ドラマ・放送禁止6 デスリミット(ネタバレあり)

housouban6レビュー

初めに

「放送禁止6 デスリミット」は2008年6月23日、25時40分に放送されたフジテレビのドラマです。一見ドキュメンタリーのような演出がされていますが、番組の最後に「この作品はフィクションです」とのテロップが表示され、視聴者にフィクションであることを宣言しています。連続ドラマではなく一話完結で、TV放送版が7話、劇場版が3作品作られており、本タイトルはその6作目です。

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概要

TV局では、何らかの理由によって放送ができなくなった所謂「お蔵入り」となった素材が、人知れず保管されていることがある。今回その一つを発掘し、再編集したものがこの番組である。

ジャーナリスト、小茂田俊作氏の元に夫からのDVに悩む主婦、宋野真津(そうのまつ)さんからの手紙が届く。夫の登津雄(とつお)さんは普段は温厚で優しいのだが、いきなりキレ出して手が出ることもあり、真津さんはこのままでは夫に殺されると訴えていたのである。

古茂田氏はこれまでもビデオカメラ片手に、社会問題に当事者と一対一で向き合い、数々のスクープ映像をものにしてきた実績の持ち主。今回は、現代における社会問題としてDVに取り組む。リビングに隠しカメラを設置し、外の車でモニターする古茂田氏。登津雄さんが帰宅すると案の定「おかずが餃子なのにラー油がない」という、些細な理由でブチ切れる彼の様子が見られた。

古茂田氏は12年程前、ある女子高生を取材。いじめ被害者の神野留麻(かみのるま)さん、そして加害者の女生徒にも話を聞くが、いじめはエスカレート。神野さんはとうとう灯油を被って自殺することを強要され、近くにいた江口来実(えぐちくるみ)さんも顔に大やけどを負ってしまうという結果に。マスコミはいじめグループを非難、押し寄せたマスコミによる報道被害も発生し、いじめ首謀者の女生徒も姿をくらましてしまった。古茂田氏は自分の無力さを痛感し、映像の力を使って人々を救いたいという思いを語る。

だがその後の取材では、仕事がうまくいったのか、登津雄さんはなんだか上機嫌。何日経っても彼がキレないので業を煮やした古茂田氏は、イラついた様子で真津さんに旦那を刺激するように電話で指示したりと、ヤラセを行わせる。登津雄さんが逆上した様子を見て、古茂田は満足げな様子(こいつクソ)。

そんな中、登津雄さんが車にひき逃げされて足を怪我してしまう。深刻そうな真津さんは、古茂田氏に衝撃の告白をする。なんと彼女は以前魔が差して「復讐依頼サイト『シエロ』」に登津雄さんの殺害を依頼してしまった。思い直しすぐに依頼をキャンセルしようとしたがかなわず、「依頼を承った。成功報酬50万。1か月以内に願いは叶う。」というメールしか返ってこないと言うのである。怪我した登津雄さんの態度は、当初は相変わらずだったが、次第にDVがなくなったと同時に、今までのDVに対する謝罪も見られ、皮肉にも態度が軟化して夫婦の絆が回復する。

だが登津雄さんの怪我も癒え、会社に出勤できるようになったそんな矢先、あの復讐サイトから恐怖のメールが届いたのである。

デスリミットは発動しました。
3日以内に、あなたの望みは叶います。
(後略)

古茂田氏はこれから3日間登津雄さんを尾行して、何かが起こったら助けると真津さんに約束。その舌の根も乾かないうちに「登津雄さんが襲われたらとんでもないスクープ」とカメラの前で臆面もなく語る(やっぱこいつクソ)。

3日間特に何も起こらなかったが、登津雄さんが帰宅した最終日の夜遅く、宋野さん宅の玄関ベルが鳴る。こんな時間に誰だろうと玄関先に向かう登津雄さんだが、これから古茂田氏も巻き込んだ、恐るべき真実が明らかになる……。

感想(ネタバレ注意)

これは事態の解決よりも、スクープ映像を撮るためにヤラセも厭わない古茂田に、虐め加害者に仕立て上げられて人生を狂わされた江口来実の復讐劇、ということなのでしょう。宗野夫妻は協力者、もしくはかつての虐めグループのメンバーだったのかもしれません。

