はじめに
「封印映像4 犬神の呪法」のレビューと考察です。全体的に極めて真面目に作られたタイトルで、怪異にちょっと「ぎょっ」させられる描写が光ります。また、どこか人間の業や因果が絡んでいるような後味の悪い話が多い印象がありますね。
恋愛の代償(少し怖い)
概要
投稿者の横井さんが、友人の益田さんの結婚式で流す余興映像を撮影していたときの映像である。撮影場所は益田さんの部屋。もう一人の友人と、新婦へのメッセージを撮っていくという、ごくありふれた場面から始まる。
やがて一同はベランダに出て、夜景をバックにメッセージを撮ることになる。その最中、突然上から女性と思しき人影が真っ逆さまに落ちてくる。そして直後に鈍い衝撃音。慌てて下を覗き込むと、路上には黄色いカーディガンを着た女性が倒れており、血溜まりが広がっていた。友人たちは益田さんを部屋に残したまま階下へ様子を見に行く。確かに女性は倒れており、大量の血を流している。救急車を呼ぼうとするが、携帯電話を部屋に忘れてきたことに気づく。部屋へ戻ろうとしたその瞬間、再び衝撃音が響く。
見ると、今度は益田さんが地面に倒れていた。彼もまたベランダから身を投げたのである。
感想(ネタバレ)
実は最初に飛び降りた女性は益田さんの元カノ。結婚するに当たって別れ話でも揉めたらしいと言う話が聞けます。そして映像に益田さんの肩に黄色い袖の腕のようなものが絡みついていました。最初に飛び降りた女性と同じ服装ですね。
このエピソードで、ぎょっとするのはやはり真っ逆さまに落ちて来る女の姿ですね。これはかなりインパクトがありますが、スピード感があって女の表情が伺えないので直接的な怖さは控えめです。ただぎょっとするんです。この違和感が不気味です。
かごめかごめ(怖い)
概要
投稿者は某テレビ番組制作会社のAD。視聴者から寄せられた都市伝説を検証する番組のロケ映像である。舞台は番組司会を務める若手芸人の部屋。グラビアアイドルを驚かせるドッキリ企画として撮影が行われていた。
検証する都市伝説は、「深夜3時33分に、とある映像投稿サイトで“かごめかごめ”と検索すると、普段は存在しない謎の動画が検索結果のトップに現れる」というもの。本来の段取りでは、検索結果がどうであれ、芸人が突然喉を押さえて苦しみ出し、舌に仕込んでおいた「大成功!」の文字を見せてドッキリを成立させる予定だった。
しかし実際にその時間に検索すると、真っ赤なベタ塗りのサムネイルの動画が本当にヒットしてしまう。しかも検索結果の1位に表示されていたのだ…。
感想(ネタバレ)
その後、何も触っていないのに映像が選択され再生が始まってしまいます。またいつの間にか全画面表示になり、不気味な声で歌われる「かごめかごめ」がパソコンから流れ出します。
さらに、まるで彼らを後ろから撮影しているかのような映像が差し込まれます。思わず振り向くが、そこには誰もおらず、ドッキリ用のカメラも周囲を確認しても怪しいものは映っていません。
グラビアアイドルさんが一点を指さし、悲鳴を上げるところで映像は和終わります。もう一つの隠し定点カメラには彼女が指さした方向にマタニティウェアのような服を着た不気味な女性の姿が映り込んでいました。
その後、彼女は病院へ搬送。その日妊娠していたことが判明したそうです。そして入院先から失踪してしまった、という定番展開でエピソードは終わります。
Youtube映像が勝手に再生され、しかもその後に全画面表示になる展開は中々緊迫感がありました。動画に流れる気持ちの悪い「かごめかごめ」もかなりの不気味さ。司会役の芸人さんが「これ仕込み?」て感じで振り向くさまがリアルさを増していて怖かったです。
なお、「かごめかごめ」は明け方に流産した女性を歌ったものだという説が作中で示されていますが、この歌はそもそも作詞作曲者不明で、ちょっと不気味な歌詞から様々な解釈があリすぎですよね。
鉄道模型(少し怖い)
概要
投稿者は女性の貫井さん。結婚式の余興に使うため、実家で幼い頃のビデオを探していたところ、弟が映った古い映像を見つけた。祖父が撮影したもので、プラレールで遊ぶ幼い弟の姿が映っている。だが問題はその背後だった。テレビの画面にありえないものが映っていたのである。
後にこの弟は風邪をこじらせ、3歳で亡くなっている。
祖父も最近亡くなったが、晩年は悪夢にうなされるようになっていたという。夜中に突然、中国語のような言葉を叫びながら怯えることがあったらしい。祖父はよく「川の向こう岸に大勢の人がいて、笑いながら手招きしている夢を見る」と話していた。葬儀の際、祖父の戦友が「散々悪いことをした」と呟いていたという。
祖父は太平洋戦争中、中国で従軍していた。その過去と、この奇妙な映像には何か関係があるのだろうか。
感想(ネタバレ)
