い。
そう感じさせる映像です。
逃げ惑う若者たちの叫び声が本当にビビっていて、とてもリアル。ただ音声を加工しているので、迫り来る女の唸り声までヘリウム吸ったように甲高いのがちょっと残念です。
隣人の声(かなり怖い)
概要
古いアパートに引っ越してきた投稿者が、引っ越し早々友人を招き入れたところ、薄い壁ごしに女性の喘ぎ声が聞こえてきた。すっかり興奮した彼らは聞き耳を立て、携帯で動画を撮影し始める。だがしばらくすると、喘ぎ声に混じって男性の荒々しい恫喝するような声が聞こえ始め、ただならぬ雰囲気になってしまう。喘ぎ声はいつしか悲鳴に変わり、ついには男性の怒鳴り声とともに「どん!」という女性を壁に投げつけたような衝撃音が部屋中に鳴り響く。それを境に男女の声はピタリと止んでしまい、静寂が訪れる。互いに顔を見合わせるように、撮影者の携帯カメラが友人に向うと、得体の知れない不気味な女性が、彼のすぐ後ろに佇んで、こちらを睨みつけている。カメラごしにその女性を認めた投稿者が悲鳴をあげ、携帯を取り落としてしまう。
気になった投稿者が隣の部屋の様子みるが、なんとその部屋は空き部屋だった。不動産屋に問い合わせるも、いわゆる事故物件になる事件等は存在しないとのことであった。
感想
男性の怒鳴り声が悪意の塊みたいで怖いですね。きわめつけはその後の衝撃音で、かなりびっくりします。
残念ながらかなり画質が悪く、写り込んだ女性の顔は表情が読み取れないのですが、睨みつけた目ははっきり認識できます。いや、目元まではっきり見分けられるわけでも無いのですが、なんとなく睨んでいることはわかるのです。かなり怖いですね。
二つの眼(怖い)
概要
外国人である友人の家に遊び訪れたときの映像。クリマスが近いのか部屋にはツリーが飾られ、金髪の坊やが部屋で遊んでいる風景。微笑ましいはずのこの映像に不可解なものが写り込んでいた。それはノイズとともに映像に入り込み、こちらを見つめる2つの目であった。
霊能者に鑑定してもらったところ、この目はこの部屋ではなく、撮影している投稿に取り憑いた邪悪なものであるという。早々に対処するべきとのアドバイスをもらうが、投稿者とは連絡がつかなくなってしまう。彼の身に何かが起こったのであろうか。
感想
まずこのおたくのワンちゃんが可愛いです(笑)。それはともかく、和やかな雰囲気に突然現れ、まばたきまでするこの目はなかなか怖いです。終始水の流れる音がするのが気になりますね、この目が現れると水の音も大きくなるのがさらに不気味です。
狂死のビデオテープ 胎動(怖い)
概要
まず最初に以下のようなテロップが表示される。
これからご紹介する映像は、我々、取材班が巻き込まれた不可解な事件の記録である。
文明の発達した現代において今なお存在する「呪われた一族」を記録した映像であるとも言えるかもしれない。
これまで製作委員会を挑発し、脅迫までしてきた「心霊博士」の行状がダイジェストで紹介される。5回ほど映像を投稿し、2本が採用されたものの、没になった残りの全てを採用し、取材もするように執拗に要求し続ける。別の無記名の投稿も送られてくるが、筆跡から心霊博士に間違い無いと思われる。この投稿にも採用しなければ、スタッフを呪い殺すと記述された手紙が同封されていた。また、事務所の玄関先に鳥の死骸が送りつけられるという嫌がらせも、スタッフはこの心霊博士だと推測していた。だが、手紙に記されていた携帯番号から心霊博士に直接コンタクトをとってみるも、しらばっくれた電話口の人物はそれきり電話には出なくなってしまっていた。
それ以来、心霊博士からの投稿は止んでしまっていたが、別の投稿から思いがけず心霊博士の手がかりが得られたのである。
その投稿は10台の女性、緒方恵美さんからのものであった。数週間前に事故死してしまった兄の遺品である携帯電話に残った映像に、気味の悪いものが写ってたというものであった。緒方さんからの情報で、兄の大学の友人に取材するものの、これといった収穫は得られなかった。だが、大学に入る前に通っていた、予備校の進路担当講師の山本氏から、興味深い事実が明らかになった。
