はじめに
「ほんとにあった!呪いのビデオ59」です。この巻はちょっと低調です。
現場(怖い)
概要
投稿者の男性とその友人は飲んだ帰り道に路上ではしゃいでいる。というかビール片手でまだ飲んでいるが、とあるマンションの玄関付近で花束が添えられているの見つける。この友人は花束の前にしゃがんだり、見下ろしたりと、ビールを「ごきゅごきゅ」飲みながらはしゃいでおり、実にはた迷惑である。カメラはその様子を写しているが、どこからともなく「みないで」という、女のか細い声を捉える。花束にカメラを向けると、その傍らに女の生首が転がっている。その顔は崩れて血だらけであったが、しっかりと目を開き、こチラを見上げている。驚いた投稿者が声を上げ、映像は終わる。
このマンションには、かつて飛び降り自殺で女性が亡くなっているそうである。
感想
路上に花束が添えられていたら、その場所で何らかの悲劇があったことなど容易に想像できると思うのですが、罰当たりな投稿者の友人ですね。それはともかくなかなかに怖い映像ではあります。ただ、もう本当に申し訳ないけど、慣れてしまったこと、さらにはっきり写りすぎていることから、恐怖度は普通です。
人形(かなり怖いが…)
概要
投稿者は前原さんという女性。娘の様子を撮影して単身赴任中の夫に送るビデオレターを撮影中の出来事である。その映像が撮られる少し前、夫の母親の遺品整理の際に、娘が持ち帰った古い人形があった。前原さんはその人形を古くて不気味と感じていたが、娘はこの人形をたいそう気に入ってしまって、生きている人間にするように話しかけるようになってしまった。撮影時、前原さんは娘に抱かれたこの人形の首がひとりでに動いてこちらを向く瞬間を目撃してしまう。その様子は映像にもしっかり記録されていた。
前原さんは恐怖を感じ、人形の処分を娘に切り出すが、激しく抵抗されてしまったという。知り合いの住職に人形供養をしている寺を紹介された彼女は、娘の不在時にこの人形をそこに預けてしまう。案の定、娘に泣き叫んで抗議されたが、不思議と数日後にはけろっとしてしまったという。まるで娘がこの人形に魅入られていたとでも言わんばかりである。
ここで、映像の核心部分が紹介される。
単身赴任中の父親に話かける娘。ふと、席を外し自分の部屋から問題の人形を持ってくる。気味悪がる前原さんにかまわず人形を愛でる娘だが、その人形を抱き上げると首がグルンとこちらを向く。驚きの声をあげ、カメラを伏せる前原さんだが、次に人形をカメラがとらえた時にはその首は元の位置に戻っていた。
感想
ちょっ!…、まっ!…、めっちゃ怖いんですけど。だいたい人形自体が怖い私にはとてもドキドキしてしまうものですよ、勘弁してください。これでもかというくらい、「グリン!」とこっち睨んできます。怖いです。
ではなぜ評価が微妙なのか。それは、これはこの娘さんがとても演技が上手だからです。舞台や映画、ドラマでやる”演技”と感じてしまうんですね。それでシラけてしまう。ただ、この巻では最もインパクトのある映像であることは、間違いないのですけれども。
大雪(少し怖い)
概要
関東で記録的な大雪になった2014年2月の夜、投稿者は銀世界になった街中を撮影する。普段と異なる非日常の世界を堪能する投稿者であったが、ふと、とある民家の玄関先に作られたかまくらに目が止まる。夜半であるため、当然ながら中には誰もいない。だがカメラは、かまくらから覗く女性と思しき顔を捉えてしまう。
感想
実はこれを書いている日(2020年3月29日)も関東地方はそこそこの雪に見舞われました。何というかタイムリー(私にとってだけですが)なエピソードです。でも、この投稿者の気持ちがわかりますねぇ。関東の積雪は滅多にありませんから、とても静かで幻想的な非日常なんですよ(通勤時を除く)、特に夜は。
