「放送局に届いたある映像」 Tape.5 号令(YouTube版)

放送局に届いたある映像アイキャッチ画像 レビュー

はじめに

放送局に届いたある映像」は、CSチャンネル「メ~テレNEXT(旧エンタメ~テレ)」で制作された、心霊ドキュメンタリー風のドラマ(モキュメンタリー)番組です。完全なフィクションであり、番組の最後にもその旨がしっかりと明示されています。

今回ご紹介するのは、その第5回。「Tape.5 号令」です。

概要

情報提供者は工藤さんという若い女性。それは約1年前の2024年12月、彼女が当時の交際相手の男性とともに、通称「音楽の家」と呼ばれる心霊スポットの廃墟を訪れた際の映像である。

その施設はかつて児童養護施設だったらしく、園内から合図音なのか、チャイムのかわりなのか、度々奇妙な音楽が流れてくるという噂からその名で呼ばれていた。1990年代に園長が死去したことで施設は閉鎖され、以降は廃墟と化していた。さらに、そこからは身元不明の白骨遺体が大量に発見され、それらはすべてバラバラに切断されていた……という、おぞましい噂が囁かれる場所でもあった。建物はすでに解体されて更地になっているが、今なおそこから音楽が聞こえるという噂もある。

映像の中の更地で、交際相手の男性はひとつの金属製の箱を見つける。中には、顔が歪んだ「赤い服の女性」のポラロイド写真が入っていた。彼は何を思ったのか、よせばいいのにその写真を自宅へ持ち帰ることに決めてしまう。

帰り道、別の心霊スポットへ向かう途中で、男性は自動販売機で飲み物を買うために車を降りた。一人で車内に残された工藤さんだったが、その直後、カーオーディオから不気味な音楽が大音量で流れ出す。慌てて彼を呼ぶが、自販機の前にいる彼は一向に気づかない。そうしているうちに、男性は自販機の前から忽然と姿を消してしまう。同時に、音楽に混じって激しい叫び声と、女の高らかな笑い声が響き渡った。迅速に、男性の「切られちゃった」という掠れた声とともに、音楽はピタリと止んだ。

この怪異の最中に流れていた不気味な音楽は、「Tape.1」で流れていたあの曲と全く同じものだった。そのため、放送を見た工藤さんは伊藤の元へ映像を提供することを決意したという。

当時、行方不明となった男性は、2〜3日後に約30キロも離れた場所で発見された。彼には前後の記憶が一切なく、なぜか体中のあちこちに「点線のような傷」が残されていたという。その後、彼とは連絡が取れなくなり、工藤さんは1年以上も彼に会っていない。

しかし去年の夏頃、その男性から突然、工藤さんの元へ郵便が届く。中身は、あの夜に彼が持ち帰ったはずの不気味なポラロイド写真だった。意味が分からぬまま、工藤さんはその写真を一度も確認することなく、今回の取材のために事務所へと持参する。

だが、岩澤たちの前で改めてその写真を開封した瞬間、工藤さんは激しく動揺することになる。写っている女性の顔が、彼女の記憶にある当時よりもさらに激しく歪み、明らかに「変化」してしまっていたのだ。

──見るたびに変化する写真。これは以前、クレショフ効果の映像を見た麦田が放った言葉と、奇妙に符合するのではないだろうか。

感想(ネタバレあるかも)

おっと、物語がいよいよ怖くなってきましたね。

今回は「音楽の家」という新たなスポットが登場しますが、そこで発見された「赤い服の女性の写真」の顔の歪み方は、かなり不気味でゾクゾクさせられます。この手のホラー作品を見るたびに、小道具のクオリティの高さにはいつも感心してしまいます。また、この「赤い服の女性」という要素は、「Tape.2 クレショフ効果」に出てきた女性の姿を強く連想させますね。

それにしても、こんな不気味な写真を拾って持ち帰ろうだなんて、「お前正気か?」とツッコミたくなってしまいます。ですが、こうしたホラー展開において、なぜか引き寄せられるように危険な行動を取ってしまう犠牲者は、本当に後を絶ちません(笑)。

映像の中で工藤さんの彼氏は姿を消してしまいますが、よく見ると、自販機の横を少し窺ってから、何かに引っ張られる、あるいは吸い込まれるようにして自販機の陰へと消えていっています。

そして、その時にカーラジオから流れているあの奇妙な音楽。皆様はお気づきになりましたでしょうか。実はこの時、カーラジオの周波数表示が「963」を示しているのです。これは「Tape.1」でBON氏が口にしていた「ソルフェジオ周波数」の数値とピッタリ一致します。もっとも、ソルフェジオ周波数は「963Hz」、カーラジオの表示は「963kHz」という単位の違いはありますが、意図的な演出であることは間違いないでしょう。

さらに、のちに発見された彼氏さんの体に残されていた傷跡。これは「Tape.1」のタイトルにもあった「キリトリ」線と見事に符合します。彼はあの怪異を経て、「完全な人間」に生まれ変わってしまったのでしょうか。

取材班の前でさらに変化していた写真。まさに今も怪異が現在進行形で続いているかのように感じられて、実に面白い展開です(まあ、ホラーではよくある王道の展開と言えばそうなのですが)。恐怖よりも、今後の展開へのワクワク感が勝ってきたことを、ここに嬉しくご報告いたします(笑)。

最後に、Youtubeのコメントで気が付きました。ドアミラーに赤い服の女が写っています…(怖)。

それでは。

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