放送禁止 劇場版 洗脳 邪悪なる鉄のイメージ(ネタバレあり)

housouban-movie3 レビュー

初めに

「放送禁止 劇場版 洗脳 邪悪なる鉄のイメージ」は2014年10月11日に公開された映画です。フジテレビで不定期放送されていたドラマ、「放送禁止シリーズ」の劇場版第3弾で、放送版の続編ではなく完全オリジナルで、シリーズの劇場版最後の作品になります。

前回の劇場版から5年も経っているのですね。これは驚きでした。

概要

主婦、江上志摩子さんはカリスマ主婦、久慈マリアによって強烈な洗脳を受けていた。

久慈マリアは表の顔こそ料理研究家を名乗っており、無料で調理教室やセミナーなどを主宰したり、その話術から悩める女性の救世主としてもてはやされていた。だが、目を付けた者の弱みに付け込み、自分に都合の良いように洗脳して家庭を崩壊に追い込むという裏の顔もあった。

エリート商社マンの夫、孟さんが家庭を顧みない状況から、志摩子さんは久慈マリアに悩みを相談をするが、彼女はいつの間にかターゲットになってしまい、夫とは離婚、家に入り込んだマリアによって財産を失い、キャバクラで働かされ、ましてや息子の梨乃君をも手放して養護施設に入れるよう命令されてしまう。志摩子さんがそれに躊躇するとマリアは激高するのだが、何故かそれ以降彼女の前から姿を消してしまった。

だが、久慈マリアがいなくなっても、志摩子さんの洗脳は解けず、そればかりか謎の失火で自宅は全焼してしまう。煙草の不始末という消防の見解だが、志摩子さんはタバコなど吸わない。そして幼い息子、梨乃君もその際に失ってしまう。

志摩子さんの親友でビデオジャーナリストの鷲巣みなみは、脱洗脳のスペシャリストである心理セラピスト、小田島霧花に依頼し、志摩子さんの洗脳を解くべく彼女の家に泊まり込んでの脱洗脳の攻防が始まる。その過程で驚くべき事実が次々に明らかになっていくのだが…。

感想(ネタバレ注意)

