「放送局に届いたある映像」 Tape.6 AIの心霊動画は呪いを生むのか?(YouTube版)

放送局に届いたある映像アイキャッチ画像 レビュー

はじめに

放送局に届いたある映像」は、CSチャンネル「メ~テレNEXT(旧エンタメ~テレ)」で制作された、心霊ドキュメンタリー風のドラマ(モキュメンタリー)番組です。完全なフィクションであり、番組の最後にもその旨がしっかりと明示されています。

今回ご紹介するのは、その第6回。「Tape.6 AIの心霊動画は呪いを生むのか?」です。

概要

心霊ドキュメンタリー好きの鹿角さんは、画像・動画生成AIを用いてオリジナルの恐怖映像を作成した。視聴した周囲の反応が見たいがために、彼は友人らに「ディープウェブ(深層Web)で見つけた動画だ」という嘘をついて映像を見せる。

しかしその後、映像を視聴した友人たち全員から「妙にリアルで奇妙な夢を見るようになった」と告げられる。それは、自分の腕や足をバラバラに切断される感覚を伴う悍ましい悪夢だった。そしてやがて、制作者である鹿角自身も全く同じ夢にうなされるようになる。

人工的に作られたフェイク映像が、本物の「呪い」を生み出すことなどあるのだろうか。

画面に10秒のカウントダウンが表示された後、問題のAI映像が紹介される。それは不気味な映像の断片が脈絡なく繋がったものだったが、そこには「Tape.1」のキリトリ線の1シーンや、「Tape.2」のクレショフ効果に登場した女性、あの奇妙な音楽、そして赤いドレスを纏った首なしの人影といった、これまでの怪異の断片がなぜか挿入されていた。

鹿角がAIに学習(生成のベースとして入力)させた静止画は、彼自身が撮影した写真と、無料の素材サイトからダウンロードした画像が混在したものだった。ここで、驚異的な観察眼を持つ菊池が、素材の中に「ある奇妙なもの」が写り込んでいる写真を発見する。その写真の暗い部分の明度を上げて解析すると、暗がりの奥に、じっとこちらを見つめる「赤い服を着た女性」の姿が浮かび上がった。

この写真は無料素材サイトから拾ったものだったが、菊池のリサーチにより、撮影場所が例の児童養護施設「音楽の家」の廃墟であることが突き止められる。その後、鹿角さんは菊池から紹介された神社でお祓いを受け、不気味な悪夢を見ることはなくなったという。

怪異のルーツが「音楽の家」に集約されていくなか、映像は「Tape.3」に登場した「スプーン戻し中年」のホームレス男性の身元へと迫る。彼の本名が、元スプーン曲げ少年「藤堂栄一郎」であると判明したところで、このエピソードは幕を閉じる。

感想(ネタバレあるかも)

相変わらず「菊池凄い!」と心の中で拍手を送った直後、作中で鹿角さん(あるいは伊藤氏)から「菊池さん凄いっすね」と、まさに視聴者の気持ちを代弁するかのようなセリフが飛び出し、思わずずっこけてしまいました(笑)。かつて『ほんとにあった!呪いのビデオ』シリーズでも、このようなメタ的でクスッと笑えるやり取りがあったなと懐かしく思い出されます。

ここにきて、バラバラだった点と線が見事につながってきましたね。かつて悍ましい噂のあった児童養護施設「音楽の家」が、すべての元凶のようです。ただし、誰が何の目的で映像を送りつけてきているのか、そして、なぜ全く関係のなさそうな映像会社の倉庫にこれらの関連映像が眠っていたのかという謎は、まだまだ解けそうにありません。

AIが学習したフェイク映像を介して呪いが感染していく……という、現代風でじわじわくる恐怖。その原因が、無料素材サイトの写真に写り込んだ「音楽の家」だったという展開はよくできています。そもそも、そんな不穏な写真がなぜ素材サイトに転がっていたのか、何らかの意思が働いていることを示唆する展開もぞくぞくします。

劇中のAI映像自体は、ぶっちゃけ雰囲気モノという感じでそこまで怖くはなかったです。脅かし要素として時々入る女の笑い声が、ちょっとうざくてイラッとするくらいでした(笑)。でも、その中に「これまでの奇妙な映像の断片」がサブリミナルのように挟み込まれているのを見つけた時は、やっぱり「ハッ」とさせられました。

それにしても、今回は菊池氏の有能さが一段と際立つエピソードでした。真っ暗な画像の中に潜む違和感を見抜く観察眼はもちろんですが、彼が鹿角さんに紹介した神社のお祓いが、驚くほど効果てきめんだった点も非常に印象的です。

そしてラストに「元スプーン曲げ少年」の正体が判明したことで、物語のさらなる進展への期待が高まります。ここまでの流れを踏まえると、この藤堂栄一郎氏は、やはり「音楽の家」の出身なんでしょう……。

それでは。

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