ほんとにあった!呪いのビデオ21(ネタバレあり)

ほん呪
ほんとにあった!呪いのビデオ21
ほんとにあった!呪いのビデオ21

はじめに

ほんとにあった!呪いのビデオ21のレビューです。有名な「鏡の中」が収録されています。

駅のホーム(怖くない)

概要

ホームと電車の間に人の手が写っていた。

感想

飲み会の帰りにずっと撮影し続けていて、駅(JR新宿駅)で電車に乗り込む瞬間、カメラが下を向くんですね。そこで電車とホームの間の隙間から、やけに真っ白い手がうにょん、と伸びているという映像です。ガチで撮れたら結構怖い絵面。でも、手の解像度がまわりと合っていなくてくっきりはっきりとした感じ。なんか合成っぽいですね。

また、恐怖映像までたどり着くまでが、とても長いと感じました。冒頭の居酒屋のシーンとか必要ですかね。インタビューするほどのエピソードでもないと思うんですが。つかみとしてはイマイチ。

ヘリコプター(ほんの少し怖い)

概要

ヘリコプターの遊覧飛行で、下界を撮影した映像。ふと空にカメラを向けると、画面左上に人の顔が写り、何かを喋っているように見える。

感想

写った人の顔が薄くて何だかわかりません。映像加工(白黒反転)したシーンで、ようやく何かが写っていることがわかりますが、人の顔かまでは私には認識できませんでした。ただ、なんか気持ち悪い感じはします。

他にちょっと気になる点としては、ヘリコプターが離陸して高度が上がっていくところで、画面左下になんか人の足が写ってるんですよね、それも素足。このヘリコプターなんですが(ロビンソンヘリコプターR44)、

ロビンソン R44 - Wikipedia

しっかりとしたドアが付いているので、搭乗者が離陸中に足を投げ出せるとは思えないんですよね(しかも裸足)。この謎の足のほうが気になります。

2020年8月11日追記
Wikipediaの写真のR44、しっかりドアが開いてますね。失礼しまた。

余命(怖い)

概要

入院して闘病中の友人をクラスメイトがお見舞いに訪れる。実はこの時点で彼は不治の病に侵されており、もうすでに亡くなっているそうである。せめてもの思い出にと、入れ替わり立ち替わりお見舞いに訪れる友人たち。しかし彼が日に日にやつれていく様子が伺えて痛々しい。そんなある日、いつもとは違ったアングルから撮影する投稿者。病に侵され弱っていく彼のベットの傍から、不気味な顔が覗き込んでいた。この映像を最後に彼は亡くなってしまったそうである。

感想

闘病中の彼が、映像が切り替わる度に元気が無くなっていくのがわかって切ないですね。ニット帽を常にかぶっているので、癌か何かの病なのかもしれません。ベットの下から、ニューっと出てきた顔は、半分以上見切れているのですが、無表情にこちらを睨んでいて結構怖いです。

誘拐(少し怖い)

概要

投稿者の娘さんのお誕生日会を記録した映像。招待した友達の1人である「まいちゃん」の顔が、バースデイケーキのろうそくを吹き消す直前に、歪んだ姿で写り込んだ。まいちゃんは、この後失踪してしまい、現在も行方不明であるという。ご両親は警察に失踪届けを出し、現在行方を捜査中であるとのこと。警察は誘拐の可能性を疑っているという話である。関西のこの地では神隠しの言い伝えがあり、まいちゃんも神隠しに遭ってしまったのではないかという、投稿者の見解。ただ、投稿者の娘さんの話では、体育の着替えの際に、まいちゃんの体に虐待を受けたような痣があったというのだが。果敢にもまいちゃんの母親へのインタビューを行うスタッフ。母親はビラを作ったりしたが、手がかりは全くないという。

感想

ろうそくを吹き消す時に、まいちゃんの顔が、絵の具で塗りつぶしたように歪んでしまっているのが確認できます。不気味ですが、それほど怖くないです。

消費者金融(笑…)

概要

悪徳消費者金融から借金をしてしまった投稿者が、支払いが遅れて金融会社からの催促の電話の中に、奇妙な声が紛れ込んでしまったという。半ば脅しのような、異常な取り立てに悩んだ投稿者が、脅迫の証拠にと電話の声を録音したものであった。それは女性の声で、「おまえをゆるさない」であった。この声が録音されてから、なぜか催促が止んでしまったそうである。

感想

この投稿者ですが、演出捕の中晶子氏が自宅に取材に来ると、「ちょっと待ってください」と告げてから、わざわざスーツに着替えてきます。いやいや、女性スタッフが訪ねてきたからってスーツに着替える必要はないでしょ(笑)。なんかこいつおかしいと感じたのか、怪訝というか、嫌な表情を見せる中晶子氏。部屋の中は雑然とした感じで、お世辞にも片付いていると言い難い。一張羅に着替える前にやることあるでしょ、と思いました。投稿者は彼女にお茶を振る舞うのですが、冷蔵庫から麦茶ポットを出してきてその場でコップに注ぎ始めます。いや、注いでから持ってこいよ(笑)。麦茶だか緑茶だかわからない、ちょっと泡立った、なんとも言えない薄緑色の謎の液体が入ったコップを覗き込み、「これ飲んで大丈夫かしら」といった表情をカメラに見せる中晶子さんの様子に笑ってしまいました。彼女は結局、口をつけなかったようです(笑)。

えっ? 映像ですか?