気が付いたこと、ツッコミどころ他

  • 壁に扇子が9枚飾ってあるが、何を意味するのかは分からない(9センス→6センス?)
  • 江上志摩子と小田島霧花を紹介するテロップの位置が、2人の真ん中にあるのでどちらなのかわかりにくい。というか後の展開の伏線になっている。
  • みなみが久慈マリアを知る女性にインタビューするシーン。みなみがタバコの火を急いで消す様子。志摩子宅の火事を想起させる。
  • 監視カメラ上で呆けている志摩子。アルファベットブロックで「EVIL」を描く。
  • みなみによる、元夫の五十嵐孟への突撃インタビュー。孟は浮気を否定、あの女に嵌められたとこぼす。また、今でも家族を愛している、妻と息子を守ってあげたいと述べる。
  • 孟もタバコを吸っており、火事の原因を想起させる。
  • 孟の部屋のコルクボードの写真は彼と女性の2ショット。ん?あのセラピスト(小田島霧花)に似てね?
  • この写真の中、背後の階段上に2人いる。
  • 屋根裏部屋で志摩子を監視する、みなみと霧花。姿見に子供が写っているが、霧花は一笑に付す。
  • 鏡に写っている子供はいつから写ってるの?そしていつ消えたの?録画しているからわかるよね。ずっと写りっぱなしならそこに行って確かめられるよね。何か写ったのなら、それが消えるまで確認しろとこのブログでは何度も言っ…以下略。
  • またブロックで単語を描く志摩子。「EVIL IRON」と描く。「邪悪」「鉄」という意味だが、逆から読むと「NORI LIVE」。乃理君生きているのか?
  • 志摩子へのセラピー中に子供のような足音と笑い声のような声が映像に記録されるが、この件に関しても霧花は一笑に付す。
  • ブロックで単語を描く志摩子。「IMAGE」が追加される。霧花はプロメテウスが鉄の鎖でつながれて…とか理屈をこねるが、逆から読むと「EGAMI NORI LIVE」。名字まで出てきたよ。
  • 山中で久慈マリアが首を吊って亡くなっていたというニュースが流れ、1年前に死んでいたことが判る。火事の原因はマリアではない。
  • マリアの死の直前のコンビニ監視カメラ映像。外に孟の務める運送会社のトラックがある、孟らしき男性が彼女の後を追う様子が収められていた(警察何やってんのw)。
  • 志摩子へのセラピーが開始すると、霧花はみなみが嫉妬心から火事の原因を作ったかのように誘導。みなみが感極まると志摩子が霧花の背後から「もういいでしょ」と言い「アンワインド」と霧花に何度も唱える。志摩子が霧花の袖をめくるとそこにはやけどの跡。
  • 「アンワインドニョセリ」みたいな呪文で霧花絶叫。ここで霧花と志摩子の立場が交代。実はセラピーの過程で志摩子に霧花の人格が宿り、今まで霧花を演じていたことが判る(今後の記述も志摩子と霧花が入れ替わります)。これで写真の謎回収。
  • 乃理君関係の心霊的現象は、志摩子へのセラピーの一環で、霧花とみなみの仕込みだったのか。
  • みなみの取材であの火事現場に孟の務める運送会社のトラックがあったこと、孟のアリバイは偽証だったことが判明。
  • 霧花とみなみの「その時に、私達の計画が実行されるわけですよね」という不穏な会話。
  • 志摩子へのセラピーで、火事の原因は酔った彼女が孟の残した煙草を気まぐれに吸ってしまったことが原因であることを白状。ここで洗脳が解けたように見える。自分の行為が乃理君を殺してしまったと思い込んだ志摩子は手首を切って死のうとするが、霧花の「これがあなたの真実ですね」という言葉でいったん落ち着く。
  • ここでスタッフロール。
  • スタッフロール後、志摩子の新居にみなみが訪ねるシーン。乃理君と普通に暮らしている。
  • 実は洗脳が解けた直後、実は生きていた乃理君との感動の対面シーンがあった(今までどこにいたんだ乃理君w)。
  • 火事の現場から志摩子と乃理君を救いだしたのは孟であったことが、現場の監視カメラの映像で分かる。孟は離婚調停後、接近禁止命令が出されていたことからなのだろうか、すぐに立ち去ってしまう。
  • そこに駆け寄る2人の女性の人影は、みなみと志摩子に見える。ん?志摩子?
  • 英語ブロックの「EGAMI NORI LIVE」とマリアの後をつける孟のシーンが判りやすく映像で説明される。
  • マリア死体発見現場と思しき森に煙草の空き箱。
  • 志摩子、孟、乃理君の写真。孟取材時に玄関のコルクボードに貼ってあったもののようだが、階段上の2人の人影がない。
  • 最後の母子のシーン。窓の外にはあの運送会社のトラックと孟らしき人影。見届けたようにトラックが走り去り、作品は終わる。

見逃しているシーン多々ありそうです。

感想

いや~今回は難しい。

で、まず第一印象は「うるさい」です。セラピーのシーンでされる側が「ギャーギャー」うるさかったからなんですけど(笑)。あとは乃理君の名演技が光りますね。お母さんと抱き合ってわんわん泣くシーンは、ちょっとうるっときました。あとは人知れず家族を守る孟さんカッケーですかね。

でも裏がありそうですね。実は火事の原因はみなみで、そのことは志摩子さんに気付かれていたのではないか。みなみはそのことを隠ぺいするために霧花と結託して志摩子さんを再洗脳したのではないかと考えられますかね。「その時に、私達の計画が実行される」がちょっとわかりません。

最後の火事からの脱出シーン。孟さんが立ち去ってから2人の女性らしき人物が駆け寄るのですが、その一人の髪が長く、後ろでまとめているように見えます。あれ?これって志摩子さんじゃね?実はさらに入れ替わってた?でも乃理君のお母さんに対する反応は自然だし、なんかよくわからなくなってきたぞ。

というわけで今回はかなりややこしく難解です。何回も見直さなくちゃ解けそうもありませんが、その過程が退屈で、何回も観たくならない感じです。今回は作品としていまいちだったかなと思いますが、志摩子と霧花が入れ替わるシーンなんかはちょっと驚きましたし、面白いところはあったと思います。

では。

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