はじめに
「ほんとにあった!呪いのビデオ98」がリリース(2022年8月5日)されました。リリースと同時に視聴はしていたのですが、もう一つのコンテンツ「呪われた心霊動画XXX_NEO 14」と発売日が完全にバッティングしてしまい、あちらのボリュームも予想以上にあって、レビューが遅れてしまいました。申し訳ありません。
以降多くのネタバレ含みますので、未見の方はご注意のほどよろしくお願いいたします。
案山子(怖い)
概要
投稿者の若者達が、肝試しにと地元の心霊スポットを訪れたところ、そこには不気味な案山子がそこかしこに点在していた。彼らは落ちていた案山子の頭でサッカーをしたりと悪ノリ気味である。
だが、離れたところにある案山子が、少し目を離した隙に忽然と消えてしまった。カメラが辺りを探ると突然目の前に案山子が現れる。まるで案山子がひとりでに動いてきたかのようだ。驚いて思わず取り落としてしまったカメラの目の前には……。
再びこの地を訪れた投稿者によるとあの案山子群は既に存在しなかったという。
感想
ちょっとびっくりドンキーなエピソード。そもそも案山子の頭でサッカーをしているシーンから何か出てくるんじゃないかとドッキドキです。結局サッカーのシーンでは何も出てこず、ホッとしたところで「あれはなんだ?」とかのセリフが入るのでここでもドキッとします。
結局、これが問題の案山子なのですが、その姿が消えて「どこだ、どこだ?」とやってるシーンもドッキドキ(笑)。そして超近くに現れるのでほんとビックリします。でもまあ出てきたのは不気味とはいえ案山子なんでホッとするんですが、落としたカメラの前に現れるのが、人としか思えない顔なんで、二段構えの構成にやられました。これ、本当にリアルな人の顔なのに瞬き一つせず、微動だにしないので、案山子が人に変化したように見えて不気味です。
一見の価値ありのエピソードですね。
詰問(少し怖い)
概要
タクシーとの事故で運転手と揉めているときの映像。警官を交えたタクシーの運転手との話し合いで、運転の荒さを詰問しているとき、背後のタクシーのドアに写り込んだものとは……。
感想
ホントに事故った時の映像ぽい感じがします。
写り込んだ顔が結構グロいのが印象的でしたね。最初見た時は暗いせいかよくわからないんですが、映像処理してはっきり見えると、超グロいのが解って気持ち悪いです。
再会(少し怖い)
概要
投稿者の男性が幼いころの映像。ある観光地のゴンドラ乗り場で、幼い投稿者兄弟がちょろちょろしている光景に信じられないものが写った。
実はこの一家と家族ぐるみで付き合いのあった、友人家族の5歳の娘が亡くなっていたという。そして彼女が亡くなる直前に、ここを訪れていたそうである。
感想
生前の楽しい思い出があった地でその家族に再開した、一見悲しくも切ないシチュエーションなんですが、現れた少女が全身どす黒く、とても恨めしい感じで、話だけ聞くのと全然印象が異なります。
終・ナガレモノ 前編(意外と怖い)
概要
前巻までの超ざっくりあらすじ
スタッフは投稿者、鎌田さんからの依頼で川で木箱を見つける。その川では近年子供の水難事故が多発して呪いの噂が囁かれていた。調査の結果、上流の廃村に向かうスタッフ。そこでは流し雛の風習が残っており、この村の燈子さんと言う、既に自死してしまった人物が浮上する。何故か連絡を絶ち、独自に調査をする鎌田さん。スタッフは当時の村を知る坂神さん宅の前で鎌田さんを待ち伏せする。
超ざっくりあらすじ終わり
スタッフは坂神さんに話を聞きに来た鎌田さんを見つけるが、あっさりと逃げられてしまう。
彼らは当時の村を知る男性、坂神さんに改めて話を聞く。そして燈子さんは結婚していなかったものの妊娠して娘を産んだこと、その相手の男性が不明であること、娘が1歳になる頃にいなくなってしまった事、燈子さんが殺したのではと言う噂が囁かれていたことが解った。
