呪いの黙示録 第十三章(ネタバレあり)

mokushiroku13 レビュー

はじめに

「呪いの黙示録 第十三章」のレビューです。この巻はなんと1年ぶりのリリースです。もうそんなに経ってしまったかという感じですね。

奈落(穴は怖い…が)

概要

公園の地面に空いた穴に、幼い娘が興味を示して自転車の鍵を落としてしまったらしい。撮影者である母親が穴を覗き込んで鍵を見つけたようだが、なかなか取り出すことができない。娘が手を突っ込んで探るが、何かに刺されたのか「痛っ!」と手を引っ込めた。

再びスマートフォン(スマホ)のカメラで穴の中を探る母親。その映像には……。

娘の傷はすぐに治ったが、寝ている娘の指がひとりでに動くという。

感想

穴は嫌ですよね(笑)。あの狭い空間から何かが飛び出しそうでドキドキします。「あざとい」とわかっていても、ちょっと怖いですよね。

ですが、写り込んだもの自体は地味で、少し肩透かしを食らいました。

密契の棲家 前編(怖くない)

概要

選べる案件もなく、事務所で緩くだべっているだけの江益、真田、葛生、そしてカメラ担当のディレクター山崎たち。そこに1通のメールが届いていることに葛生が気づく。

「夫の様子がなんだかおかしい。これは心霊現象ではないか。事務所に行くから話を聞いてほしい」という内容で、状況はよくわからない。しかし、他に案件もないため、これを承諾して話を聞くことになる。

依頼者の女性は今井友希さん。彼女によると、夫の貴史さんは本来明るく陽気な性格だったが、最近息子に対する態度が変わり、あまり構わなくなったという。また、風呂場でブツブツと独り言を言っていたり、風呂場の一部に変な汚れが付くようになったりした。風呂場での夫は、何者かと戯れているようにも思えるそうだ。

その際の映像が友希さんから提供されるが、ぶっちゃけ暗くてよく分からない。ただ、風呂場の明かりもつけず、夫がブツブツと何かを話しているようには見える。

とりあえずスタッフは貴史さんを尾行してみることに。尾行開始から数日後、貴史さんが新大久保のトランクルームから何かを取り出している場面に遭遇する。その際、迂闊にも葛生が貴史さんに見つかって咎められる一幕もあったが、なんとか誤魔化す。

スタッフが友希さんにこの尾行映像を見せると、後日、彼女は夫のクローゼットから映像に映っていた小さなバッグと、ビデオカメラ、そしてカセットのようなものを見つけてきた。そのカセットは今はもう再生が難しい古い規格のものだったが、カメラ本体が生きていたため再生することができた。そこには、極めて不可解な映像が記録されていたのだが……。

感想

貴史さんは幼少期、神社で自分にしか見えない「得体の知れない何か」と友達になったようです。ですが、ビデオカメラの映像には何も映っていません。何もない空間に手を伸ばし、何かを愛でているように見えるのです。傍(はた)から見れば一人芝居にしか見えない奇異な行動を両親から咎められ、彼はその「何か」と決別することになります。その際、「このことは誰にも話さない」という血の盟約を結んだようでした。

そして数十年が経ち、忘れかけていた頃に再び「あれ」が存在を現します。友希さんの話では、風呂場でブツブツと呟いていた貴史さんのセリフに「どうして今更」「なんで?」といった言葉があったそうなので、彼にとっても予想外の再会だったのでしょう(ただ声だけで見えなかったらしいですが)。

ですが、あの時の血の盟約があるため、誰にも真実を話すことができません。そうしてしらを切り続けていたところ、実は息子には「それ」が見えているらしいと判明します。だからこそ、彼はその後、事務所に経緯を説明しにやって来るのですね。

本作では、恒例の食事シーン(サイゼリヤ)が描かれたり、真田さんが葛生さんを「江益ちゃんが気になってるんでしょ」とからかったりします。また、尾行・張り込みのシーンでは「カメラをそのまま出していて目立ちすぎだろう」と真田さんに突っ込まれたりと、スタッフ間の緩すぎる日常にはあまり緊張感がありません。「そもそも1年間ずっとこんな調子だったのだろうか」と、なんだか今後の行く末が心配になってきてしまいます。

まだ前編ということもあり、今のところは何も怖くはありません。

それにしても葛生さん、陰キャの演出のためか、常に髪の毛のどこかがピンと立っているのがご愛嬌で微笑ましいですね。

ぽかぽか家族日記(ちょっとだけ怖い)

概要

2000年代半ば、インターネット上に存在した「ある家族の日記ブログ」。ある日、おばあちゃん、夫婦、子供2人の家族5人で、山奥へキャンプに行く様子を写真とテキストで紹介する、よくある内容の投稿がアップされている。しかし、目的地に着くなり、おばあちゃんとお父さんが森の中へと消えてゆくのだが……。