さて映像ですが、初見では何が何だわかりませんでした。当時はレビューしようなんて思っていませんからね。部屋が明るいままだと、暗くてとても見にくい映像です。部屋を暗くして、気合い入れて見ると、不気味な女の顔がはっきりわかりました。少し怖いですね。
邪心 後編(少し怖い)
概要
前回までの超ざっくりあらすじ
制作委員会に送られてきた2本の投稿映像内に同じ不気味な女の顔。そして、映像の被写体の人物に恨みを持っている者がいた。そして彼らは復讐サイトで「死神」という人物から、「見ると不幸になる」という映像を提供されていたらしい。「死神」をあぶり出すために復讐サイトに書き込んで、この人物にコンタクトを試みるスタッフ。「死神」からは返事がなかったが、「死神」とメールのやり取りをした人物から反応があり、とある中学校でのいじめの被害者が「死神」ではないかということまで判明する。ちなみにいじめグループは皆、不幸な目にあっていた。今度は架空の復讐依頼を書き込んだら、「死神」から「見ると不幸になる」という映像を渡すと返事が来た。
本編
会議の結果、実際に架空の復讐依頼を書いた演出補・増本に「死神」と接触してもらうことにする。増本を待ち合わせ場所に向かわせ、他のスタッフは車で待機。約束の時間を30分ほど過ぎた頃、増本は携帯に着信があったらしく、電話をしながら公園の奥に入っていってしまう。慌てて様子を見に行く菊池、森澤両名。そして、奥で倒れている増本を発見する。「死神」らしき女性から、問題の映像を受け取った増本が、取材の依頼を切り出すと、彼女は「返せ」と言いながら映像の入ったDVDを取り返そうとし、もみ合いになってしまったのだ。DVDは死守したが、「死神」は逃走してしまった。増本は「死神」に自分の携帯の番号を教えていたことを、菊池たちに伝え忘れていたらしい。
「死神」から受け取った映像を早速確認するスタッフ。それは不気味な女性がゆらゆらと蠢いている奇妙な映像であった。彼らは前巻で情報を提供してくれた、谷岡さんに、増本と「死神」が接触する場面を確認してもらうことにする。驚いたことに、この映像に映る女性はいじめの被害者、倉本さんでないというではないか。そして、倉本さんと仲の良かった相原さんという女性に似ているという話であった。谷岡さんは相原さんの現状を地元の友人に聞いて調べてくれることになった。スタッフが谷岡さんに借りていた卒業アルバムを確認すると、確かに相原さんと似ているようであった。
その夜に谷岡さんから連絡があり、相原さんの近況は不明であった。だが、その過程で倉本さんの住んでいた同じマンションの住人から話を聞くことができたそうで、倉本さんは1年前に自殺して亡くなっているという。スタッフが過去の事件事故をしらみつぶしにあたると、近隣の山奥で若い女性2人が練炭自殺を図って1人が亡くなっているという事件の新聞記事を見つける。亡くなったのは倉本さん。一命をとりとめたのが相原さんなのであろうか。
ここで、「死神」から受け取った映像が以下の警告とカウントダウンの後に紹介される。
これからご覧いただく映像は
非常に危険な為、心身に深刻な
悪影響を及ぼす可能性があります。
影響を受けやすい方や
気の進まない方は、
ご覧になるのは控えてください。
森の中に不気味な女性が、右に左にゆらゆら揺れながら立っている。何を言っているか聞き取れない人の声がブツブツと聞こえる。この女性の周りに白い靄のようなものが現れ、次第に女の顔になっていく。女の顔は次第に大きくはっきりとなってゆき、笑っているようにも見える。
感想