そして木箱の骨の鑑定結果が出て、入っていた骨が哺乳類の骨で子供の人骨である可能性があることが解った。骨の正体は燈子さんの子供の骨なのだろうか。
そんな折、以前取材した母親の一人から投稿映像が送られてくる。彼女は取材を受けたもう一人の主婦の様子が突然おかしくなり、子供への態度が変わってしまった様子を説明してくれた。直後、この主婦の一家は何も告げずに転居してしまい、今も連絡が取れないという。
投稿映像はこの主婦がおかしくなってしまった時の映像である。お店のテラスでの光景なのだが、主婦の写っている画面左半分にのみ不気味な映像ノイズが走る。彼女の娘さんは何かを察知して立ち上がり、撮影者にすり寄る様子が見受けられる。あの川の呪いはいまだに下流の母娘に影響を与えているのか。
そして鎌田さんから連絡が来た。
感想
坂神さんの話と村井さんの話が大きく違うことが気になりますね。想像するに村井さんは早くに村を出てしまったので、燈子さんの詳しい事情は知らなかったってことなのか、どちらかが嘘をついているのしょうか。というか、坂神さん、燈子さんの写真を持っているのがなんか怪しいです。
投稿映像は、母親のところだけ映像ノイズが走るだけで、何が写っているのかはっきりとはわかりません。ですが、音声ノイズが「キー」と高いので、結構不気味なものに仕上がっています。娘さんが何かを察知して席を立って母親から逃げる様子がかなりリアルで怖くなります。
掃除機の中(いろいろと怖い)
概要
ネットで譲り受けた中古の掃除機の中からカリカリ音がするので、広い公園の真ん中で中を確認する。ゴミパックを取り出すと、中から黒い手が出てきて驚く撮影者。そして…掃除機から…。
感想
別の恐怖を感じます(それはG)。なので広いところで確認したい、という投稿者の気持ちがとてもよくわかりますね。
バッっと何か出てくるので、これもビックリ系です。
てかゴミパックの中身アップにするな(笑)。
パーキングエリア(少し怖い)
概要
パーキングエリアで妻と娘を待つ投稿者。帰ってきた彼女らが乗り込み、車のドアを閉めると、リアウインドウに……。
ここではこのPAでは子供の行方不明事件があり、母親は半年にもわたりここで寝泊まりをして探し続け、変死体となって発見されたという事件があったという。
感想
あんな不気味な女の姿に、子供が自然に「バイバイ」と手を振っているのが怖い。
PAで何カ月も子供を探している、なんて気の毒な話です。
搭(少し怖い)
概要
中国の黄河沿いにある古い搭の最上部で、半開きの扉に半透明の男の姿が写る。
ここでは日中戦争時、旧日本軍の侵攻を食い止める為に黄河の堤防を破壊させ、人為的な洪水を引き起こしたという(黄河決壊事件)、沢山の人々が犠牲になる事件があった。
感想
その隙間から出てきそう、と思ったらホントに出てきた。戦争は悲惨ですね。
ミステリーボックス(少し怖い)
概要
ダークウェブに存在するミステリーボックス。この箱には遺留品や呪具など、 曰く付きのアイテムが入っているという。投稿映像のそれは台湾から発送されたものらしい。
中には赤い封筒、髪の毛が付いた櫛、真っ赤に染まった人形、赤黒い肉片のようなもの、そして割れた鏡があった。その割れた鏡の下には……。
台湾現地の人の情報によると、この箱には「冥婚」という風習を想起させるものがあるという。「冥婚」とは、未婚のまま亡くなった女性の体の一部を赤い封筒に入れ、道端に落としておく。それを拾った男性はその女性と結婚しなけらばならない、というものである。
感想
過去にありましたね「冥婚シリーズ」。今回は台湾の冥婚ですが。一時期台湾で赤い封筒が落ちていたというツイートが話題になったことが思い出されます(拾っちゃだめぇw)。
