はじめに
「ほんとにあった!呪いのビデオ116」のネタバレを含むレビューおよび考察です。今回より完全な美濃氏体制となります。
このレビューはネタバレ満載ですので、本タイトル未見の方はご注意のほどよろしくお願いいたします。
未確認飛行物体(怖い)
概要
隅田川のクルーズ船から撮影された映像。レインボーブリッジ付近の夜空に、奇妙な人影が浮遊していた。打ち上がる花火をバックに佇むのは、どう見てもワンピースを着た女性。片手で髪をかき上げる生々しい動作まで確認できる。投稿者は思わず声を上げるが、船が動くにつれ、その存在は橋の陰へと隠れてしまう。「あれは何だったのか」――そう思った次の瞬間…。
感想(ネタバレ)
まあ、あれですよ。こいつ落ちてくるんです。
ホントの人間が落ちてきたら驚くどころじゃありませんが、そうは言ってもこれは幽霊(たぶん)なのでうおっと驚くだけで済みます。ただ、投稿者はこの後、黒い女性が登場する悪夢を見るようになってしまいました。
ただカメラでとらえたその存在は通常再生ではなんだかわからず、なんか画面が揺れて荷物か何かが落ちてきたようにしか見えないのがちょっと残念。スローで見てようやく判るんですが女性の顔がバッチリ写っていました。ちょっと怖いですね。
そもそも空に人が浮いているというのが僕は怖いと思うんですよね。遠くにいると言っても同じ空間に存在する。空間を超越したその存在と自分との間に何も遮蔽物がない。そんな状況はいつでも距離を詰められそうな怖さがあると思います。
似たようなシチュエーションのエピソードで「ほん呪13:前触れ」や、落ちてくる点では「ほん呪89:繰り返される死」も思い起こされます。
別荘(少し怖い)
概要
投稿者が幼少期、父親が所有していた別荘で撮影された映像。何が楽しいのか、部屋の中で赤ちゃんがケタケタと笑い出す。しかしその奥、ローテーブルの下に存在するはずのない「何か」が映り込んでいた。
実はこの別荘、前の所有者である大学教授が、教え子の女子大生との痴情のもつれの末に彼女を殺害する、という事件が起きた場所だったという。不穏な事実を知ってか知らずか投稿者の父親は、その後すぐにこの別荘を転売してしまったとのことである。
感想(ネタバレ)
赤ちゃんの側にあるテーブルの下を、不気味な女性が這っていますね。顔に血管のようなものが赤く浮き出ていて、それがあまりにもはっきり見えすぎるため、まるで漫画のキャラクターのようです。画面に向かって思わず「嘘やろ!」と突っ込んでしまいました。
ただ、怪異が現れる直前に、赤ちゃんが狂ったように――と言うと少し大げさかもしれませんが、急に笑い出す演出はかなり怖かったです。投稿者と思われるお兄ちゃんも「なんで笑ってんの?」「笑いすぎ」と不思議そうに呟いていて、そのやり取りが非常にリアルでした。
だからこそ、その辺りの不気味さがとてもリアルな分、肝心の映り込んだ幽霊が漫画のようで現実味がなく、映像的に少し浮いてしまっているのがかなり惜しいなと感じました。
パワースポット(少し怖い)
概要
投稿者が家族と訪れた、地元で有名なパワースポット。そこには社(やしろ)の下に掘られた、洞窟のような場所があった。その洞窟の出口に一人の男が佇んでおり、こちらに向かって立ち上がってくる。だが、映像に映る周囲の人々は、その存在に全く気づいていないようだ。カメラがその場所から一瞬視線を外し、次の瞬間に再び映し出した時には、すでに男の姿は消えていた。
実はこの近くにある湖では、明治時代の水道関連工事の際、多数の犠牲者が出たという歴史があるそうだ。
感想(ネタバレ)
舞台となっているのは京都にある少しマイナーな神社ですが、パワースポットマニアの間では有名な場所のようですね。ナレーションで言及されている非常に有名な湖までは5キロほど離れているので「すぐ近く」とは言えませんが、当時の工事犠牲者の慰霊碑はこの神社の山を下りてすぐの場所にあります。
