ほんとにあった! 呪いのビデオ 96(ネタバレあり)

eye_catch_noro_96 ほん呪

はじめに

「ほんとにあった!呪いのビデオ96」がリリース(2022年6月8日)されました。

以降ネタバレ大合戦ですので、未見の方はご注意のほどよろしくお願いいたします。

墓参り代行サービス(少し怖い)

概要

墓参り代行サービスを依頼した投稿者。墓の清掃とお参りをきちんと執り行ったかを、依頼者が確認できるようにビデオ撮影したものが今回の投稿映像である。

墓石の影から……

この映像を見た投稿者は、すぐに自分で墓参りに行ったそうである。

感想

墓石の影からモノクロの女性と思しき顔がにゅっと出てきます。目を見開きまくっており、結構怖い表情です。黒目が瞳のどの縁にも接していない状況(これなんて言うんですかね)で、丁度「呪われたホームムービー」のあの顔のような感じです。ちょっとはっきり写り過ぎの気がして、禍々しさが薄いので、恐怖度はそこそこですが、急に出てくるのでちょっとびっくりはします。

ナレーションでは、見ず知らずの作業員に警戒した先祖の霊では、と述べるのですが、なんかそんなふうにも見えないんですよね。髪が横分けで古い感じがしないです。まあ最近亡くなったご先祖がいてもおかしくはないのですが。

それにしても立派なお墓ですね。

誰?(誰?)

概要

心霊スポットの神社に、肝試しに訪れた男女4人の若者。撮影している投稿者がお供え物を踏んでしまった直後、メンバーの一人の女性が何か怖くなったらしく、悲鳴をあげてその場を逃げ出して走り出す。他のメンバーも怖くなって彼女を追うが、戻った車の中、3列シートの一番後ろの席に見知らぬ女性が俯いている。

映像を確認したスタッフは映像の他の部分に不可解な現象を発見した。それは…。

感想

最初、メンバーの女性が何かに驚いて「きゃ~」って逃げ出すのですが、彼女が何に驚いたのか説明がありません。怖い雰囲気に当てられて何か勘違いしただけなのかと思いましたが、ちょっと説明がほしかった。

で、車に戻ると後部座席、3列シートの一番後ろにいつの間にか女性みたいな人物がいます。この女性、俯いているのですが、スマホを見ているかの如く顔が赤く照らされているので、非常にわかりやすいです。誰もがこの人物を見つけて「誰?」と呟いてしまうでしょう。ご多分に漏れず私も呟いてしまいました。なかなか秀逸なタイトルです。

で、逃げ出すシーンを精査してスタッフがもう一人の人物の存在を見つけるのですが、撮影者含めて4人の筈なのに映像に4人写っているというものです。というか、幽霊も一緒に逃げています(笑)。シルエットになってしまっていてどれが幽霊なのかよくわかりませんが、どうも先頭に立って逃げているようにも見えるのが可笑しかった。

神社にお参りもせず、ずかずかと入り込んで、写真バシャバシャ。お供え物を踏んづけたのに何もしない投稿者達に、せめて元に戻したり、ちょっと手を合わせることぐらいしなよ、と思ってしまいました。

2022年9月7日追記
投稿者達が逃げ出す直前、男性が「これ踏むのヤバいよ」と言った直後に「見てるよ」という女性の声が入っています。オワカ―リ7世さんに当初から指摘されていましたが、その個所が分からず、その後、ゼクスさんから改めて指摘していただいたので、改めて注意深く聞いてみると、テンション低めの声が確かに入っています。この声は最初、その場にいる女性の声だと思い込んでおりました。オワカ―リ7世さん、ゼクスさん、情報ありがとうございます。

2022年9月7日追記
尚、この場所は石神井公園にある、「宇賀神社 穴弁天」だそうです。ゼクスさんに教えていただきました。でも、駐車場までは1㎞近くあるそうですよ(笑)。

ナガレモノ 前編(少し怖い)

