はじめに
またまた映画レビューします。
映画「カルト」は2013年7月に公開された邦画で、POV・モキュメンタリーの手法を取り入れた、ホラーフェイクドキュメンタリーですが、あまりそれを感じさせず、撮影カメラ担当は後半まで空気に徹しています。
監督は「ほんとにあった! 呪いのビデオ」で「THE MOVIE」「THE MOVIE2」「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」先日レビューした「オカルト」、最近では「近畿地方のある場所について」などを、手掛けた白石晃士氏です(今回は役柄で登場しませんw)。
概要(ネタバレ注意)
この作品に可愛いチワワちゃんが登場しますが、この作品の中では無事ではありません。
ただし、直接的なシーンはありませんし、チワワちゃんの苦しむシーンもありません。チワワちゃんの成れの果てとして、なんか赤黒いものがモザイク越しに登場しますが、これは美術さんが苦心して作ったそれっぽいものでしかありませんので、ご安心ください。
また、猫ちゃんの体の一部が登場しますが、これも美術さんの作成した小道具でしかありません。
これらのことは特に強調させていただきたいと思います。
心霊番組の企画でレポーターを務めることになったあびる優、岩佐真悠子、入来茉里の3人(それぞれ本人役で登場)は、神主のような格好をした、いかにもそれらしい雰囲気の霊能者を伴い、怪奇現象に悩まされている一家のもとを訪れる。
母と娘の二人暮らしのその家では不可解な出来事が続いており、同行した霊能者が除霊を試みるものの、かえって状況は悪化。娘はついに悪霊に取り憑かれてしまう。
力不足を悟った霊能者は師匠を呼び寄せ、改めて除霊に挑むが、それも決定打にはならず、事態はさらに深刻化。二人の霊能者すら打ちのめされるほどの存在に直面し、より強力な術者へと助けを求めることになる。
やがて現れたのは、新宿のホストとしか思えない風貌の、スカした若い霊能者。粗暴さも感じさせる彼は、本名を名乗ることを拒み、映画『マトリックス』に因み、自らを「NEO」と名乗る。
こうして、得体の知れない強大な悪霊との本格的な対峙が幕を開ける――はずだったが。
感想(ネタバレ注意)
正直なところ、本作の印象は「心霊ドキュメンタリー」というよりも、どこか特撮ヒーロー作品のような趣があり、非常にエンタメ性の高い一本でした。怖さ一辺倒ではなく、見ていて純粋に楽しいと感じられる作品です。
前半は比較的オーソドックスな除霊パートが中心で、神主のような装束の霊能者が登場します。この人物がそれなりに有能そうに描かれているため、安心感があるのですが、それが後の展開への布石になっています。怪異の演出も丁寧で、特に盛り塩が爆散して不気味な模様を描くシーンや、幽霊の造形がなかなか印象的で、しっかりとした恐怖演出が光ります。取り憑かれた少女の高速での後ろ歩きなど、細かな演出も効果的で、白石監督作品らしい不気味さが感じられます。おなじみの「霊体ミミズ」的なビジュアルが登場する点も、ファンには嬉しい要素でしょう。
しかし、頼りに見えた霊能者とその師匠ですら歯が立たず、事態は一気に絶望的な方向へと傾きます。ここまで積み上げてきた「なんとか対処できそう」という空気が崩れることで、作品全体の緊張感が大きく高まります。
そんな状況の中で登場するのがネオです。このキャラクターの登場によって、作品の空気は一変します。それまでの消耗戦とは異なり、口は悪いものの圧倒的な存在感で霊をいなしつつ、現象の本質を見抜く洞察力も兼ね備えており、まさにヒーロー的な立ち位置の人物として描かれています。カルト的な儀式による危機的状況に颯爽と現れる姿は、強いカタルシスを感じさせます。
さらに、単なる無敵の存在にとどまらず、能力を使い切ったタイミングで不測の事態が起きるなど、展開に揺らぎがある点も興味深いところです。岩佐真悠子の“取り憑かれやすさ”を逆手に取って少女を救う場面などは、機転の良さが際立ち、キャラクターとしての魅力を一層引き立てています。
ただし、物語の締めくくりは、いわゆる「俺達の戦いはこれからだ!」で終わるため、人によっては消化不良に感じるかもしれません。個人的にも「ここで終わるのか」と思わされるラストでしたが、シリーズもの的な広がりを感じさせる構成とも言えます(広がらなかったみたいですが)。
総じて、ホラーとしての恐怖と、ヒーロー作品的な爽快感が独特のバランスで共存している作品です。純粋な心霊ものを期待すると意外性を感じるかもしれませんが、この振り切った作風は非常に魅力的でした。
ただし、ちょっと犬好きには辛いシーンがあります(特にそれまでが可愛いのでなおさら)。
最後に一言。
「続きはどこで見れますか(バァン!)」
それでは。
コメント
…申し訳ない。そういえば犬のシーンありましたね。
うかつでした。大反省…
実はこれ続編では無いんですがちゃんと後日談みたいのは用意されてるみたいで
いつか何かしらの形で公開したいと白石くん言っとりました。
期待せずに待ちましょうw
あのチワワちゃん、可愛いくて名演技だっただけにショックでした(笑)
これはフィクションこれはフィクションこれはフィクションと頭の中で唱えておりました。
因みに「ジョン・ウイック」もトラウマです(笑)。
一方、「SISU シス 不死身の男」では犬は無事だという前評判を聞いていたので安心して観ていられました(笑)。
>いつか何かしらの形で公開したい
これ期待しますね。
ネオ君、心霊モノにはなかなか無い、良いキャラです。