呪われた心霊動画XXX ZERO 4(ネタバレあり)

レビュー

はじめに

「呪われた心霊動画XXX_ZERO 4」のレビューです。「ほんとにあった!呪いのビデオ」とリリースが被ってしまった為遅くなりました。ご容赦願います。

そして相変わらずニコ生の「アムモ98ホラー劇場」はリリース時期が不安定ですね(7月8日現在まだ見れません)。

いつもの通り以下のレビューはネタバレ満載ですので、本タイトルを未見の方はご注意願います。

17 マリコちゃんの席(怖い)

概要

投稿者はかつてフリーで映像制作を生業にしていた。10年以上前、とある団体の勉強会の撮影を請け負った。その勉強会の開催場所となった個人経営のレンタル会議室に、奇妙な点があった。設営準備の際にカメラテストも行っていたため、たまたまその異変が映ってしまったという。

異変とは、会議室内の一つの席が封鎖線で厳重に囲まれ、「この席には座らないでください」と貼り紙がされていたこと。スタッフの若い男性が机の下を覗くと、そこには油性ペンで「マリコちゃんの席」と手書きされており、さらに魔除けのお札まで貼られていた。

この会議室を初めて利用したという団体スタッフたちは、状況を知らされておらず大いに困惑したが、男性スタッフは女性スタッフの制止を聞かずに封鎖線を撤去し、貼り紙とお札も剥がしてその席に座ってしまう。

すると突然、部屋の照明が明滅を始め――そして、その男性の背後に…。

感想(ネタバレ)

映像を見ればわかると思いますが、かなり不気味な状況です。ただの封鎖線だったら、雨漏りか何かの対策かなと思えますが、机の下に「マリコちゃんの席」と書かれ、お札まで貼られていたら、誰だってゾッとします。

でも、この団体のチャラい感じの若い男性スタッフ、最初から最後までふざけた態度で、全体的に状況をバカにしている感じがして、ちょっとイラッとしました(笑)。

そして、照明がチカチカと明滅し始め、部屋にいた3人(団体スタッフ2名と投稿者)が息を呑みます。その直後、あのふざけた男性の背後に、女性の姿が明滅に合わせて映り込むんです。

これだけならよくある展開なのですが、その女性が満面の笑みを浮かべていたのが怖かったです。まるで楽しそうに笑っているのが逆に不気味です。

明滅が収まると、男性は椅子から崩れ落ちてしまい、映像はそこで終わります。救急車で運ばれたそうです。封鎖は元に戻され、勉強会自体は無事に行われたとのことですが、終了後に女性スタッフと会議室オーナーが揉めている様子を投稿者が目撃したとのことでした。

投稿者はこの団体との仕事はこれきりで、その後どうなったかは不明です。団体は解散し、貸会議室も営業を終了したそうです。

18  インターネットに接続されていません(状況が怖い)

概要

幼い娘を持つ主婦・村重さん。学生時代の友人・小松さんに、娘の保育園の卒園記念に送るビデオ作成のアドバイスを求めた。映像関係の仕事をしていた彼は快く引き受け、編集ソフトの操作を説明するため、編集作業を録画した画面を村重さんに送ることになった。

小松さんはノートパソコンを使い、同僚が運転する車内で作業をしていたが、ふと後部座席のあたりから女性の声が聞こえたという。車内にいるのは自分と運転手だけのはず。不審に思い振り返ったが、そこには誰もいなかった。

おかしいと思いながらパソコン画面に戻ると、ブラウザに何やら見知らぬサイトが表示されていた。動画が再生されているようだったが、すぐに「インターネットに接続されていません」の画面に切り替わった。そもそもネットに接続しておらず、フリーWi-Fiもない道路上である。モバイルWi-Fiもテザリングも使っていなかったので、勝手に接続されるはずがなかった。

この出来事の1週間後、小松さんはブレーキ痕も残さず自動車事故で亡くなってしまった。自殺の可能性も指摘されたが、村重さんは彼にそのような兆候はなかったと語っている。