概要

投稿者の女性、鎌田さんは河原で奇妙な木の箱を発見した。木の箱には一部穴が開いていて、そこから転げ出た白い石を彼女は何を思ったのか持ち帰ってしまう。川の方から何かが川に落ちた様な「ドブン」という音がしたので、あわてて撮影した映像にも、何やら人の顔のようなものも写り込んでいた。それ以来なんだか体の調子もおかしいし、気分すぐれないので、あの木箱を探し出し、石を戻したいという話であった。

紆余曲折の末、箱は見つかるが、その中には…。

なお、鎌田さんはこの川の近くでは小さい子供が巻き込まれる事故が多発しており、子供が呪われるという噂があることを語っていた。

感想

投稿映像は少し怖いです。透明人間とも何とも言いようのない、はっきりとしない顔みたいなものは、発生する「ブオ~」というノイズ音と相まってちょっと不気味。取材時の映像も雨がしとしと降っていて、なんとも心寂しく、どよーんとした空気が伝わってきますね。

ただ如何せん地味ですね。夏の3部作の序盤なのでこんなものかもしれませんが。

小道具(言い切ります)の箱はよくできています。相変わらず美術のクオリティは高いですね。

徘徊(怖い)

概要

投稿者の男性は家族でスキー旅行に出かけた。ホテルから買い出しに出かけた彼は、地下歩道に差し掛かる。おそらく、雪道の交差点を歩行者が安全に渡るために作られたものだろうが、行き交う人も全くなく、寒々とした地下道はやたらと明るい照明も相まって不気味な様相であった。

彼はその地下道の中で何かの気配を感じる。気味の悪さから何度も後ろを振り返ったりしていると、どこからともなく女性がすすり泣く声が聞こえてくる。声の行方を確かめるべくカメラはあっちこっちを探るが、誰もいない。たまらず投稿者は走り出すが、女性の声はそれに呼応するように大きくなる。

何度目かに振り返ったカメラは地下道の奥に……。

この地下道では、認知症で徘徊していた老婆が凍死してしまった事件があったという。

感想

-10℃だそうで、かなり寒そうな雰囲気が伝わります(投稿者も寒い~って言ってました)。

そんな中、寒々しい蛍光灯で照らされた地下道は不気味ですよね。この地下道、ちょっと変則的な構造で、分かれ道もあり、しかもカメラがあっちこっちに向いたり、投稿者も引き返したりするので位置関係がつかみにくく、見ているこっちとしてはダンジョンみたいに感じます。

画(え)としては大したことはありませんが、すすり泣く女性の声が合わさるとその場にいるような臨場感があって、僕はこの巻では一番怖いと思いました。

状況が、「ほんとにあった!呪いのビデオ83」の「長いトンネル」を思い出させますね。

シリーズ・監視カメラ 万引き(怖くない)

概要

万引きが見つかった女性が店長に追及されている映像。店長が警察に連絡するため部屋を出た後、女性のカバンから手が……。

感想

まさか……この手が……万引きをしたとでも……言うのだろうか……(笑)。

このシチュでは、「闇動画7」でとんでもないことが起こったのを見ているので、この程度では驚きません(笑)。あれはぶっ飛び過ぎなので、比較するのは何なのですが。

小粒で箸休め的なエピソードです。

お迎え(怖くはないが)

概要

投稿者がおばあちゃんをこっそり撮影したもの。彼女は窓際に座り、民謡のようなものを歌いながら外を見ている。それに誘われるように窓ガラスに何者かが近づいてくる姿が反射して……。

その数日後、おばあちゃんは亡くなってしまった。彼女には幼くして死別した娘がいたそうである。おばあちゃんの死期を悟って、お迎えに来たのであろうか。

感想

死期を迎えたおばあちゃんに、かつて亡くした愛娘が迎えに来る、と言うのは切ないというか、悲しいというか、なんとも言えない気持ちにさせられますね。

全然怖くはないのですが、とても味があると思います。好きなエピソードですね。

ナガレモノ 後編(怖くない)

概要

スタッフはこの箱の内容物を民族文化に関する専門家に調べてもらうことにしたが、鎌田さんとは連絡が取れなくなってしまう。

スタッフは例の河原付近で、木箱を見たという母娘がいたとの証言や、若い主婦2人からママ友の1人がこの川で娘を水難事故により亡くしているという話も聞ける。このママ友同士による、ちょっとしたホームパーティーの映像が紹介される。娘がこの母親をiPadで撮影するシーンで、母親の顔が変化して……。

