はじめに
はい本呪10です。松江哲明氏の最後の監督作品となります。前作よりは怖い映像、衝撃映像があります。
祖父(怖い)
概要
まだ家庭用のビデオカメラが発売されて間も無い頃、我が子の成長記録を撮るために自宅玄関先で撮影された映像。被写体の男の子が門柱あたりまで出てきたところで、左の隅から白い顔の老人と思しき顔が姿を表す。その老人はカメラに気がついたように、踵を返し姿を消してしまう。
この映像が撮影された8日後に、この少年は急病で命を落としてしまった。
実は写り込んだこの老人、2年ほど前に亡くなった少年の祖父であったという。
感想
白い老人が、はっきり写っています。カメラに気がついたように、くるっと1回転して姿を消してしまいます。もし本当にの少年がほどなくこの世を去ってしまったのであれば、警告に来たというよりは、お迎えに来たのではないでしょうか。真っ白な老人が不意に現れるので、結構怖いです。
煙に浮かぶ顔(少し怖い)
概要
キャンプに来た若者が、砂浜のような広い場所で花火を楽しんでいる様子。花火を点火した煙が立ち込め、もうもうとした中、その煙がまるで人の顔のようになる。その後、花火の一つが暴発。投稿者は口を火傷してしまった。
感想
花火の煙が本当に人の顔のようになります。その顔は少し怖いですが、たぶん偶然でしょう。偶然にしてはお見事、という感じ。
続 白い足(怖くない)
概要
ほんとにあった!呪いのビデオSpecial2で日本人形をぞんざいに扱った父子が再び登場。最近息子(克哉)が目に見えない何かと携帯電話のおもちゃで会話しているという。
克哉くんは仲の良い友達のあきらくん、そしてその父親と3人で交通事故にあっていた。奇跡的に克哉くんは無事であったが、不幸にもあきらくんは亡くなってしまい、2人を助けようとしたあきらくんの父親も両足切断という悲劇にみまわれた。事故のショックで克哉くんは、事故やあきらくんの記憶がなくなってしまった。
あきらくんの父親への取材で、克哉くんが遊んでいる携帯電話のおもちゃは、もともとはあきらくんのものだったことがわかる。
克哉くんの電話の相手はあきらくんではないのか。そして、おばさん宅で写り込んだあの白い足は、あきらくんの足ではないのか。
感想
克哉くんの命の恩人であり、両足も失ってしまったあきらくんの父親への感謝の言葉のないこの父親はどうかと思いました(映像外では述べていたかもしれないけど)。あと、白い足があきらくんなら、あの人形は関係なかったんじゃねえかよ!とも思いました。
あきらくんの父親へのインタビューですが、車椅子で、本当に両足も無かったことに驚きます。映像内では事故現場の花束、目撃情報を求める警察の看板もあり、とてもリアルだなと思いました。「克哉くんを突き飛ばすので精一杯。あきらには手が届かなかった…」と無念そうに語る姿が印象的です。
下水道(怖い)
概要
溝の蓋から指輪を落としてしまった投稿者。便利屋に頼み、下水管の中をファイバースコープカメラで探ってもらう。管の中の映像には、信じられないものが写っていた。それはまだ肉のついた上顎の一部。カメラがとらえた直後に、見切れてしまった「それ」は二度と姿を現さなかった。
感想
下水道内に生々しい歯と歯茎の一部が映っていて、気持ち悪いことこの上ないです。カメラから見切れた瞬間、消えてしまうので、本当に歯茎がそこにあったわけでは無いようですが、過去にそんな猟奇事件があったかもしれない事を示唆しているようで、とて気分が悪くなります。
叔父の呪い(怖くない)
概要
アマチュアバンドか何かのミュージックビデオの作成風景?それともミーティングか何か?の映像内に男の顔が写り込んだ。それは、何年も前に亡くなった実の叔父の顔に見える。映像内に映る仲間の一人は亡くなってしまった。叔父の死因は自殺であり、撮影した部屋はその現場であるという。叔父は何かこの世に未練を残し、映像を通じて呪いがかけられているのでないか。あんなに優しかった叔父が怨霊となり、呪いをかけるなど信じられない。叔父の自殺の真相もわからないので、調べて欲しいと訴える投稿者。
叔父の死因を詳しく知るはずの父親とはしばらく疎遠であったが、これを機会に詳しい話が聞きたい、と父親宅を訪れるスタッフと投稿者ではあったが、郵便物のたまった様子から、何日も不在のようであった。どや街を聞き込みして探しても、行方はわからずじまいで、時間だけが過ぎてゆく。
半年後、父親と連絡が取れたとの投稿者からの知らせ。父親へのインタビューにより、叔父の自殺の原因は、不治の病を苦にしてのもので、決して恨みを抱いてこの世を去ったわけではないことがわかった。
投稿者は、叔父が長年疎遠であった父親との再開のきっかけを作ってくれたのだと解釈し、叔父の墓参りの後けじめのためか、この映像のマスターテープを海に投げ入れ、叔父の冥福を祈ることにした。
感想
長々と取材して、ヒューマンドラマというか、人情ドキュメンタリーというか、なんだかよくわかりません。けじめのためとはいえ、海にテープを不法投棄とは、ちょっといただけませんよ。まあお父さんと会えたのはよかったですけどね。
映像はノイズの合間に人の顔らしきものが見えるだけでショボイです。
落下する霊(えっ?)