ここで映像が「自己責任でご覧ください」の警告テロップと3秒のカウントダウンの後紹介される。

感想(ネタバレ)

映像は、おそらくAdobe Premiereでの編集作業を画面録画したものでしょう。突然Webブラウザが立ち上がり、簡素で稚拙なサイトが表示されます。全面黒背景に赤文字で「心霊のテスト体です」「悪霊は形を壊し、すべてのヤハ**,?に降り注ぎます」などと意味不明な文章が書かれており、不気味で不穏な印象を受けました。

貼り付けられていた動画には、廃墟のような場所で、白いワンピース姿の女性が妙な動作をしている様子が映っていました。変な動きを繰り返したあと、一瞬ブラックアウトし、その後、ゆっくりとこちらに近づいてくるという流れです。

投稿者も触れていましたが、映像を見ると、どうも廃墟が上下逆さで、女性が天井に立っているようにも見えました。かなり不気味です。

あと、この廃墟、どこかで見たような気がするんですよね。以前何かに追われて「見〜つけた」みたいなエピソードで出てきた場所と似ている気がするのですが、はっきり思い出せません(わかり次第追記したいと思います)。

ちなみに、小松さんが車で通っていた(スタッフの検証映像)のは千葉県茂原市の国道409号沿い、「アベイル茂原店」あたりではないかと思うのですが、映像が望遠レンズの圧縮効果で少し印象が違って見えるため、確証はありません。ちなみにこの場所は、前巻「洋館」の「洞庭湖」から10kmほどの位置にあり、そんなに遠くありません。

19 デジタル時計とアナログ時計(少し怖い)

概要

女子高生の星野さんは、自分の勉強風景を実況配信することを思い立つ。「バズる」ことが目的ではなく、あくまで集中力を高められるのではという軽い思いつきからだった。

彼女は午後3時にGoProを頭に装着し、勉強と実況を開始。10分ほど経ったころ、背後から「あいにきたさ」と女性の声が聞こえた。本人の話によると、その後の記憶がないというが、映像には続きが記録されていた。

星野さんが部屋を見渡すと、右の壁に立てかけられた姿見に、背を向けた半透明の男性が映っていた。そして、壁にかかるアナログ時計がものすごい勢いで逆回転を始める。彼女が我に返ると、机に置かれたデジタル時計は午後3時を示しており、10分間で書いたはずのノートも真っ白なままだった。

星野さんには、女性の声にも男性にもまったく心当たりがないという。

感想(ネタバレ)

これは、異世界に迷い込み、時間が巻き戻って帰ってきたということなんでしょうか。でも、情報が少なすぎて、「不思議だったね」という感想にとどまります。

ただ、実際に体験したら本当に訳が分からなくて、かなり怖かったと思います。GoProの映像がしっかりと残っている分、現実味があってぞっとします。

20 記憶のない思い出(少し怖い)

概要

投稿者は若い女性・森谷さん。小学校の同級生で、現在は恋人でもある嬉野幸也さんとドライブデートの途中、林間学校で訪れた思い出の地に立ち寄る。

思い出話に花が咲く中、嬉野さんは当時埋めたタイムカプセルを掘り起こそうと言い出す。2人で思い出を書いた紙をお菓子の缶に入れ、埋めたというのだが、森谷さんにはその記憶がまったくない。

嬉野さんが意気揚々と掘り返すと、本当に錆びついた金属製の缶が見つかる。中の紙片は風化してボロボロだったが、1枚だけ比較的きれいな紙が残っており、そこには「ユキヤは死ね」と書かれていた。「ユキヤ」は嬉野さんの名前で、文字は当時の森谷さんの筆跡に酷似していた。

「お前が書いたんか」「いや、そんなの知らんわ」と気まずくなる2人。しかし、森谷さんには本当に覚えがないという。

唖然としていると、古びた缶の小さな穴の奥に――。

感想(ネタバレ)