さて映像ですが、ダークウェブとか「XXX」とか「闇動画」にありそうなモチーフは、ほん呪にはちょっと珍しいと思いました。それにしてもこんな箱をわざわざお金払って取り寄せるとか悪趣味ですね。肉片みたいなのあったけど税関は大丈夫なんでしょうか。
鏡の下になんか出てくるぞ~と思っていたら予想通りでした。ちょっと気持ち悪くて怖いですね。
終・ナガレモノ 後編(怖くない)
概要
鎌田さんから連絡が入り、会うことになる。彼女によると、スタッフの調査がグダグダなので自分で行うことにしたとい話。そして、自分が自分ではないような恐怖を感じていた、実は拾ったのは石ではなく骨であったことも告白する。
骨が赤ん坊の骨である可能性を示す調査結果を報告するが、驚いた様子もない。そして鎌田さんは「燈子は望まない妊娠をしてしまい、精神のバランスを崩してしまった。流し雛を見て、この子を流してしまえばという感情が頭を過り、自分の手で子供を殺めてしまった。その行為による穢れをはらうため遺体を川に流した。そして自らの死を選んだ」とか淡々と語り始めたりする。
スタッフ達は鎌田さんと共に、燈子さんが亡くなったとされる川で、あの木箱の供養を行うことにした。だが、その過程で鎌田さんが消えてしまう。供養の際の映像、鎌田さんの姿の背後には……。
今までの取材で度々写り込んだ髪の長い女性の姿。スタッフはこの女性が燈子さんの幽霊に違いないと思っていた。だが燈子さんを知る人物、村井さん、坂神さんにこれらの映像を見せると、思いがけない返事が返ってきた。
「この人は燈子ちゃんとは違いますよ」
……は?
感想
いや警察沙汰だよ(笑)。古いとは言え、人骨なら警察に届けないといけないんじゃないかな。あと鎌田さん失踪してしまったとしても、川でバシャーンて音がしたんだから、水難事故の可能性あるし。まあ、フェイクにマジレスしても仕方ないんですけどね(フェイクでしょ)。
鎌田さんのシーンで真っ黒になってから顔みたいなものが蠢く映像は、赤ん坊のような声も相まってちょっと怖かったですけどね。
それはともかく、最後の最後で村井さんと坂神さんが「この人は燈子ちゃんとは違いますよ」という発言には「そう来たか」というか、ちょっと驚きましたけどね。いままで燈子さんについて調査してきたのは何だったのでしょうか。
さっきも書きましたが、村井さんと坂神さんの燈子さんに対する情報が大きく異なることが気になります。そう言えば、鎌田さんと坂神さんがどんな話をしたのか、エピソード内では何も語られていません。さらに不審点として、坂神さんが、燈子さんが子供と写る写真を持っていた事がやっぱり気になります。燈子さんと仲が良かったとか、親戚だったとか言う話も無いので、たまたま撮影したとか言っているけど、怪しいです。鎌田さんが燈子さんの心情を、何かに取り憑かれたように淡々と話すシーンでも「燈子は」と三人称なのも気になりますね。燈子さんとは別の女性の存在が示唆されているのでしょうか。
実は燈子さんを孕ませたのは坂神さんだったりして、それが原因で離婚に至ったとか、いろいろ想像できて面白いとは思いました。
感想まとめ
メインエピソードは最近のほん呪のご多分に漏れず、興味深くて面白いけどちょっと地味ですね。現象自体は、下流の子供たちを次々に犠牲にする凶悪なものなんですけどね。
また個別エピソードも、それぞれが地味で低調な印象を受けます。例外は「案山子」で、これだけは派手で怖かったですね。それ以外では「掃除機」が印象に残りました。
「ほん呪」も、もうすぐ100巻を迎えますが、これまでの集大成となるべき、より一層怖い映像を期待します。
コメント
『案山子』はシチュエーションだけでも怖いのにさらに事象てんこ盛りのインパクト映像でしたね。久々に何が起こるかビクビク身構えながら見てしまいました。
100巻目前にして調子爆上がりしてるんでしょうか。
