
はじめに
「クニコからはじまる話」がついに公開されましたので、池袋のシネマ・ロサへ観に行ってきました。公開二日目の土曜日ということもあり、当日は舞台挨拶も実施されていました。劇場公開作品ですので、ネタバレに配慮しつつ、今回は大まかな感想や印象を中心に書いていきたいと思います。
なお、5月23日(土)13:45の回は満席でした。金曜日の回は、水曜段階でまだかなり空席があったため、余裕を持って構えていたのですが、木曜の夜に土曜の回は一気に8割ほど埋まってしまい、さすがに焦りました。土曜朝の時点では残り数席。最終的には上映前に満席となっていました。
本編はどうだった?
記憶から概要
アムモ98の事務所に、突如として包丁を持った女が押し入ってくる。「ある映像がこの事務所にあるはずだ、出せ!」と半ば脅迫じみた言動を繰り返し、その騒動のなかで女性スタッフが怪我を負ってしまう。
その映像とは、かつて「死画像」宛てに投稿されたものの、詳細不明のままお蔵入りとなっていた不気味なVHSテープだった。どうやら当時の投稿者が、そのテープを巡ってネット上で陰謀論めいた主張を展開していたらしく、それに強く影響を受けた女が今回の事件を引き起こしたことが判明する。
岩澤監督と女性スタッフは事情を探るべく、この投稿者への取材を開始する。しかし調査が進むにつれ、物語は単なる“曰く付き映像の真相究明”から大きく逸脱。まるで底知れぬ深淵を覗き込むかのように、スタッフだけでなく、それを観ている観客までもが予想しなかった迷宮へと引きずり込まれていく……。
感想
これまた、お世辞抜きに非常に面白かったです。通常の「XXX」シリーズとは異なり、本作は冒頭から一本の物語として展開していきます。あの「クニコ」の映像も物語の発端として登場する要素のひとつであり、「クニコ」そのものを深掘りしたり、真相究明を行ったりする内容ではありません。
ネタバレを避けたいこともあり、具体的な感想はなかなか書きづらいのですが、率直に言って非常に引き込まれました。……というより、正直なところ情報量が多く、自分の記憶力が追いついていない部分もあります(笑)。
恐怖演出もしっかりしており、単純なショック描写というより、“得体の知れない不気味さ”をじわじわ積み重ねていくタイプの作品という印象です。映像の空気感や不穏さの作り方が巧みで、観ているうちに現実感覚が少しずつ揺らいでいくような感覚がありました。
主演の髙尾勇次さん、どこかで見た顔だと思っていたのですが、「心霊玉手匣」の貫井さん(貫井弟役)じゃないですか! しかも彼が演じる主人公が、心霊ドキュメンタリーファンであり、元「特定班」「考察班」だったと判明した瞬間、思わずずっこけそうになりました。……いや、なんだか妙に他人事とは思えない設定なんですよね(笑)。
また、「呪いの黙示録」を彷彿とさせるような、ファミレス風の店で食事をするシーンが何度か挟まれるのですが、よりによって当日の私は昼食を抜いていたため、観ている最中ずっとお腹が空いて仕方ありませんでした(笑)。
なお、そのファミレスのひとつが「山田うどん」だったことにも気付きました。「山田うどんって埼玉以外にもあるんだ!」と妙なところで感心してしまいましたし、結果的にロケ地のひとつを特定してしまった気がします(笑)。
舞台挨拶
登壇者は岩澤監督をはじめ、まさかの寺内康太郎氏、そしてMCは“事故物件芸人”としておなじみの松原タニシさんが務めていました。心霊ドキュメンタリー界隈でおなじみのお二人を生で拝見できたのは、なかなか感慨深かったです。しかもお二人とも、偶然なのか服の柄が妙に似ていて、ちょっと笑ってしまいました(笑)。

トーク内容もかなり興味深く、とても楽しめました。なかでも寺内さんの「岩澤さんの作品には青春が垣間見える」という発言には深く頷かされました。確かに単なる恐怖演出だけではなく、登場人物たちの青臭さや人間関係の空気感のようなものが作品全体に漂っているんですよね。
また、「死画像」の時点で“これ岩澤さんが監督しているのでは?”と気付いていた人はいましたか、という松原タニシさんの問いかけに、会場で何人かが手を挙げていたのには驚きました。いや、本当にすごいな特定班(笑)。
さらにうれしいサプライズだったのが、出演のお二人、髙尾勇次さんと大串有希さんが飛び入り参加してくださったことです。まったく予想していなかっただけに、かなり得した気分になりました。

前夜祭の話
話は変わりますが、公開前々日の5月20日には「映画『クニコからはじまる話』公開記念! 最恐心霊映像決定戦 WITH 岩澤宏樹監督」という前夜祭的イベントが、阿佐ヶ谷の「Asagaya / Loft A」にて開催されました。
内容は、「最恐心霊映像決定戦」と題して、過去の「XXX」シリーズの“怖かったエピソード”をSNSで募集し、ランキング形式で発表するというもの。岩澤監督に加え、映画ライターのヒロシニコフさん、作家の城戸さんを迎えてのトークショーです。
ランキングの結果は自粛します(笑)。
全体的にかなり納得感のある順位で、「ああ、やっぱりそこ強いよね……」と頷きながら聞いていました。正直なところ、「XXX」シリーズに関しては、各エピソード単体の怖さというよりも、タイトル全体を通した流れや、エピソード同士がどこかで繋がっていく構成そのものに魅力と恐怖を感じていたため、“単体エピソードランキング”という形式には少し違和感もありました。
ただ、こうして改めて並べられた映像を観ていると、それぞれのエピソード単体でも十分に強い怖さを持っていることを再認識しました。シリーズ全体の文脈を抜きにしても、純粋に映像として不気味で印象に残るものが多いんですよね。
なお、6位と5位の発表の間には15分間の休憩が入るのですが、その休憩中、まさかの「クニコ」が“ノイズ部分込みで”延々と流されるという狂った構成になっていて、思わず笑ってしまいました。
さらに、5位発表前には、まさかの前田さんが登壇。今後タイトルに収録されるかどうかは未定とのことでしたが、新作エピソードまで紹介されるというサプライズもあり、イベント全体を通して非常に楽しかったです。
どうやら現在もアーカイブ配信を購入できるようですので、興味のある方は視聴してみてはいかがでしょうか。