映像に関しては、程よく画質が荒いおかげで不気味な雰囲気がより強調されていました。映り込む男の姿も、なんとなく輪郭が崩れたような薄汚さがあり、妙にリアルで気持ちの悪い映像に仕上がっています。
ところで、カメラが洞窟から出て出口を振り返るシーンですが、家族らしき3人が出てきた後、さらに別の人影が見えますよね。その人影が完全に洞窟から出てくる前に映像が終わってしまうので真相は分かりませんが、これは遅れて出てきた同行者(家族)なのでしょうか……それとも……。
Backrooms -前編-(怖い)
概要
新演出・美濃と、新たに加わった演出補・宮田の紹介から本編が始まる。近年、多様化する投稿メディアの現状が解説された後、藤田暁美さんから寄せられた映像へと進む。
投稿者は藤田暁美さん。彼女が実家で発見したという、2004年に撮影された映像である。内容は、亡き曾祖母の家の片付けに訪れた際の記録。暁美さん、姉の梨香子さん、兄の秀陽さんでかくれんぼをしている。撮影者は秀陽さんで、彼は納戸の奥にもう一つ扉があることを発見。真っ暗なその部屋に明かりを向けると……。
その後、暁美さんたちは意識を失って倒れている秀陽さんを発見する。意識が戻った彼は様子がおかしくなり、家族が寝ている間に失踪してしまった。それを機に両親は言い争いをするようになり、すぐに離婚。姉妹は母方に引き取られた。
スタッフはわずかな手がかりから問題の屋敷を特定し、暁美さんと現地を訪れる。すると、演出補の宮田が「この屋敷に見覚えがある」と、別の投稿映像の存在を明かす。その映像は、本来建物がない「鳥居が立つ場所」から撮影された、物理的に不可能なアングルだった。宮田は、これが海外発祥の都市伝説「The Backrooms(本来ないはずの空間)」のような現象ではないかと推測する。
感想
ここで新演出補・宮田氏の紹介です、って一人だけなのかな?
納戸のような部屋の奥に隠し扉があり、そこが異世界に繋がっている……というような設定ですね。よくある王道の展開ですが、今のところはまだ「少し不気味だな」と感じる程度です。ただ、異世界らしさを感じたのが、部屋の中が真っ暗な点です。明かりに照らされた先に、なぜかアルミサッシの窓があるんですよね。7月の夕方であれば、まだ日が落ちていないはずなので、時空が歪んでいるような印象を受けます。まあ、単に雨戸を閉め切っているだけかもしれませんが。
秀陽さんが目撃したのは、こちらに向かって歩いてくる半透明な裸足の足です。3人分ありましたね。シチュエーションとしては確かに怖いのですが、足が映り込むという怪異はこれまでもよくあったため、映像的な新鮮味は少し薄いかなと感じました。
「The Backrooms」の都市伝説はもっと近代的で簡素なビル内の迷路のような空間で、ちょっとイメージが異なるような気がします。
カラオケ(怖い)
概要
お正月に親戚一同が投稿者の祖母の店に集まった宴会の風景。
壁一面に備え付けられた鏡の中に白い着物の女の姿が写っている。その女は壁に向いて前方に進もうとしているようにも見える。またソファにいる子供に数本の手が伸びてきている。この子供は半年後に亡くなってしまったというのだが…。
感想(ネタバレ)
最初全然気が付かなかったんですがリプレイ後改めて観るとはっきりと確認できますね。まず鏡の中に写る白い着物の女なんですが左右に揺れるように動いていて丁度カラオケの伴奏にリズムがあっているので、それに合わせて踊るおちゃめな幽霊なのかと思っちゃいましたよ。でも壁を向いているのが謎なんですが。
ソファにいる子供がその場を離れるときに追いかけるように伸びてくる2本の手なんですが、白い袖が見えておりあの着物の女の手かと思うとちょっと怖かったですね。
最初は地味な消化エピソードかと思ってましたが、見るたびに不気味さが増して意外と怖くなってきました。