概要
消防団員の訓練の様子を収めた映像。背後に映る高い建物から、自殺するように、人が落下する姿が収められた。当日、付近での自殺などの事件は無かったはず。だが、過去にこのビルからの飛び降り自殺あったことは事実である。その時の霊が今だに自殺を繰り返しているとでも、言うのだろうか。
感想
本当に人が飛び降りているとしか思えません。怖くはないですが、なんとも奇妙な映像です。かなりの高さのため、この作品のために仕込んだとも考えにくい。不思議な映像です。
海水浴(すこし怖い)
概要
波打ち際で海水浴を楽しむ親子。濡れた滑らかな砂浜には、鏡のようにその場の人たちの影が映っている。幼い頃の投稿者に、突然影が迫ってくる。その影には本体が無かった。投稿者の記憶によると、その後、海で溺れかけたという。本体の無いその影は投稿者を海に引きずり込んだのだろうか。
感想
幼い子供に影だけが寄り添ってきますね。はっきりとわかります。不思議な映像ですが、地味すぎて怖くはありません。
声に取り憑かれた男(怖くない)
概要
水辺でのキャンプでテント設営中「許さん」、と言う男性の声がその場にいる全員に聞こえた。その声は映像にもしっかり記録されてたが、周りには他に誰もいない。夕暮れ時の映像にも、今度は女性の声で「おまえも」と囁く声が…
投稿者の男性は、この出来事以来、取り憑かれたようにこの現象を探ることに没頭してしまう。現地でソロキャンプを張る投稿者。しきりにテントの周りで物音がすると、映像で訴えるが、そこにはなんの音も記録されてはいなかった。
感想
「実録!許さんを追え!」などと、テープに自作のレーベルを貼ってしまっているのには失笑。しかもインデックス欄にはびっしりと事の経過が書かれており、なんだか狂気じみたものを感じます。「声に取り憑かれた男」とは文字どおり、投稿者のことなのですね。ソロキャンプのテント内でエアガン(M16)を構え、「今度音がしたら、威嚇射撃を試みます」とかほざいていますし(草)。いやーぜひ映像内で連射して欲しかったですね。どちらにしろドン引きですが。
さて、映像内の声ですが、最初の「許さん」は、私には「うるさい」と聞こえました。
テントのペグを打っているのがたぶん投稿者なのですが、この人、必要以上にペグをガンガン打ち付けている気がしてしょうがないんですよ。アウトドアの趣味は無いのでよくわからないんですが、あんなに打ち付ける必要があるのでしょうか?一つのペグに10回以上打ち付けているので、「どんだけ地面固いんだよ、うるせえな」と私は思っていたところだったので、「うるさい」と聞こえちゃったんでしょうかね。
あんがい本当に「うるさい」と言っていたのかもなんて。2番目に聞こえる声も、そのとき女性のメンバーが変な鼻歌を歌っているところだったので、「おまえも(うるせえんだよ)」だったりしてw
感想まとめ
前回よりはかなりマシになっている気がします。全体的にはイマイチですが、「祖父」はなかなか怖かったですし、「下水道」や「落下する霊」などの衝撃的な映像もあります。
ただ、ヒューマンドキュメンタリー臭さが滲み出すぎていて、私には合わなかったですね。なんて言うか、私が本呪に求めているのはこれじゃなく、ひな壇芸人や、再現ドラマや、インチキ霊能者の除霊シーンの無い心霊特集番組なんですよ。
まあ、この監督さん、この後ドキュメンタリーで賞をもらったりしているので、もともとそっち系が得意な人なんでしょう、エピソード自体は興味深く見れて、退屈はしませんでしたから…
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