感想

要するに「姥捨て山」の現代版なのですが、その場で✕✕してご遺✕を持ち帰り、バーベ✕✕✕にしてしまう……といった内容が察せられる、あまりにも狂気じみたブログです。この記事を最後に更新は途絶えているという設定ですが、「一体何の目的でこんな記事を投稿し、世界に向けて配信しているのだろう」と思ってしまうほどぶっ飛んだ内容でした。

昔のブログによくあった雰囲気を再現しているところが、また不気味さを漂わせています。ただ、もし本当にこんなページが存在したら、「嘘やろ(笑)」と「釣り(嘘の投稿)」を疑ってしまうレベルです。

それでも、そのチープさがなおさら気味の悪い味を醸し出しているようにも思え、なんだか印象に残るエピソードでした。

檻(ほんのちょっとだけ怖い)

概要

「この映像は当編集部の友人から送られてきたもの。だが、この映像が送られてきてから(その友人は)消息を絶った。情報を持つ人がいたら教えてほしい」という、仰々しいテロップから映像が始まる。

気味の悪いノイズ音や効果音が流れるなか、バックに映し出されるのは訳のわからない映像。激しいエフェクトを使って、墓石とビル群を対比させているようだが……。

感想

なんだか「売れないバンドの意識高い系ミュージックビデオ」という感じがして、前のエピソードと比べると、逆にあまり印象に残りませんでした。とは言っても、見ていて少し胸がザワザワする程度の怖さはありますね。

密契の棲家 後編(ヌッコ)

概要

貴史さんが幼少期の経験を事務所に説明しに来る。彼によると「あれ」と決別してから数十年音沙汰もなかったのに、最近急に声だけが聞こえるようになったとのこと。きっかけは心当たりがなく、あの約束があったのでごまかそうとしたが、家族への影響が心配になったとのことだ。

江益は第十一章にも登場した、あの胡散臭そうな霊能者「RAKUDA」にアドバイスを求めることにする。なぜか待ち合わせ場所にペットショップを指定してきて、かわいい猫ちゃんと共に映像を見る。

これを見たRAKUDAは「誰にも話さないという約束破ってるじゃん」とにべもない返事。「出会った神社も取り壊されて今存在しないのではどうしようもない」「せめて事象を認識する者をこれ以上増やさず、存在を忘れないでこれまでの行為を継続して現状維持するしかない」と、半ば投げやりなアドバイスしか得られなかった。

にもかかわらず、貴史さんは日に日に弱っていき、事態は最悪な展開を迎えるのだが……。

感想

胡散臭いRAKUDA氏のアドバイスは、もう「どうしようもない」とほんとに投げやりで絶望的です。これ以上知っている者を増やさないようになんて言ってるけれど、コンテンツ化している段階で視聴者に広がってしまうじゃないか、とも思いましたが、実はそれどころではありませんでした。奥様が当初から不用意にも「うちの旦那きもい」とSNSで呟いてしまっていて、もう最初から何もかも手遅れだったというオチです。

いや、貴史さん、もうちょっとうまくやれよ、とも思いましたが、生計を共にする家族がいる時点で完全に秘密にすることなど到底不可能。これは「あれ」と出会ってしまったことにより、もう幼少期から詰んでいたという事になりますね。

奥様はSNSでたくさんの人に拡散してしまったことで病院送り。息子さんは今のところスタッフにも、これに関しては沈黙を貫いているので、今のところ無事です(両親の悲劇を見ているしね)。ですが将来が心配ですね。もうどうすりゃいいのよこれ。

なんとも理不尽でご無体な話です。

印象に残ったのは、RAKUDA氏のインタビューシーンでの前開きのワンピースのボタンの間から覗く江益さんのおみ足(失礼)と、可愛い猫ちゃんでした。

因みにこのペットショップ、容易に特定できましたが現役施設なので、場所については触れないでおきます。

感想まとめ

あまり怖くないのが心霊ドキュメンタリーとしてはちょっと残念です。貴史さんだけが見えている(た?)謎の生物(妖怪?)の存在が、何かしらビジュアルで確認できればもうちょっと不気味さが伝わるかと思いますが、素人考えでは具体的な表現方法は思いつきません。

でもなにか気持ちの悪いどんよりとした雰囲気はあります。友希さんがSNSで既に呟いていたという絶望感が終盤で判明するというのが、このエピソードの肝ですね。

隙間エピソードは相変わらず存在感が無いのですが、「ぽかぽか家族日記」の何とも言えないチープさからくる怖さが印象に残りました。

それでは。

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