それは、緒方さんの兄、緒方義明さんが予備校時代にとある講師とトラブルを起こしていたというものであった。その講師はベテランの浅野講師といい、授業中にその講師が無駄話をしてしまい、受験でピリピリしていた義明さんが食ってかかったというものであった。生徒をリラックスさせるために、授業中無駄話をすることはよくあることであるが、講師でありながら浅野氏は緒方さんに手を出してしまったため、警察沙汰寸前にまでなってしまい、予備校を辞めざるをえなくなってしまったという。
浅野氏は無駄話の内容が主に心霊関係だったので、生徒からはオカルト博士、または心霊博士と呼ばれていたそうである。
まさかの「心霊博士」というワードに反応した児玉監督は、脅迫状に書かれていた携帯番号を山本講師に照合してもらう、するとそれは見事に一致し、浅野氏の住所を突き止めることができた。ついに心霊博士の正体が判明したのである。だが、その住所の家はすでに空き家であった。そしてその家の主人である浅野氏はもうすでに亡くなっていた。近所への取材で精神を病んだらしいということはわかったが、それ以上の詳細は死因も含めて不明であった。問題の映像を山本講師に見てもらうと、はっきりと断言はできないが、浅野氏に似ている気がすると語る。
ここで問題の映像が紹介される。
自室にて友人と鍋を囲む義明さん。酔いが回り、おどけてモノマネを披露する友人を、携帯電話の動画機能で撮影するも、なにかの拍子にそれを落としてしまう。携帯カメラは緒方さんのベッドの下を写しており、そこには横たわる中年男性の顔が写っていた。この顔はあの心霊博士のものなのであろうか。
感想
結構はっきりと写っていて、おっさんが寝転んでいるようにしか見えないです。状況的に考えられないわけで、不気味と言えば不気味。でも映像的には大したことは無いです。この話の肝は「心霊博士」の正体がひょんなことから判明したという驚きにある気がします。今まで奇行を見ているので、生気無くこちらを見つめる目は気持ち悪いの一言に尽きます。
海岸の洞窟(怖くない)
概要
職場の仲間と海辺でのキャンプに訪れた一行。洞窟の先でちょっとした崖になっている箇所を飛び越えている風景。眼下の崖に1本の手が…。
感想
洞窟の出口付近に岩場があり、ちょっとした崖になっているのですが、カメラが下を覗くと結構な深さで、別の意味で怖いです(笑)。その崖をカメラが覗くところで、手前にはっきりと手が写っています。でも正直、手が写ってる、足が写ってる、足が消えたみたいな映像はもう食傷気味です。
シリーズ監視カメラ・自動車(怖くない)
概要
中古車を知人から購入した投稿者、しばらくして車の助手席側に無数の傷が入っていた。まるで、爪で引っかいたような傷だったという。いたずらだと思った彼は監視カメラを車内に取り付け、現場を撮影しようと試みる。すると今回は窓に無数の手形が付いていたため、監視カメラの映像をチェックすると、そこには信じられないものが記録されていた。
まず、車全体が激しく揺れ出す、まるで人間の手で揺らされた感じだが、窓の外には人影は全く存在しないし、当然室内も無人である。しばらくすると、サイドウインドウ全体に白い手形がベタベタをつき始め、助手席側の窓全体が手形だらけになってしまう。投稿者によると、その手形は白い脂のようなものが付着していたという。
この車を購入した知人は失踪し、連絡がつかなくなってしまっていた。気味が悪いので投稿者はすぐ車を売ってしまったそうだ。
感想
衝撃的な映像ですが、わたしにはあからさまに作り物っぽく感じました。そもそもカメラはどこに設置したのでしょうか、車内に設置しているような感じなのですが、車が激しく揺れているのに、そのカメラは揺れていないように見えます。ただフェイクだとしてもカメラごと揺らした方が簡単に作れるわけで、わざわざカメラを固定する意味があるのかが、よくわかりません(画角はそのままにして、映像だけ揺らすことは技術的に可能なのかな?)。と、いうわけでなんか釈然としないので、怖くなかったです。窓に手形がつく場面は雰囲気がよく出ているのですけどね。
誕生日ケーキ(少し怖い)
概要