シリーズ監視カメラ・街頭カメラ(ヌッコ)
概要
都内の路上に設置された定点カメラにターボババアが写った。
感想
まず救急車のサイレン。その後犬の遠吠えのような叫び声。そして画面左上の歩道にヌッコが横切ります。ヌッコに視線を奪われていると以下の現象を見逃します(笑)。
手前の車線を通過する車と並走するような、なんかの影がその車を追い越すように超高速で横切ります。静止画ではほんとに「ターボババア」そのものです(笑)。
あまりに早くて「なんだ今の?」って感じです。よくわからないのでインパクトは薄いですが、面白い現象だと思いました。
楽屋(少し怖い)
概要
とある小劇団が、公演会場の下見をしている風景を収めた映像。投稿者は、SNS等にアップするための密着動画を撮影していた劇団員・澤木さんである。下見の最中、団員の小松さんが「呼ばれたような気がする」と言い残し、一人で楽屋へと入っていく。その後、澤木さんもこの小松さんに名前を呼ばれたような気がして、彼の後を追うように楽屋へと向かう。
しかし、辿り着いた楽屋は照明も落ちており真っ暗な状態だった。不審に思った澤木さんが、カメラで楽屋のあちこちを探索するように照らす。すると、その暗闇の先には……。
この不可解な事件以来、小松さんは失踪し、現在も行方不明のままだという。さらに恐ろしいことに、スタッフが取材を行った後、投稿者である澤木さんとも連絡が取れなくなってしまったとのことである。
感想(ネタバレ)
楽屋の暗がりにある棚の上に、顔が三つ重なったような怪異が映り込んでいましたね。その顔はグレーに変色して生気がなく、どこか崩れたような質感で、まさにこの世のものとは思えない不気味さがありました。そのうちの一つの顔が口を開き、投稿者の名前を呼んでいるらしいのですが、音声が不明瞭なため、私には何と言っているのかまでははっきりと聞き取れませんでした。
投稿者の澤木さんと連絡が取れなくなってしまったため、番組側も追加取材が叶わず、この劇場(小屋)に関する因縁や曰くなどは分からないままです。重なっていた顔が三つあったことから、過去にここで同じように行方不明になった人たちの成れの果てなのだろうか……と不穏な想像が膨らみます。
2回目以降は落ち着いて観られるのでどうということはありませんが、初見の時は演出のタイミングもあって、ちょっとビックリさせられました。
Backrooms -後編-(少し怖い)
概要
前編の投稿者・藤田さんの曾祖母の家と思しき場所を探し当てたスタッフ一同。しかし、その屋敷と酷似した建物が登場する、別の投稿映像が存在した。それが、ここで紹介される新たな投稿者・沢城さんの映像である。
沢城さんが建築関係の仕事で、ある民家の解体作業の進捗を記録した映像。そこへ、突如として別の映像が入り込んでしまう。全く異なる風景が差し込まれ、終始うめき声のような音も確認できる。建物内から件(くだん)の屋敷を撮影したかのようなアングルだが、画面全体が赤く染まっており不気味な様相を呈している。やがて、格子の曇りガラス窓がひとりでに開き、あの屋敷の断片が姿を現した。最後は黒い手がカメラのレンズを覆い隠し、映像は終了する。
沢城さんの証言により、映像に映る屋敷は解体中の民家にほど近く、藤田さんの曾祖母の家と同一であることが確認された。この「F邸」も区画整理で解体される予定だったという。しかし、解体作業に関わった人員に次々と事故が発生したため、作業を中止せざるを得なかったそうだ。
スタッフは関係各所への調査を行い、「F邸」の登記簿上の履歴を確認した。大正9年に建てられた当時の地主は、戦争による登記簿の消失により不明。一時、千葉県S市の管理となるが、1969年に「有島」氏が登記する。その後は親族に継承されたものの2005年に売却され、再び市の管理となって公営住宅の建設予定地となったが、この計画は頓挫していた。その後、現在は「花森」という人物が登記していることが判明する。また調査の過程で、1980年頃まではこの敷地内に「離れ」に相当する別の建物が立っていたことも分かった。
