闇動画11（ネタバレあり）

はじめに

「闇動画11」のレビューです。今回からオープニングが変わりました。今までのエピソードのダイジェストみたいな構成になっていますね。なので、アイキャッチ画像もこれを機会に変えてみました。尚、画像は適当な写真をボケボケにしたもので、特に意味はありません。

また、前巻のレビューで書き忘れましたが、公式ページの案内URLが「洒落怖」のロゴと「www.sharekowa.net」から、「闇」ロゴと現在のURLである「www.yamidouga.com」に変わっていました。

ちなみにこの巻はグロ要素少し復活しています。

片思い（グロ）

概要

投稿者、沢田さんの友人の四方（しかた）さんが、「彼女を連れて遊びに来い」とか言うので、行くことにしたが、「3時57分丁度に来い」「ビデオ撮影しながら入って来い」「止めて良いと言うまで回し続けろ」とか要求をしてきた。意味不明なのでいったん断るが、懇願されたのでやむなく従うことに。

彼女である吉村さんと一緒に、カメラを回しながら四方さん宅近くで彼に電話するが、風切り音で会話が通りにくい。だが、ようやく聞き取れた彼の発言は、「3時57分に来い」「カメラを回して入って来い」と強調していた。さらに「その映像を何回も見てほしい」とも語っていた。公園で電話をしたのは吉村さんだが、沢田さんがその姿を撮影すると、すぐそばに黒い渦巻のような存在が写っていた。これは「闇動画7」の「消失点」の現象と似ている。

時間ぴったりに部屋に着くが誰もいない。吉村さんが何かを見たようで、部屋から飛び出してしまう。バスルームを覗くと、浴槽で事切れている四方さんの無残な姿があった。警察の見立てでは浴槽で亡くなった彼が、風呂のお湯で茹で上がってしまったとのこと。だが意外にも腐敗が通常より進んでおらず、本来なら匂いが酷くなって、もっと早く発見されるはずだとのことである。四方さんが既に亡くなっていたとするなら、吉村さんがかけた電話に出たのは、いったい誰だったのか。

ショックを受けた吉村さんは精神を病み、福井の実家に帰ってしまった。連絡もろくに取れない状態だったが、「あの動画を送ってほしい」というメールだけが来たという。沢田さんはよせばいいのにこの動画を彼女に送ったが、それ以来一切連絡がなくなってしまった。なお、スタッフの調べでは吉村さんは既に病気で亡くなっていたそうである。

四方さんが生前良く通っていたゲイバーの店長に話を聞くと、彼は実はゲイで、沢田さんに思いを寄せており、そして彼の彼女である吉村さんのことを異常に憎んでいたという。

感想

四方さんは何があったのか不明ですが、吉村さんを殺したいほど憎んでおり、自らの命を賭した呪いだったのかとテロップで表示されます。だとしても、何とも言いようのない不快感しかこみ上げてこないですね。

グロ度は僕の基準で「結構グロい」でしょうか。なかなかリアルですが、幸いなことに本物には見えません。でもやっぱりグロい、キモイ。

吉村さんの横に出た黒い渦巻みたいなものが、過去の映像の現象に類似している点を説明するシーンで、ナレーションでは「『闇動画9』の『消失点』」と言っているのに、テロップでは「『闇動画7』『非在の視線と不在の視線』より」って表示されていました。映像は「消失点」のものだったので、テロップミスですかね。

大道芸（怖くない）

概要

大道芸人の横に赤いワンピースの女の子が写った。消えたと思ったらさっきよりも近づいてきた。

感想

箸休めエピソードです。

あてつけ（ええぇぇ）

概要

借金を重ねた元風俗嬢が、非合法金融業者からの厳しい取り立ての様子を、淡々と記録している。彼女は度々咳をしており、体調が思わしくないようだ。幼いころに父に捨てられ母子家庭だったらしく、父を恨んでいるようだったと言う。