その後専門家からあの箱は一部の地域で行われている「流し雛」に似ているとの報告がなされる

スタッフは近辺の自治体への問い合わせローラー作戦で、既に廃村になっている、川の上流にある村で、かつて流し雛の風習があったことを突き止める。元々は子宝に恵まれるようにと、この風習が行われていたのだが、それに反するように、子供が事故や病気で亡くなる率が高くなってしまった、という話が聞けた。

スタッフはこの廃村に直接向かうことを決める。

感想

こういう忘れ去られた廃村とか、風習とか、好きなジャンルではあるのですが、さすがに最近は食傷気味ですね。ただ、今回は元々「子宝に恵まれるように」という、明るい風習だったのが、「子供が呪われる」という恐ろしい風習に変わってしまったような節があり、ちょっとそれだけは新しいな、と思いました。

子供がiPadで撮影するシーンは、プライバシーに配慮して元々モザイクがかけられているので、変化が分かりにくく、怖さや驚きは感じませんでした。でも、子供が変化したお母さんの顔を、おかしいな、と感じてiPad上でピンチアウトするシーンがとてもリアルだと思いました。

感想まとめ

メインエピソードは目立った恐怖映像も無く、展開も緩慢でどうにも地味な印象を受けました。まだ、夏の3部作の1作目で、伏線貼りの段階だからでしょうか、ちょっと退屈でしたね。

反面、一般投稿は派手、までには遠く及ばないものの、それなりに怖く、また味のあるエピソードもあったと思います。特に、「徘徊」「お迎え」の2本が印象に残ります。来月もすぐに次がリリースされますから、楽しみに待つことにします。

コメント

  1. オワカ―リ7世 より:

    誰?にて
    花を踏んだ後に「見てるよ」って声が入ります
    これはその場にいる人の声ではないと思うのですが
    まぁわかりませんが

    • itton より:

      うーん。
      イヤホン替えて聞いてみましたがちょっと僕にはわからなかったですね。
      ひょっとしたら加齢で特定の音域が聞き取れないのかも。

    • itton より:

      オワカ―リ7世さん。今改めて確認して声が入っていることを確認しました。
      その場にいる女性の声と誤認識していましたが、テンションが明らかに異なりますね。

      確認に時間がかかって申し訳ありませんでした。
      レビューに反映させます。

      情報ありがとうございました。

  2. itton より:

    オワカ―リ7世さん今晩は。

    踏んでから、「写真撮っとくか」の間ぐらいですかね。
    なんかボソッとした声がかぶさっているような感じがしますが、よく聞き取れませんでした。
    ヘッドホン替えてもう一度聞いてみようかと思います。

  3. テツ より:

    「万引き」は久々の監視カメラシリーズとなりましたね。
    正直、問題の手よりも途中で窓の外を通った薄い人影のようなもの(これは本当にただの人影なのかもしれませんが)や、なぜか突然ノイズが入って映像が途切れたことの方が気になりましたがそこへは一切触れぬまま終了。一体何だったのか…。

    • itton より:

      薄い人影は私も気が付きまして、「ん?」となりましたが、普通に人が通ったんだと思っていました。
      ノイズは霊現象発生前の、よくある現象と捉えました。

      • テツ より:

        返信ありがとうございます。
        ちなみに「墓参り代行サービス」に現れた顔の『黒目が瞳のどの縁にも接していない状況』は「四白眼(しはくがん)」と言うそうです。
        最初からこっちを向くではなく、横目がちに現れつつピタッと動きを止めてこっちを睨むところが怖いしこれぞほん呪クオリティー…。
        こんな先祖イヤです…w

  4. itton より:

    「四白眼」と言うのか。勉強になりました。ありがとうございます。

    >こんな先祖イヤです…w

    ホントですねw

  5. クランケ より:

    初めて投稿させていただきます。

    私事ですが先日、四匹いる飼い猫のうち一匹が旅立ちました。1歳と2ヶ月という、短い生涯でした。
    もともと沁みていた「お迎え」が、とても他人事とは思えず、不謹慎ですがさらに愛着のある作品となりました。