現在の所有者である花森は心霊系のイベントを主催しており、その影響で近隣住民から白眼視されているという。スタッフはこの人物へのインタビューに成功。話を聞くと、イベントというよりは心霊系のレンタルスペースとして貸し出しているとのことだった。しかし、あの屋敷では事故や失踪などのトラブルが相次いでいるという。あまりにも異変が続くため、元の所有者にコンタクトを取ったところ、当時の家主が変死していたという話を耳にしたそうだ。
スタッフは藤田さんの希望もあり、離婚以来会っていなかった父親との対面を段取りする。散らかった部屋で久々の再会を果たす父と娘たち。だが、父親は突如として激高してしまう。
続く
次回予告
狂気の父親との接触。その先でスタッフが目撃した、衝撃の結末とは。
「F邸」に眠る血塗られた過去へ迫る調査。交差する家族の思いと、隠され続けた戦慄の真実。
『ほんとにあった!呪いのビデオ117』。底なしの因縁が、ついに紐解かれる――。
感想(ネタバレ)
まず、例の屋敷が「心霊系レンタルスペース」として貸し出されていることが判明しましたね。これなら現地取材がし放題ですし、例の納戸の奥に本当の部屋が存在するのかどうかを確かめることもできそうです。(スタッフの身に何か良からぬことが起こるかもしれませんが……)
事故物件を一晩レンタルするスタイルといえば、事故物件ホラーでおなじみの「暗夜-ANNYA-」さんが主催する企画を思い出します。「茨城S邸」などは本当にガチな雰囲気があってゾクゾクしますよね。とは言っても、私自身がそこで実際に一夜を過ごすのは本当にまっぴらごめんです。
そういえば、YouTuberのフィッシャーズのダーマ氏が、この「茨木S邸」の「苦エスト」を全てチャレンジしてケロッとしていたのには笑ってしまいました。ちなみに、彼がクリアできなかった「苦エスト」が、心霊クイズと臓器パズルという、全く怖くないジャンルのものだけだったというのも面白かったです。https://www.youtube.com/watch?v=E74aNwK3FrU
閑話休題。
今回のエピソードですが、基本的にはスタッフの取材パートがメインで、新たな心霊映像は沢城さんのものだけでしたね。ただ、こちらは気味が悪い雰囲気こそあったものの、建物が映っているだけなので恐怖度はそこまで高くありませんでした。中村さんのナレーションでは「子供らしき人影が……」と説明されるのですが、私にはどうしてもどこに映っているのか分かりませんでした。
感想まとめ
前作(ほん呪114)から続く真面目なドキュメンタリー路線は健在ですが、映像演出に少し手が込んでいたりと、新しい変化を感じられるのが良いですね。現状、演出補が宮田さん一人だけなのは少し寂しいですが、事務所のデスクとPCには空きがあるみたいなので、そのうち増員されそうで楽しみです(笑)。
それにしても、メインエピソードの屋敷に隠された曰くは本当に気になります。次回予告を見ると、美濃さんが藤田さんのお父さんに叩かれていたようでしたし、後半はみんな叫びまくっていたので、次巻への期待値がかなり上がりました。
ちなみに、少し野暮な話になってしまいますが、この屋敷のロケーション(場所)がどこなのか見つけてしまいました。近隣の迷惑になるといけないので、場所は秘密にしておきます。千葉県であることは確かですがS市ではありません。
メイン以外の単発エピソードの中では、「未確認飛行物体」「カラオケ」と「楽屋」が印象に残りました。
それでは。
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