バイト仲間の誕生日会の光景。誕生日を迎えた男性がケーキのろうそくを吹き消す場面で、彼の顔に女性の顔が重なったように写っている。この男性は、映像で隣に座っている女性と交際していたそうだが、この日を境に穏やかだった性格が豹変してしまい、女性に暴力を振るうようになって、結局仲は破局してしまったそうである。
感想
まず、男性の後ろにチラチラ写っている女性は、幽霊では無く普通の人間なのでご安心を(笑)。部屋が暗いので、最初見たときにはちょっとドキッとしました(笑)。
吹き消す瞬間に顔に写る女性は確かにはっきり写っていますが、もうほんとに一瞬なので、スロー再生じゃないとまず見つけられません。不思議とそんなに怖くはないです。顔にまったく同化してしまっているので、かなり気持ち悪いですが。
狂死のビデオテープ 続・胎動(怖くない)
概要
浅野氏の調査は行き詰まっていた。そんな中、別件の取材の最中に、事務所に男が押し入ったとの緊急の電話が入る。その男はたどたどしい口調で「心霊博士」のビデオテープをよこせと迫ってきたと言う。原則として制作委員会は、たとえ本人であっても投稿映像の返却は行っていない。ましてや赤の他人に渡すことなど考えられないことである。演出捕・板倉有香が硬く断ると、その男は彼女を突き飛ばし去っていった。
その翌日、今度は心霊博士の娘を名乗る女性から、場所を指定して呼び出す電話が入る。約束の場所に赴くスタッフであったが、時間になっても一向に現れない。すると携帯に連絡が入る。彼女は警戒心が強く、尾行を恐れているのか、スタッフそれぞれ別の場所を指定し、バラバラに来るように指定される。分かれた3人のうち伊月演出捕がその人物と対面することができた。その女性は杖をついており、顔を写すことを拒否した。何かを恐れているような用心深さである。
予告
心霊博士の娘から明かされる驚愕の真実とは。
そしてついに我々は制作委員会を脅かす異常な男と対面することになる。
事態はほんとにあった!呪いのビデオ史上最悪な状況へと向かって行く。
「ほんとにあった!呪いのビデオ38」、この夏必見である。
感想
取材のみで怖い映像はありません。事務所に押し入った変な男の監視カメラの映像のみです。トリで恐怖映像が無いとか、こう言うパターンは珍しいですが、次巻へのつなぎみたいな構成になっています。ちなみに別件の取材とは「シリーズ監視カメラ 自動車」ですね。
警察に届けるかどうかを相談している場面で、伊月演出捕がボソッと、「警察嫌いなんですよね」とつぶやいているのが気になりました。人畜無害そうな顔をして、昔ヤンチャしてお世話になった経験でもあるのでしょうか。そういえば、岩澤氏とはまた別の感じでクールで、何事にも動じない雰囲気を醸し出していますが。
感想まとめ
今回は衝撃映像が多くて楽しめました。特に「呪いのわら人形」、「隣人の声」、「二つの眼」がお気に入りです。特に「呪いのわら人形」が突出して衝撃的で怖かった。
メインエピソードで心霊博士の正体が、全く別の投稿から判明したのには驚きましたね。ただ、まだまださわりで、これからって感じです。「黒狐編」みたいに、ぐだぐだにならないことを祈ります。
スカパーだけエピソードの順番が違うぞ
実は僕がスカパーの「ファミリーチャンネル」で見たエピソードの順番は上記と異なります。
- 呪いのわら人形
- シリーズ監視カメラ 自動車
- 二つの眼
- 狂死のビデオテープ 胎動
- 海岸の洞窟
- 隣人の声
- 誕生日ケーキ
- 狂死のビデオテープ 続・胎動
なぜか「自動車」と「隣人の声」の順番が入れ替わっています。気になってDVDを取り寄せましたが、ブロードウエイのページと同じ順番です。念のため他の方のブログも参照しましたが、発売当時もこの順番のようで、スカパーで放送したものだけが入れ替わっているようです。
意味がわかりませんね。強いて考えられることは、オリジナルの順番だと、「自動車」のエピソードの次に「誕生日ケーキ」を挟んでいるとはいえ、わりとすぐに「狂死のビデオテープ」内に「自動車」の取材風景がきてしまいます。それが視聴者を白けさせる、と言えなくも無いような。ただ、わざわざ入れ替えるほどの事でしょうかね。謎です。
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