何言ってるのか、わからないんで怖くないです。

オーディション(怖くない)

概要

とある芸能プロダクションのオーディションの風景。背後の窓に人が落ちるような影が写った。この部屋で深夜泊まり込むと、何者かに観られているような視線を感じるといった証言が複数寄せれらるという。

感想

なんか後ろで人が落ちているような影が、写っています。怖くはないですが、人が落ちているようにしか見えません。

鏡の中(怖い)

概要

母親が三面鏡の前で髪をとかす真似をして遊ぶ、我が子を撮影した映像。このままであればよくある微笑ましい光景だが、理屈では説明のしようがない、奇怪な現象がこの後発生する。鏡の方を向いている女の子が、母親の呼びかけでこちらに振り向く。当然鏡に映っている姿も後ろを向く。それを何度か繰り返し、映像の最後にこちらを向いた瞬間、三面鏡の1つ、右の鏡に映るこの子の姿だけが、正面を向いたままこちらを凝視している。

この鏡は、投稿者の母が友人から譲り受けたものだそうだが、それ以上のことは何もわからないようだ。

感想

非常に有名な映像で、何度もテレビに取り上げられていました。「マツコの知らない世界」で、山口敏太郎氏が「心霊現象なのか、超常現象なのか、フェイクなのか、これだけはわからない」とかなんとか言ってたと思います。このときの番組のテーマが「心霊ビジネスの世界」で、この他にも多数、本呪の映像が紹介されていました。

で、映像です。現象としては概要の通りで、わかりやすく、非常に不思議な映像で僕は好きなのですが、正直そんなに怖いとは感じなかったのですよ。でも今回改めて視聴したところ、こちらを見たまま動かない少女の目が、片目だけ、ギロッと大きく睨んでいる気がして、ゾッとしました。

文化祭の噂(怖い?)

概要

女子高生からの投稿。彼女の学校では、決して見てはいけないビデオテープが部室に存在するという話を、先輩達から聞かされる。先輩達の卒業後、彼女達はそのテープをロッカーの奥から発見してしまう。それは文化祭の演劇の様子を撮影したもので、テープの状態からかなり古い時代のものであることが伺えた。そこには舞台の端の上方で首を吊り、苦しみから足をバタつかせている男性の姿があった。

この学校では精神を病んだ男性教師が、学校内で首吊り自殺をした事件の噂があった。まさかこの映像はその瞬間を写してしまったものである…とでもいうのだろうか。あるいはその教師の霊が、今も自殺を繰り返している姿なのか…投稿者の女子高生は、この取材の後連絡がつかなくなってしまった。

感想

演劇はそのまま続いていますので、実際の自殺の場面ではありませんね。

腰から上は見えないので、首吊りなのかどうかはこの映像ではわかりません。首吊りというよりは、上から落ちそうになってなんとかよじ登ろうとしているように見えます。ただ、よく見ると足から腰までが見えた時、ちょっとバウンドして、上下動しているような感じがするんですよね。リアル首吊り動画を見たことがあるわけではないので(見たいとも思いませんが)、あんな風にすぐに死ねないことなどあるのだろうかと思いました。

続・誘拐(少し怖い)

概要

取材の過程で、この地に子供が神隠しにあうとの言い伝えがあり、その犠牲者を弔うお寺があったことが判明した。そのお寺には、子供達を供養する目的で描かれた掛け軸も保管されていたという。しかしながら、かの場所はかなり昔に火事に遭い、今は管理する人もいなくて、放置されていることがわかった。その場に訪れるスタッフ。朽ち果てた廃墟の中には、こけしが1つ転がっていた。

この取材の翌日、この寺の在りし日の姿を記録したフィルムを保管しているという別の寺に取材する。住職によると、生活苦から、我が子を間引く黒歴史がこの地域にあったと言い伝えられていたという話であった。間引きをごまかすために神隠しと称していたとのことである。人としてこのような行為は良くないことであることを啓蒙するため、神隠しにあった子供の幽霊を描いた掛け軸をつくり、この習慣を止めたというのだ。住職が取り出したフィルムの缶には「こけし」と記されていたため、寺に転がっていたこけしの話をすると、「こけし」→「子消し」とされ、神隠しの象徴のような解釈ができるとの話も聞ける。そしてこのフィルムをみると、子供の幽霊掛け軸の顔が、なんと、まいちゃんの顔と全く同じように歪んでいるではないか! これは一体何を意味するというのだろうか。

さらに取材を進めると、近所の話でまいちゃんが両親に虐待されていたのではないかという話が浮上してきた。これはまいちゃんの両親による「神隠し」ではないのか? たいした確証もないまま、無謀にもまいちゃんの母親への直接取材を敢行。ストレートに虐待の有無を問いただすものの、それを聞いていた父親に逆上され、スタッフは追い回されてしまい、これ以上の取材はできなかった。

その後、最初の取材で訪れた寺の廃墟の映像に、まいちゃんらしき少女の姿が写り込んでいた。

感想

幽霊掛け軸の顔が、まいちゃんと同じように歪んでいたのには少々ゾッとしましたが、あまりにも出来すぎな感は否めないため、恐怖度的には小粒です。それよりも、ブチ切れた父親の胸糞さで、心霊的な面白さが半減してしまいました。「あっこいつ虐待やっているな」感を出そうとしたのかもしれませんが、もしガチの話なら、これほどのやり切れない話はないので、気持ちとしてはどんよりとしてしまいます。

最後に映った少女ですが、スローで見ると、とてもはっきり写っており、そこに小学生が立っているとしか思えません。小学校4年生くらいに見え、まいちゃんにしては、成長しすぎている気がしますが。

感想まとめ

「鏡の中」という名作がありながら、メインエピソードの後味の悪さで、この巻の評価は僕の中ではあまり高くないですね。また鏡の中以外のエピソードも微妙なものが多かったと思います。これにて福田洋平氏の作品は区切りをつけ(後にまた本作に関わりますが)、長年活躍し続けた、中晶子氏と近野恵美氏も最後の作品になります。それにしては、ちょっと残念な感じでした。

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