「おいおい増本君行かせるのかよ。大丈夫かよ。」とハラハラしてみていました。せめて車から出て見てやりなよと思いましたし、彼が奥に姿を消してから慌てて車から出る菊池たちも照明を煌々と照らしてきたんじゃバレバレじゃないかとも思いましたね。言いにくいけど、茶番劇でした。
それはともかく、映像はそれなりに不気味。左右に揺れる女の姿は、かつての「井戸」を彷彿とさせます。ですが怖さはそこそこです。
介護(少しだけ怖い)
概要
投稿者は認知症が始まり、糖尿病でもある父の様子を職場からも確認できるようにWebカメラを設置した際の映像。就寝している父の寝室の明かりが突然消える。再び明かりが灯った時、入り口の襖が開き、喪服を着た女性が入り込んでいる。再び明かりが消え、何度も点滅するたび女は寝ている父に近づいてく。最後は父の枕元まで近づき、見下ろしている。だが、次の点滅で忽然と姿を消してしまった。襖は開いたままである。
その直後、父が急に咳き込み、苦しそうにもがいている。投稿者は病状の急変に急いで駆けつける羽目になった。幸い彼の命に別状はなかったそうである。
感想
これどこのレビュー見ても、「普通の人が歩いているようにしか見えない」、「不審者が入り込んでいる」と書かれて、おしなべて評価が低いエピソードですね。確かにそうなんですけど、お父さんがけつまずかないようにベッドからの動線にには何も置いてないとか、障子が中途半端に敗れているとか部屋の様子が妙にリアルなところもあるのですよ。病状が悪化して苦しんでいる様子も、よくある演技の苦しみではなく、まず咳き込むところからというのも自然に感じました。
また、喪服の女性が枕元から覗き込む場面なのですけど、あれ立っているわけじゃなく、正座して宙に浮いているんです。よくみると、膝の下に向こう側の障子が見えています。なのでちょっとだけ怖いと評価しました。
海水浴(怖くない)
概要
あまり綺麗とは言えない海水浴場の一コマ。パラソルの下、思い思いに寝そべっている人々の傍らに半透明の生首が砂地から顔を出している。この地域では、不漁の際に人身御供として罪人の生首を船に積み、沖合で流したという伝承があるそうだ。
感想
砂浜に半透明の生首が置いてあります。ちょっとインパクトは弱いですね。
録音(ほんのちょっと怖い)
概要
若い男女3人組のグループが地元のキャンプ場施設の廃墟を探検している。廃墟は荒れ果てた様子だが、風呂場を探索している際、カメラ越しに恐ろしいものを目撃してしまい、投稿者はカメラを放り出しその場を逃げ出してしまう。同行した友人にカメラを回収してもらい、確認したところ、映像にもその現象ははっきり記録されていた。
またこの廃墟の別の場所で、友人がカセットテープを拾って持ち帰るが、そのテープには女性が苦痛に泣き叫ぶ声とそれをなだめる男性の声が入っていた。友人が自宅でそのテープを聴いている際に、部屋のテレビの電源が勝手に入ったという証言もしていたそうである。ここでテープの音声がダイジェストで紹介される。
「暑い!」、「やめて!」などど泣き叫ぶ女の声と、「大丈夫だよ」との男の声が確認できる。
この友人はその後、原因不明の高熱を発して入院してしまったそうだ。
ここで問題の映像が紹介される。
薄汚い浴槽の映像。カビだらけの天井を写した後、再び浴槽にカメラを向けると、半透明の女がその中に座っているようだ。女がゆっくりとこちらを向くと、その顔は焼けただれたように見える。
感想
本当はもっと怖いはずなのですが、なぜかそんなに怖くない。不思議です。風呂のカビだらけの天井をそんなに長く写す必要ないだろ!と思いました。録音テープもあり、この廃墟で何が行われていたのか、想像すると少し怖いかもしれません。
続 邪心 後編(ほんのちょっと怖い)
概要