    いつも楽しく貴レビューサイトを拝見させていただいております。今後益々のご健筆を祈念しております。

    • itton より:

      ご丁寧なコメントありがとうございます。
      猫ちゃん気の毒でしたね。謹んでお悔やみ申し上げます。
      1歳と2ヶ月は短い生涯ですが、クランケさんに愛されてきっと幸せだった思います。

      うちのイッヌも14歳(モカ)と15歳(ぐり)。
      ぐりは来年の1月で16歳と高齢で、持病もあるため僕自身も他人事とは思えません。

      このエピソードも娘さんが会いに来てくれたと思うとなんか切ないですね。

      • クランケ より:

        itton様

        返信ありがとうございます。
        私も以前、柴犬(雄)を飼ってたことがあります。17歳での往生でしたので、やはりそのときも寂しかったものです。itton様も是非、イッヌちゃんたちを全力で愛してあげてくださいませ。

        また不定期にコメントお邪魔させていただこうと思います。そのときもよろしくお願いいたします。

        蛇足。私は30〜50巻台を熱心に見てて一旦離れ、昨年(よりによって低調な)92巻で復帰し、過去の作品を見直しております。「お迎え」もそうですが、どうも「味のある」「沁みる」作品が好みみたいです。今後もそんな作品に出会いたいものですね。

        • itton より:

          クランケさん、心のこもったコメントありがとうございます。
          柴ちゃん17歳は大往生ですね。

          >イッヌちゃんたちを全力で愛してあげてくださいませ。

          肝に銘じます。
          クランケさんのワンちゃん猫ちゃんのように幸せを感じてくれていると良いのですが。

          >どうも「味のある」「沁みる」作品が好みみたいです。

          ほん呪はどちらかと言うと、不幸だったり遺恨を残したりと言う話が多いですが、たまにこういう話があるとしんみりしますよね。

          「ほん呪6」の「ビデオレター」でおばあちゃん宛の孫の成長記録を送った映像に、以前飼っていた猫の姿が写るというのがあります。レビューでは「怖くないや」と超端折っていましたが、今から考えるとこれも感慨深いなあと思いました。コメント欄で「みっつ」さんと言う方が、自分がかつて飼っていた子たちも、こんなふうに現れくれたらいいな、と語っていたのが印象に残っています。

  6. ゼクス より:

    「誰?」について、オワカ―リ7世さんがコメントしている花を踏んだ後に「見てるよ」の部分。私も気になって聞いてみましたが、確かにその様な言葉に聞こえました。男性が「これ踏むのヤバいよ」と言った直後の部分です。
    女性の声?っぽい気がしますが、声やトーンからはその場にいる女性2人のものではなさそうな感じがしました。真相はわかりませんけども。

    今回「誰?」で撮影された場所は石神井公園にある宇賀神社 穴弁天という場所でございます。石神井公園には実際に女性の霊が出るとの噂があり、映像に映った霊が女性でしたので類似してて面白いです。
    それから映像に映っている駐車場は石神井公園駐車場なんですけど、宇賀神社 穴弁天からは約1kmの距離があります。約1kmもある距離を霊と共に全力疾走したとでもいうのだろうか…。
    車の後部座席にて意気消沈した様に下向いて現れたのは走り疲れてしまったからなのかもしれませんね。ちょっとかわいいです。

    • itton より:

      ホントですか?
      いやまじで加齢で聞き取りにくくなったのかな。
      もう一度取り寄せて聞いてみます。

      場所の情報ありがとうございます。
      意外と田舎じゃなかったんですね。

    • itton より:

      今日確認しました。
      あ、声、入ってますね。

      ちと言い訳をさせてください。僕はその場にいる女性の声かと思っていました。「見てるよ」ではなく、「見て見よ」と聞こえ、「(今撮った写真を)見て見よ」と認識して、その他の声を一生懸命探していました。この声だったのか。

      よく聞くと、その場の女性の声にしてはテンションが低すぎますね。また、マイクのすぐ近くの呟いている気がします。

      レビューに反映させます。
      情報ありがとうございました。

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