最後に彼女は拳銃自殺をしてしまう。冒頭ではこの映像を父に送るよう、遺言めいたメッセージを残していた。

「この映像が撮影者の父親に届いたかどうかは不明である」というテロップでエピソードは終わる。

感想

厳しい取り立てや、更なる借金の契約を無理やり結ばされる様子が、延々と15分くらい続くので、見ているこっちがダウナーな気分になってきます。

「素人でも簡単に銃は手に入る」とか映像提供者は言っているんですが、そんなことない思うんですけどね。で、この拳銃、コルトガバメントみたいなんですけど、ハンマーがコックされていないので、引き金を引いても弾は出ませんよ。中坊の頃はモデルガン好きで、「月刊Gun」「コンバットマガジン」を毎月愛読し、「イチロー・ナガタ」氏に憧れていた私にとって、この時点でフェイクが確定しました（笑）。

よかった。幼いころに父に捨てられ、借金苦から母親もノイローゼになり入院、絶望から拳銃自殺する女性はいなかったんだ。

古民家（ほんのちょっとだけ怖い）

概要

古民家で半透明の女が寝ていた。

感想

箸休めエピソードですが、寝ている女性は顔の下半分が布みたいなもので隠れ、目力が結構あって、ちょっとだけ怖かったです。

「何故あの世の存在は現れてすぐに消えてしまうのか」と身も蓋も無いテロップに苦笑しました。

盗撮の顛末

概要

デリヘルを呼んでプレイの様子を盗撮しようとした客が、速攻で嬢にばれてしまう。彼女はなんとなく何かを感じて分かったという。客は懲りずに次の嬢を呼ぶが、その娘が来る前に盗撮を見抜いた嬢の店の店長が、客に「落とし前をつけろ」と脅迫してくる。

だがその最中に、次の嬢が到着してしまう。店長は取り込み中だからと嬢を一旦追い出すが、再び彼女は部屋に入ってくる。すると天井から黒い「もやもや」が現れ、3人とも天井を見つめ「びょあ～」とかいう声と共に、口から黒い「もやもや」が天井から彼らの口に降りていく。しばらくして「もやもや」は消え、3人仲良く1列縦隊で部屋から出て行った。

その後メトロン星人みたいなシルエットの、「もやっ」とした人影が、部屋の様子を伺って部屋から出ていく。その後この3人の行方は不明らしい。

映像提供者の協力で、盗撮を察知した嬢に話を聞くと、よく覚えていないと言いながらも、「あの日は頭がぼーっとして、エレベーターで鼻のでかい男性に話しかけられて、アフリカの話をされて、その時から自分の意思で活動しているのか、あいまいな状況に陥ってしまった」とのこと。一晩寝たら直ったそうである。

感想

まず気になったのはホテルの呼び鈴の音。「ファミマかよ！」と突っ込んでしまいました。あれファミマ専用に作ったものではなく、元はパナソニックの玄関チャイムに使われた汎用性のあるものらしいです（曲名：大盛況）。

それにしても120分コースで4万とか高いですね。この他にホテル代も払うんでしょ？風俗詳しくないんで相場が分からないんですけど。

あと、こういうお仕事の元締めって怖そうな人多いじゃないですか。なんで盗撮なんてしようと思ったんですかね。リスク考えないんですかね。脅迫は犯罪だけど、この客はあほ過ぎてちょっと同情できないですね。でも100万は厳しい。

あ、映像の感想がないですね。ええと、ぶっちゃけ意表を突かれました。何と言ったらよいか、宇宙人に腑抜けにされて連れていかれた、「エイリアン・アブダクション」を連想しました。でも、最初にカメラを看破した嬢の話で「アフリカ」がどうのとか言っていたので訳が分かりません。

でも全然怖くはないけど、それなりに面白かったです。

怖かったのはデリヘルの店長です（笑）。

感想まとめ

最初のエピソードでちょっと盛り返したと思ったら、やっぱりその後低調で残念です。「あてつけ」の尺稼ぎがちょっと退屈と言うか、こっちも暗い気持ちになったというか……でもいいんです、借金苦から自殺した女性はいなかったんですから（笑）。

今度こそ次巻に期待します。

では。