はじめに
「TXQ FICTION」というTV東京の番組枠の第一弾として、4月30日に放送された「イシナガキクエを探しています」を視聴しました。
「祓除」を手がけたテレビ東京の大森時生氏、「ゾゾゾ」「フェイクドキュメンタリーQ」の皆口大地氏、「フェイクドキュメンタリーQ」「心霊マスターテープ」の寺内康太郎氏、「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」で日本ホラー映画大賞を受賞した近藤亮太氏らが参加しているそうです。
「フェイクドキュメンタリーQ」のXアカウントから告知があり、この番組の存在を知りましたが、いろいろとタイミングが悪くて本放送は見逃してしまいました。でも後に「TVer」で観ることができましたので、レビューします。
概要
「TXQ FICTION」というアイキャッチと共に番組は始まる。「特別公開捜索番組」と銘打っており、司会者やコメンテイターの後ろには、電話オペレーターがずらりと並び、一昔前の、視聴者から情報を募って行方不明者を探す番組の体裁をとっている。
捜索対象の「イシナガキクエ」が失踪したのは何と昭和44年。あまりにも古い失踪事件であるが、生涯をかけて個人でこの女性の捜索を続けているという70過ぎの男性、米原氏が紹介され、しかも取材中に亡くなっていたという情報がもたらされる。
視聴者からは様々な情報が寄せられるが、これと言った進展もなかった。だが、寄せられた情報にも何か釈然としない、うっすらとした不可解さが漂い、そのまま番組は終わってしまう。
最後には「この番組はフィクションである」とのテロップがあり、全編フィクションであることが示される。
感想
何から何までちょっと変ですね。
イシナガキクエの情報が少なすぎる
「お前ら、ほんとは探す気ないだろっ」て感じの情報量。氏名の漢字すらわからない。与えられた情報は、生年月日、氏名(カナのみ)、顔立ち、体形、髪型だけ。あと、「会話:できない」って何?どゆこと?
もうちょっと説明しろよ。
失踪年が古すぎる
失踪年が1969年とか古すぎる。東大安田講堂事件とかアポロ11号月面着陸とかあった年だよ。しかも月日は分からないし、そもそも失踪の経緯すら説明されない。
写真が新しすぎないか?
失踪年が1969年だとするとまだカラーフィルムはそんなに普及していなかったはず。っていうか髪型もなんか今風。→これは後にこの写真入手の経緯が明かされます。
なんだ?この爺さん
米原さんという84歳の年配の男性がこの「イシナガキクエ」を探すことに生涯を捧げているという。ただし、今年の2月にもう他界していることが明かされる。
番組はこの老人が生前、「イシナガキクエ」捜索している様子の取材映像が流れるが、彼の捜索とは、さっきの情報不足の事柄しか書かれていない雑なビラを作って近所に配っているだけ。それはこの近辺で結構有名らしく、近所の人も呆れているような状況が垣間見える。
というか、米原さんが「イシナガキクエ」を探すことになった経緯とか、彼女との関係とかは一切明かされない。それ最初に聞くことだろうよ。
爺さんの家族〇に過ぎ
取材映像で米原さん宅の仏壇がチラッと写るが、遺影が多すぎる。また、その遺影がみんな若すぎる。どんだけ不幸に見舞われているの。
不気味な写真
近所では「イシナガキクエ」は米原さんの妄想で、彼女はそもそも存在などしていないのでは、と言う話もちらほら。取材班がそのことを彼にぶつけると、「(あなた方も)本気で探してくれているんですよね?」「(あなた方を)信用して良いのですよね」という言葉と共に、しまっていた一枚の写真を取り出してくる。
なんかはっきりしたところがどこにもない、背景はバッチリ写っているのに人物だけが縦にブレたような不気味な女が立っている古い写真。なにこれ。超怖いんですけど。
冒頭の情報画面の女の写真はこの写真をもとにAIで加工したものだというではないですか。
