はじめに
「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!シリーズ」第6作目、『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!史上最恐の劇場版』のネタバレを含むレビューおよび考察です。
お話はかなりぶっ飛んだ内容となっており、以外な展開を迎えます。
概要(ネタバレ注意)
工藤、市川、田代に加え、浄霊師・宇龍院道玄、心霊現象を否定する物理学者・斉藤、売れないアイドルの小明の6人は、ネット上で「入ると発狂するか消える」と噂されるタタリ村へ向かう。
事前に紹介される投稿映像では、潜入したカップルが不可解な現象に遭遇し、女性がダムに飛び込んで失踪するという異様な出来事が記録されていた。
タタリ村はかつて「然野村(ものむら)」と呼ばれた集落で、呪術を行う一族が暮らしていた霊的な土地であり、戦時中には地下で呪術と科学を融合させた兵器「鬼神兵」の研究が行われていたという。
現地に侵入した一行は、石積みや動物の死骸が並ぶ異様な光景の中で次々と怪異に襲われる。小明が取り憑かれて暴走し、道玄や斉藤も異常な現象に巻き込まれて失踪。巨大な人型の影や光球まで出現し、状況は完全に制御不能となる。
村の秘密を探る中で、鬼神兵は女性を器として魂を喰わせることで生み出される兵器であり、戦後も研究が続いていたことが判明する。さらに、その研究に工藤の両親が関わっていた可能性が浮上する。
やがて「先生」と呼ばれる人物との対決に至り、その後、異世界で市川は首を引き抜かれ、工藤は過去の両親と対峙する。そしてついに巨大な鬼神兵が出現。工藤は呪いの力を宿した右手でこれに立ち向かい、激突の末に姿を消す。
最終的に生還したのは田代のみ。
新宿上空には巨大な鬼神兵が浮かんでいるとされるが、被害は確認されていない。
しかし映像の中で空間が裂け、首だけになった工藤と市川が助けを求める姿が現れ、その後、ビルの屋上から空に浮かぶ鬼神兵を見上げる田代の映像をもって、物語は幕を閉じる。
感想(ネタバレ)
概要は長くなりがちなため、章分けはせず超ざっくりにまとめることにしました。劇場版ということもあり、通常回より若干尺が長いことも理由のひとつです。
意外だったのは、頼もしい援軍だと思っていた道玄があっさりと退場してしまったことです。それだけ相手が強大だったということなのでしょうが、やや拍子抜けしたのも事実でした。一方で面白かったのは物理学者・斎藤のキャラクターで、最初は強がっていたのに、道玄が消えた辺りで工藤に振り回され蹴られっぱなしという情けない姿が妙に可笑しく、緊張感の中のちょっとした息抜きになっています。
そして本作では、工藤の凶暴性がこれまで以上に前面に出ています。元防衛庁の幹部を金属バットで殴りつけて証言を引き出したり、さらには「先生」を撲殺してしまったりと、もはやガラが悪いを通り越した犯罪者ですよ(笑)。
鬼神兵という存在も、スケールが大きいというか荒唐無稽というか、評価の難しい設定です。ただ「夕子」が実は鬼神兵で、人間に擬態した存在であることが明かされることで、これまでの伏線は一応回収され、物語としての整合性は保たれています(河童の池から出てきた夕子がデカかったのはこれね)。
また、工藤の両親殺害に関する過去の伏線もここで明確になり、シリーズを追ってきた者としては納得のいく展開でした。
唯一腑に落ちなかったのは、市川による「先生」の遺体損壊の場面です(笑)。自分や工藤の痣が消えないことから、どうせ助からないという諦めの感情だったのかもしれませんが、これまで理性的に工藤を諫める役回りだった彼女にしては極端な行動で、思わず「どうしちゃったの?」と言いたくなりました。工藤ですら若干引いていたし。
それにしても、この状況からどうやって工藤と市川を救出するんですか、田代さん(白石監督なんですけどね)。というか、そもそも助かるのでしょうか。結果として主要メンバーがほぼ壊滅するという、シリーズとしてはかなり意外な展開でした。
尚、最後の鬼神兵が上空に浮かんでいるシーンですが、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の前座の「巨神兵東京に現わる」を思い起こさせますね。
スタッフロール後のアバンは、これまでのような驚かせるための演出というよりも、下半身がタコのように変異してしまった工藤と、首だけの状態となった市川が異世界に囚われている様子が描かれます。この先どう物語が続いていくのか、まったく予想がつきません。
では。
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