なにが映っていたかと言うとですね、無数の無表情な顔がびっしりと映ってたんですよ。地味なんですけどインパクトは十分にあります。数の暴力というんですか?もうこんなにびっしりと映り込んでいたらなかなか怖いですよね。
祖父の悪夢や戦友の言葉など、戦争の記憶が背後にちらつく構成が印象的で、いわゆる“因果系”の怪談に近い印象を受けます。
何をやったのか知りませんが、夢の中で「こっちに来いよ」と言わんばかりに手招きする人々が笑っていたのが不気味さや、罪深さを強調していましたね。
練炭自殺の現場(少し怖い)
概要
投稿者は某スタジオの編集マン。知人にいわゆる「自殺サイト」の管理人がおり、入手した映像の編集を依頼されることがあったという。今回の映像もそのルートで手に入れたものらしい。
映像は駅前のロータリーから始まる。撮影者は車の中から張り込みをしている。しばらくすると、ネットで集まったと思われる男性2人と女性1人が車に乗り込む。運転手を含め、計4人の自殺志願者である。
撮影者はその車の後を追う。目的地の山中に到着する頃には日が落ち、映像は暗視モードに切り替わる。志願者たちは淡々と練炭自殺の準備を始める。しかし女性だけはそれに加わらず、落ち着かない様子で周囲を歩き回っていた。途中こちらに気づいたような素振りを見せるが、特に何もしてこない。
やがて撮影者はしばらくその場を離れたのか、次の映像では車内で息絶えた彼らの姿が映されている。車のドアは外側からテープのようなもので目張りされていた。
一通り撮影を終え、立ち去ろうとしたそのとき、突然車のクラクションが鳴る。
生きている者などいるはずがないのに…。
感想(ネタバレ)
撮影者が思わず振り向くとですね、こっち見ているんですよ。死んだはずの奴らが。これは怖い。流石に怖くなった撮影者が自分の車に逃げ込むんですけど、その後部座席に先程の自殺者が一瞬映り込むんですね。ただこちらはほんの一瞬なのでそんなに怖くないです。
そして作中でも触れられているんですけど、車の状況におかしな点があります。それはドアの隙間に目張りされているんですけどそれが外側からなんですよね。さらにいたはずの女が練炭車の中にいないんです。この女何者だ?怪しいですよね。
撮影者はその後練炭自殺してしまったそうですが、これはなにかの禁忌に触れたからでしょうかね。
犬神の呪法(少し怖い)
概要
投稿者は某AV制作会社の元AD。映像はAV出演者の面接の様子を記録したものだった。
面接自体は淡々と進んでいくが、最後の女性の番になると、監督が執拗なセクハラを始める。嫌がる女性に服を脱がせたり、体を触ったりとAVとは言えやりたい放題である。プロデューサーがさすがに止めに入るが、この監督はインディーズ上がりで、過去にもレイプまがいの撮影を行ったことがあるという問題人物だった。恨みを持つ関係者も多かったらしい。
ようやく面接が終わり、辱めを受けた女性は帰り際に監督へ小さな箱を渡す。「前回の撮影のお礼です」と言い残して部屋を出ていった。監督には覚えがないようだったが、贈り物に悪い気はしなかったのか、その場で包みを開ける。
箱の中に入っていたのは…。
感想
箱の中に入っていたのは「犬の首」。正確には、犬の剥製に血のようなものが染み込ませてある不気味な品でした。さすがの監督も狼狽えていましたがその後、すぐに心不全で死んだそうです。
例のごとくこの女優さんはその後行方をくらましたが、調査の結果、四国の出身だということが判りました。四国には今でも犬神の伝承が残る地域があるといわれていることを解説してエピソードは終わります。
ぶっちゃけ「ざまぁ」としか思えませんが、犬好きとしては、犬をいじめて呪いの道具にする、犬神伝説は超苦手なんですよね。今回は「剥製」としていましたけど本物の犬の首だったということにしておけば更に凄みが出ましたよね(僕は勘弁ですけど)。やはり当時でも動物虐待ということでコンプライアンスの点で腰が引けてしまったんでしょうね。その辺の中途半端さも含めて僕はこのエピソードあんまり好きじゃありません。
それにしても監督のセクハラシーンは本当のAVみたいで、流石に良いのかよとも思いました。
感想まとめ
全体として、今回は幽霊がはっきり映るタイプの恐怖というより、人間の怨念や過去の罪がじわじわと表面に出てくるタイプの話が多かった印象があります。
直接的な恐怖よりも、後から思い返すほど不気味さが増していく――そんな回だったと言えるかもしれませんね。それぞれ地味ながらも見終わったあとに嫌な余韻が残ります。
個人的には「練炭自殺の現場」と「鉄道模型」の2本が印象に残りました。どちらも、怪異そのものよりも背景にある人間の過去がじわじわと効いてくるタイプのエピソードです。
それではまた。
コメント