むろんこの写真の入手経路や撮影者、撮影時期等の説明は一切なし。しかも米原さんはこの後2週間後に亡くなってしまったそうです(怖)。
電話番号が公開されるけど
情報提供を募る電話番号は「050-1720-5244」。実際にかけると、どうやら留守番電話になっているだけらしい。かけてみりゃいいんですが、ごめんなさん。ちょっと怖いです(いろいろな意味で)。
リアルタイム(風)に寄せられた情報
世田谷区在住30代男性
訪問看護していた「イシナガさん」宅に似た女性がいた。
今76歳なのによく似てるって判ったな。
米原さん宅の近くに在住の20代男性
米原さんが亡くなった後、深夜にその家に多人数の人物が訪れていた。
その中には女性もいたようだ。動画を撮影。
40代の女性
5年ほど前に通っていた病院で「イシナガキクエさん」という名前が呼ばれていたのを何回か聞いた。後ろ姿のみ確認。体系、髪型が合致する。
米原さん宅で撮られた映像
米原さん宅に多数の人物が訪れたという情報元の視聴者より、この際の映像が提供される。
それは複数の人影が懐中電灯を片手に家の中で何か探っている様子。気配を感じた近所の犬の鳴き声らしき音も聞こえる。いったい何を探しているのか。まさかあの写真だろうか。
次回の放送日の時刻がテロップと異なる
テロップには次回の放送日と時刻が「5月10日よる1時53分」と表示されているのにもかかわらず、司会者は「来週5月10日23時33分」と告知する。何故異なるのか。
因みに番組枠のWebサイトによればテロップが正しい。
考察?みたいなもの
何か何まで不穏です。何でしょうこの違和感。
まず50年以上前の失踪なんて見つかるわけがない。また情報が少なすぎる。よって、まず「本気で探そうとしてないだろ」感がプンプンします。
これは「イシナガキクエ」を探しているという体裁を整えるためだけにやっていることではないか。実は米原さんも探しているフリをしていただけなのではないか。そしてそれをやめることはできず、やめてしまうと死んでしまうのではないか。実は米原さんの家族も…。
これはそういった一種の「呪い」のようなものなのかもしれません。
さらにどうやら、「イシナガキクエ」を見つけるための直接的な手掛かりを第三者に示してしまうことはタブーのようで、それで米原さんは亡くなってしまった?TV東京スタッフはあの写真を見たため、その後継者のような立ち位置に陥ってしまった?
テロップと司会者の次回番組告知の時刻が異なるのは、呪い元へのミスリード?音声での言葉しか伝わらないとか?「会話:できない」に何か関係があるのか?
なんて妄想が膨らみますね。
またTV番組と言うのもミソで、YouTubeのライブ放送で、ひな壇に電話オペレータ並べても失笑ものだし、大資本バックのTV局ならではの臨場感だと思います。
総括すると、TV放送版「フェイクドキュメンタリーQ」みたいな感じですね。まだ、1週間はTVerで観れると思いますので、ぜひ視聴してみて下さい。
来週の放送が気になります。
それでは。
コメント
リアタイは流石に無理だったのでわたしもTVerで見ました
作中に出てきた電話番号にかけてみました。数コールなった後に自動音声で回線が混み合っているから留守電を残すように言われたので適当に話しました。どうやら段階的に変わっているようで今は繋がらないそうです。わたしの音声は次回使われますかね?
勇気ありますね(笑)
一体どんな言葉を残したのかちょっと気になります。
お久しぶりです。最近私は就職でとある地方に派遣されているのですが、その時の地域放送18:00をアナウンスするメロディーが夕焼け小焼けですので、一瞬ビックリします。
ありきたりですが、内容が内容ですので(笑)
「夕焼け小焼け」は地域メロディーとしてはありがちなはずなんですけど、XXX民はやっぱりドキッとしますね。