お菓子の缶と聞きましたが、具体的な商品名が思いつきません。「ミルキー」だとちょっと小さすぎますよね。でも、缶の風化具合は絶妙でした。2〜3年程度ではあそこまで錆びないと思うので、かなり前から埋まっていたように感じます。どんだけ前から仕込んでたんだよ(あくまでフィクションとして観ています)。

そしてその缶には小さな穴が空いていて、そこから地面が見えるのですが、「死ね」の紙を発見してうろたえているときに、その穴越しに何者かの瞳が見えるんです。そこまで怖くはありませんが、不気味ではあります(丁度似たような映像が「ほん呪111」にもありました)。

さらに、森谷さんが覚えていないだけでなく、他の同級生も誰一人その出来事を覚えていなかったそうです。嬉野さんだけが別の時間軸にいたのでしょうか。だとしても、あの紙に書かれていた言葉の意味は何だったのか……。

時間の齟齬や訳の分からなさが、前のエピソードとも共通している気がしました。

結局この2人は、その出来事がきっかけで気まずくなり、別れてしまったそうです。

21 面接する女(かなり怖い)

概要

投稿者の男性・聖さん。15年ほど前、当時の知人女性が運営していたレンタルスペースでの出来事。映像関係の仕事をしていた彼女は、撮影などにこのスペースを使用していたが、空き時間には他人にも貸し出していた。

最初の2年ほどは何も問題がなかったが、ある時期から、利用者から「奇妙な現象が起きる」とのクレームが入るようになった。椅子や机を片付けて退室しようとドアを開け、ふと振り返ると、片付けたはずの椅子が一脚だけ戻っている、というものだった。しかもかなりの頻度で発生したという。

投稿者自身も何度かスペースを借りたが、そうした現象には遭遇しなかった。何か気になったのか、オーナーである「りさ」さんに内緒で監視カメラを設置したところ、異様な映像が撮れてしまった。

3日後にカメラを回収しようとしたところ、なんとカメラは鉈で叩かれたように破壊されていた。回収できた映像を見てあまりの内容に驚いた投稿者は、それとなく「監視カメラを設置してみたら?」と提案するが、りささんは全く関心を示さなかった。彼女は「それ」の存在にまったく気づいていなかったのだと投稿者は感じたという。

不吉な気配に耐えきれず、聖さんは監視カメラや映像の件を伏せたまま、「りさ」さんにレンタルスペースの運営をやめるよう勧めた。ちょうど東日本大震災後で稼働率も落ちていたこともあり、「りさ」さんはしばらくしてこの部屋を手放すことにした。

その後、「りさ」さんは精神を病んでしまったらしく、「蛇の化身が見える」「祟りだ、○○ズチの祟りだ」などと口走るようになり、投稿者は彼女との関わりを避けるようになってしまった。

さらに2〜3年前、大阪在住の共通の知人から、「十三」の風俗店でりささんを見かけたという連絡があったそうである。

ここで、「強い霊障があるかもしれません。視聴は自己責任でお願いします」の警告テロップと、10秒のカウントダウンで映像が紹介される。

感想(ネタバレ)

映像は、清掃を終えた「りさ」さんが部屋を出るところから始まります。照明が消えるとカメラは暗視モードに切り替わり、数秒後に彼女がスマホを忘れたらしく戻ってきて照明をつけます。一瞬で部屋を出て行くのですが、今度はなかなか暗視モードになりません。やっと暗視モードになったと思ったら、部屋の中央に一脚の椅子が現れます。

そして、映像にノイズが走ると、その椅子に半透明の女性が座っているのが見えます。どうやら面接を受けている最中のようで、何かを話している様子です。しかし突然、女性は話すのをやめ、こちら(カメラ)をじっと見つめ始めます。にこやかな表情のまま、歯を見せずに「ニーッ」と笑いながらガン見してきます。そして突然「ブチッ!!」と映像が切れます。

これ、かなり怖かったです。特にあの笑顔が不気味でした。

このレンタルスペース、最初のエピソード「マリコちゃんの席」と同じ場所ですね。後ろに現れた女性も、おそらく同一人物(幽霊?)でしょう。

さらに気になるのは、オーナーの女性の名前。「りさ」としか出てきませんが、

「りさ」=理沙…? もしかして…「グループライン」の木戸さん?