『掃除機の中』は、カリカリ音がするという一文から78巻収録の『排水溝』のように中で指でも蠢いてるのかと思いきや、真っ昼間の公園でゴミパックから「あ~狭かった」と言わんばかりにドドンと身体全体が登場し掃除機ごと消失って…魔法のランプか!いろいろシュールすぎて笑っちゃいましたw
『ミステリーボックス』は期待通りの怖さでした。正直ナガレモノ編で出てきた木箱より遥かに怖い箱でしたね。長編の上位互換みたいなアイテムを急にポッと出してくるんじゃないよと…。
箱の出どころを追うなりして内容引っ張ればこっちの方が長編向きだったような気が…。
「案山子」は怖かったですね。シチュエーションで引っ張るのでドキドキしましたよ。
「掃除機の中」は、
>「あ~狭かった」と言わんばかりにドドンと身体全体が登場し……
という解釈にちょっとほっこりしました。僕は「掃除機の中に封印された禍禍しき者が投稿者の手によって封印を解かれ…」みたいに思ってましたから。
「ミステリーボックス」はもし長編という事になれば海外ロケ…(笑)。
あの木箱より遥かに怖いという点に関しては同意します。
案山子はどこで来るのかと身構えていましたが、それでもビクッとしてしまいました。
最近のほん呪は1発目にインパクトのある映像を持ってくるのがトレンドなんでしょうね。
ナガレモノ前編の投稿映像も不気味さという点でなかなか良い出来ですね。
あとは掃除機も映像としては良かったのですが、
(掃除機から異音がするからって、公園に持っていって開封するか…?)
と要らぬ疑問がよぎってしまい、公園と掃除機というシチュエーションも相まって何となく面白く感じてしまいましたw
案山子は引っ張りましたよね。
一発目に持ってくるのは前巻に引き続きでしたね。
>掃除機から異音がするからって、公園に持っていって開封するか…?
これはですね、レビュー本編にも書きましたが、ゴキブリが苦手な自分としては非常に気持ちがわかるんですよ。
広いところじゃないと、飛び出してきたGがまた部屋の隅に隠れてしまうかもしれませんから(笑)。ただ、ナレーションでは小動物とか言ってたので、おそらくハムスターかなんかを想定していたのでしょうけど。
ナガレモノの投稿映像のやつ
後ろのガラスに生気のない顔の女の人が映ってるのに触れないことにビビりました。
るーさんコメントありがとうございます。
>生気のない顔の女の人が映ってる
なんですと?
気が付きませんでした。残念ながらDVDを返却してしまったので検証にお時間をください。
DVD取り寄せて何回か見て見たのですが、「生気のない女の人」が発見できませんでした。母娘がテラス席でクレープを食べている投稿映像ですよね。
あそこのテラス席、ガラスの向こうはフードコートになっている感じで、こちらを向いているカウンター席もあって、そこにいる人にもモザイクがかかっているし、問題のお母さんの顔にもモザイクがかかって見にくいんですよね。
少しの間、女のシルエットが見えますが、それはガラスに写ったお母さん自身でした。ごめんなさい、ちょっとわからなかったです。
『案山子』は良かったですねぇ。
はじめは蹴ってるマネキンの頭が、投稿者に向かって飛んでくるのかと思ってましたw
一本目の掴みとしてはいい映像でした。
ナガレモノは…
ストーリーは悪くないんですけどねー…
ただ写真とか小物とか細かい部分で、フェイクなのが見えてしまってもったいなかったですね
掃除機はw
ルイージマンションみたいに、掃除機でオバケを吸ったんでしょうかねww
しゅぽぽぽぽんさん、返信するまでに年を越してしまました。明けましておめでとうございます。
「案山子」は良かったので、後のエピソードも期待したんですけどね。
「ナガレモノ」は箱の造形だけは良かったと思います。
>ルイージマンション
やったことないんですけどピッタリですね(笑)。