様々な伏線で気づいたのは以下の事柄。

  • 宋野登津雄、真津。ひらがなにして逆から読むと「おっとのうそ、つまのうそ」。冒頭で芸能人は逆さ読みをよくするなどとの雑談をしているうえ、わかりやすいコルクボードあり。
  • 登津雄さん、飯食ってる時も終始携帯を見ている。
  • ラー油がないとブチ切れているシーンで、カメラにキメ台詞をほざいている古茂田氏。車内を白っぽい顔が覗いている。
  • いじめ加害者のインタビューシーンで、ノートに書かれた名前が見える。「江口来実」。いじめ首謀者でやけどを負い、報道被害に遭ったのは江口来実なのだろう。
  • インタビューシーンで江口来実は「見ててなんかイラつく」とか言ってるが…。
  • 古茂田氏、真津さんに登津雄さんを怒らせろとヤラセを指示……ん?
  • ヤラセで登津雄さんを怒らせたときのビール瓶ぶん投げるシーン。何故か彼は。開きっぱなしの携帯を一瞥している。
  • 『復讐専門サイト シエロ』。シとエを合体して漢字とみなすと…。
  • 最終日夜、宗野宅に訪問者。古茂田はマンション入り口は見てなかったのかよ。
  • 監視カメラに向かって助けを求める真津さんだが、茂田氏は110番することもなくそもまま放置(ま、わかってたけど)。
  • 「おっとのうそ、つまのうそ」はクライマックスのダイジェストでで分かりやすく説明されてしまう(泣)。
  • 気が付かなかったが、帰宅時のシーンで登津雄さんの怪我している足の左右が入れ替わっていたことがダイジェストで判明。
  • 妻を助ける、ヤラセをしない、夫を助ける、というデスリミット発動の条件が記載された文書がパソコンに残っていた…のか…?(説明なし)。
  • 古茂田が粛清されるシーン。白い仮面の女→やけどを負った江口来実でしょう。背後には宗野夫妻の姿も。
  • ノートに書かれた名前「江口来実」も判りやすく説明されてしまう(泣)。
  • 江口来実→シエロ来る、実(際に)?
  • 神野留麻→かみのるま→丸のみ可?

他にもいろいろありそうです。

そう言えば新聞記事には「灯油」と書かれていたのに、ナレーションでは「ガソリン」と言ってました。灯油とガソリンでは危険度が全然違いますので、マスコミの方々は注意してほしいと思いました。あと、登津雄さんを尾行するのに車では無理だろ、とかのツッコミどころはありました。

神野留麻さんも、古茂田の指示で江口さんをイラつかせるヤラセをしていたのかもしれませんね。また、登津雄さんが終始携帯を見ていたのは、メールで江口さんからの指示を受けていたのでしょう。

今回もなかなか面白かったです。

復讐劇が、かつての古茂田による、「虐めドキュメンタリー(ヤラセ)」を踏襲した感じにして、彼が全く反省していないことを確認してから、「お前全く反省してないやろ」と、自覚を促すような点が面白いですね。古茂田の「映像で悩んでいる人を救いたい」「絶対に奥さんを守ります」「ジャーナリスト生命をかけてでも」とか上っ面では良いこと事を言いながら、撮れ高が上がらないと渋い表情を見せたり、ヤラセを指示したりとクソっぷりを発揮していただけにちょっとスッとします。

因みに「おかずが餃子なのにラー油がない」ということに立腹するのは、若干ですが共感します(笑)。

この白い仮面の女(江口来実?)は次の劇場版「放送禁止 劇場版『密着68日 復讐執行人』」にも登場するみたいなので、今からちょっと楽しみです。

では。

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コメント

  1. fd より:

    とりあえずこれを見て思ったことを率直に書きます。

    夫『餃子にはラー油って決まってんだろうが!』
    ワイ『は?そんなんどうでもいいし。つか餃子には醤油って決まってんでしょうが。』

  2. fd より:

    ちなみにこのエピソードなんと劇場版の後日談があります。この夫が主人公です。しかも、最終的に衝撃の事実が明らかになります。

  3. sato より:

    最後の真津さんがカメラに向かって助けを求めている所で、真津さんが泣いてるようで笑ってる(そう見えるだけ?)のが一番印象的でした。
    個人的にしじんの村と並んで好きなエピソードです。

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