最後に
以上、簡単ではありますがご報告でした。
上映後に劇場を出ると、岩澤監督、寺内さん、そして出演のお二人がロビー付近で観客を出迎えておられました。こういう距離感の近さは、小規模劇場ならではの魅力ですね。皆さんとても気さくにサインにも応じておられて、かなり感激しました。
……そして、こういう時に限ってサイン用のペンを持っていないんですよね(笑)。皆さまも今後のために、一本くらい持参しておくと良いかもしれません(涙)。
また、8月には「呪われた心霊動画XXX_ZERO07」の発売も予定されているようです(※現時点では未確定情報)。こちらも非常に楽しみですね。
それでは。
コメント
今日の夜の部で観に行きました。クニコメインだと思って観ると肩透かし喰らうかもですが、それ抜きにして見ても十分「クニコからはじまる物語」で良かったと思います。映像の質も中々でしたし、登場人物が微妙に信用できない謎を持っているところも含めて見応えがありました。
この幕引きだと、もしかしたら(興行収入次第にはなりそうですが)続編とかあり得るかもですね?ittonさんも絶賛なようで何よりでしたwまだDMMには公開されていませんが、近いうちにZERO7が来るのを楽しみにしています
Baobhan-Sithさんどうもです。
まさに「クニコから始まった(きっかけだった)」話でしたね。
いろいろと小ネタ挟んでいそうなので、DVDのリリースを待ちましょう。
ZERO7も楽しみに待つ感じですね。
びっくりしたのが、まさか死画像の時代のエピソード、霊感テストが11年ぶりに伏線回収されるとは思いもなかったです。
FDさん、どうもです。
「クニコからはじまる話」本編で「霊感テスト」はチラッと出てきたと思いますが、伏線回収的なお話はありましたっけ?(すみません、記憶力があまりよくないものでして)。
20日のイベントでは「霊感テスト」ガッツリランキングに、しかも3位に入っていましたね。
FDさんが発見した、3回目コピーの映像の最後、画面が暗転する直前に顔がピッっと少し動くことにも言及してほしかったです(ツイキャスのコメントに書いたんですけどw)。
今回映像を見る限りでは、隠し要素(例を挙げると、一万ジャックの逃げる途中に一瞬映ってた顔みたいなやつ)などはありませんでしたね。要素が上手いこと繋がっていて普通に楽しめました。ただ暗い映像や手ブレが激しい映像が多かったのでめちゃくちゃ酔いましたがw
ちなみにFDさん、これはネタバレにならないと思うので言ってみますが、霊感テストはクニコ以上に一瞬の出番でした。なので伏線回収って感じではないかと…あくまでちらっと再登場程度のノリだと思います。
隠し要素のようなものは、DVDタイトルがリリースされないと確認は厳しいですね。
今一つ気になっているのは、例の心霊考察班たちの過去の写真の中で、女性の1人が「マタニティマーク」を鞄に付けていたことです。
寺内さんもいらっしゃったんですね
多忙なことはわかっているのですが、フェイクドキュメンタリーqの新作出してほしいな…
せっかくニコ動のアムモのチャンネルにお金払っているので、そっちでも期間限定とかで公開していただけないかなと思ってます(映画も結構お金かかるのと、上映館まで足を運ぶのが大変なので)
寺内さん、多忙のようで「呪いの黙示録」にはすっかり出てこなくなりました(笑)。
「Q」の新作待ち焦がれてしまいますね。
お久しぶりです
私も同じ回見ました!
地方住みなので見れる回適当に急いで予約したんですがまさか監督らがご登壇されててびっくりしました
青春を語ってましたが私にとってのモキュメンタリーホラー青春にとって岩澤監督は外せない要素ですので非常に感動したトークショーでした
内容は良い意味で思ってたのとは違う内容でしたね
XXXシリーズは繋がり意識が強い作品なのにこんな劇場作品出したらみれない人どうすんだ…と思いましたがXXXの名前出さないし完全に切り離されたクニコのスピンオフという感じでしたね
見た時なんかいつもより演技臭くない?wと思いましたがそういう認識も「歪み」なのかと勝手に思ったり…XXX続いてるにも関わらず一切触れないのもそんなシリーズはないというふうに認識歪められてると考えたらだいたい辻妻あって勝手に納得できるなと
いつもの自己責任で見てくれありましたがこんな逃げれないところで言われても笑と思って吹いてしまいました
ハコさん、お久しぶりです。
同じ回だったのですね、私は最前列の端でした(油断していたのでw)。
>内容は良い意味で思ってたのとは違う内容でしたね
そうでしたね。ただ音楽は「XXX」のものを使っていたのに構成が異なるので若干歪みました(笑)。
「自己責任で見てくれ」はおっしゃる通りですw
いやいや逃げられんってw