顔を見直すと、髪型は違えどよく似ていました。そういえば前作の「グループライン」でも、大阪方面の話が出ていた気がします。

ちなみに、これまでにもレンタルスペースはいくつか登場していますが、今回の部屋は広さや造りが異なる気がするため、別の場所ではないかと考えています(未確認ですが)。

感想まとめ

今回もとても面白かったです。ただ、各エピソード同士のつながりは、いつもより希薄だった印象があります。もしかしたら私がまだ気づいていない伏線がどこかに隠れているのかもしれません。

エピソードとしては、やはり最初の「マリコちゃんの席」と、最後の「面接する女」が特に怖くて印象に残りました。あの「ガン見」してくる感じ、ほんとやめて(笑)。

あと、「インターネットに接続されていません」も、じわじわとくる不気味さがあって好きでした。

では。

コメント

  1. ナオハシ より:

    レビューお疲れ様です。ナオハシです。
    本巻は城戸さん関連の繋がりが多かったですね。
    インターネットに繋がっていませんの廃墟はグループラインの廃墟と同じと思われます。
    面接する女のインタビューで城戸さんが言っていたと思われる・・・・・・の祟りはおそらく伝説上の生き物のミズチの事を言っていると思われますが、ミズチの祟りの舞台として、水害によって廃集落になってしまった場所にある握津公民館を選んだのではないでしょうか。
    グループラインの後藤さんはミズチの祟りを鎮めるための生贄にされたが、何故か後藤さんは生きている。その謎はデジタル時計とアナログ時計がヒントになりそうです。
    記憶にない思い出はXXX10そこから見る景、XXX_NEO05友達の後半と流れが似ている感じがしました。
    面接する女に写る女霊も見た記憶がない女霊なのでZERO05に続きそうですね。

  2. ツカハラ より:

    レビューお疲れ様です!

    映像は、「インターネットに接続されていません」が不気味だと思いました。
    警告映像も驚きましたが、同じびっくり系の映像には2巻の「掛け軸」があるので、そこで慣れてしまったせいか思ったより衝撃が少なくて済みました。

    自分も「面接する女」の投稿者の友人の「リサさん」は木戸さんだと思いました。
    何度かリサさんの顔を見てみましたがやはり木戸さんに似ていると思いました。

    それと「記憶のない思い出」の嬉野さんが闇バイトに関わって逮捕されたというところから、もしかしたら「チブク」のチカトは嬉野さんかもしれないと思いました。

  3. TJ より:

    レビューお疲れ様です!
    「インターネットに接続されていません」の場所特定ありがとうございます!今作はヒント多くて分かりやすかったですよね!

    「マリコちゃんの席」で、男性社員が最初に「マリエ?……マリコちゃんの席だ!」って言ってましたので、「マリコ」のコの字ちょっとの崩れ方からして実はマリコちゃんではなく「マリエちゃんの席」なのではと思いました。
    「マリエ」といえば、初期のXXX15「神隠しの村」で「まりえ」というワードが出て、XXX16「百物語」の投稿者の名前が”関口麻里恵(まりえ)”。そして、XXX_NEO01の「マリエさん」という降霊術遊び…。少し引っかかりました。ただ今巻の女の霊とNEO01「マリエさん」の霊は顔が違う感じので繋がりとしてはどうなんだろう…って感じです。

  4. FD より:

    記憶のない思い出は気まずくなって別れたのではなく、恋人が闇バイトで強盗致傷事件を起こして逮捕されたからでは?

  5. fd より:

    前の方が指摘しておられますが、【マリコちゃん】ではなく、本当は【マリエ】じゃないでしょうか?文字が崩れててマリコと見えるだけで

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