取材班は谷岡さんから聞き出した倉本さんの実家にダメ元で連絡してみると、彼女の兄である倉本徹さんがインタビューに応じてくれた。彼によると倉本さんと相原さんが山中で自殺を図り、相原さんのみ助かったというのは事実であることがわかった。相原さんは一命をとりとめたが、精神を病み、その後精神科に入院していたが2、3ヶ月後に、ここから脱走してしまい、今も行方が分からないそうである。
徹さんは、妹の日記を読み、相原さんがいじめグループの次のターゲットにされてしまい、水面下での陰湿ないじめを受けていたことがわかった。それは高校進学後にも続き、相原さんは高校を中退して、引きこもってしまった。
取材班は、相原さんと倉本さんは絶望から自殺を図り、相原さんが生き残る。彼女は嫌がらせのつもりで、死の直前の倉本さんの映像をいじめグループに送るが、図らずも全員不幸な目にあってしまった。この映像にみたものを不幸にする効果があることに気がついた彼女は病院を脱走し、「死神」を名乗って不特定多数の復讐に協力する道を選んだのではないだろうかという、推測をするのであった。
最後に取材班は自殺した赤木美穂さんの夫、誠さん宅を訪れる。美穂さんに問題の映像を見せたのではないかと尋ねると、彼は激昂し、その件を認めるような発言をしていたが、カメラを見咎められて追い出されてしまった。
その後、増本が「死神」と接触した際の映像に、その場にいなかった人物が写り込んでいることを発見する。川居と森澤はその女性が亡くなっているはずの倉本さんに似ているが、確証は持てないと語った。
ここでそのシーンが改めて紹介される。
相原さんらしき人物の背後に一瞬、髪の長い女性の姿が写り込んでいた。
例の復讐サイトでは、今も「死神」を名乗る人物の書き込みが確認できる。倉本さんに取り憑かれた相原さんは今も不特定多数の復讐に加担しているのであろうか。
感想
3回にわたっての特集の割には尻つぼみでちょっとがっかりでした。最後の映像に至ってはナイトモードで撮影した普通の女性にしか見えませんでしたからね。それに相原さんも倉本さんらしき幽霊?もなんだか髪の色が明るく、染めているように見えて、引きこもっている女性には見えないのもちょっと、と思いました。
あとテロップミスを発見。「赤木美穂さんの夫」とテロップを入れるところが、「赤木千香子さんの夫」となってしまっています。誰だよその人(笑)。間違えて本名入れちゃったのか?
感想まとめ
今回は特集も一般投稿もかなり低調で見所に欠けるものでした。特に「邪心」に至っては一回見たはずなのに全く覚えていなくて、それだけ印象が薄かったということでしょう。一般投稿では「現場」、「人形」がちょっと印象的でした。意外にも「介護」は「少しだけ怖い」に評価を改めることになりましたが。
コメント
コロナ自粛の家ごもりの影響でしょうか、更新ペースが速いですね。。
『人形』の子役の子、能力はあるのだから芝居のなんたるかをさらに勉強していってください、と言うのみです(苦笑)。まぁこれは、周りの大人たちが悪いわけだけど。
自分のほん呪ワースト5に入れた『介護』、これは57巻の『からみつく』もそうですが、それまでのほん呪には作り物に見えるものはあっても「人間にしか見えない」という霊はなかったように思います。霊に見えるか人間に見えるか、その境界線がわかっていないのでは?という不信は相当根深いものがあります。何が映っているのか全然わからないというのよりも、ある意味タチが悪いかもしれません。
というわけで、自分がこの巻で好きなのは、一番罪のない『大雪』です。
>更新ペースが速いですね
その通りでございます(笑)
>芝居のなんたるかをさらに勉強して…
時々大人の方もそんな感じのときがありますね。シラけるのでやめてほしい。
「介護」は浮いているのを発見できなかったら私もワーストにエントリしていました(笑)。「大雪」の顔は少し怖かった。無表情で。